洗脳の世界

読んだ本の感想。

キャスリーン・テイラー著。2006年11月20日 初版第1刷発行。



第Ⅰ部 拷問と誘惑
第一章 言葉の起源
起源と同意語
洗脳(Brainwashing)という言葉(英語)は中国語の翻訳であり、朝鮮戦争で捕虜になった米兵に見られた症状を示すものである。
中国の捕虜収容所で神秘的な事象が発生している件について、概念の空白に対応する。洗脳は、全体主義国家が人々を操作する過程として使用される言語だったが、有用な言語であったため、小集団や個々人にも適用される事となる。
人間の心を変える試み自体は、古から存在し、「教育」という言語は肯定的な意味を伴うくらい拡散している。

洗脳のさまざまな側面
以下の側面がある。
①政治
洗脳は、人によって異なった背景と行動原則を持つため、人によって様々な意味を持つ。
②個別検討が可能な側面
人間操作の科学的方法としての検討も可能。

「洗脳」は、説明のための概念であり、異常な人間行動に直面した時に、それを表現する際に使用される場合がある。

事例―パティー・ハースト
1974年に、メディア王 リアム・ランドルフ・ハーストの孫娘が誘拐され、誘拐組織の一員になった話。
 ①目的
  洗脳を行う側に目的行為があった。
 ②認識の違い
  洗脳された者が、今までの信念と全く異なる信念を持つ。
 ③時間的尺度
  短期間での変貌。
 ④最終的説明
  他に説明不可能な事象に対して、洗脳の概念が適用される。

事例―トーマス・クランマー
プロテスタントの大司教トーマス・クランマーが、1553年にカトリック教徒であったメアリー女王にロンドン塔に送られ、カトリックに改宗した話。

被害者と環境
人間の脳を変える際に、脳が受け取るシグナルを変化させる間接的な方法を取る。被害者の肉体的、社会的環境を操作する。

事例―ルカ神父
中国で逮捕されたイタリア人神父が、共産主義原理が普遍的に正しいと認めた話。

事例―シモン神父
ルカ神父と同じような話。

事例―『一九八四年』
ジョージ・オーウェルの小説。大衆の受け取る情報を操作し、外敵に対する憎悪が奨励される。言語を変更し、「自由」という言葉が存在しなければ、「自由」という概念も消滅すると考える。

過程としての洗脳
暴力、強力な感情、反復、精神的・肉体的拷問。洗脳された人間に見られる特徴。
①信念
現実や多数の信念から途絶している自分達だけの現実。無意味な数値や勝利、自分達で変える事の出来る敵、etc。
②情動的
外部の人間と接する時は支離滅裂で、反論には強い敵意を持つ。

概念としての洗脳
洗脳は、全体主義の恐怖を包含した概念として誕生し、合意の無い心の変化を齎す技術として理解されている。

第二章 神か集団か?
呪われた力
宗教的動機による2001年9月11日のテロについて。

宗教と政治
西洋では宗教と政治が分離しているが、一体化している地域も世界には存在している。政治も宗教も中心概念(霊的概念)を主張する。それは曖昧で、個人によって解釈が異なり、合理的議論を不可能にする。霊的概念は価値観を含み、辛抱者の優越感を高める。
抽象的性質は、現実問題に集中する事を避け、感情に結び付く。結果が方法を正当化し、権威への疑念を許可しない。抽象的イデオロギーの差異が小さい時代は、細かい議論が多くなり、政治的無関心を生み出す。抽象的動機は暴力を伴う事がある。以下は、宗教的、政治的動機を持った集団が力を獲得した例。

小規模カルト―マンソン・ファミリー
1969年にテロ事件を起こしたマンソンの例。信者達の行動を説明するために洗脳という概念を使用。対人関係の高い技術を持つ教祖と集団の関係。

大規模カルト―ジョーンズタウンの集団自殺
1978年に、ガイアナの新興宗教団体が集団自殺した話。外部から孤立した集団内に広がる狂気。

カルトの心理学
以下は、カルト(初期宗教)に共通する現象?

