アンティークコインで資産を防衛せよ

読んだ本の感想。

平木啓一著。2012年10月4日 第1版第1刷発行。



「カネはアンティーク・コインにぶちこめ!」(加治将一著、2012年5月10日発行)と、「カネはやっぱりアンティークコインにぶちこめ!」(加治将一著、2014年2月20日発行)からも。





以下は、「加治将一オフィシャルサイト」へのリンク。

http://www.kaji-room.com/

アンティークコインの価格は、2002年~2012年の10年間で全体として4倍程度になったとされる。アンティークコインへの投資が盛り上がっている背景には、以下のような事情があるらしい。

・中国やロシアの経済発展
  2010年以来、中国絵画競売市場は取引額世界一。
  コインにも資金が流入している。
・2010年頃からのスイス銀行の口座名簿の開示
  スイス銀行の秘匿口座に預金されていた資金が
  コインに流入している可能性。

⇒バブル崩壊に注意。

以下は、コインの情報誌「月刊 収集」のWebサイトへのリンク。

http://www.shushu.co.jp/

以下は、Webサイト「古銭関係リンク」へのリンク。

http://park1.aeonnet.ne.jp/~iida/kazuo/coin/coinlink.html

第1章 何故コインが資産になるか
第一次世界大戦に敗北したドイツにおいて、ユダヤ人達がインフレヘッジのためにアンティークコインに投資した話等。現在でも、欧米のコインディーラーにはユダヤ人が多い。

アンティークコイン投資には、歴史を楽しむ側面もあるが、英国年金基金や退役軍人基金等の資金も流入している。

日本において、総額1000万円以上のコインを収集する人間は2万人程度と推測されるが、米国の150万人、スペインの50万人、英国、ドイツ、フランス、イタリア、ベルギーの各20万人と、世界中にコイン愛好家は300万人は存在すると推測される。

第2章 基礎知識を学ぼう
2.1 グレードと価格について
貨幣の状態をグレード(品質)と呼ぶ。

以下は、グレードを示す用語。

・未使用
  プルーフ(FDC):鏡状の面を有した、全くの未使用
  UNCIRCULATED:鏡状の面でない未使用
・準未使用(ABOUT UNCIRCULATED)
・極美品(EXTREMELY FINE)
・美品(VERY FINE)
・普通品(FINE)
・劣品

未使用と極美品の間には3倍、極美品と美品の間には2倍~3倍の価格差がある?コインが摩耗するとグレードが下がる。銀磨き等で汚れを落としたり、縁欠け(エッジネック)、小さな傷(スクラッチ)、髪の毛状の傷(ヘアライン)もグレードを下げる原因となる。

未使用品を購入する事は困難。極美品、美品を狙い、普通品や劣品を避ける。

グレーディングは、1886年に設立された米国貨幣保証会社(PCGS)と、NGCの二社が主に行う?NGCの方が後発だが、甘いグレーディングという話がある。

以下のリンク先の「一般社団法人 日本アンティークコイン・グレーディング協会」に問い合わせると、有料で鑑定してもらえる。

http://antiquecoin.or.jp/

2.2 文献を数多く読もう
以下の文献がある。

・世界のコイン標準カタログ一九0一―現代
  1901年以降のコイン4万8800万枚以上を紹介
・世界のコイン標準カタログ 19世紀
  19世紀のコイン3万5000万枚以上を紹介
・世界の金貨標準カタログ
  1601年以降の金貨等を収録

世界のコイン標準カタログには、1901年以前の版もあるようで、古いコインの閲覧が可能。ダヴェンポート(Davenport)の9000番台のカタログには、1400年代末期から1500年代のコインが収録されている。

米国で発行されているコイン年鑑「WORLD COINS」は、KMカタログとも呼ばれており、1601年~2000年までを4刷で網羅して約3万円程度の値段。他に、「SEAR」という古代コインのカタログが有名。









・世界の紙幣―一九六一―現代
・世界の紙幣標準カタログ

2.3 歴史を学ぼう
コインの背景知識を知ると、コイン投資を楽しむ事が出来る。

<例1>
ドイツには、1888年銘柄の三人の皇帝に関する20マルク金貨がある。ヴィルヘルム1世が1889年3月9日に崩御した後、フリードリヒ3世が即位したが三ヶ月後に崩御し、ヴィルヘルム2世が即位している。同年に3人のドイツ皇帝が即位したため、1888年銘柄のドイツ金貨は3種類ある。

<例2>
英国のコインに刻印された文字には、歴史が刻まれている。
英国の貨幣制度は、古代ローマの貨幣制度を継承している。L(ラテン語のポンド)、S(ソルド)、D(デナリウス)。また、1663年に発行された金貨の単位「ギニー」は、アフリカのギニア産の金で製造された事を示す。

