暗記しないで化学入門

読んだ本の感想。

平山令明著。2000年7月20日 第1刷発行。



<原子>
分子は原子から成っているが、特定の原子同士が結び付いている。原子が結合する力を結合力と呼び、幾つの原子と結合出来るかを「原子価」という言葉で表す。

原子は原子核と電子から出来ており、水素原子には1つの電子があるが、炭素原子には6個の原子があり、電子の数と周期表の原子番号は一致する。原子番号は、各原子が中性の時に持つ電子の数である。

複数の原子がある場合、電子は幾つかのクラスに分けられる。これを高層ビルの部屋割りに喩えると、上階にいくほど部屋数が多くなる。1階をsタイプとすると1部屋しかなく、2階をsタイプとpタイプとすると4部屋(sタイプ1部屋とpタイプ3部屋)、3階をsタイプ、pタイプ、dタイプとすると9部屋(sタイプ1部屋、pタイプ3部屋、dタイプ5部屋)となる。

そして、4階のsタイプ室の料金は3階のdタイプ室より料金が安めに設定されているので、3階のdタイプ室に人が入る前に4階のsタイプの部屋が満室になる。

化学では、部屋という代わりに軌道と呼ぶ。

<電子>
電子は基本的に2つが1対になって安定する。同時に電子は広い範囲に分布する性質も持つ。そのため孤立した電子は別のげんしから電子を連れてきて1対になろうとする。これが結合の仕組みである。

以下のように1部屋に最大で2つの原子が入る。

周期原子記号原子名1s2s2p2p2p
11H1
12He2
23Li21
24Be22
25B221
26C2211
27N22111
28O22211
29F22221
210Ne22222


HeやNeのように全ての電子が対になっている場合、希ガスと呼ばれ、他の原子と化学結合を作らない安定な原子となる。電子はマイナスの電荷を1つ持っているため、原子が中性になるためには原子核には電子数に釣り合うプラスの電荷を持たなくてはならない。

軌道のエネルギーは外側にいくほど高くなっていき(内殻と外殻)、最も外側にある電子殻を最外殻と呼び、最外殻の電子が原子価を決めるために重要なので価電子と呼ぶ。

<多重結合>
複数の価電子の余りあると、二つの原子の間に複数対の電子が共有される事がある。電子は活発な性質を持つために多重結合は化学反応し易い。

化学結合を作る際にはエネルギーが必要で、多量のエネルギーが与えられると、例えば2軌道でs軌道とp軌道の格差が無くなり、4軌道全部が共通の領域になる。その場合をsp3軌道と呼ぶ。

sp3等の混成で出来る結合をσ結合と呼び、p軌道電子のみから出来るπ結合と区別する。有機化合物においては、σ結合は分子の骨格を作る役割を果たし、π結合は自由度の高い電子に対して化学反応性を与える役割を持つ。

<分極>
内殻電子によるマイナス電荷は、対応する原子核のプラス電荷と相殺し合っているので、内殻電子が結合に影響する事はない。しかし、外殻にある電子は動き易いので結合に影響する。

そのため、原子核のプラス電荷が異なる原子が結合した場合、プラスの電子を多く持つ原子側に偏る傾向がある。科学ではこれをδで表す。

例えば、メタン分子では原子核の電荷が+4である炭素原子が電子を引き付け、+1の電荷しかない水素原子が電子を取られるため、炭素原子がマイナスの電荷を帯び、水素原子がプラスの電荷を帯びる。こうした分子を電場に置くと、その影響で整列する。

<金属結合>
各金属原子が並んでいる間を価電子が自由に動く。結果的に原子が電子を共有する事になり、集合して安定な、しかし柔らかい固体を形成する。価電子が自由になる事が結合の条件。

自由に動く電子を自由電子と呼び、金属板の両極にプラスとマイナスの電場をかけると電気が金属板の中を流れる。熱は電子の運動として伝えられ、金属原子は集合していれば自由電子が接着剤として機能するので薄く展ばしたりできる。

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化学の基本7法則

読んだ本の感想。

竹内敬人著。1998年9月21日 第1刷発行。



1 質量保存の法則
化学反応にあずかる全ての物質と生成物を考えるならば、質量変化は発生しない。質量は作り出されたり、失われる事無く、物質間を移動する。

ラボアジュ(1743年~1794年)によって発見され、ランドルト(1831年~1910年)の実権によって確認される。アインシュタイン(1879年~1955年)は質量とエネルギーを等価とした。

ラボアジュは、封じられたレトルトに金属を入れて燃焼させ、前後の質量を比較する実験から、空気の1/5だけが化合するとし、1/5にオキシジェン(oxygen)と名付けた。

また、1905年にアインシュタインが質量とエネルギーが等価であると考え、以下の士気を提唱。

E = m × cの二乗 (E:エネルギー、m:質量、c:光の速度)

物質をエネルギーに変化させる事も、その逆も可能。

(例:ヘリウム原子)
ヘリクム原子は、二個の電子、二個の原子核、二個の中性子から出来ているために、質量はその合計であるはずだが、それより質量は軽い。陽子と中性子から安定的な原子核が生成されるためにエネルギーを放出するために質量の現象が起こる(質量欠損)。

