暴走する文明

読んだ本の感想。

ロナルド・ライト著。2005年12月25日 第1刷発行。



10年ほど前の本だけれど、既に内容が陳腐化している事に驚く。

<ポール・ゴーギャン>
1897年にタチヒを訪れる。存在についての謎として、「我々はどこから来たのか、我々は何者か、我々はどこに行くのか?」を絵画に描いた。

それらの問いが本書の主題であるが、人間は常に新しく古い事が問題になる。現在の価値観の多くは300年程度の歴史しか持たない。それなのに文明は同じような崩壊の道程を辿る。

文明とは業績拡大の間だけ儲かるマルチ商法のようなもので、拡大する周辺から富を中央に吸い上げ、生態系への要求が極大化し、富の新たな源泉が見つからない場合に崩壊する。土壌侵食、不作、疫病等で、宗教が約束した支配者と天界の特別な関係が虚偽である事が明白になる。

古代文明はどれも局所的であり、特定の生態系が崩壊しても、人口移動により別の文明が生まれる。

長続きした文明はエジプトと中国で、エジプトは年毎にナイル川の洪水が運ぶ堆積物が土壌を再生し、シュメール文明を崩壊させた塩類蓄積が無かった。また、人口増加も緩慢で古代王朝からクレオパトラの治世まで3000年間で200万人から600万人に増えただけだった。一㎢あたり150人が、ナイル川流域における扶養能力の限界であり、水が媒介する伝染病が人口を抑制したと思われる。

中国では、農耕発祥より遥か前に、ユーラシア大陸の乾風が、後退する氷河によって露出された表土を巻き上げ、黄土の形で堆積物が数百フィートの厚さで蓄積されていた。黄土高原において土壌浸食が発生しても、その下から肥沃な地層が現れるので、絶頂期の漢帝国は5000万人程度の人口を維持出来た。中国は漢王朝没落後は南部に水田耕作を普及させ、新たな富の源泉を見つけている。

現代は決して例外ではなく、現代人は中国やインドから学ぶべきかもしれない。

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PSYHO-PASS ASYLUM 1、2

読んだ本の感想。

吉上亮著。

「PSYHO-PASS」が好きな人間でないと楽しめない話だと思う。

人間の精神を数値化し、一定値以上の人間を異常者として処罰する世界の話。

システム上の矛盾として、精神を安定数値にするために、多くの人間が薬物や虐待によるストレス解消に頼っている事で、定型者となるために異常行為を行わなくてはならず、それがエピソードの要となっている。

PSYHO-PASS ASYLUM 1
2014年9月10日 印刷。



◉無窮花:
2094年と2102年の話?朝鮮人民共和国の対日工作員チェ・グソンは、終身大統領 金夢陽の私生児であり、朝鮮人民共和国の内乱に巻き込まれ、去勢されて義妹を廃人にされ、日本に亡命する。

日本で運び屋として生き延びるが、義妹が仮想空間でのコンサートを望んだため、その資金捻出のため、麻薬売買に手を染める。しかし、義妹のスソンの発狂は治っておらず、コンサートは仮想空間での売春だった。

結局、麻薬売買が露見し、義妹は公安局員に殺され、グソンは反政府活動に従事する事になる。

桜霜学園の王陵璃華子は何だったんだろう?

P123~P124:
厚生省主導の<シビュラシステム>による統治が確立した2070年までの40年間は、手配師にとって黄金時代だったという。<サイコ=パス>が社会のあらゆる部分に浸透していくなか、健全な精神を維持し、ストレスによる色相悪化を防ぐため、多くの国民が薬物に手を出した

P140:
二二世紀の人類は、極端なストレス耐性の低さ・他者との同調しやすさを内包しており、それが負に傾けば、精神汚染という最悪の事態が待っているからだ。グソンはその恐ろしさを知っている。一国さえ滅ぼす悪意の伝播を防ぐためには、徹底した管理体制が必要だろう。そして、それを実現したのは日本だけだ

P186:
『ああ不思議な事が!こんなに大勢、綺麗なお人形のよう!これ程美しいとは思わなかった、人間というものが!』。……これのほうがよっぽど収穫だな。まるでミランダになったみたいだ

◉レストラン・ド・カンパーニュ:
執行官 縢秀星の話。

人工的に食物を作成する機械(オートサーバ飯)に天然物が混入された事件を捜査する。

犯人は天然素材を売りにするレストランを経営していた真谷五郎で、高機能料理製造機械を使用して、残飯を提供していた事を暴かれた事から、高級自動調理器を販売する企業グストーの櫛名光葉の評判を落とそうとしていた。

櫛名光葉と高家六雁が和解して終了。

P280:
天然食材を食することは、色相を濁らせかねないリスクを承諾した上で行われる、脱法行為のようなものだから、だそうだ。現行法では、新鮮な天然食材も腐敗した天然食材も、まったく同じものなのだ。

PSYHO-PASS ASYLUM 2
2014年11月20日 印刷。



◉Abouto a Girl
執行官 六合塚弥生と唐之杜忘恩の話。

虐待され妊娠した人間を殺し、代わりに赤ん坊を育てる組織を追跡する。航海する船の中で外部との通信を切断され、危機に陥るが、自衛隊の無人フリゲート艦と接続し、組織を壊滅させる。

P194:
この社会は、あまりに多くのものを排除し、喪失させてきた。シビュラによる相性適性で残すべきと選定された遺伝子のみが受け継がれ、それ以外は淘汰されていく。だからこの社会は、望まぬ妊娠ゆえに、生れることを祝福されなかったいのちを無視した

◉別離
執行官 宜野座伸元の話。

仮想迷彩によって、人間の孤児を動物に偽装し、動物のように扱った人々の調査。アニマルセラピスト三宅養努は、動物とされた子供達を集めてコミューンを作成。愛玩奴隷を飼育した人々を強請るが殺される。

P288:
動物たちの精神衛生を大きく損なう原因のひとつに、極めておぞましい行為がある。悪辣な飼い主が自らの色相改善―つまりストレス解消を目的に行う虐待だ。そして高価な動物をすぐには買い替えられないから、心理セラピで無理やりに動物の心理状態を回復させ、また虐待を強いるケースもある。

P308:
人間だったはずのモノが、だんだんと狂い、やがて本当に動物になっていく光景を見て、むしろ色相がクリアになるなんて……、今でも理解できないな。

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