2.4 どう買ってどう売るか
コインディーラーやオークションでコインを購入する話。オークションにてコインを売る話。日本でのオークションの開催は、年に7回であるらしい。

日本に、コインディーラー店は100店舗ほどあるが、信用性がある店が見極める事が大切。

以下は、「日本貨幣商協同組合」のWebサイトへのリンク。

http://www.jnda.or.jp/

他に「国際貨幣専門家協会」(International Association of Prefessional Numismatists)という団体もあるらしい。

コインオークションについて、インターネットで検索したら以下のページを見つけた。株式会社日本コインオークションという会社があるらしい。

http://www.darumacoins.co.jp/?main_page=about_relation

以下は、コインの目安価格を知るための海外のWebサイト?

http://coins.ha.com/

インターネット・オークションでの売買は贋作を掴まされる可能性を考慮すべき。

以下は、「みんなのコイン市場」へのリンク。

http://www.coinichiba.com/

2.5 いかに保管するか
自宅に耐火機能付金庫を設置する話。湿気対策のため、茶箱や乾燥剤を使用する。

2.6 市況には常に目を注ぐ
地金タイプの金貨投資をする場合、金相場の動向に注意する。名品の場合、相場動向にはそれほど左右されない。

第3章 どのようなコインを狙うか
3.1 金貨・銀貨・銅貨
予算によって投資対象は決定されてしまう。

●少額から開始したい場合
  コイン型地金メイプル・リーフを買う。
  1オンス、1/2オンス、1/4オンス、1/10オンスの4種類があり、
  1万円台から購入可能?
●やや高額から開始したい場合
  ナポレオン金貨を購入する。
  5、10、20、40、50、100の6種類がある。
  100フランの場合、月桂冠有りのデザインが希少で高価。

評価の違いは、以下によって定まる。
 ・ミントマーク(貨幣製造所の番号)
 ・希少年号
 ・保存状態

3.2 小廻りの利く小型地金タイプ
名品を売却する場合、オークション等によって時間を要する事が多い。欧米では、地金タイプの金貨(ビュリオン・ゴールド)を、両替商によって換金可能。

3.3 新発行物は地金価値だけか
新規に発行される地金タイプのコインが希少価値が値上がりする事はない。地金価値にプレミアムが付いて取引される。人気の低い国家のコインは、高いプレミアムがつかない。金価格が1g4500円の時に、コイン価格が1g5000円程度なら購入価値があるかもしれない。

3.4 発行数と現存数
発行数は、コレクター数とのバランスを考慮する。コレクター数が多い通貨の場合、1万枚の発行数でも問題にならない。記念コインの場合は、テーマがローカルであると人気が出ない。

<1928年のハワイ発見150年記念50セント銀貨>
1915年~1951年に発行された50セント銀貨記念シリーズの一つ。
発行数が1万8枚と少なく、50セント銀貨記念シリーズの中で人気が高い。同じ発行数の「ニューヨーク・ハドソン市150年記念50セント銀貨」とは、極美品で2.8倍の差がある。発行数6000枚の「アラバマ州100年記念50セント銀貨」とは4.3倍の差があり、発行する5000枚の「ミズーリ州100年記念50セント銀貨」とは2.77倍の差がある。

ローカル色が強いと、発行数が少なくとも評価が低い。

また、政変があった国家の貨幣は、発行数が多くとも現存数が少ない事がある。

3.5 歴史的背景は大きな魅力
通貨の発行者や発行された理由を知る事も、コイン投資の魅力である。

3.6 人気のある国のコイン
コインの魅力は、①国の人気②コインの希少性③デザインによって定まる。日本のコインは、マーケットが弱いため、人気が低い。

<米国>
1915年の「パンパシフィック博覧会記念」等の国力を物語る近代コインが目立つ。歴史が浅いために投資対象は少ない。

<英国>
最重要国。地金タイプの場合、1980年以降のエリザベス2世の5ポンド金貨等がある。

<ドイツ>
高いコイン製造技術を持った神聖ローマ帝国に属する。ドイツの公国は、それぞれが貨幣製造権を保有し、ワールド・コインカタログに掲載されている1601年~1700年のコインの内、42.7%がドイツ製である。小国のコインは希少性が高い。

<フランス>
アンリ4世やルイ13世以降が面白いらしい。
以下の2つのテーマがある。
 ブルボン王朝:アンリ4世、ルイ13世、ルイ14世、ルイ15世、
        ルイ16世のコイン。
        23種類で一区切り。
        2012年時点では600万円ほどで揃ったらしい。
 共和制:第一共和政から第三共和政までのコイン。