<フロギストン説>
質量保存の法則以前の思想。物質に含まれるフロギストン(燃素)が年商を支えると考えた。燃焼した金属が重くなるため、フロギストンにはマイナスの質料があると考える人もいた。

燃焼によってフロギストンが放出されると考えるフロギストン説に対して、質量保存の法則は燃焼物と気体が混合すると考える。

2 ボイル―シャルルの法則
気体の体積は圧力に反比例し、気体の体積と温度も関係がある。

ボイル(1627年~1691年)による体積の実験と、シャルル(1746年~1823年)による温度の実験。

シャルルは、1787年の実験であらゆる気体は、0℃と80℃の間で同じ割合で膨張する事を発見した。0℃から100℃になると1.366倍になり、

V = V0(1 + t/273) (V0:始めの気体、t:温度差)

上記の式では、t = -273とすると体積は0になり、気体は-273℃が最も低い温度になる。

3 ドルトンの原子説
1808年にドルトン(1766年~1844年)は、原子量を持つ原子と、化合物は異なる種類の原子が最も簡単な比で結合する事によって作られる「最単純性の原理」を発表した。

例えば、酸化鉄(鉄原子一つが酸素原子一つと結合)や四三酸化鉄(鉄原子三つが酸素原子四つと結合)では、質量が不連続で変化する。

プルースト(1754年~1820年)は外観や産出場所が異なっても天然物質の成分比が一定である都市、定比例の法則を提唱した。

ドルトンは、メタンとエチレンを比較し、メタンの持つ水素量がエチレンの二倍であった事から、二種類の元素が化合して化合物を作る場合、その質量比は簡単な整数比をなすという倍数比例の法則を提唱。

ゲー・リュサック(1778年~1850年)は気体の反応物の体積が簡単な整数の比になる気体反応の法則を提唱。異なる種類の北家も、同じ条件では一定体積中に同数の粒子が含まれる事を示す。

4 アボガドロの分子説
アボガドロ(1776年~1856年)は多くの気体では二個の原子が分子を作って存在しているとした。

この考えでは、窒素は窒素原子二個、水素は水素分子二個から出来ており、窒素一分子と水素三分子から、アンモニア(窒素一原子と水素三原子からなる)分子が二個出来る事が説明出来る。

アボガドロの仮説では、気体は同温、同圧では同数の分子を含むため、気体に含まれる分子の密度から質量を求める事が可能になる。

国際単位系では質量数12の炭素12gに含まれる炭素原子の数をアボガドロ定数として、6.0229 × 10の23乗としている。

上記と同数の基本的実体(分子や原子等の物質の構成単位)を含む物質の物質量を1モルと定義する。

5 ファラデーの法則
ファラデー(1791年~1867年)による電磁誘導の発見。

ファラデーの第一法則:
同じ種類の物質を電気分解する時は、電気分解生成物の量と通じた電気量が比例する。

ファラデーの第二法則:
異なる物質の電解生成物の質量の比は化学当量の比に等しい。

化学当量は原子量を原子価で割った値。例えば、バリウム(原子量137.3)は二価のイオンであるから、137.3/2=68.7が化学当量になる。

後に電気化学当量の意味が原子説の確立によって明確になると、ファラデーの第二法則は、電極で1モルのイオンの質量をイオンの価数で割ったものを変化させるのに必要な電気量は、イオンの種類によらず一定であると表現されるようになる。この一定量は1ファラデーと呼ばれ、約96500クーロンである。

6 アレニウスの電離説
電解質は常にイオンに電離している。

電気分解の実験が高い精度で行われるに連れて、電解質溶液の中を電荷を帯びた粒子(イオン)が移動する速度は粒子の速度によって異なる事が明らかになった。

粒子(イオン)が電気を運ぶ際に電解質溶液が示す抵抗は粒子の動き易さを表す目安となる(電気伝導率)。

アレニウスは、1880年代後半に、電解質を水に溶かすと一部が粒子(イオン)に分かれる = 電離するとした。例えば食塩を水に溶かすと、陽イオンであるナトリウムイオンと陰イオンである塩化物イオンに分かれる。

そのため、それらの溶液の化学的性質は、個々のイオンの性質の和で表す事が出来る。

<実験>
ビーカー内に、①純水、②0.1モル/ℓ食塩水、③0.1モル/ℓ酢酸、④0.1モル/ショ糖水溶液をそれぞれ入れて、電極と電池、電球から作った回路をビーカー内に入れて、電球の点灯の様子から電離説を確認する。

7 元素の周期律
メンデレーエフが周期律を発見したのは1899年だが、その前から性質が似通った元素の存在は知られていた。ニューランズは、1864年に元素を原子量の順に並べると8つおきに性質の似た元素が現れる事が多い事を提案している。

<周期律の確認>
ゲルマニウムと、周期表においてゲルマニウムの上下にあるケイ素とスズの情報を比較する。

ゲルマニウムは、原子量、融点、沸点、密度、比熱等が、ケイ素とスズのほぼ中間の値を示す。

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