①リーダーと信者の区別
最高権威によって集団に特別な力があると考える。孤立して妄想的になる環境が集団内の絆に支えられる。内部と外部との相違による重圧。
②既成権威への反抗
強い感情を伴う権威への反抗。外部への団結力を持った妄想。
③新しい行動が自らを確立するという幻想
信者の多くは若者で、自己確立と安全を求めており、他人を援助する機会を望む。カルトは善意を示す機会を提供する。
④二元論的思考
自分達以外を悪として、暴力を正当化する。
⑤ユートビアを求める傾向
栄光の未来に比べれば、現実は取るに足らないと考える。現在から論争を解放し、未来だけが価値を明らかに出来るとする意外に議論を避ける方法は無い。
⑥暴力的な結末
カルトの一部は最後には破局する。自己消滅の仕方が不穏。

集団はなぜそれほど重要か?
ヴィトゲンシュタインによる私的言語の概念の批判。言語は、自分と他者の使用方法を比較する事によってのみ独自の基準を見つける。言語は公共の事業であり、他人を比較基準として必要にする。自分にしか理解出来ない言語は活用出来ない。
自分の思想や言語が正しい事を確認するには、操作不可能な事象を周囲に持たなければならない。自分の言語を信頼出来る状態にし、自分の評価を判断するために自分達の集団が必要である。しかして、集団内で意見の相違が発生し、自分達の意見を強い感情を持って信望している人達にカルトのレッテルを貼る場合がある。

カルトの構造
カルトは階層的な集団であり、リーダーと信者が存在する。信者は役割を提供され、充足感を得る。認知の風土(概念、信念、姿勢、感情)を共有する事で集団として纏まる。

内集団と外集団
物事を分類する事が人間の脳の根源的機能である。集めて分類し、無数の分類概念を習得する。我々(内集団)を定義する事は、彼等(外集団)を定義する事に繋がる。
人間は自分に報酬を与えてくれる他者や、自分に類似している人間に惹かれる傾向がある。繰り返しで会う事が好みを増大させる。そして、気付かない内に行動と気持ちを一致させる(感情汚染)。集団の一員となる事で、集団における規範と役割に影響され続ける事になる。

自己とその世界
帰属する集団の特性が、自己の認知風土の大部分を形成し、行動・思考に影響する。集団と自己を同一視し、集団への危機を自分の脅威と感じる。集団は個人を取り巻く環境の多くを智恵経するので、友好を奨励して結束を強化する。集団は人間存在の基盤である。

集団の圧力
以下の要因によって集団は纏まる。
 ・集団が設定した目標を達成したいという成功の認識
 ・集団の価値と構成員の目標の一致
 ・メンバー相互の友好度
集団に帰属すると、信念や価値観を他の構成に適合させる必要があり、それが出来ない場合に連帯感を危うくする。下位者は上位者に合わせ、その逆は無い。リーダーの現実認識が現実世界と合っていれば良いが、そうでない場合もある。抽象的、曖昧で現実的評価の機会を減じる意見を持つ事がある。

カルトは全体主義か?
構成員がカルトの維持に命を捧げるような、人間に対する教義の優先。

カルトのメンバーは洗脳されているのか?
カルトの信者は、常に集団の思想に接触する事で思考を規定される?それは洗脳という特殊な方法で無く、他の多くの人間集団に認められる力を強力にしたものである。

なにが一部の集団を危険にするのか?
以下は、幾つかの要因。
①孤立
外界との接触の欠如は、恐怖を増大させる。外部の脅威が圧倒的に思える。
②集団の規模
150人以上の構成員が転換点である。それ以上では、個人的威厳や人的接触による操作(仲間からの圧力)で規律を維持出来なくなる。正式な管理階層を設定出来なければ、集団は敵対する小集団に分かれ結束が失われる。小集団は、有害な方法で信念を実現しようとする。
③信念の種類
強い価値観や感情を含む信念は、集団の優越感を強める。抽象的で曖昧な思想は全体主義的イデオロギーの温床になる?議論不可能な抽象的概念が、強い優越感と結び付いた時に危険が生まれる。

