感情盲

インターネット上の記事から。

感情を分類する感覚が未分化・未発達な場合、様々な感情を単一のものとして認知してしまう場合があるとする。例えば、親切、同情、愛情、善意、友情、真心、思いやり等の区別が出来ない場合、全てを同じ愛情として認識してしまう場合がある?誰かとすれ違って微笑まれただけで、自分が好きなんだと勘違いしてしまう事例の原因?

色彩が多様であるように、人間の感情パターンも人間の言葉以上に多様であるはずで、誰もが感情の認知において色盲であると言える。

言葉による表現の限界。

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「内なる辺境」を読んで

ブログが「 岩本友規」で何回か検索されている。何かあったのかな?

「内なる辺境」(安部公房著)を読んで。適当にコピペ。



正統 = 定着した農耕社会
異端 = 移動社会

嘗ては、農耕国家の外部に存在した異端(移動社会)が、国家内部の都市の誕生したとする?

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不満だから反抗するのでなく、反抗するために不満の種を見付け出す。それは落伍者意識に由来し、自分と世界との関係への怯えを自覚した時に始まる。完成を装っている既成秩序に対する疑惑、異和感。

それは自分の可能性を客体化しながら拡大していくために不可欠な感受性であり、正統よりも異端を意識する事で社会の燃料補助タンクの役割を果たす。

反抗とは無力の自覚であり、その矛先も概念止まりである。

反抗は流行を生み出す。他人と違った事をして自己主張したいという気持ちに取り入る事から始め、次に、自己主張している連中の仲間入りをする事で時流に遅れまいとする気持ちを煽り、やがて徹底的に陳腐化するまで消費される。反抗心と追従心は一体となる。

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人類進化の観点から考えると、人類という種自体が異端かもしれない。二足歩行や肉食への適応という部分的退行現象?

肉食の群れは草食と比較して移動性が高く、編成が小集団であったと予想する。

やがて火を操るようになった事で肉の長期保存が可能となり、定着や群れの大型化が生じる。そして交換や分配の規則という狩人の天性とは相容れない社会化が進行する。

数千万年に及ぶ霊長類の伝統を破った人類社会は、その後も大きく変質していく。

農耕の歴史は人類史全体から見ると僅かだが、それでも5000年以上の長期に渡る。連帯と共同作業が不可欠であり、定着が美徳となる。共同体内部の平和維持が重視されるため、縄張りの内側では比較的寛容な法観念があり、外部には残忍性を見せる。

霊長類の群れとは異なる目的意識で結ばれた、分業的再組織。柔軟性を持つ意識的社会。そこでは定着の美徳と放浪の苦難が対比される。

そうした農耕一般化は他方では失われた肉への需要を生み、専門化された牧畜担当者としての遊牧民が誕生する?想像すると、農耕社会での支配原理は土地の私有を通じて行われるため、遊牧民は支配出来ない。農耕民族は、領土の境界線を強化し、遊牧民との間に境界線を築く事で辺境が形成される。

20世紀現代では、地球は定着国家によって分割され、国境の内側にあった辺境が都会に誕生する。世間の境界を無視する移動民達。都市は内側の辺境である。

ドーナッツのように外と内が完全に連続した面で接続されており、外に向かって走り続けていれば、内側に辿り着く。

かつて遊牧民の破壊者達が侵略によって国境を取り払った事で、定着民達は国境の外側にも内側と同様の時間が流れている事を知った。今日では全空間の同時共鳴は日常となり、誰もが同時代の感覚を身に付けている。

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ユダヤ人 = 都市の住人というイメージ。

トルストイが終局的に辿り着いた「善き人」の象徴は、母なる大地への祈りを知った「善き農民」である。農民意識には似た部分が多く、土地への心情を媒介にして日本人にも理解出来るとする。

善きドイツ農民層の中に、血統正しきドイツ民族の存在を認めたヒトラーは、都市的な象徴としてユダヤ人を憎んだのかもしれない。ヒトラーのユダヤ人像は、都市が多様であるように多様であり、農民的な存在以外の一切をユダヤ的と考えたのかもしれない。

反自然 = 人工的な存在に対する病的憎悪。抽象的知的作業に携わる者への徹底した嫌悪感。ユダヤ人を、ドイツ農民以外の全てに自在に化けられる都会の魔物ように考えた?



サルトルによるとユダヤ人を都市的な存在に投影する発想は、フランスの反ユダヤ主義者にも見られるとする?

