最悪期まであと2年!次なる大恐慌

読んだ本の感想。

ハリー・S・デント・ジュニア著。2010年1月28日 第1刷発行。



以下は、著者のWebサイト。

http://www.dentresearch.com/

プロローグ 複雑な変化を生み出す単純な原理
人間社会においては、一定のパターンが繰り返されているという説。経済予測では、人口と科学技術のサイクルが重要であるとしている。

第1章 迫りつつある大暴落と、その後の大恐慌
2000年代に始まったバブルが終わる。アジアの株式バブルは、2010年までに暴落する。最後に生じるバブルは、原油や市況品のバブルであり、2009年の終わりから2010年の半ばに生じると思われる。

⇒ベビーブーム世代の支出が伸び悩むため、先進国の経済は2010年から2023年にかけて減速する。政府による景気刺激策で景気が底を打った場合、以下が発生する可能性。

①インフレ圧力
29年~30年周期のコモディティ・サイクルのピークに向けて、原油価格が100ドルを目指す。
②景気悪化
デフレと人口トレンドが景気刺激策を帳消しにする。

米国株価の調整は2012年後半まで。しかし、資産の安全な避難先は現金と短期金融商品だけである。中期的にはアジア株やヘルスケア株を購入するべき(弱気相場の最中に株価が上昇するベア・マーケット・ラリーによって2012年半ばから2017年半ばまで株価が上昇する可能性)。

景気は、2017年半ばから2020年前半まで、再度悪化する見込み。ただし、2010年の悪化ほど厳しくない。悪化した状態は、2023年前半まで長引く可能性もある。

⇒著者の予測として、2010年から2012年には1930年代初頭以来の経済危機が発生し、ダウ平均は3800ドルまで下落する可能性があるとしている(米国の失業率は、2011年初頭から2013年半ばにかけて12%~15%程度になるとしている)。この予測は外れた。

その後、世界経済は2036年頃まで好景気となる。中国等の東アジアの経済は、同期間に減速するが、2010年代に欧米に資金援助を行い、金融面での地位を強化する可能性がある。

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2007年までの米国の好景気の推進力は、80年周期で発生するニュー・エコノミー・サイクル(1960年代、1970年代に立ち上がった情報処理技術)と、ベビーブーム世代(1937年~1961年に生まれた人々)の家計支出サイクルである。

この構図は、1914年~1928年に、ヘンリー・フォード世代の支出増加と自動車・電気・石油の利用等の革命によって好景気が発生した事と同様である。第一次世界大戦があった1914年~1918年はインフレが株価上昇を抑制したが、1920年代には、上記要因に低金利が重なり、1925年~1929年の株式バブルを発生させた。

1907年~1924年の米国株価の調整は、1987年~1994年の調整と似ているとしている。1914年~1919年のテクノロジー・バブルは、1994年~2000年のITバブルに対応する。
そして、今回のバブルが1942年~1968年のバブルと異なるのは、以下の点である。
 ・ベビーブーム世代より人口が少ないボブ・ホープ世代が中心
 ・19世紀後半に造られ斬新的に進歩した技術による
 ・株価上昇率が年間10%~11%程度で調整も20%程度で済む

第2章 経済を動かす人口サイクルとテクノロジー・サイクル
経済を動かす要因としての以下のサイクル。

◎人口サイクル
新しい世代が40年毎に誕生する事で、サイクルが40年おきに発生する。新世代の支出がピークに達するのは46歳~50歳の時で、その後は貯蓄を増やすようになる。

ボブ・ホープ世代:第二次世界大戦世代。
         1921年~1924年まで出生数増加。
ベビーブーム世代:1937年~1961年に生まれた世代。
エコーブーム世代:1990年と2007年に出生数のピークを迎える。

⇒世代の出生数のピークは、約40年離れるとしている。エコーブーム世代の出生数のピークの中間を取れば、約40年であるらしい。

ペビーブーム世代の出生数は多く、こうした世代は250年おきに登場するらしい。革命的変化の要因。

新世代が40代後半になると、所得や支出、生産性がピークになり、経済がブームを迎える。出生数が多い年の48年後は好況になり易い。インフレ調整後のダウ平均は、米国の出生数のグラフを約50年ずらしたものと相関関係にあるとしている。