第三章 説得の力
宣伝とメディア
思考操作として洗脳以外に宣伝や教育がある。
感化の武器(ロバート・チャルディーニ)
 ①傾倒と一貫性
  人間は首尾一貫していたいと思っており、小さな献身を実施させる
  事により、大きな献身を引き出す事が出来る。
 ②相互利益
  小さな恩であっても見返りを期待出来る。
 ③権威
 ④魅力
 ⑤希少性
 ⑥社会的証明
  多くの人間が認める対象には高い価値があると考える。

宣伝によって、多くの人間の心が形成されている可能性。

ソーマの世界
洗脳への恐怖は、自己操作や自己同一性を喪失する恐怖であると考える。『すばらしい新世界』では、幸福の錠剤であるソーマを飲むと幸福になれる。権力が望みを叶えるのならば、奴隷になっても良いのか?『タイムマシン』での未来世界や、『ツァラトゥストラはかく語りき』では、奴隷化した幸福に対する嫌悪感が記述されている?幸福と自由は二律違反なのか?

コントロールする人のいない思想コントロール
ミーム(文化伝達の遺伝的比喩)についての記述。マスメディアによる宣伝は、画一的であり、個々人の特性を考慮していないために威力を発揮出来ていないとしている(インターネットによる個人毎の広告には違う意見を持つのかな?)。

事例―逐語的な説得
洗脳手法と、対象者の人格・経歴が相互作用する。個人が言外の意味まで詳細に調べるような手間を必要とする事は現実的でない。感情は、認知を検索する事無く、内容を纏める役割を果たす。

教育
以下は、教育と宣伝の違い。
①開発
教育は主に子供を対象にする。
②構造
教育の目標は平等性であり、全ての子供に基礎知識を与える事を目的にする。
③動機
教育は利潤を目的とせずに、社会人に育てる目的がある。

教育と批判的思考
欧米における教育は、イデオロギー操作による教育を生産的で無いとしている?批判的思考を教育する事を著者は望んでいるのか?

教育とイデオロギー
教育によって、子供を操作出来るという思想について。

消費者文化の前提条件として、富が幸福を生み、欲求は解消されるべきであり、肉体的完全性は権利・義務であるとする。消費者文化を象徴する宣伝は、画一的で検証不可能な推論の源?

第四章 癒しの希望
医師と悪魔
精神医学の治療が洗脳と同一視される事例について。

精神科医に対する攻撃
奇妙な人間を病人であると断定する事に対する批判等。

権威の力
ミルグラム実験について。権威者に反抗する事は困難。代行者変化について。
人間は、以下の状態で活動すると考える。
①自律的
 利己的で自由。自分の行動は自分が操作すると考える。
②代行的
 協調。他人の意思を実現する代行者として自分を考える。

ミルグラムは、服従者は代行者の状態にあり、全体的展望や道徳的視点でなく、管理や技術的細部に拘る傾向があるとしている。婉曲表現が多くなり、道徳的意味を隠す。規律、義務、忠誠等のシステムを維持するための前提条件となる徳目が善となる。
⇒全体主義は、社会維持を可能にしている傾向と同じ傾向に由来すると考える。

全体主義と洗脳
精神科医が権威に依存する場合、有害な社会的権力を生み出す。

第五章 「私が示唆し、あなたは説得し、彼が洗脳する」
軍隊
内外の敵に対する攻撃を任務とする。行動が国家によって必要とされると服従度合いが高まる。軍隊における最新技術は、複雑な活動を提供し、低レベル思考 = 細部に拘った考えを生み出す事になり、罪悪感を減じる?

刑事司法
国家による個人の規定について。

家庭内暴力
虐待者は、僅かな力の違いを奴隷を作るほどに高める。全ての領域において自分が上位であるかのように行動する。相手の貢献を過小評価し、自分の譲歩を強調する。
人間の脳波、小さな変化を検出出来ないため、個々の段階の変化が小さい場合は蓄積に気付かない。虐待者は、小さな変化を受け入れるかを試験しながら、変化を蓄積させる。
被害者が反抗した場合は謝って、少ししてから元に戻る。侮辱によって自己イメージを変化させ、自分が抵抗出来ない存在と思わせる。自分が無能と思わせる事は、能力を低下させる上で有効である。
個人として行動する事を減らせば、認識範囲が縮小し、窮状から逃れる可能性を理解出来なくなる。