ユダヤ人の都市的性格には、歴史的裏付けがあり、永遠の他国者であるユダヤ人を聖なる農村地帯に居住させる国王はいなかったとする。都市にのみ居住権を認められ、キリスト教徒には不浄の行為とされた金融業に従事させる。

経済の発展に連れて実物経済に対する貨幣経済の比率が増大し、ユダヤ人が国家経済に占める役割が必然的に増大する。土地を所有出来なかったために、信用経済に携わり、都市的性格を育んだ。

当初は領地の辺境にある市場だった都市が利潤を生むようになると、ユダヤ人への制限、差別、拒絶が生じる。定着の美徳 = 母なる大地への崇拝を国家的正統性の基盤とする限り、人口の大半が都市に集中した先進国家でさえ、農本主義的思想が再生産され、都市の内部においてすら、都市的存在への疑念と偏見が後を絶たないのかもしれない。

本物の国民の保護のために都市的穢れを祓い清めなければならないとする。素朴で平凡、誠実な真の国民が、外来者によって気付かない内に支配されているという物語は、普遍的な適用性を持つ。

数多ある上記の物語の中で、ユダヤ人が迫害される物語が生み出されなかったのは、ユダヤ人が土地に定着出来なかったからとする。本物の国民は農民的な姿となって現れ、贋の国民は都市に追い出される。都市は内なる辺境である。

正統な国民は農民的であり、都市的な存在を諸悪の根源とする。正統概念の輪郭を明瞭に浮かび上がらせるための、意識的な人工照明としてのユダヤ人。「正統」意識を確認するために、有効な「異端」のイメージが必要とされる。

社会の複雑化は、人々を永久に抜け出せない迷路の旅行者のような不安に駆り立てる。不安は、万一の僥倖を願う勤勉と、勤労意欲への皮肉な嘲りの気持ちを育むとする。

都市生活者は移動民族的傾向があり、高い移動効率、多角的人間関係、無名性は「国家」と相性が悪いとする。農耕を恒常化させた定着国家の末裔にとって、移動効率をバロメーターとする都市を規範にする事は出来ない?

定着の習慣から脱しきれていない都市住民も仮住まい的な不安感があり、大地信仰という非現実的な正統概念の温床となる。都市の機能を維持したままの、幻想的正統派共同体。

国家は、辺境の異端と戦い、国境線を守ったように、内なる辺境(移動社会)の異端との戦いを開始する。

嘗て遊牧民が農耕国家の空間的固有性を破壊したように、都市という内部から新しい正統性を認める軍勢が現れるかもしれない。

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<ポーの一族>40年ぶり続編

インターネット上の記事からのコピペ。

萩尾望都先生の「ポーの一族」の続編が、40年ぶりに執筆される事が2016年4月28日に明らかになった。2016年5月28日に発売される「月刊フラワーズ」(小学館)7月号に読み切りとして掲載される。

「ポーの一族」は、1972年~1976年に「別冊少女コミック」に連載された作品。1976年に「小学館漫画賞」の少年少女部門を受賞している。

1944年に戦火を逃れてウェールズに来たアランとエドガーがドイツ人の少女と出会うという内容。

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前に読んだ萩尾先生へのインタビュー記事で、「ポーの一族」は若い時でなければ描けなかった物語としていたような気がする。

どのような作品になるのだろう?

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買い物は必ず損をする事について

インターネット上の記事からのコピペ。

オークションにおける買い物は、論理的には必ず損をするようになっている。

「現在、◆◆社の株式価格は1万円となっている。自分は◆◆社の株式を購入したいので、1万円で◆◆社の株式を購入した」

上記の買い物は、論理的には損だ。何故なら、1万円で購入出来たという事は、他の人間は1万円では高過ぎると思っているからだ。

オークションにおいては、他の全ての参加者が考える適正価格よりも高い値段でなければ、買い物が出来ない。

株式であれば、多くの人間が参考に出来る理論値があるかもしれないが、比較対象となる物品が存在しない場合、さらに取引が困難になる。

例えば、パンダやキリンを購入する場合、その価格の根拠を求める事は不可能なはずだ。他の一般的なペットの値段から、パンダやキリンの価格を類推する事は不可能なはず。

実は、それは株式においても同様で、独自のビジネスモデルを持つ企業の株価を、他の業態の企業と単純に比較する事は出来ない。

それだからこそ、原価や維持費、他との比較だけでは取引を見誤る事になる。

重要な観点は「買」ではなく「売」であり、自分が購入した物品をさらに高値で売却する目算がなければならない。自分以外の人間が、自分が買った物を高値で購入する環境が大切。

高級品の値段は、原価や維持費、他との比較では説明出来ない。高値で購入する人間が一定数存在する事が高値の根拠となる。

それらを成り立たせている構造は何か?

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寝てしまった

睡眠のリズムが一定していない。

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死後も生き続ける

星新一先生や平井和正先生の作品を人工知能で分析し、遺作の続きを書く構想があるらしい。

小説で出来るようになれば、次は漫画やアニメになり、映像や声を再現可能になるとドラマや映画の続きを合成する事になるのだと思う。

現実の人間は変わっていくので、変化しないで同じでいられる事が機械の強味なのかな?

