宋の太祖 趙匡胤

読んだ本の感想。

小前亮著。2009年7月15日第1刷発行。



宋朝の創始者 趙匡胤の20歳?~49歳までを描く。叙述トリックのようになっている。

以下は、Wikipediaの「趙匡胤」のページへのリンク。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%B6%99%E5%8C%A1%E8%83%A4

最後まで読むと当人の独白がどこまで正確なのか分からなくなる。

王となるためには意志を押し通す力を持たなくてはならないが、王であり続けるためには自分以外の意志によって押し付けられた正統性を示さなくてはならない。能動性と受動性という相反する両面。

【登場人物】
趙匡胤(927年~976年、在位:960年~976年):
北宋の創始者。武術の達人。父は後漢に仕える趙弘殷。

趙匡義(光義)(939年~997年、在位:976年~997年):
北宋の二代目皇帝 太宗。趙匡胤の弟。

鄭恩(子明):
美貌の男。趙匡胤の弟分。北漢遠征時の太原包囲戦時に趙匡胤を庇って死ぬ。

韓素梅:
南唐出身で鄭恩の知人の妹。教坊司(朝廷直属の妓楼)に献上された。趙匡胤と恋愛関係になるが最後まで結婚しない。

郭威(文仲)(904年~954年):
枢密副使。後漢一の名将だが、後漢に反乱を起こす。

柴栄(921年~959年):
郭威の養子。

符淑:
垂目で丸鼻の女。河中の節度使 李守貞の息子 李崇訓の妻であるが、柴栄と恋仲。

石守信:
947年に趙匡胤を牢屋から逃した牢番。後に後周や北宋の将軍となる。

趙晋:
南唐遠征時から、趙匡胤に仕えるようになる有能な官僚。

【あらすじ】
〇出奔
947年に趙匡胤が後漢 皇帝の寵姫である大雪、小雪を殺した嫌疑で捕縛され、開封の都から逃げ出す。途中、占い師の苗光異のアドバイスで西を目指す。

〇李守貞に仕える
趙匡胤と鄭恩は、河中の節度使 李守貞に仕える事にする。李守貞は、後漢からの攻撃に備えて軍隊を整えており、948年に後漢の皇帝 劉知遠が死んだ事を奇貨として反乱を起こす。趙匡胤は、柴栄に誘されて李守貞を裏切り、後漢の郭威の部下になる。949年に李守貞は滅びる。

〇郭威の下で
950年に、後漢の二代目皇帝 劉承祐が実権を握るために、高官である史弘肇等を殺害する。家族を殺された郭威は後漢に反乱を起こし、後周を起こす。

〇柴栄の下で
郭威が病死した後は、柴栄が後周の二代目皇帝として即位する。柴栄は中華統一を志向しており、以下の事績がある。

北漢遠征:
954年に北漢に遠征。高平で行われた会戦では勝利するが、補給が続かず、契丹との戦いもあり撤退する。

南唐遠征:
955年に後蜀に遠征後、南唐を攻める(955年~958年)。南唐は後周に臣従するようになる。

契丹遠征:
959年に契丹遠征を行うが、移動中に柴栄が死亡する。死の直前の命令で、趙匡胤は殿前軍の最高司令官である都点検になる。

〇皇帝として
959年に趙匡胤は部下達の勧めで北宋皇帝となる。

皇帝として趙匡胤は節度使の権力を奪い、中央集権化を進める。殿軍を強化し、科挙制度を整備した。

961年に趙匡胤は母である杜太后に、後継者を弟の趙匡義にするよう遺言される。遺言に背いて、975年に26歳になった息子の趙徳昭を後継者にする事を考えるが、976年に趙匡胤が死亡し、弟の趙匡義が二代目皇帝となる。

P24:
開封は、江南に至る汴河をはじめとする運河の結節点にあたる水の街だ。水運の便をいかし、南方からの食糧の集積地として、また北方への軍事遠征の基地として、近年ますます重要性を高めている

P287:
節度使の軍から、勇敢な将兵を引き抜いてこい
(中略)
節度使を弱く、禁軍を強くできれば、中央集権化を進める柴栄にとって利益は大きい

P310:
後周は万機親政の国だと聞く。そういう王朝では、皇帝がいるかいないかで、軍の強さはずいぶんと異なるものだ

P352:
柴栄がいう運河は、黄河から北東へむかう永済渠のことである。開封を通って黄河と淮河をむすぶ汴河は、おもに江南の食糧を中原に運ぶ役割を担っていたが、永済渠は軍事的な必要性から開削された。兵員と物資を北へ輸送するために、この運河があるのだ。
隋唐の時代は、高句麗遠征に用いられたが、今度は契丹が相手になる。

P381:
節度使の制度は、大唐の半ば、辺境が騒がしくなり、また律令体制がうまくいかなくなる状況で生まれた。逆に考えれば、中央の体制が確立されて、国防に不安がなければ、必要はない

P390:
部下たちが黄袍を着せたらどうする。受けいれざるを得ないではないか

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