虐待と洗脳
周囲の環境を操作する事で、対象者の思考内容である脳に至る刺激を支配する。プライバシーを許さず、行動と考え方を細かく説明させる告白を利用する事もある。
イデオロギーは正しく、反対は悪となる。虐待者のイデオロギーは信念であり、虐待者の優越を中心にしている。自分の力と被害者の無力の違いを強調し、操作を証明する事で信念を植え付けようとする。霊的操作や科学と言葉の意味付けを実施し、純粋性の追求と教義の優先を強要する。虐待者の優越性は当然とされ、霊的操作を利用して、虐待者は全能な存在と認知させようとする。
自尊心の強い人間の方が暴力的になり易い。自らに対する否定的見解が脅威となるからである。

拷問
社会的側面についての記述。以下は、ジョン・コンロイの意見。
理論的には拷問は禁止されるべきとされるが、拷問される階層が下層階級である場合は拷問は抗議されない。拷問が自らに迫ると反対が強くなる。社会規模が拡大するほど、拷問が容認される階層が拡大する。拷問が一般的な社会では、司法の共感は虐待者に注がれる。
傍観者は、拷問を行う権力が自らの行動を知っており、合理的で公正な虐待と思う。侮辱される理由があると断定する。

第六章 洗脳と感化
洗脳の種類
以下は、社会的権力の基盤。
 ・報酬
 ・強制
 ・妥当性
 ・専門性
 ・準拠
 ・情報

精神的技術は、信念・感情・行動を対象とし、力・内密性・合理的説得を利用し、対象者を誘惑する。

洗脳の背景概念
以下は、洗脳に関する概念。

①力の概念
他人に対して強いインパクトを有する力への拘り。
②変化の概念
他者に影響を与える力。
③因果関係の概念
原因と結果について推論するのは、持続的、規則的、連続的な経験であるとする。

・AがBを躓かせたのでBが転んだ

上記が成立するには、以下が成り立つ必要がある。
 ○因果関係の必要条件
  AがBを躓かせなければ、Bは転ばなかった
 ○因果関係の十分条件
  Bが転んだのは、Aが躓かせた事による必然的結果である
 ○独立
  躓かせた事と転んだ事を切り離して考える事が可能
 ○経時的重要性
  Aが躓かせた事が、Bが転んだ事より先に発生した

物理的接触や、原因は作用する力であるとする信念も因果関係を判断する際の確信を強める。一つの出来事に多数の原因があるのに因果関係の概念に依存する場合は確信が弱まる。感化は、試みる人間の行動が対象者を変化させるという考えに依存している。
④責任の概念
行為者、根源であるという感覚は責任の概念の基本である。
⑤自己の概念
17世紀にデカルトが定義した概念。意識は自己の中心であり、物質世界とは離れている。精神はダイアモンドのように純粋で透明と考える。
⑥自由意志の概念
不法行為の条件として、被告が行動を実施した際の自由意志が問われる。自由意志に対する脅威が洗脳であるとする。そうでなければ感化は、因果関係によって決定される世界における要因の一つに過ぎない。

第Ⅱ部 頭の中の反逆者
第七章 変化し続けるわれわれの脳
興味をそそる科学
以下のような社会的推論は誤っているとしている。
①堅固性
人間の精神は堅固で、人格や記憶は変化し難い。
②自由意志
自分の行動を操作出来るため責任がある。

特に刑事司法制度は上記を前提に成立している。

神経科学の概略
人間の脳内では何十億ものニューロンが連結している。脳の構成物質やニューロンの作用に関する記述。

確固たる自己
脳が変化するという話。

脳に栄養を与える
ニューロンを構成するリン脂質を、屈曲したリン脂質にすれば、緩い結合しか出来ないリン脂質によって受容体が構成され、神経伝達物質の効率が上昇する話。魚、ナッツ、緑色野菜。不飽和脂肪酸が含まれる食事は脳を変化させる。