個人的には、秋山瑞人先生や西澤保彦先生の未完シリーズの続きを読んでみたい。「E.G.コンバット」は、短編でなら完結した状態で編集者に渡されているらしいので、機械的に長編化する事が出来るかもしれない。

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人間の生活が仮想空間上に拡大していく過程で、意思疎通の大半を機械が代替していく事が予想されると思う。

自分がメールや電話で直接的に情報を発信するのでなく、機械に意思疎通を肩代わりしてもらう。

やがては、自分が話している相手が人間であるか区別出来ないようになるし、それは重要な問題でなくなる。

ブログ更新も機械化されるなら、ブログ主が死んだ後も、当人の特徴を真似た機械によるブログ更新が継続するので、読者側から見ると、投稿者の生死が区別出来なくなるし、それは重要な問題でなくなる。

人間が誰も存在しなくなった世界で、ひたすらに文章や音声、映像が過去情報に基づいて積み重なっていく世界を想像してみる。

認識の存在しない世界。

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色々と安定しない

明日から忙しくなる。

身体や精神が不安定になっているようで、定期的に眠くなる。

職場で周囲の人間も忙しく不安定になると、僕まで不安定になっていくる。

人員がもう少し増えないものか。

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なぜ人類のIQは上がり続けているのか?

読んだ本の感想。

ジェームズ・R・フリン著。2015年6月12日 第1刷発行。



人類の知能指数は時代とともに上がり続けている。

以下は、「知能は伸び続けるか」の記事へのリンク。

http://nonono7.blog12.fc2.com/blog-entry-854.html

以下は、「周期的な変動が発生する原因は何か?」の記事へのリンク。

http://nonono7.blog12.fc2.com/blog-entry-858.html

1 はじめに
時代と場所が人間の知性にどのように影響するか。

2 知能指数と知能
以下は、主要な知能検査。

①レーブン斬新的マトリックス検査(RPM)
1938年に、米国の心理学者レーブンによって考案される。法則性のある幾何学図形が与えられ、一箇所かけている図柄を選択肢から選ばせる。

⇒特別な知識を必要としない「流動性知能」を測定する

②ウェクスラー成人知能検査(WAIS)
米国の臨床心理学者ウェクスラーによって考案される。適用年齢は16歳~89歳。1955年に「WAIS」が発表され、その後に改訂版が発表される。児童向けのウェクスラー児童知能検査(WISC)もある。

⇒経験や知識の豊かさ = 「結晶性知能」を測定する

③WAIS-Ⅲ
1997年に発表される。言語性IQと動作性のIQの和で現される。2008年に発表された「WAIS―Ⅳ」では言語性IQと動作性IQの区別が撤廃され、下位検査は4つの群指数にカテゴライズされる。

以下は、「知能検査を利用した特性理解」の記事へのリンク。

http://nonono7.blog12.fc2.com/blog-entry-1162.html

上記の様々な知能検査は向上し続けており、その現象を「フリン効果」と呼ぶ。RPMでは、20世紀中にIQが50ポイント上昇しており、WAISでは類似(共通性を分類する能力)の項目が同程度に上昇している。

世界的に、物事を分類して理解する科学的見方が一般化してきており、自分の利益に主眼を置く実用的な見方が廃れている?法則性を見い出し、仮定的問題や抽象的な事柄に論理を当て嵌める。具体的な根拠の無い推論を苦手とする人間には困難な課題。

⇒世界を操って利用するものとする見方から、世界を分類するという見方への変化

著者は産業革命が社会に及ぼした影響としている。

○BIDSアプローチ
「脳」、「個人差」、「社会動向」を3つの異なるレベルとして扱う。

・個人差
各人の能力差は、課題の認知的複雑性(流動性)と認知的複雑性(結晶性)に応じて、互いに相関している。

・社会動向
現実世界で求められる認知能力は時代によって異なる。

・脳
認知能力の訓練によって特定の神経細胞群の発達具合が異なる。

3 途上国
先進国と途上国のIQには大きな差がある。

それは知能の延びが原因?1917年の米国人の平均IQは72だったが、2010年頃?には平均IQが100になっている。

WAISの下位検査では、現代的下位検査(理解、絵画完成、積木模様、符号、類似)の項目が視覚文化の広まりによって向上した?著者は科学的見方が一定程度の普及した結果、今後は類似がIQ上昇を説明する因子では無くなりようになると推測する。

米国における知能検査では、以下のようになる。

WISC:
1948年~1978年では類似の上昇(13.85ポイント上昇)は現代的下位検査の上昇(6.78ポイント上昇)の2倍程度だったが、1995年頃にはほぼ等しくなっている(1989年~2002年で、類似も現代的下位検査も6.72ポイント上昇した)。

WAISでは、逆に類似の上昇が大きい。2006年~2016年?で類似が9.36ポイント上昇し、現代的下位検査は5.01ポイントの上昇。

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著者は栄養改善を先進国におけるIQ上昇の要因とはしていない。各国における富裕層と貧困層のIQ上昇の記録は栄養改善説を支持しない。

