七夜物語

読んだ本の感想。

川上弘美著。2012年5月30日 第一刷発行。





1977年が舞台。欅坂小学校 四年三組の鳴海さよが、同級生の仄田鷹彦と別世界 夜の国で冒険する。

【登場人物】
鳴海さよ:
母子家庭。父 財部昶(35歳)と母 鳴海怜子(35歳)は三年前?に離婚したらしい。祖母と叔母の清子が偶に面倒を見ている。児童文学作家になる。

仄田鷹彦:
百科事典等を読むのが好きな小学生。父、祖母との三人暮らし。地球物理学者になる。

グリクレル:
夜の世界の案内人。身の丈二mほどの灰色の鼠。その影が分離してミエルという生物になる。ミエルは至る所にいる。

塩原:
鳴海さよのクラスメイト。運動が得意。父親は「けやきの工務店」に務める。

野村:
鳴海さよのクラスメイト。父親は野村内科の院長。友人は安田。小児科の医者になる。

宮崎:
鳴海さよのクラスメイトで二学期に仙台から転校してきた。高校の社会科教師になる。

第一章 図書館
欅野高校を見学するのが好きな鳴海さよが、定時制に通う小田切南生、藤原麦子と仲良くなる。また、欅野区立第一図書館にある「七夜物語」という本を読んでも内容を記憶出来ない事を知る。

第二章 最初の夜
鳴海さよが、小田切南生、藤原麦子が主宰する、くちぶえ部に入る。週一回、定時制の授業が始まる前に三人で口笛の練習をする。

鳴海さよは、くちぶえ部を仄田鷹彦に紹介すべく、欅野高校に連れて行くが、そこでグリクレルの主宰する試験を受ける。①皿洗い、②暖炉の火を絶やさない、③ミエルを口笛で撃退する。試験に合格した主人公達は現実に帰還する。

P96:
たそがれの支配する場所

第三章 次の夜
夏休みなり、再び、鳴海さよと仄田鷹彦が夜の世界に行く。永遠の眠りに落ちそうになるが、夢の中に小田切南生、藤原麦子が現れ、最初の夜の疑問について書いたノートを見つけて目覚める。

第四章 二つの夜
九月の終りになり、仄田鷹彦がクラスにおけるカレーシチューをめぐる男子達の争いに加わらず、クラスメイトの野村から「仄田のことなんて、どうでもいい」と言われて登校拒否になり三週間休む。鳴海さよは、母親に金澤という恋人を紹介される。

また夜の世界に迷い込み、鳴海さよは24歳時の両親と出会い、仄田鷹彦は自分がスターになれる世界に迷い込む。鳴海さよは恋人である両親を憎み、仄田鷹彦はいじめっ子になって野村の朝鮮人参を割って後悔する。

現実に帰還した鳴海さよは別居中の父親と会う事にし、仄田鷹彦は朝鮮人参を割った事を野村に謝る。

P329:
母は、さよだけの母ではないのだ

第五章 五つ目の夜
文房具が生きている世界に迷い込む。

七個のウバという生き物が文房具に生命を与えており、鳴海さよと仄田鷹彦は、グリクレルからもらった懐中電灯(光をあてた物体の大きさを変える)でウバを消していくが、自らの正義を確信出来なくなり、途中でウバを消す事を止める。

その結果、四年三組の教室から黒板等の文房具が幾つか消える。

P128:
おまえと母親が、ほんとうの一心同体だったら、若いおまえの父親が若いおまえの母親に言い寄っているのを見ても、腹は立たないはずではないのですか

第六章 最後から二番目の夜
グリクレルの宴会に出席する。

文房具達の他に、鳴海さよの想像上の生物ナハト(豹の獣人)も参加。サクランボのグラフティーが好評。

第七章 最後の夜
正月の準備をし、二月の立春の日に、白と黒に極端に分かれた世界に迷い込む。

とても美しい子供達がいるが、時間が経過すると彼等は醜くなる。美醜や長短が混在しないため、極端になるらしい。二人は、光と影に分かれた自分自身と対決し、爆発的な怒りと悲しみの力で勝利したらしい。

P346:
一日の半分は、へんにきれい。もう半分はまるで生気がない

P350:
絵を描いたのは、「みろ」という画家だ。絵の中には、いくつもの顔があり、その顔からは、手足なんだか骨なんだか体なんだかよくわからないものがはえでている

P354:
かなしいきみの心が、あの、水に浮かぶ泡のようにもろいうつくしさにあこがれるんだね

第八章 夜明け
後日談。

鳴海さよと仄田鷹彦は少し生長し、十数年が経過し、小学校のクラス会で再会したらしい。

P503:
トバとフリーダという名は、父の大好きな「鳥獣戯画」という絵の作者と、父の大好きな眉毛のつながった女の絵描きさんの名前を拝借した

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