そうすると、米国経済のブームは、ベビーブーム世代の支出が増え始めた1983年頃から始まり、2009年頃にピークを迎え、2020年代初頭にかけて坂を下っていく公算が高い。その後は、2040年代初頭までエコーブーム世代の支出が増える事で好況になるとしている。

同様に考えると、東アジアは2020年頃までに減速し始め、2035年からは下降トレンドに入る。そして世界人口がピークに達する2060年代末期から2070年代に大恐慌が発生するらしい。

◎テクノロジー・サイクル
革新的な技術は、60年~80年おきに発生するとしている。技術はS字曲線に乗って主流になるらしい。指数関数的に伸びる技術では、普及率が0.1%から10%に上昇する時間と、10%から90%に上昇する時間、90%から99.9%に上昇する時間は等しくなる。

自動車の場合、発売されてから都市部の世帯の10%に普及するまで14年かかった。その後の14年で普及率は90%まで高まる。その過程で、1914年~1928年の株式バブルが発生した。その後、1929年~1942年に、都市部における自動車の世帯普及率は90%~99.9%に上昇したが、成長率は鈍化した。

以下は、新技術のライフサイクル。14年~28年で完結するとしている。

①革新段階
普及率が0.1%~10%の段階。オピニオン・リーダーからアーリー・アダプターに移る時期。
②成長ブーム
普及率が10%~90%に上昇する段階の前半。指数関数的成長は、一般家庭の普及率が約40%になる = アーリー・マジョリティの段階が終わるまで続く。
③淘汰段階
普及率が40%~60%の段階。多数の企業が撤退を余儀なくされる。
④成熟ブーム
普及率が90%に達し、レイト・マジョリティにも技術が行き渡った段階。

上記の考え方では、2008年~2012年に適者生存の戦いが起こる?この淘汰によって失業が発生し、FRBは2011年までに短期金利を0%近くに下げ、30年物米国債の利回りは2%前後に低下する。2011年~2013年にかけて連邦政府の財政赤字は1兆ドルを超える。政府は1930年代と同様に、企業と富裕層の税負担を引き上げる。

現在の重要技術は、90%近い世帯に普及しており、1928年当時の状況に近いとしている。携帯電話は、1994年に10%の世帯普及率だったが、2008年には90%の世帯に普及している。ブロードバンド接続も、2009年頃にはインターネット利用者の90%になっていると予想される。

市場が飽和状態に陥った結果、IT関連株は急落し、2010年後半か2012年半ばにナスダック指数は1108ポイントまで下落する可能性があるとしている(この予測は外れた)。

◎ニュー・エコノミー・サイクル
80年で完結する科学技術のサイクル。

①イノベーションの季節
1969年~1982年。この時期は、ベビーブーム世代が就職した事により、教育費用等によるインフレが発生したとしている。労働人口の伸び率を2年半ずらすと、インフレ率と相関関係があるとしている。1970年代に高インフレが生じた主因は、新世代を労働力に組み込む投資が嵩んだ事が主因とする。こうした時期は、小型株が値上がりし易いとしている。
②成長ブームの季節
物価が高騰する。1983年~2009年。イノベーションの季節で作り出した新技術が普及する。テクノロジー・バブルが発生し、株式や不動産の価格を持続不可能なレベルに押し上げる。
③淘汰の季節
ディスインフレ。新技術がさらに普及する。1930年代の恐慌は、新技術が普及する舞台を用意した。バブルによって起業家は新技術を実験出来る。資産バブルが生じる事により、資金を確保出来る。
2010年代は、1930年代と同様にデフレが生じるとしている。新技術の市場が飽和しており、世代要因により支出も減少する。
④成熟ブームの季節
デフレ。1942年~1968年。淘汰の季節を乗り切った大企業が、以前よりも大きな経済を享受し、さらにイノベーションを勧める。2023年~2036年頃に成熟ブームが到来すると予想している。