以下は、各国の状況。

ケニア:
1984年~1998年で、レーブン色彩マトリックス検査では13.85ポイントの上昇を見せた(著者はこの値は実際より5ポイント程度課題評価されているとする)。1984年以降もIQが上昇し続けているノルウェー以外では存在しないとする。

トルコ:
1977年~2010年で、ブルサ市等の村の小学5年生に人物画法テスト(DAP)を実施。IQは17ポイント程度上昇していた。1977年時点では男女のIQに有意な差は無かったが、2010年には女性が約6ポイント男性を上回ったとする。21世紀末の早い時点でトルコの経済や平均IQはフランスと並ぶとする。

スーダン:
1987年~2007年にかけて全国的にIQが上昇している。全検査IQが4.05ポイント上昇。サンプルの年齢中央値は50歳であり、1937年生まれ(1948年頃の学校教育)と1957年生まれ(1968年頃の学校教育)を比較している事になる。

動作性IQが7.2ポイント上昇し、組合せ、符号の上昇が著しい。一方で類似は3.45ポイント下がっている。

著者の意見として、スーダンの人々は実用的見方に縛られている。教育制度はイスラム教に基づき、人間性、宗教的価値、物理的本質の普遍性が基礎になっている。一方では、テレビやインターネットによって現代文化と接する機会も増えている。

1964年と2006年に人物画知能検査(DAM)の標準化テストを行う(サンプルは4歳~10歳)と、12.19ポイント上昇し、トルコより上昇値が劣る。

中国:
1936年~1986年にかけて都市部の成人IQが22ポイント上昇し、欧州の上昇を下回る。中国のIQ上昇パターンでは言語性IQと動作性IQの上昇値が同じで、類似や積木模様は下がっている。分類能力や抽象概念の利用を促す社会的近代化が発生していないため?

4 死刑、記憶喪失、政治
米国の最高裁判所では、IQ70以下の人間(人口の下位2.27%)の死刑を免除している。しかし、これは知能の全体的上昇を反映していない。20年前の基準でIQ76であっても、現在の基準ではIQ70となる。

◎ドーバート基準
専門家の証言を証拠として採用する基準?

・理論や方法は検証可能か
・理論は同業者から評価され、発表されているか
・手法の誤差率が評価において明確化されているか
・標準的手法が明確にされているか

平均的米国人のIQは20世紀において30ポイント上昇しており、知能指数分布も上昇している。

この問題は複雑で、IQ項目の全体が向上しているのなら、IQ40以下の人間だけを臨床的な知的障碍者とするだけだが、IQ上昇は部分的に発生している。下位者のIQは、語彙力や分類能力で一定程度上昇しているが、実用的知能では上昇していないとする。

シュナイデスル = オーメン非言語式知能検査(SON):
3歳~6歳向けの知能検査。

オランダにおいて、精神年齢3歳~6歳の成人(IQ35~IQ55)に1975年~1996年に実施?3歳児~6歳児では、21年間で5.9ポイントの上昇を示し、年間0.281ポイントの上昇で、米国の基準値0.3ポイントに近かった。同程度の精神年齢の知的障碍者に実施したところ、粗点は正常児の2倍上昇した。

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同様の問題は記憶障害にもあり、海馬が萎縮した患者にもフリン効果が現れると、過去の人間と比較する事で記憶喪失の症状が見過ごされるかもしれない。

5 若さと老い
①世代間の差について
1950年?~2004年間のWISCやWAISの下位検査(知識、数学、単語)を比較する。

「単語」では成人では17.8ポイント上昇している。成人と児童の上昇値の差は13.4ポイント。知識の差は6.25ポイントで、数学の差は1.2ポイント。

単語項目の上昇は、学校卒業後のビジネスの世界に関係していると思われ、就職は大学生活よりも影響力が大きいとする。

単語で上昇幅が大きいのは表現語彙力で、理解語彙力の上昇は表現語彙力の28%に留まる。それは社会の変化にも現れ、1950年まで10代のサブカルチャーは存在していなかったとする。若者独自の話し方の登場。

②賢い脳への老化の影響
WAISにおいて、下位検査を4つのグループに分ける。

・言語理解:単語、知識、類似

・作動記憶:算数、数唱

・知覚統合:積木模様、視覚パズル、行列推理

⇒分析能力。その場で問題を分析して解く能力

・処理速度:符号、記号探し

上記の4項目で調査をすると、IQの高さは「言語能力」で有利に作用し、「分析能力」では不利に作用した。

高齢者と若者のIQ値を比較すると、同年齢の平均より30ポイントIQ値が高い88歳の言語理解は、同時代の平均より30ポイントIQ値が高い17歳の平均を4.2ポイント上回った。

「分析能力」では、賢さの負担が大きく、平均より30ポイントIQ値が高い人間同士で比較すると、72歳では17歳の22.5ポイント下回るのに対し、低い人間同士では13.35ポイント下回る。

⇒言語能力における賢さの特典と、分析能力における賢さの負担。賢いほど分析能力が老化によって衰える事を示唆している?