イタリア、北欧諸国、スイス、スペイン等にも有望なコインは存在する。インドやブラジル等の経済発展が著しい国家のコインは値上がる可能性がある。

3.7 突然の高値には何が?
2000年代から、ロシアや中国の経済発展に伴い、ロシアコインや中国コインが急騰する事があった。コイン・マーケットの歴史がある先進国では5年でコイン価値が5倍になる事は無い。

3.8 歴史のある記念シリーズは不変の人気が
コイン界の五大記念シリーズ。

①ドイツ・バイエルン
 1825年のルードヴィヒ1世の戴冠記念からマクシミリアン2世まで
 続く。ターレル銀貨26種、2ターレル銀貨14種。
②ドイツ・ワイマル共和国
 15年の短命国家であるが、大インフレーションの後で登場した
 記念コインに人気がある。27種類。
③スイス射撃大会
 1842年~1885年にかけてのシリーズ。17種類。
 2012年時点では、約350万円程度で揃ったらしい。
④米国50セント銀貨シリーズ
 1915年~1951年に発行。48種。
⑤オーストリアシリーズ

上記の①~④が確たる地位を築いている。

3.9 系統立ったコレクション
コイン投資をする前に、テーマを決める。特定の国家の王族のコイン等。少額の予算では、エリザベス2世の5ポンド金貨だけ揃える方法がある。2002年までに22種類となる。

3.10 名品だけを狙い撃ち
1800年以降の銀貨の名品を紹介。

<オーストリア>
1858年の「オーストリア南部鉄道記念」2ターレル銀貨。1873年の「ウィーン射撃大会」2フローリン銀貨。1887年の「クッテンベルク鉱山再開記念」2フローリン銀貨。

<ブラジル>
1900年の「発見四00年記念」4000レイス銀貨。2000レイス銀貨、1000レイス銀貨、400レイス銀貨と4種のセットになる。

<カンボジア>
1875年にピアストル銀貨が、ベルギーにて製造された。5サンティーム青銅貨まで8種のシリーズ。

<コモロ諸島>
1890年の5フラン銀貨は、発行数が2050枚であり人気が高い。

<チリ>
1828年の1ペソ銀貨は発行数が少なく人気が高い。

<仏領コーチシナ>
仏領コーチシナのピアストル銀貨は、1879年、1884年、1885年銘が存在する。1885年は100枚だけ製造されたらしい。

<フランス>
1815年の「百日天下」タイプ。

<独領ギニア>
5マルク銀貨。極楽鳥を描き、1万9000枚も発行されたが希少性がある。

<ドイツ>
ルードヴィヒ2世を描く2ターレル銀貨。

<ワイマル共和国>
1932年の「ゲーテ逝去一00年記念」5マルク銀貨。2万枚が発行されたが人気がある。

<グアマテラ>
1925年の1ケッツァル銀貨。1万枚製造されたが、2年後に7000枚が溶解されたため、実質的な発行枚数は3000枚である。

<ハワイ>
1883年に発行された1ドル銀貨。発行枚数は50万枚であり、グレードが高い銀貨には価値がある。

<英国>
1839年~1847年にかけてのヤングヘッド。1847年と1853年に発行されたゴティック。クラウン。

<香港>
1866年~1868年の1ドル銀貨。210万枚以上が発行されたため、グレードが高い銀貨の価値が高い。

<イタリア>
1914年の5リレ銀貨。27万3000枚が発行されたが、極美品以上は少ない。

<朝鮮>
1892年の5両銀貨。裏面の王冠を戴く鷲はロシアをイメージしており、朝鮮王朝内の親露派が製造。数百枚単位で製造された?

<ニュージーランド>
1935年の「ワイタンギ記念」クラウン銀貨。通常タイプが764枚、ルーフ・タイプが364枚発行されている。

<ロシア>
1835年、1836年の「ファミリー・ルーブル」、1914年の「ガングート海戦」等。

<タイ>
1864年の「ラーマ4世生誕六0年記念」4バーツ銀貨。

<スイス>
1842年の「グラウヴンデン射撃大会記念」4フランケン銀貨、1847年の「グラルス射撃大会記念」40バッツェン銀貨、1855年の「ゾロートゥルン射撃大会記念」5フラン銀貨。

