発達障害のある子の「行動問題」解決ケーススタディ

読んだ本の感想。

小笠原恵編著。2010年4月15日発行。



第1章 人が行う行動の理由を探る
問題行動を分析するために「ABC分析」を使用する。

STEP1:
状況を、①切っ掛け(Antecedent)②行動(Behabior)③結果・応対(Consequence)の3つに整理する。この時、推測や印象、解釈は記述せず、具体的で客観的な事実を記述する。

STEP2:
問題行動を起こした人間の気持ちを推測し、書き出す。気持ちは一つに特定せず、思いつく限り書き出す。
行動の形態を「反応トポグラフィー」、行動の目的を「機能」と呼ぶ。違う行動であっても同一の目的から発生している場合があり、行動の「機能」に対応した解決策を探る必要がある。

STEP3:
問題行動を起こした人間の気持ち候補の中から、切っ掛けと結果に対応しない候補をはじく。切っ掛けと結果は行動によって因果関係を結んでいる(行動の随伴性)。

行動問題の生起要因に関する情報を収集する機能的アセスメントは以下の3種類。

①インタビュー等による聞き取り
②直接観察・記録
③切っ掛け、結果と行動の随伴関係を実験的に統制し、
 行動の生起頻度を比較する

課題分析:
複雑な行動であっても細かな具体的行動を順番に行う事で成り立っている。具体的行動(行動要素)を系統的に連鎖させていく行動連鎖によって行動は成り立つ。
行動を細かい具体的行動に分けて考える事を課題分析と呼ぶ。複雑な行動が達成出来ない原因を特定出来た場合、複雑な行動を実施出来るかもしれない。

第2章 生活を豊かにするアプローチ
第1節 上手なきっかけのつくり方
クラスメートを殴る生徒に関する行動分析。悪口や身体接触を一時的にでも抑止出来る事が、殴る行動を維持させている主な原因と推測する。よって注意や視覚的指示は無効であった。

殴る行動を他の方法に置き換える事を提案。習慣化する事も大切。

プロンプト:
指導する時に使用する手掛かり(指差し、声掛け等)。適切な行動が発生する確率を高める補助的な刺激。

フェイディング:
自発的行動が出来るようにプロンプトを減らしていく事。プロンプトの内容を間接的なものに変化させていく。

以下のように考える?

・身体的刺激→お手本を見せる→視覚的指示→言語による指示
・プロンプトの提示タイミングを遅くする
・間接的な刺激に切り替える

機能的コミュニケーション訓練:
問題行動の原因を探り、別の行動に切り替える。例えば、先輩と話す切っ掛けを作るために仕事上のミスをする人間に対し、他の方法で先輩と話す切っ掛けを提示する事で問題行動を起こさないようにする。

問題行動を起こさなければ実行出来ないような行動を提示する方法もある。

第2節 行動の理由に適合した対応方法
床に寝そべって、クラスメートの足を引っかける子供への対処。

ABC分析や気持の推測により、周囲の注目を集める事が目的であると推測?苦手な授業をボイコットする目的もある?

対策として目標を問題行動を起こす子供に提示する。提示する目標のポイントは以下の通り。

①行動型の目標
「◎◎をしてはならない」という目標だと、何をすれば良いのか分からなくなる。何をすれば良いのか分かるような目標にする。
②具体的な目標
数値化可能で、誰でも同じ行動を観察可能であり、細かい行動に分けられる目標を提示する。
③達成可能な目標
達成出来るまでに時間がかかる目標だと達成されたのか曖昧になる。
④少ない目標
目標の数は1~2とする。

行動の結果操作:
良い行動をした時に褒めるようする。罰は行動を消去するが、報酬は行動を増加させる事が出来る?

第3節 行動問題を起こさない環境のつくり方
教室の電灯を消してしまう子供への対処。

電灯のスイッチから離れた場所に座らせたり、自由時間に遊びや手伝いをさせる等の対応。

状況事象:
人間の行動は、直前にある出来事や直後に起こる結果に影響される。状況を操作する事で問題行動を減らす事が出来る。

第4節 自分の行動のマネジメント
授業中にじっとしていられない子供への対処。

説明を短くして、一つ終わるたびに、解った人に挙手して貰う、ノートに板書を書き写す機会を多く作る等の講義方法の変更を採用する。

セルフマネジメント:
自分で目標を設定し、達成出来るように行動を管理する事。
以下の方法がある。

自己教示:目標とする行動が達成出来るような状況を作る
       (目覚まし時計のセットや、すべき事をメモする等)
自己監視:目標とする行動が出来たか記録する事
自己評価:目標とする行動基準と自分の行動を比較する
自己強化:目標とする行動が出来た時に、自分に御褒美を与える事

問題行動を起こす人間と周囲が、困っている行動と目標について話し合う事で自己管理による解決策を模索可能。

第5節 子供をやる気にさせる手立て
問題行動を起こす人間の気持ちを推測する際に、周囲の環境や対応等の客観的な記述にする事で、内部に原因を求める事無く、具体的な環境操作による解決策を可能にする?

動機付けが低い原因の候補は以下の通り?

①課題の好み
②御褒美の価値
③課題遂行に要する負担
④課題に対する飽和(飽きている)
⑤身体的疲労や生理的状態

指導者が一方的に提示するよりも、作業者が自ら決定した方が動機付けが高まる。

第3章 包括的なアプローチ
動きの停止や儀礼的な行動について。

周囲の介助が助長している?こうした解釈が非常に多い。他の考え方も出来るのではないか?

問題行動を起こさずに目的を達成する方法を教える。

従来は、問題行動を減らす事に重点を当てたアプローチが多く見られた。場当たり的な制止や抑止、嫌悪な刺激の提示等の強制的な介入。

近年では、行動問題の生起について仮説を構築し、多様な介入を含む解決策が志向されている?

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