著者は、神経細胞や脳構造を計測する事で加齢の影響を調査出来るとしている?

6 人種と性別
GQ差:
流動性知能によってIQ検査の下位項目に重みづけをする。単語のは符号の2倍等。

黒人と白人のGQ差はIQよりも差があり、流動性知能の違いから複雑な問題を解く事が困難とする。1972年以降、黒人のIQは白人のIQに5.5ポイント近付いているが、GQは5.13ポイントしか近づいていないとする。

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女子の方が早熟であり、男子は時間をかけて成長する。RPMでは、14歳頃に男子が女子に追い付き、差は5ポイント程度になるとする。

大学生の平均IQを比較すると、男性の方が高く、女性の自制心の高さを表す?

この辺りの記述は歯切れが悪かった。人種間や男女間の問題は差別の問題が絡むため、明確な結論を出せないのかもしれない。

7 社会学的想像力
個々の人間を社会的存在と考えて、互いに作用して影響を及ぼし合う事を想定しなければ、以下の14のケースのような誤りに陥るとする?

ケース1 脳の神秘
知能を脳だけに還元して説明するのでなく、個人や社会での人間行動でも説明するべきとする?

ケース2 gの神秘
流動性知能 = gについて。認知的複雑性の高さと関係する。

ケース3 測定値の神秘
IQ上昇を複雑な認知的作業を簡単にこなす事とすると、人間の知性は時代によって変化していない。

ケース4 双子の物語
双子の研究により、個人間で強く働く環境要因は存在しない事になった?1万1000組の双子を調べると、IQ差の内で遺伝子の占める割合は9歳で0.41だが、17歳では0.66まで上昇する。遺伝子が周囲の環境に影響し、正負のスパイラスが発生する。

ケース5 エリートの勝利
遺伝子の影響についての社会的見解について。著者の語る実力主義によらない社会分析は難しいと思った。

ケース6 イギリスの栄養の歴史
この問題を調べるには、階級や民族に注目しながら栄養史を踏まえて調査すべきとする。著者は自身の調査から栄養と知能向上の歴史的相関に否定的?

ケース7 トルコの都市化の歴史
1970年~2009年でトルコの人口は2倍(3610万人から7260万人)、都市部の人口は4倍(1400万人から5400万人)になった。中産階級が大量に作り出され、事務職や専門職となる。
旧階級と新階級のIQ差を調べてもトルコが都市化に成功した事しか分からない。現代化による科学的見方や視覚文化の普及によりIQが上昇した?

ケース8 10代のサブカルチャーの歴史
サブカルチャーの発展によって成人と子供の表現語彙力の差を説明可能?

ケース9 知能は単一か、それとも複数か
多重知能(M理論)として、言語的、論理数学的、音楽的、空間的、身体運動的、内省的、対人的の7項目を知能としても、社会的評価は項目によって異なるかもしれない。

ケース10 知能は「全てに勝るもの」ではない
東アジア出身者を親に持つ物は米国の人口の約2%だがハーバード大学生の14%となる。IQが白人より4.5ポイント低いアジア系生徒でも、SATでは白人と同程度の記録となる事から、家庭環境の影響があるとする。

ケース11 女子大生の知能の低さ
女子は男子より4ポイント~5ポイントIQが低くても大学に入れる。一般的女性のIQは低くないと主張している?

ケース12 黒人女性の結婚の苦しみ
異人種間の婚姻が一般化していないために、将来性のあるパートナーと結婚出来ないとしている?

ケース13 頭の悪い人は暴力的である
暴力的であるかはIQではなく文化と関係するとする。

ケース14 頭の悪い人は車を運転する
余暇の過ごし方によって知能を推測可能とする?乗馬をする子供との比較によっており、乗馬を可能にする経済的地位を考慮していないとする。

8 進歩と謎
これまでの章のまとめ。暗記型の教育よりも、複雑な関係性を掘り下げる教育の方が重要になりつつある。

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今週が終わった

何だかとても疲れている。

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定型的でない会話

会社外の人達と定型的でない会話をする。

「大きな会社に勤めてらして、今までの人生で道を踏み外した事が1回もないでしょう」

そうであるような、そうでないような。

何とも返答に困る会話だった。

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変化について

上手く纏まらない事。

全ては物質であると仮定する。

そして、認識、記憶、想起、思考、ETCは物質的変化の結果であり、原因であるとする。

主体を外部と内部に分ける。

外部からの情報を認識すると、内部構造が変化する。内部構造が変化しなくては認識は発生しない。

記憶する事によって自らの内部が変化する。

変化は記憶を思い出す事によっても発生するから、何かを思い出す毎に記憶は変化していく。1度目に思い出した事、2度目に思い出した事、・・・・・・X回目に思い出した事は全て別の情報となる。