第3章 地政学サイクルとコモディティ・サイクル
以下のサイクル。

◎地政学サイクル
32年~36年周期。地政学バブルが1990年代に米国株の上昇を抑制した結果、2008年~2012年のバブル崩壊の規模が小さくなるとしている。好ましい時期が16年~18年継続し、好ましくない時期が16年~18年継続するとしている。1834年、1866年、1898年、1929年、1965年、2000年がピークになっており、次のピークは中国、ロシア、東欧の人口トレンドがピークを迎える2035年~2036年になるとしている。

◎コモディティ・サイクル
29年~30年周期。2008年半ばにピークを迎え、2009年~2010年半ばにかけての支出の波のピークと衝突する。弱気相場の反発局面では2009年半ばから2010年半ばに最後の上昇局面を辿り、1バレル = 100ドル以上になる可能性。市況商品相場の暴落は2010年半ばと2015年初頭の間のどこかで発生し、2020年か2023年には次の市況商品ブームが発生し、2039年か2040年にピークをつける?

◎20年サイクル
株式相場の長期的な大底は、1903年、1942年、1982年と40年おきに発生している。このサイクルでは、次の大底は2022年~2023年になる。20年周期のサイクルは、40年周期の世代サイクルの弟分であり、2010年後半から2012年の株価暴落最悪期を予想している。

◎10年代サイクル
20世紀の全ての10年代の0~9年目についての株価平均伸び率を調べると、1929年や1999年にピークに達したり、2年目の半ばに調整したり、4年目の終わりにかけて価を戻す傾向があるとしている。値上がり益の大半は各10年代の後半で生じる。企業経営者が10年代の初めに10年計画を立てる事と関連している?前の10年代に拡張し過ぎた事業の整理に2年かかる?

◎大統領サイクル
4年周期。2009年半ばから2010年にかけて下降している。2014年半ばから終わりにかけて底入れする。2018年半ばから終わり、2022年半ばから終わりも底入れの時期であるため、株式購入に有利な時期となる可能性。
大統領の任期2年目に実施される中間選挙に向けて株価が調整する。1998年、2002年、2006年。次は2010年としている。

◎1年サイクル
節税目的の売却が増える10月~12月から翌年の4月、5月までは株式市場に資金が流入する傾向。


以下の長期サイクル。

◎文明サイクル
5000年周期のサイクル。紀元前8000年頃の農業革命、紀元前3000年頃の都市国家誕生。現代は、グローバル経済登場という次の5000年サイクル開始の時期であるとしている。

◎帝国サイクル
2500年周期のサイクル。紀元前3000年頃~紀元前500年頃までの中東で帝国が拡大した時期。紀元前500年~2000年までの時期。
このサイクルも4段階から成り立っている。
①革新段階
ギリシャを代表とする。
②成長ブーム
ローマ帝国
③淘汰段階
暗黒時代
④成熟ブーム
現代の欧米

⇒2010年以降は、人口が増加するアジアがイノベーションをリードし、その後はアジア以外の新興国に役割がシフトする可能性。

◎メガ・イノベーション・サイクル
500年周期。現在のイノベーションサイクルは、19世紀末の電話の発明に端を発しており、情報革命と呼べる。その前は資本主義革命と呼ばれ、14世紀後半のルネッサンスにて始まっている。
1840年代から1930年代までのデフレ傾向や度重なる不況は、1890年代後半を中心に500年サイクルが底入れした時期になる。そこから250年後、2150年まではインフレや景気のサイクルが上向きでインフレ気味になるとしている。

◎革命サイクル
250年周期。メガ・イノベーション・サイクルの中に2つ存在する。科学技術に合わせて人類が政治や組織を変えるサイクル。18世紀半ばから後半にかけての産業革命や米国独立戦争と同様の事態が発生する可能性。産業革命の250年前には宗教革命という文化革命があった。

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著者の予測では、株式購入の好機は2012年半ばから終わりにかけて。長期的には2010年終わりから2020年初頭が好機になるとしている。

2030年~2040年頃に新しい産業革命が実現する可能性。250年周期の初期段階である2010年代~2020年代半ばが、改革の基礎段階である。革命サイクルでは景気低迷から抜け出す2022年~2026年に台頭しつつあるアジアの国で世界戦争が勃発する可能性。