<ザンジバル>
1882年に発行された1リアル銀貨。6万枚が発行され、グレードの良好な品が珍しい。

<フランス軍守備隊>
1813年にフランス守備隊が、アドリア海方面で攻囲された際に発行された銀貨。

3.11 試作貨はどうか
デザイン変更のために試験的に製造したコインをトライアル・ピース、パターン、エッセイ等と呼ぶ。金貨を銅で製造する場合がある。

3.12 一点クラシカルな名品を持つなら
以下の候補がある。

・神聖ローマ帝国
ティロル大公領のグルディナー銀貨。1484年の小型タイプと1486年のフルサイズがあり、世界初の完全年号入り大型銀貨である。

・スイス
1494年、1512年のターレル銀貨。

・英国
1551年のエドワード6世のクラウン銀貨。他にエリザベス女王のタイプもある。

その他、いろいろ。

3.13 金貨の名品の話をしよう
1800年以降の名品について。

中国:
光緒丙午(1906年)、丁未(1907年)に発行された「大清金幣」。偽造品が多い。

英国:
1839年に発行された「ウナ&ライオン」。プルーフセット用400枚という希少な発行数。

その他、いろいろ。

3.14 マイナーコインに可能性はあるか
コインがありふれていても、グレードが高ければ高価になる可能性がある。カタログ上で、各コインのグレードと評価の関連、オークションでの落札値を知っておく必要がある。低額面の銀貨の未使用品は宝石並の存在。

・カナダ
1870年~1901年のヴィクトリア女王を描く1/2ドル銀貨。ペニートークンが、ニューブラウンズで1853年に48万枚、1854年に43万2000枚、ノヴァスコシィアで1856年に36万枚が発行されたが未使用品が少なく希少価値が高い。

・朝鮮
鷲の50銭銀貨、5銭白銅貨、1銭銅貨の3種。

・リベリア
1847年、1862年に発行された2セント銅貨。

・ギリシア
1831年の20レプタ銅貨

他にエチオピアのゲルシュ(1/20ビール銅貨)、米国のラージセント(大型1セント銅貨)等。

3.15 将来の展望
テーマに基づき、コレクションを作り上げていくと、ネックが生じてしまい、普通品で代用するしかない事がある。そうやって欠けている部分を補い、後刻、グレードの良い品が出た時に入れ替える事になる。

投資として考えると、1億5000万円の札束はスーツケース一杯の分量があるが、コインにすると約350gですむ。金や銀の地金価値に保証されたコインと、希少性を有するコインで資産保全する事になる。

これからは、希少な大型銀貨が値上がりする可能性がある。後進国のコインには未使用品が残っている可能性があり化ける可能性がある。

一番の問題は市場の過熱であり、バブル化している対象を避ける必要がある。

第4章 紙幣
4.1 割安感の強い紙幣
コインと比較して紙幣の割安感が強いとする意見。

<例1>
インドシナ銀行 ウラジオストーク支店がロシア革命の最中に、米国バンクノート社に依頼して試作した5組程度しかない紙幣がオークションでは40万円以下。

<例2>
明朝 光武帝の時代に発行された1貫文紙幣は、2006年頃まで1000ドル台で見つけられた。2012年現在では100万円の値がつく事もあるらしい。

<例3>
1945年に、インド準備銀行が発行した1万ルーピー紙幣。1ルピー銀貨(5.83gの純銀が含まれた)1万枚と兌換出来た。未使用状態でオークションに出ても100万円にしかならなかったが、2012年のオークションでは400万円の値がついた。

4.2 グレードがここでもものを言う
紙幣の最高ランクは、未使用(UNCIRCULATED)だが、ピン札(CRISP NEW)という表示もある。投資対象としては、極端な希少品以外は、極美品以上を考える。

4.3 試刷りが意外と市場に
紙幣は、コインよりも試作が容易いため、試作品が市場に出る事も多い。米国バンクノート社による紙幣印刷の受注が有名である。

4.4 どういったテーマで集めるか
興味のある国家や目的に基づいて集めるべき。紙幣には、国家の代表的な風物を描かれているので、世界遺産や女性、動物等をテーマに集める事も出来る。

4.5 紙幣の名品とは
オーストラリア:
1910年にヴィクトリア銀行にて登場した1ポンドから50ポンド紙幣までの5種のシリーズ。

エチオピア:
1915年~1929年の500タレル紙幣。

フランス:
1918年の5000フラン紙幣。

スペイン:
1876年の100ペセタ、500ペセタ、1000ペセタの3種。

その他、いろいろ。

第5章 メダル
5.1 美しさではコイン以上
メダル:古代ギリシア時代から、記念事業や戦勝等の業績を
    記念するために製造された。

古代ローマ帝国の皇帝ハドリアヌスは、愛人であったアンティノオスの肖像を描いたコインを製造している。

5.2 現代物は地金価値だけ
コレクターの間で値が付くのはヴィクトリア女王までという意見。現代物には歴史的価値が付属し難い。

5.3 歴史的メダルは文化財
メダルには、歴史的人物の肖像を描く等、文化財として評価出来る品もある。

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