そして、記憶の認識形式自体も変化しているから、記憶の相違に気付かずに、同一情報が変化せずに保存されているとしてしまう。

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さらに、物質である以上、無限である事はあり得ないとする。

星の大きさは宇宙の大きさによって規定され、山や海、河川の大きさは星の大きさによって規定され、存在しているものは全て何かによって制限される。

それだから、生物としての人間が認識、記憶、思考出来る事柄は、物質によって規定されており、一定量以上にはならない。

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人間の思考は、物質を扱えないように思える。

変化している事、制限されている事が知覚出来ない。

人間の論理構造が、不変や無限を前提にしているのなら、論理は本質的に誤りを含む事になる。

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重圧を感じる

様々な事が出来て当然となる事が怖い。

出来ない事が当たり前と思えるようになりたい。

失望したくない。

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人間が理解出来る形式

インターネット上の記事からのコピペとか。

Google傘下のディープマインド社が開発した囲碁プログラム「アルファ碁」は、2016年1月に『Nature』でアルファ碁についての論文が発表された時、3000点のレーティングであったとされる(ドワンゴが開発を進める囲碁ソフトZENは同時点で2000点)。

レーティングは強さを表す指数で、400点差で勝率90%程度になるように数字を調整していく仕組みが一般的とされる。

その後、2016年3月にイ・セドルと対局するまでに、「アルファ碁」は、レーティングを1500点程度向上させたとされる。

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多くの識者が見誤っているのは、「アルファ碁」のエネルギー効率の悪さであり、「アルファ碁」を起動させるには工場一つを稼働させる以上の電力が必要であり、多数の労働者を人工知能が代替する可能性は低い。

より可能性が高いのは、政治や司法における高位判断の代替である。

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「アルファ碁」に活用されるDeep Learningの特質は、判断過程が理路整然としておらず、結論に至った過程を物語として説明出来ない事にある?

人間の判断は、最初に「感情」に基づく結論があり、「論理」が結論に合わせて物語を後付けしていく。

論理が正しい必要は無い。人間に納得感を与える形式が重要とする。事実と齟齬があっても、納得感さえあれば受容される。

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以下は、「思考術」の記事へのリンク。「第1章 読んで考えるということ 社会科学編」の『3 ベネディクト・アンダーソン『想像の共同体』を読む』に「小説」という形式が誕生した背景が記述されている。

http://nonono7.blog12.fc2.com/blog-entry-2250.html

以下は、「ライトノベル「超」入門」の記事へのリンク。「第二章 ライトノベルを読んでみよう」に、キャラクターという要素が物語の形式を変えた事について記述されている?

http://nonono7.blog12.fc2.com/blog-entry-2237.html

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占いや神話、噂や分析が判断において役立たないはずなのに重要視されるのは、上記のような構造によるものとする。

論理や言葉が思考の本質ではないとされる社会はどのようになっていくのか?

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散財した

今日、限界まで散財した。

来週中に入る給料まで使ったので、一か月間の生活費は来月初の配当金まで入らない事になる。

今日の反省として、高価な物品を購入する事が難しいという事。

100万円以上の美品を購入する場合、歴史的知識やら審美眼やらが必要になって上手く買えない。

高価な物ほど競争が激しくないので割安に購入可能だと思う。

美術館とするにもテーマが統一されていないのでチグハグになっている。

学生時代にもっと勉強しておけば良かった。というように散財してから後悔しているようなしていないような状態だ。

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人工的で綺麗な物が好きだ。悪意の存在しない世界を表現した物が良いと思う。

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エントロピーが増大していく

整理しても気が付くと部屋の中が散らかっている。

家の耐震をしていないので、地震が発生したら自宅が倒壊して大損害だと思う。

何年も同じ家に住んでいるとリフォームしなくてはならないけれど、その代金の事も考えてしまう。

どうしたものか。

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眠くなる

最近、日中に眠くなる事が増えている。

寝不足かもしれない。

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供儀の有効性

インターネット上の文章を読んで思い出してしまった事。今まで読んだ中で最も気分が悪くなった漫画「聲の形」について。

以下は、「成人式の日、私をイジメていた男が「子供の頃から大好きでした!つき合って下さい!」と告白してきた」へのリンク

http://oniyomech.livedoor.biz/archives/47301563.html

以下は、「聲の形を読んで」の記事へのリンク。

ttp://nonono7.blog12.fc2.com/blog-entry-1899.html

以下は、「正義が複数ある事について」の記事へのリンク。

http://nonono7.blog12.fc2.com/blog-entry-1901.html

「聲の形」の後味が悪いのは、弱い者いじめが有効に機能する事を証明してしまったからだと思う。

物語の基本的構造は、「罪の付け替え」にある。誰かを責める事によって、自分の罪を他者に転嫁出来る。

インターネット上の掲示板にて、「聲の形」の作品世界内における暴行が肯定されるのは、登場人物達が傍観者に徹するからである。

「植野の意見が間違っているのなら、石田が反論するはず。反論しないという事は、植野の意見は正論だ」

作者が物語を制御出来なくなったのは、「嫌いな人間同士仲良くする」という理屈が、弱い者いじめをする時にしか使えない理屈である事に気付いてしまったからだと思っている。