第4章 史上最大の不動産バブル
2007年に崩壊した住宅バブルは、過去100年間で最大。2012年終わり頃から2013年半ばが投資機会となる可能性があり、人口統計学的に見ると賃貸住宅のサイクルは2017年に向けて上昇基調になっている。

一次取得者向けの安価な住宅は、2022年に向けて人口サイクルによって上昇基調にあり、別荘や引退後の住まいはベビーブーム世代のサイクルが2025年頃まで上向きである。

⇒前提として、人々が平均して20代後半で子作りして住宅を買い始める。一次取得者向け住宅の需要のピークは31歳である。住宅購入サイクルの始まりは26歳~42歳であり、ピークは37歳~42歳である。住宅支出のピークは、支出全体のピーク(46歳~50歳)よりも早く訪れる。このため、住宅市場のピークは景気悪化を先取りするとしている。

⇒住宅市場全体の10%を占める別荘は、購入のピークが48歳前後と63歳~65歳頃であるとしている。

様々な不動産の価格が上昇するのは、2023年頃から2036年にかけてと思われる。

第5章 人口統計学で予測する各国の将来
人口構成によって発展段階を理解する思想。
国家は、工業化、都市化、近代化という3つの段階を経て発展するとする。貧しい状態では若者の数が多く、老人の数は少ない。安定した政治の下で工業化が進展すると、若者は都市に移り住み、親の代ほど子作りしないので世代の波が生じる。彼等の支出と生産性が最も高いのは、40歳前後とする。都市化と近代化によって教育水準が高くなり、さらに生活水準は向上する。

都市化、近代化の結果として少子高齢化があり、イノベーションの低下や経済活動の原則が心配される。

著者の予測では、2010年までに豊かな国々の一部が経済のピークを迎え、2035年頃には2度目の景気減速が予想され、2065年~2070年には世界全体の人口が減少して経済活動が衰える。

以下は、各国の人口構成から予想する経済の変化。注意点として、米国のように自給度が高い経済でない場合、支出波は金融市場の変化を予測出来ないかもしれない。そして、米国と日本以外で20世紀のほとんどの年の出生数を記録している国は少ない。

人口構成から、以下の2つが予想出来るとする。

支出の波:出生数のグラフを約50年後にずらす。
      個人の支出のピークは40歳代後半と仮定
イノベーションの波:出生数のグラフを20年~24年後にずらす。
          20歳~24歳が最も創造的という仮定

●欧州
最も成熟した地域。支出は2010年頃がピークで、拡大再開はしばらく無い。イノベーションは1980年代半ばがピークで、そのあとは右肩下がり。

・英国
欧州では比較的若い。支出は2023年~2036年にかけて盛り上がる公算が大きい。イノベーションは、2070年頃まで上下を繰り返す。

・ドイツ
2010年前半が支出のピークで、そのあとは急速な下降局面に入る(1995年頃を5000、2015年頃を7000、2040年頃を5000としている)。イノベーションの波は1980年代半ばにピークを過ぎている。

・フランス
支出の波は1970年代と1990年代に急上昇している。他の欧州諸国ほど世代人口が低下しない。支出グラフでは、ピークである2010年頃を約4400?とすると、2060年頃?に3500?となっている。

・スイス
支出の波は2000年代末にピークをつけ、イノベーションの波は2015年にピークをつける。支出の波は2010年頃?を600とすると、2020年頃に450程度となり、2050年頃には400を割り込む。

・イタリア
支出のピークは2015年頃、イノベーションのピークは1985年頃。支出は、2015年頃の4700?をピークに、2030年頃?の3000から、2100年頃の2000?までの急減が予測される?

・スペイン
支出の波は2020年頃にピークに達する。その後は2030年代半ばまでに人口減少によって経済の減速が予想される。

●ロシア・東欧
支出の波は2005年前後にピークを迎え、イノベーションの波は2010年代に下降を始める。2015年~2035年に盛り返すが、その後は急降下する。

・ポーランド
2015年から2030年にかけて、支出の波が過去最高のピークに達する。その後は急減速する。支出は、2030年に3200?程度とすると、1990年頃と2045年頃が2000程度である。

・チェコ
支出の波は2025年まで上向きだが、2030年代から人口が急減する。

●北米
イノベーションの波が2013年頃まで上昇する。支出は2050年代後半が最後のピークとなる?

