小説家の作り方

読んだ本の感想。

野崎まど著。2011年3月25日 初版発行。



以下、ネタバレ含む。

面白いと思ったけど、話に矛盾がある気がする。僕の読解力の問題か?

Ⅰ 読者
小説家 物実に小説の書き方を教えて欲しいという手紙が来る。手紙を送付した紫衣代は、この世で一番面白い小説を書きたいらしい。

Ⅱ レクチャー・1
物実が紫衣代に会う。小説の書き方を教えるアルバイトの提案。

Ⅲ レクチャー・2
紫衣代が、小説を5万冊読んだと言う。しかし、能動的に文章を書いた経験は無いらしい。

<プロット作り>
物語の構成を考える。事象を順番に羅列するのでなく、因果関係を含めて記述する。
ストーリー:父が死んだ。母が死んだ。
プロット:父が死に、その悲しみによって母が死んだ。

紫衣代は、適当にプロットを書く事が出来ないらしい。物実は、どのような言葉であっても小説の最初の言葉に成り得るとアドバイスする。

Ⅳ レクチャー・3
小説の書き方教室は10月になっても続く。ガジェットとモチーフ、比喩表現。この世で一番面白い小説は、読むと世界に戻れないようなものであるらしい。

Ⅴ レクチャー・4
小説の書き方教室は11月になっても続く。

<ルール>
小説世界の中にルールを作る。読者がルールを理解すると、ルールに則っている間は展開が予測し易い。ルールから逸脱する事で読者の感情を動かす事が出来る。

11月23日は、東央大学駒場キャンバスの学園祭が行われる日。物実と紫衣代が参加する。P133に熱を感じる描写。

Ⅵ 誕生
小説の書き方教室は12月になっても続く。紫衣代が小説を書く事を決める。

在原露登場。紫衣代の正体が、人工知能『むらさき』であると知らせる。人工知能が無線通信を利用して、人間を動かし、小説の書き方を習っていたと主張する。その証拠に、紫衣代の耳にはイヤクリップ型のヘッドホンが付いている。計算機械内に存在するため外出出来ない人工知能が人間を雇い、ヘッドホンで指示を出していたという説。

また、『むらさき』が茶水と組んで、ロボットを作成していた事が発覚。現実世界に干渉するために自分の身体を手に入れる?

<キャラクター>
キャラクターは、小説世界の中に存在する。読者は小説を読んでキャラクター像を想像する。現実の人間も、小説のキャラクターも、頭の中の情報で作られたイメージである。
作者は、作り出したいキャラクターを想像しながら、書き出す情報を調整する。

Ⅶ 世界で一番面白い小説
1月になって物実が紫衣代と再会する。ロボット作りは、『むらさき』の真の目的を隠すための偽装であり、本当の目的は、『むらさき』の複製を別の場所に確保する事であったらしい。

引き続き、小説の書き方を習いたいらしい。

そして、人間であったと思われた紫衣代は、本当は超技術によって作られたロボットであったのだとか。

ここでP11の《兵庫・130人、集団失踪》に繋がる記述。某大手企業の製作所での職員集団失踪事件。『むらさき』の書いたメモを読んだ職員達が人間の形を保てなくなったのだとか。

**************

【登場人物】
物実:
大学四年生で『深奥社ファンタジー大賞』を受賞したデビュー3年目の作家。ファンタジー小説四作を発表し、キャラクター描写に定評があるらしい。東央大学(東京大学がモデルみたい)出身。

紫衣代:
明裏大学二年生?この世で一番面白い小説を書きたいらしい。人工知能であり、50万冊の本を読んでいるらしい。

茶水:
物実の大学時代のクラスメイト。大学院生をしている。

付白誌作子:
編集デスク。27歳。

在原露:
真っ白い長髪の女性。20代?answer answer(答えをもつ者)。天才的なハッカーであるらしい。人工知能『むらさき』の開発者。

【バベルの図書館】
研究者のコミュニティにログインするソフトウェア。色々な分野の研究者が集まる。クラックしてコミュニティにログインする以下の七人がいるらしい。

・answer answer:答えをもつ者(日本人)
・beaver eater:カワウソ喰い(日本人)
・copper water:赤い水
・December ever:永遠の師走(日本人、女性?)
・error over:失敗失敗
・fever cover:真人間(A型、蛇使い座)
・gutter keeper:0点大行進(英国人)

⇒作者の別作品に使われていそうなネタだと思う。
 この作者の別作品は読んだ事が無いのでメモしておく。

**************

何か話の辻褄がおかしい気がする。

①紫衣代を人間だと思っている
   ↓
②紫衣代は人工知能に雇われたアルバイトだった
   ↓
③紫衣代は超技術で作られたロボットだった

作者が、上記③の設定を後付けで追加したとしなければ辻褄が合わないように思う。明裏大学二年生の紫衣代は実在するの?9月の集団失踪事件が超技術によるアンドロイドを作った事により発生したのなら、その後で『むらさき』が自分の複製を他の場所に確保する必要は無いのでは?

他にも様々な腑に落ちない感覚があるが、面白いと思った。

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