富豪への王道 史記・貨殖列伝を読み解く

読んだ本の感想。

林田慎之助著。2007年7月10日 第一刷発行。



『史記』の『貨殖列伝』に記載された古代中国の富豪達を通じて、素封家(資本家)による自由経済的思想が古代にあったという話。

范蠡や子貢、白圭等の富豪達の記述があり、孔子の名声は弟子の子貢の経済的手腕にも由来するとしている。

司馬遷は人間の欲望を肯定し、欲望があるから商売によって物資の流通が行われるとする?漢帝国が成立して国土が統一されると、関所の制限が緩められて交易が盛んになり富豪が生まれる。やがて武帝の時代になると、対匈奴軍事作戦の費用を集めるために富裕層を都長安周辺に集約して富の統制に乗り出し、国家経済の様相を強めていく。

紀元前110年に治粟都尉に任命された桑弘羊は、各地に均輸官と塩鉄官を派遣して常駐させ、地方毎の特産物を供出させ、転売で儲ける体制を作った。塩や鉄は国家による専売となり、紀元前98年には酒の専売制になった。

首都には平準局を設けて、物資集配を全国的に管轄する。それは国家による商業経営である。『史記』においては、秦の始皇帝批判を通じて、この時代の武帝の統制経済を批判しているとする。

<地勢学的考察>
司馬遷は各地を旅し、各地の気質について記述している。黄河流域と揚子江流域を比較し、土地が広くて食物が豊かな揚子江流域は安楽に暮らせるために返って富豪がおらず、しばしば洪水や旱魃の被害を受けるために貯蓄が盛んな黄河流域の方が富豪が多いとする。

山東省:
斉と魯の地方であり、桑と麻の産出に適して人口が多い。斉では物産が豊富で風俗が大らかであるが、魯は土地が狭く人口が多いので吝嗇であるとする。

燕(北京中心):
しばしば外敵の侵略を被り、魚、塩、棗、栗を産する。

河内(河北省西南部、山西省):
殷の紂王の歓楽地があった沙丘があった場所で、淫靡の風に染まった子孫が要る。

間中(陝西省):
周王朝初期に聖王と小絵sられる天子を排出し、今でもその気風が残る。長安や咸陽という商人が集まる都市がある。

巴蜀(四川省):
紅、生姜、丹砂、銅、鉄、竹などを産出し、南部からは奴隷、西郡からは馬とヤク牛が出る。

楚南部(長江流域):
南北から水路があり低湿地。越族の風俗が交わるので人美が信頼できない。海南島付近では越族が多くなり、広東には真珠や犀角、果物等が集まる。

****************

中国を四地域に分ける記述では、長安と洛陽の中間にある華山を境目に、西方では木材や竹、楮等が豊かであり、東方では魚、塩、漆、歌妓がとれる。江南と北方に分けると、木材や香料、金、銀を産する江南に対して、馬や牛、羊などを産する北部とする。

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