・米国
著者は、2010年~2023年に米国への移民が劇的に減少すると予想する(1907年~1914年に過去最高になった移民数が1930年代には急減し、1950年代、1960年代は緩やかにしか増加しなかった事を参考にしている)。
移民数減少を織り込んだ支出の波により、2040年頃、2057年頃に支出のピークが到来すると予想している。

・カナダ
米国と連動している部分が大きい。西部にエコーブーム世代が多く、イノベーションはブリティッシュ・コロンビア州やアルバータ州で発生すると予想している。

●中南米
支出の波がピークを迎えるのは2055年~2065年頃。

・メキシコ
2040年頃までは長期的な上昇が継続する。米国移民が制限されることによって人口トレンドが強化される可能性。自国に留まる若年世代によって行政府の改革が進展する可能性。

・ブラジル
イノベーションの波は2005年にピークを迎えたが、2030年までは横這いで、その後もなだらかにしか下降しない。支出の波の上昇は2055年~2060年頃まで継続。

・アルゼンチン
ブラジルと似ている。政治や金融で安定したシステムを構築すべきとしている?

・チリ
支出の波は2010年にピークをつけ、2025年にかけての下降は小幅。2040年頃にかけて再び上昇する。イノベーションの波は2010年頃にかけて最後のピークに達する。その後の下降も緩やか。

・プエルトリコ
2030年頃までは支出の波が上昇する。2040年を過ぎるとメキシコのように緩やかに下降する。

●東アジア
支出の波は、中国がピークを迎える2015年~2020年が全体のピークになる。2025年まで落ち込み、2035年にかけて小幅に盛り返すが、その後は長い下降局面に入る。イノベーションの波は1980年代と2010年に2つのピークをつけ、その後は右肩下がりである。

・中国
2015年~2020年に支出のピークをつける。2035年のピークの後は、長い下降局面に入る。イノベーションの波は2010年を過ぎると急激に下降するとしている。高齢化によって革命を主導する若者世代が不足し、独裁体制が強化される可能性。

・韓国
2010年まで支出の波が上昇し、その後は長い下降局面に入る。イノベーションの波は1995年頃である。

・日本
支出の波、イノベーションの波は1990年~1995年にピークをつけた。2020年頃には支出の波が再度盛り上がるが、その後は下降する。2020年頃を10000とすると、2040年頃は6000である。

●東南アジア
イノベーションの波は2015年~2030年頃、支出の波は2040年~2055年頃にピークを迎える可能性。

・インドネシア
支出の波は2030年頃に、イノベーションの波は2000年頃にピークをつけ、その後の下降の小幅に留まる。人種や宗教が多彩なため、統治が困難?

・タイ
2010年頃までは経済成長する。2030年頃までは穏やかなブームが継続するとしている。

・シンガポール
支出の波は2010年にピークをつけるが、2025年には底打ちし、2040年までは穏やかなブームが継続するとしている。都市国家であり、高齢化の歪みを移民引き受けで直す事が可能。

・フィリピン
東南アジア最高の人口増加率。支出の波は2050年~2065年まで高止まりする。

・ベトナム
東南アジア2位の人口。支出の波は2035年~2040年にピークを迎える。農村部から都市部への人口流入が継続可能な事が経済成長を後押しする。

●オセアニア
北米に似た経済発展のパターン。しかし、豪州の景気悪化は米国ほど悪化せず、アジア諸国の景気に便乗可能としている。

・豪州
支出の波は2035年にかけて上昇後、なだらかな下降が継続する。イノベーションの波は2015年がピークになり、2025年~2050年にかけて小幅に上昇する。ニュージーランドの2倍のペースで人口が増加する。

