怠けてなんかない!

読んだ本の感想。

監修者:竹田契一、著者:品川裕香、2011年2月1日 第1刷発行。



以下は、監修者のHPへのリンク。

http://www.schoolweb.ne.jp/weblog/index.php?id=2770001

第1章 ディスレクシアって、なに?
知的発達に遅れが無く、聴覚・視力も正常だが、中枢神経系に機能不全があるため、文字という「記号」と言葉の「音」が結び付き難くなり、読み書きに関して特徴ある困難を示す。

聴覚:
正常だが、聴覚的情報処理や記憶を保持する力に課題がある場合がある。

視覚:
正常だが、図と地を見分ける等、視覚的情報処理や記憶を保持する力に課題がある場合がある。

記憶:
作業記憶が苦手な場合がある。

情報処理:
視覚情報と自分との空間的な環益を把握する力が弱い場合がある。

音韻認識:
話し言葉の音の単位に気付く事が困難である場合がある。

⇒音と記号が結び付き難い、読み書きが苦手、短期的な記憶力に問題がある等。

第2章 「苦手さ」って、どういうこと?
音を聞き取る:
音の違いや聞き取り、聞き分け、区別、選択が苦手等。

見て理解する:
 ・両眼視機能
  両方の目でピントを合わせる
 ・眼球運動機能
  (1)衝動性眼球運動
    行を追ったり、対象物を捉える
    ⇒本を読む時に大切
  (2)追従性眼球運動
   目でゆっくり対象を追う
   ⇒文字を憶える時に大切
 ・視覚的情報処理
  見た物を見た通りに理解する力
 ・協応動作
  視覚的な情報を使用して体を動かす。
  線を引く、塗り絵をする、折り紙、etc
  ⇒視覚情報から予測し、体を協調させて動かす。
 ・視空間認知
  視覚的情報によって、距離感や位置を把握する。
 
記憶:
 ・感覚記憶  
  視覚情報や聴覚情報を1~2秒保持する
 ・短期記憶
  20秒ほど保持される
 ・長期記憶
作業記憶は、短期記憶の概念を発展させたものであり、即時に使用出来る記憶で、複数の作業を同時に行う際に不可欠。会話、読書、計算推論等に使用。

不器用:
 ・粗大運動
  体全体をした運動
 ・微細運動
  手先を使用した細かい運動
 ・協調運動
  粗大運動と微細運動を組み合わせる。
  目で見たように真似る等。

情報処理:
 ・継次処理
  情報を逐次的に分析し、順序に沿って処理する
 ・同時総合処理
  複数の事柄を並列的に処理する

注意・集中:
 ・能動的注意
  意識的に行う注意
 ・受動的注意
  無意識的注意
注意には、注意を持続する持続的注意と、注意する対象を限定する選択的注意という分類もある。

メタ認知:
自分自身の思考・言動を観察・分析・修正する力。自らの知覚から判断に至る過程を吟味する。

言語理解:
人間が言葉を理解するには、
①音韻(言葉の構成要素としての音の聞き取り)
②意味(語彙の意味等)
③文法
④語用(背景、状況、文脈の中での理解)
の4つの側面があるとする。ディスレクシアの場合、特に音韻の理解に問題があると考える。

流暢性:
文字が読める場合でも、処理速度に問題がある事がある。

第3章 苦手さがありそうだったら
     ニーズに合った訓練をしよう

①よくモノにぶつかってしまう
 →ボディイメージを鍛えよう
「サイモン・サズ」というゲーム。鏡を見ながら、自分の体の部位を確認する。耳、顔、足、肩、etcの身体部位名を指示しながら、動作を指示する(耳を触る、しゃがむ、etc)。教師が見本となる動きを見せる場合もあり、同時に複数の動作が出来るようにする(右手で左足首を触る等)。

② 左右が覚えられない
 →ボディイメージを鍛えよう
左右の手で渦巻きを描く。右手の人差指で右巻きの渦巻き、左手の人差指で左巻きの渦巻き等を描く。

③絵を描くと、全体のバランスが悪い
 →ボディイメージを鍛えよう
実際に体の大きさをメジャーで測定する。腕や指、掌の長さ等を測定し、記録する。次に、腕や指の長さと同じ長さの紐等を用意して、実際の大きさを触って理解させる。

④ほかの人と距離がとれない
 →ボディイメージを鍛えよう
両手両膝を床につけ、片手片足を伸ばす運動。大抵は肘や膝が伸びない。肘や膝を伸ばすように手を添えて指導する。肘や膝の位置が分からない事もある。

⑤形を見分けることがむずかしい
 →視空間認知を鍛えよう
図形を触って覚える。具体的には粘土で○、△、□等の図形を作り、触って確認する。砂の上に図形を描く等の練習もある。
ジオボード(正方形の台に五行五列のピンが打たれている)を使用した練習もある。ピンに輪ゴムを引っ掛けて図形を作り、手本を見ながら同じ図形を作る。ノートに視写する等。

⑥形を見分けられない①
 →視空間認知を鍛えよう
木材等で出来た図形パズルを使用する。三角形や長方形等を作る。

⑦形を見分けられない②
 →視空間認知を鍛えよう
フロスティッグ視知覚発達検査を利用した練習。紙上に描かれた線に合わせて、同じ形のパズルピースをのせる。

⑧背景の中から見たいモノを選んでみるのが苦手
 →図と地の弁別課題をやってみよう
○や□等の図形を絵の中から探す練習。「ウォーリーを探せ」等の絵本。

⑨絵本を読むとき頭や体を動かしてしまう
 →追従性眼球運動の練習をしよう
対象と向かい合って座る。人形付き鉛筆を顔から50㎝くらい離れた所で動かし、頭を動かさずに目だけで動きを追うように指示する。ゆっくりと動かす事がポイント。左右上下、2本の鉛筆を動かす等の応用もある。