脳内の電光
側頭葉てんかんに罹っている人間には創造性を発揮する者がいる。右側頭葉に磁場を当てる事で、霊的経験を誘導する実験がある。

揺らぐ基盤
自律的で独立した自己は幻想であるという認識。

記憶の重要性
自分が過去と同一であるという根拠は記憶にある。しかし、記憶は常に更新される。

スキーマ自己
人間は様々な心理的仮面を場面によって使い分ける。それをスキーマと呼ぶ。特定状況下で過去の経験から得られるスキーマが、選択すべき行動を最初から考える努力を割愛する。

脳のスキーマ化
神経科学で表現すると、脳は、受け取る入力に反応して特定のニューロンを活性化させる。あるニューロンは皮質下からの感情に反応し、別のニューロンは筋肉にシグナルを送る。これらのニューロン同士の連結が強まるとスキーマが明確に定まり、活性化が容易になる。
連結が強いスキーマは自己感覚に大きく貢献し、弱いスキーマは簡単に変化し、変化しても気付かれない場合が多い。

第八章 ウェブと新しい世界
信念とはなにか?
物事や状況に関し、直観的に把握可能な深く根差した考え。強力な信念は変更が困難。蜘蛛の巣(ウェブ)に例えると、希薄な信念は周辺の糸であり、強力な信念は主要な糸である。

余談―用語
信念もスキーマもニューロン同士の連結パターンによって具体化される。精神活動の繋がりを表す言葉としてウェブ(蜘蛛の巣)の比喩を使用する。

信念の強度
ニューロンのシナプス連結の強さに依存する。

精神的風化作用―神経活動と意識の役割
認知を水路に例える。良く使用される水路は大きく滑らかである。また、複雑な認知ウェブは維持困難で、単純な信念んお方が維持が容易である。議論においては正確性よりも単純性が評価される。

仮説の検証
人間の脳は、経験に基づいて周囲世界に関する予測 = 仮説を常に生み出しているとする。仮説検証 = 予測と実際に起こった事の比較は、大脳皮質に知覚入力が到達する以前に行われるようである。

潜在的信念と誤った確信
信念は気付く事なく潜在的に生成される。

信仰の力
著者が宗教の意義について力説している。

個人差―「ある人の信仰は、他のある人の生き甲斐である」
ミルトン・ロキーチが論じた教条主義者について。新しい考えに抵抗し、不安が大きく、曖昧を受け入れない。教条主義は柔軟性とは逆である。思想改造を生き延びた人達で、最もトラウマが少ないのは教条主義者である。自分の信念に対する強い自信は、安心を求めている人間には魅力的である。
柔軟性の高い人間は、解放的で寛容である。しかし、被暗示性が高く、疑念や疑問の対象となり易い。

第九章 心を奪われる
普遍的感情
紀元前500年頃に書かれた悲劇と、近代の小説で同様の感情表現が使用されている。心臓の動悸、皮膚の冷感、窒息感等。感情に伴う特融の身体的影響は普遍的かもしれない。

感覚と生理学
特定の身体的状態と精神的事象は一緒に発生するとしている?

短絡経路とメモ
感情は短絡経路である。感情は強制的で思考の手間を省く。

脳にストレスを与える
ストレスは闘争、逃走の準備をする。アドレナリンの分泌を刺激し、筋肉への血流を増やす。それらは短時間の危険に対応するものであり、長時間のストレスは有害かもしれない。

感情の口実
感情的な行動を抑制する事について。

脳の氾濫
皮質領域と脳幹で出力を調節する領域での、感情に関連した動き?

自分が感覚すべきであると思うことを感じる
サブリミナル効果について。

感情システム
感情処理に関与する大脳皮質領域が、下位の皮質下領域の活動を抑制出来る可能性。

感知する脳
扁桃体について。

大脳皮質候補領域
脳の両側半側間の間隙は、脳梁によって繋がっており、帯状回を特徴とする。前帯状回皮質は、エラー監視、注意、行動企画、動機付け、etcを行っている。感情に伴う体の変化を制御するらしい。