・ニュージーランド
イノベーションの波は2010年頃にピークをつけ、支出の波は2020年~2035年にかけて上昇する。

●南アジア
人口が多く、2023年~2065年にかけて世界経済のエンジンとなる可能性。

・インド
カーストや政府統制、外資導入に消極的な点を克服できれば、2030年代~2060年代にかえて世界経済の盟主となる。

・パキスタン
支出の波は2080年~2090年まで上昇すると予想出来る。

・イラン
支出の波は2035年頃まで上昇する。イノベーションの波は2010年頃がピークで、若者による革命の期間は短い。

●中東
支出の波は、21世紀後半までの経済成長を示唆するが、政治、文化、天然資源等の影響がある。

・サウジアラビア
支出の波は2060年頃に、イノベーションの波は2040年頃にピークをつける。原油収入の減少により内乱の可能性がある。次の商品市況の高騰は2040年頃と予想されるが、その時に原油や天然ガスが脚光を浴びるとは限らない。

・トルコ
支出の波は2045年頃、イノベーションの波は2020年頃まで上昇する。

・エジプト
支出の波は2080年~2090年頃まで上昇する。政治・金融システムの開放g重要。

・イスラエル
支出の波は2055年頃、イノベーション波は2030年頃がピークである。

●アフリア
成長や成熟の機会が訪れている。

・南アフリカ
支出の波は2005年~2015年頃にピークをつけ、その後15年間は緩やかに下降した後、2070年頃まで上昇する。イノベーションの波は2015年頃にピーク達する。

・ナイジェリア
2095年頃まで支出の波とイノベーションの波が上昇すると予想している。

・ケニア
2095年頃まで支出の波とイノベーションの波が上昇すると予想している。近代化は未だに始まっておらず、不安定が増幅する可能性がある。

世界の人口トレンドについて、以下のシナリオ。

①新興国での第二次ベビーブーム
第一次ベビーブームは、大恐慌や世界大戦の終結や郊外化によって出生率が増加した1934年~1961年頃である。新興国では農村部から都市部への移住が活発化しており、その後は郊外化が進展すると予想される。世代の波の周期は約80年なので、中国のインドでは2016年~2040年頃に第二次ベビーブームが到来する可能性がある。

その場合、21世紀後半にも経済成長が加速する。

②先進国の高齢化革命
1930年代~1960年代に、10年毎に平均寿命が4年伸びた事があった。80年周期のニュー・エコノミー・サイクルでは、科学技術が2010年~2040年に大きく進歩する可能性がある。

その場合、世界人口のピーク到来が2060年代よりも遅れる。しかし、イノベーションの普及には時間がかかるため、世界全体の支出のピークは2065年前後になる。

③環境悪化
地球温暖化や汚染によって人口トレンドに悪影響が出る可能性。

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人口900万人以上の都市をメガシティと呼ぶ。人口1000万人以上の都市に住む人々は、1975年には世界人口の3.5%だったが、2008年現在?では10%前後である。2025年には、メガシティが南アジアに10都市、東アジアに9都市存在し、他地域をリードすると思われる。

世界全体で見ると、人口トレンドは2010年から減速し、2023年~2035年、2052年~2065年と短期的には盛り返すが、2065年以降は衰える。
メキシコ、チリ、マレーシア、ベトナムが2040年頃にピークを迎えるため、2043年~2045年の調整は厳しいかもしれない。

1965年~2010年は人口統計学的な要因によりイノベーションが世界規模で加速し、この傾向は2045年に長期的なピークを迎えるまで継続すると予想する。

その後はイノベーションの原動力である若者の数が減少するため、支出の波がピークを迎える2060年以降は深刻な不況になる可能性がある。不況が原動力となってベビーブームが巻き起こり、22世紀半ばに向けた長期的な成長が発生する可能性。

第6章 デフレの厳冬期に備える投資、ビジネス、人生の戦略
デフレと巨大バブル崩壊に関する以下のポイント。

①淘汰の時期
2008年~2023年は淘汰の季節であり、従来型の資産クラスはすべて価値を下げる。現金や信用度の高い債券、通貨が避難先となる。2007年後半から2009年にかけて大半の企業が残した記録は更新されないとしている。
②段階
長期間の不況は、以下の段階に分けられる。
 ・物価下落
  物価の下落が企業に打撃を与える。3年~5年程度。
 ・一時反発
  売られ過ぎの反動。3年~5年程度。
・景気後退
  最初の段階より深刻でない。3年~5年程度。
③利回り上昇
バブルが終わると、債券の利回りが急上昇する局面がある。サイクルの転換点である2010年終わり、2012年半ばから終わり、2014年終わり、2018年終わり、2019年終わりから2020年初頭、2022年終わりは再投資の機会である?