⑩キャッチボールができない
 →跳躍性眼球運動の練習をしよう
A4の紙を2枚用意する。紙の中心に★マークを書く。紙を顔から30㎝ほどのところに左右に30㎝ほど話しておき、目だけを左右に動かして対象を捉える練習をする。縦、横、斜めに紙を配置する練習もある。

⑪近くのモノを見るとき目をこすったり、体をななめにうごかしたりする
 →眼球の輻輳機能の練習をしよう
人形付き鉛筆を顔の中心から2、3㎝くらいまで近づけて寄り目の練習をする。

⑫サッカーボールなど、ゆっくり転がってくる
 大きなボールをうまく受け止められない
 →追従性眼球運動の練習をしよう
紙に書いた迷路を使用した練習。最初は指や鉛筆でなぞりながら、次第に目だけで辿る。

⑬はさみを使って線に沿って切れない、折り紙が折れないなど不器用
 →追従性眼球運動の練習をしよう
近距離でサッカーボールを使用したキャッチの練習。徐々にスピードを速めたり、ボールを小さくする。
床に○を書いて、ケンケンパをする等の練習もある。

⑭体操やダンスなど、真似をしながら体をうまく動かせない
 →視空間認知を鍛えよう
テングラムパズルを使用して図形を作る。積木やレゴを使用しても同様の練習が可能。

⑮人ごみの中で母親を見つけられずにパニックになる
 →跳躍性眼球運動の練習をしよう
A4の紙に1から10までの数字をランダムに書く。目だけで数字を追い、数字を縦や横に読み上げる。同様の練習を文字でも行い、特定の文字を抜き出して○で囲む等の練習もある。クロスワードパズル。

⑯文字を覚えられなかったり、体の動かし方が不器用
 →粗大運動の練習をしよう
発達に偏りがある場合、脳の階層的発達が上手くいっていない可能性がある。最初に基礎的感覚が育ち、粗大運動、巧緻性、認知、言語理解の順に発達する。土台の発達していない状態では、言語理解等の訓練が上手くいかない可能性が高い。
5分間立つ、足踏み、片足立ち、目隠し鬼、バランスボール、ラジオ体操、平均台、でんぐり返し等。

⑰細かい作業がうまくできない
 →微細運動の練習をしよう
おはじき、ビー玉遊び、ちぎり絵、塗絵、年度、折り紙、etc。

⑱目と手の協応動作の練習をしよう
ボール移し(密封容器の中に入ったボールを穴から穴へ移動させる)、あやとり、お手玉、将棋崩し、輪投げ、けん玉、ジェンガ、ドミノ倒し、箸で豆を移す、ネックレス作り、差異法、洗濯物を干したり畳む、分類、靴紐を結ぶ、etc。

⑲見て覚えるのが苦手 
 →視覚的な記憶を向上させよう
図形を言葉に置き換えて記憶する。「○」を「まる」、或いは「ま」等の記憶し易い形で記憶する。塗絵等で形と色を対応させて記憶する方法もある。
間違い探しや神経衰弱、百人一首等もある。

⑳聞いて覚えるのが苦手
 →聴覚的な記憶を向上させよう
複雑系しりとり(前の人が言った言葉を繰り返してから自分の言葉を言う、前の人と前の前の人が言った言葉を繰り返してから自分の言葉を言う等)、シャドーイング(聞きながら同じ言葉を喋る)、伝言ゲーム。

21文字を書くときに枠からはみ出る①
 →ボディイメージを鍛えよう
上下左右の矢印が描かれたカードを用意し、提示したカードの方向に手を動かすように指示する。

22文字を書くときに枠からはみ出る②
 →ボディイメージを鍛えよう
あっちむいてほい等。

23ことばを聞く力が弱い
 →音韻意識を育てよう
単語に含まれる音の数を教える。色と音の数をセットにする。音の数を揃えた言葉でのしりとり。最初の音と同じ言葉を言うしりとり。最後の音と同じ言葉を言うしりとり。音の数を指定したしりとり。音の足し算(「つ」+「き」は「つき」等)。言葉の引き算(「ことり」-「こ」は「とり」等)。似ている音を探すゲーム。

24拗音・特殊音節の練習
「ちゃ」、「ちゅ」、「ちょ」等の言葉の一覧表を作る。音と色を結び付ける等。ある程度は区別が出来るようになったら、拗音を使用したビンゴゲーム等をする。その後、長音、促音、祇園の練習等。ポーズを決めて体全体で音を表現する等。

25語彙力を育てよう
語彙力があれば文脈から意味を察する事が出来る。テレビ等で聞いた言葉を辞書で調べる、意味を読み聞かせ言葉を尋ねる、テーマを決めて言葉を集める等。

数の概念の理解:
算数障害(ディスカリキュリア)について。ババ抜きや7並べ等による練習、或いはビー玉やボール等の物体を使用した理解等。

第4章 自立して社会に参加でき、自己実現したり、
     社会貢献したり、できるようになるために必要なこと

専門家になる事の危険性?専門家は対象を客観視し、分析する。しかし、愛情は主観的である。訓練が主になり、愛情給付が為されない可能性。心理学的アプローチばかりだと行動が形式化して悪化する証拠がある。説明出来ない事があると破綻する可能性が高い。

状態像を観察して、分析して、目標設定し、やらせて、再考察する等のアプローチは専門家の仕事であり、保護者の役割は子供の個性を把握する事にある?

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