感情に支配された脳
感情を利用して人体の変化を引き起こし、その変化に対する解釈を与える事で人間を操作出来る可能性。

第十章 立ち止まって考える力
脳を管理する
前頭前野に関する記述。

躍動する眼球―脳の眼球コントロール指令法
サッカード反射によって、無自覚的に眼球運動を操作している事について。

最初のストップ―上丘
網膜が刺激を感知すると、情報が視覚野に到達するまでに、仮説と比較される。上丘は、刺激の方向に眼を動かすのに必要なサッケードを再現する上丘ニューロンを活性化させる。

側方抑制
上丘は、ニューロン間の折衝のために、側方抑制によって眼球を動かすニューロンを決定する。

「なに」とはなにか?
視覚野から側頭葉に送られた情報は、分析される。単純化され、同定され、分類され、他領域からの情報に照らし合わせて判断される。

第二のストップ―後頭頂皮質
急速眼球運動に特化した領域を含む。空間中の特定個所を注視するための眼球移動を再現する。

第三のストップ―前頭眼野
情報をさらに精査する。行動に、既知の事実が影響するようにする。

最後のストップ―前頭前野中部
さらなる精査。

立ち止まって考える―機能の総合
前頭前野は、運動を抑制して情報を考慮する事で、立ち止まって考える能力を獲得しているとしている。

努力と順応
人間の日常生活のほとんどに前頭前野の強い活性化は不必要で、自動的行動に多くを依存している。

意識
前頭前野が意識的考察において重要であるという意見。

個人的な脳
脳の個人差や性差について。

第十一章 自由ということ
自由意志の問題
自由という考えが齎す喜びや責任の問題について。

自由と決定論
決定論を信じる理由について。全ての出来事が規則に従うなら、未来の出来事は先行する出来事によって引き起こされる。

自由の歴史
哲学的な歴史について。自由は拡張されている。

自由意志と決定論―連帯感の希望
自由は未来予測能力の中にあるとする。未来を予測して危険を感知したなら、回避を可能にする。知識を蓄積し、未来に対する長期的推定に反応して自分を変える事が出来るとする。

自由と責任
未来予測可能であったにも関わらず、回避しなかった事に対する責任の概念。

自由の感覚
セルフコントロールの感覚は報酬を伴う。自由の感覚は安全シグナルである。それは環境を変える可変性を意味し、リアクタンス(脅威)の感覚と釣り合っている。予測と現実が異なっていた場合のエラー・シグナルがリアクタンスである。操作されていると感じる度にリアクタンスが誘起し、前頭前野が立ち止まって考える。

第Ⅲ章 自由とコントロール
第十二章 犠牲者と捕食者
われわれは皆個人である
遺伝子は人によって異なるため、脳は標準化されない。

だまされる人と抵抗する人
感化に抵抗する力は弱い?

信念を変える
環境を変える事で信念を変える事が出来る?段階的な洗脳は前頭前野をすり抜ける。

認知ウェブを変化させる
年齢、教育、創造性、人生経験によって認知風土が豊かである場合、洗脳に抗し易い。逆に、認知ウェブの数が少ない場合、強力な信念を持っている場合があり洗脳し難い。

前頭前野の虐待―立ち止まって考える能力を迂回する
行動のショートカットとしての感情を利用する。様々な洗脳手法について。

力を求める者
自由の感覚の基準設定が高いほど、自由が侵害された場合のリアクタンスの影響が大きい。そうした人間は環境を操作しようとする欲求が大きく、自由のために戦った人々が革命を達成すると粗暴になる事象と関連しているかもしれない。
操作は認知の単純化を伴い、混乱している人に魅力的である。単純なメッセージは複雑な議論よりも効果がある。

カリスマ
カリスマは、強烈な自意識、単一の精神、目的意識によって強化される。単一の考えに基づいて影響力を及ぼす。一つの目標を目指すほど賞賛される。信望者に献身と情熱を吹き込むには、社会的手腕と自信が必要である。
疲弊した状況や問題を新しい見方で見る能力(メイズウェイ再合成?、アンソニー・F・C・ウォレス)。扇動者は、確信に満ちた目的を与える事で操作する。有能な洗脳者は、ストレス、疲弊、苦痛、隔離、集団の強制力等で人々を囲い、本能に立ち戻らせる方法を知っている(予言者、カルト、狂気:アンソニー・スティーヴンス、ジョン・プライス)。