喧嘩を仲裁する時や、自分より強い人間に「嫌いな人間同士仲良くする」と提唱しても、それは弱者が一方的に虐待されるだけで現状は維持される。

登場人物達が、共通の敵を探して、必死になって強者に立ち向かわなくてすむ言い訳にする。自殺未遂者に暴行する事で、「自分は言いたい事を言っている!」という「大儀名分」を得て、それによって自尊心を満たす。だから定期的に仮想敵を作り出して、集団の前で屈服させる。敵を作るのを止めると、自尊心を満たせなくなる。

作品世界内における口喧嘩の基本は、自分が言われて困る事、後ろめたい事を、先んじて相手に擦り付ける事で、相手を防戦一方に追いやる事。それが嘘でも本当でも関係ない。登場人物達が傍観者になって承認する事で読者は納得してしまう。

自分の罪を弱者に投影して叩く。常に敵を叩いていないと気が済まない人間の典型例。鏡を見ながら罵倒っている。「自分がこうだから相手もこうに違いない」 というのが基本論理。

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「聲の形」の作者は、理想世界を構築しようとして失敗してしまったのだと感じる。

登場人物である西宮硝子は、「ヘレンesp」の主人公を模写したのだと思う。障害者でありながら、真っ直ぐな気性の持主。



作品世界において、進学校の生徒であるはずの主人公が卒業後に就職したり、優等生であるはずの同級生が恋愛体質のお調子者にしか見えないのは、作者が何かを模写しなければ、物語を作れなかったからだと思う。

言い難い事をはっきりと言う人物を描こうとすると、弱い者いじめをさせてしまう。

自らの空想世界の中ですら、強者に立ち向かえず、弱者に転嫁するしかなかった?そうした物語に多くの人間が感動しているように思える事が気分が悪くなる理由であると思っている。

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以下は、「聲の形」と似ている部分があると思う作品。

①偽王

贖罪と生贄の物語。



上記の短編集に収録されている。定期的に生贄を捧げ、虐待が行われる国の話。「聲の形」に准えると、王であった主人公は祭りによって全ての罪を背負わされ、去勢され、追放される。しかし、住人達の軋轢は沈静化しただけで失われていないので、定期的に弱者を痛め付け、攻撃衝動を和らげなくてはならない。

「お前は私を助けるべきじゃなかった。私達のどちらかが死なない限り、私の苦しい恋は終わらない。そうだ……。きっと……。私はお前を殺すために来たのだ。私の贖罪をお前に返し、お前に負わせ、お前を聖なる偽王と為すために」

⇒誰かを虐待しなければ、精神的外傷は癒されない?

②×(ペケ)

作者の感性が似ていると思う。



『通販生活』の読者投稿欄からネタをパクる事で有名な作品。斜に構えた四コマギャグ漫画。物語世界内においては、学歴や出身地等による階級が存在しており、大学進学する者や弱者への嫉妬心が感じられる。

③中卒労働者から始める高校生活

似たような人間関係の形式。



性的に虐待される少女「逢澤莉央」が出てくる。虐待者の行動パターンや言い分は、「聲の形」に登場する植野直子と同一。「聲の形」に登場する西宮硝子の内面描写が納得出来ない場合、この漫画で代替出来るかもしれない。

④笑えない理由

加害者と被害者が付き合う話。



人間関係の構造が何だか似ていると思うけど、こちらの方が無理がないように感じられる。望月先生の漫画の面白さは、10代でなければ感じられないと思うので、読み返すと悲しくなってしまう。

⑤ぼくの地球を守って

作者が早期に方向転換した物語。



シ=オン(斜に構えている)、ギョク=ラン(正論に拘る)、シウ=カイドウ(引っ込み思案)という三者の相関関係は、「聲の形」の作者が表現したかった世界なのだと思う。

「地球が人類を愛している」だとか、「肉や野菜が食べられる前に感謝している」だとかの独特の哲学が印象的。

作品世界内の女神?の概念が上手く理解出来ないでいる。

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算数の問題

以下、何となくのコピペ。

たかし君は1個70円の林檎と1個30円の蜜柑を握り潰して言いました。

「次はお前がこうなる番だ」

店の人は、林檎と蜜柑の代金である100円玉を真っ二つに折り曲げて、たかし君に言いました。

「これが10秒後のお前の姿だ」

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全編に渡ってこういう風に書かれている小説があれば面白いと思うけど、無理かな?