市況商品の幅広い上昇は2020年代初頭と予測する。米国住宅市場は、2012年終わりから2015年初頭にかけて底入れし、着実に上向く。
④ライフサイクル
人にはライフサイクルがあるが、社会のライフサイクルは個人に大きな影響を及ぼす。自らと社会全体のライフサイクルを組み合わせる必要がある。

以下のように経済の季節に則した投資の推奨。

○イノベーションの季節
革新的な新技術が登場する。この時期には従来型経済による資源重要がピークに達するため、市況商品価格が上昇する。新市場は小さいため、経済全体の生産性は落ち込む。また、若者世代が大量に就職する事も、教育費等によって産業界のコストを押し上げて生産性を引き下げる。
時価総額の大きい企業や長期債は好まれない。イノベーションが期待出来る小型株や、市況商品、不動産等が投資先として好まれる。

○成長ブームの季節
新しい世代が消費を始める。経済全体が押し上げられ、インフレ率は低下する。株式市場ではバブルが発生する。米国では、成長ブームの季節が1983年~2009年まで継続した。
大型株が投資先として好まれ、インフレ率の低下が著しい状況では長期債のリターンんが良い。

○淘汰の季節
資産バブルがデフレと不況で弾ける。適者のみが残り、次のリーダーが決まる。規模の経済によって新技術を大衆に供給出来る数社に絞り込まれる。資産を現金や短期金融商品に変え、債券利回りが急上昇した時点で長期債に切り替えて、様々な商品の価格が下がるのを待つべき。

○成熟ブームの季節
2020年初頭から2036年にかけて到来すると予想する。アジア株(中国株、日本株、韓国株以外)が値上がる。他に米国株や新興国の株。

ここで推奨ポートフォリオや事業戦略についての記述。あんまり偏見を持たない方が良いと思う。

◎積極的な投資家
2009年半ばから2010年半ば:
現金や短期金融商品、安全性の高い外国通貨、市況商品、エネルギー関連株
2010年半ばから2022年の終わり:
長期債
2012年半ばから2017年半ば:
株式(中国、インド、ヘルスケア、ハイテク、多国籍企業)
2012年半ばから2024年:
不動産
2022年終わりから2035年:
株式(インド、新興国、米国)、市況商品、不動産
◎保守的な投資家
2009年半ばから2010年半ば:
現金や短期金融商品、安全性の高い外国通貨
2010年半ばから2022年の終わり:
長期債
2012年半ばから2017年半ば:
株式(日本、ヘルスケア、多国籍企業)
2022年終わりから2035年:
株式(インド、ヘルスケア、米国の多国籍企業、不動産関連)

2017年初頭には、全ての株式を売り払い、長期債を購入すべきとしている。2020年頃から株式を購入するが、好景気を主導すると予想される米国、インド、東南アジアに注力すべきとしている。

教育バブル崩壊という意見が面白い。インターネットが普及したため、教育の大部分はオンラインで提供出来る。2009年~2015年の大学入学者数減少と、景気低迷が景気となって、オンライン教育が普及する可能性。

第7章 「次の大恐慌」が政治と社会にもたらすインパクト
2010年代には全てを解決する好景気は無いとしている。行政改革が必要である。

グローバル経済や情報革命の初期段階が成功したことで、貧富の格差が拡大した。新産業が1970年代から成長した事で、保有財産上位1%~10%の階層が潤った。同様の現象は、19世紀末から1929年にかけても発生しており、米国の富の45%を上位1%が握っていた。

1930年~1976年にかけては、上位の1%の富の比率は20%にまで低下している。この現象はS字曲線として描く事が可能で、工業を基盤とする規格化経済から情報を基盤とするカスタム化経済への移行を表している。

2010年以降の先進国では、1930年以降の淘汰の季節や成熟ブームと同様に普通の家計のほうが上流階級よりも大きな果実を手に入れると予想する。

ここで社会改革の必要性について。高齢化革命を強調している?テロについては、2015年がピークで2020年には脅威を払拭出来るとしている。この辺の根拠は曖昧だと思った。

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