第十三章 マインド工場
感染性の考え方
概念はウイルスに喩えられ、人間は認知の感染に罹り易い。

概念が問題になる
霊的概念を信じる強い動機がある場合、認知風土は捻じ曲げられる。

社会と共通概念
霊的概念は、社会の自己イメージの基本である。個人は肉体的制限や行動様式等の信念を引き出す源を多数持っているが、社会は具体化について明確で無く、霊的概念の単純性に依存し易い。
一方で、安定した社会は、自暴自棄になって生活を変えようとしない人々によって構成される。

メディア媒体
メディアは新しい概念を吹き込み、代わりの視点を提供する。どのような人間でも自分の視点からは逃れられず、偏見は情報を選択的に強調し、誤って伝える。枠は世界を特定の見方で認識し、言語的雛型を持つ。

集団のカリスマ
単一の目標を持つ集団は、単純性と目標によって羨ましがられる事がある。明確さは大脳新皮質を休息させる。単純で明確な主張を信じるリーダーは、細部を考慮して障害や混乱に拘るリーダーよりも魅力的である。

集団の洗脳
集団規模で洗脳を試みる場合、集団が孤立しており、多様性が少ない事が必要である。

第十四章 科学と悪夢
再び脳について
脳は、ニューロンによって構成される電気化学的物体である。

物理的影響
経頭蓋磁気刺激法等の脳に直接刺激を与える方法。現状の方法論は未熟であり、正確な精神操作には活用出来ない。

機械的、有機的影響
物理的操作の一部。脳を計測する事で、行動を予測出来る可能性。

化学的影響
神経細胞を操作する事で、化学的に人間を操作出来る可能性。

遺伝的影響
遺伝子操作によって脳を変える可能性。

社会的影響
仮想現実が普及する事による影響。全ての人間が自由になる仮想世界を手に入れる。自己中心主義競争に対する完璧な処方。客観的自由の放棄。それは、現実と予測の相違に対する憤りに繋がるかもしれず、著者は現実的に考えていないのか?

未来に向けて
精神操作が実現された未来の可能性について。

第十五章 立ち向かうこと
絶え間ない感化
無数の広告、ニュース、情報に接する現代人は感化の波にさらされている。

ミームワクチン
概念によって概念に抵抗する試み。強力な信仰は精神操作に対する防壁になるかもしれない。

立ち止まって考える―感化への抵抗手段
感化への抵抗手段は、批判的・懐疑的思考、ユーモア、etcである。メッセージを分析し、論点・言語・表現の正確性をチェックする。自分の苦痛を思う事は意気消沈に繋がるため、ユーモアが抵抗手段として有効である。

認識と抵抗
洗脳への気付きと抵抗について。

思想のワープ
霊的概念に感染した人間は、人格変化によって特定の物事に拘った狂信者になる。支配的認知ウェブは、競合する信念からエネルギーを奪い、人格範囲を狭める。

束縛を破る
狂信者に対して、被害を及ぼさない攻撃性発露の方法を提示する事、又は、公開討論を与える。

大規模な抵抗―個人から社会へ
個人が有害な信念を採用すると、単独では振り払う事がd系内。客観的な多数意見が、個人的主観的感覚を凌駕する。

相対主義
各価値観を相対的に見る事は可能なのか?

社会的団結
霊的概念の全てが有害とは限らず、如何なる集団も法的支配の下に存在するようにする?FACET(Freedom,Agency,Ends-not-means,Thinking,Complexity)を尊重する。

われわれの方針の変化
以下の指針。

Freedom:
個々人の行為主体性を強調する。開放的な環境は、集団支配を弱める。

Agency:
自由の感覚を強化し、リアクタンスで洗脳者に反応する。

Ends-not-means:
集団に都合の良い実行を優先しない。

Thinking:
試行錯誤によって導かれる実際的思考。

Complexity:
複雑性に価値があるとして、純粋な人間を追求しない。

FSCETアプローチはなぜ必要か?
自分自身を操作している感覚を持つために重要。複雑性を好機として捉える。

FACETアプローチの導入を実現する
権威を実務主義で置き換える教義であるらしい。

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