小説を書く人工知能が実現したらやって欲しい。

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以下はうろ覚えで書く文章。

このヨネという女が犯人ではないという根拠は幾つもある。まず、第一に美人でない。犯人が女性の場合、美人にしたくなるのは作者の本能みたいなものだ。次に過去がはっきりしている。これでは隠された動機というものを出し難くなる。そして名前だ。ヨネという名前はどう考えても犯人に相応しくない。

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機械に文章を書かせる場合、「こういう風」という指定が難しいかもしれない。

面白い物語を機械的に作成出来るようになると、その次に好みの文章を書かせたくなると思う。

曖昧を指定する事は難しいかな?

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長生きする不自然

以下は、インターネット上の記事からのコピペ。

老いると知性が失われて、感情だけが残る。

体力が衰えて、我慢強さや忍耐力、理性的に物事を判断する力が弱くなる。正論や一般常識が通用しない。自分のしたい事が正義になる。 

「年寄りを労われ」という言葉は老人に大呂するための生活の知恵を示している。

脳画像を調べると、40代から前頭葉が縮小していく。前頭葉の機能が弱まると、「保続」という症状が出る。この症状では、「357+243」という計算をさせて600と回答すると、次に「329+481」という問題を出しても600と答えてしまう。

高齢者の記憶力を試すために、今日の日付を聞く事がある。日付は毎日変わるので、正確に答えられるなら、記憶障害は無いと見做される。しかし、保続の患者は、今日の日付が正確に答えられても、その次に生年月日を聞くと、同じ答えをしてしまう。

前頭葉が衰えると、考えに固執したり、前例踏襲に拘ったりするような、思考の切り替えが悪い人間になる。

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記事の中では、「歩く」、「走る」等の足を使用した運動が脳を鍛えるのに有効と書いてあった。

しかし、長生きする事が不自然なのだと思う。人間は30歳以上を生きるようには設計されていないのではあるまいか。

何年か前に読んだホラー小説に、ゾンビについて以下のような記述があったと思う。

そいつは本当は死にたくて仕方がないのよ。何せ、本当は死んだ人間だ。それを無理に生きさせているから、その憎しみたるや相当なものだぜ。生きている人間全てを八つ裂きにしてえのよ。だから、これほど腕の立つ人殺しはねえ。死にたくて仕方がないんだ。怖いものなどありゃしめえ。

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医学の進歩は大量のゾンビを生み出したと言える?

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俺の妹がこんなに可愛いわけがない

読んだ本の感想。

伏見つかさ著。2008年8月0日 初版印刷。



全12巻だけれど、5巻あたりから別作品になってしまう物語。前半はオタク世界探訪記、後半は近親相姦的色彩。

以下のように、本シリーズが以降の作品に与えた影響は大きいと思う。

・「○○が◆◆で△△」のような文章的タイトル
・幼児のように役割演技をする中二病キャラクター
・顔文字を使用した表現

1巻から5巻までは、作者によるオタク文化紹介のようになっていると思う。1巻ではオタク・サークル、2巻ではコミックマーケット、3巻では携帯小説、5巻ではホモ創作やゲーム。

随所に作者以外の気配が感じられる事が特徴で、作品内に登場する編集者やオタク文化愛好家、ゲーム・デザイナー等の発言は実在するクリエイターの言動を貼り付けているように思える(作者は塾講師の経験があるのかな?)。

大勢の人間が協力して作り上げた物語。

6巻以降からは、良くも悪くも作品世界の純度が上がっていて、作者の内面世界がより強く投影されているように感じられる。例えば、主人公の妹の友人である新垣あやせの変化。主人公は、シリーズの前半部分では新垣あやせを怖がっているけれど、後半部分ではアイドル的憧憬の対象にしている。

これは、登場人物の造形に使用する記憶材料が枯渇し、人物を造形する時により強く作者の内面が投影された結果であると推測する。

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物語の閉じ方に戦いを用いている事が特徴であると思う。

1巻、2巻、12巻では、一般社会とオタク世界(内面世界)の対立が表現される。

一般社会を代表する人物と殴り合う事で、複雑な対立を分かり易く単純化する。

1巻と2巻での戦いによって主人公達が一般社会に受容されるのは、主人公がオタクではないからだと思う。隠れオタクである妹のオタク趣味が露見しそうになったところで、妹を守るために、それが自分の趣味であると自白する。それは自己犠牲であり、絶対善である。絶対悪であるはずのオタク趣味が絶対善と結び付く事で、一般社会を代表する批判者達がオタク趣味を完全には否定出来なくなってしまう。

しかし、12巻では主人公は本当に近親相姦趣味を持ってしまっているので、単に私欲を叫んでいるだけになってしまい、一般社会とは隔絶した存在となる。

作者は、そうまでしても物語を閉じなければならなかったのだと思う。

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シリーズ全体を通して読むと、最初は推理小説と思っていた物語が、実はホラー小説であったかのような印象を受ける。

前半部分でのテーマは、オタク活動を通じた社会参加であると思っている。孤独な世界に閉じ籠る手段であるはずのオタク趣味を通じて友人を作り、社会参加する。

後半部分では、主人公が妹と近親相姦的恋愛関係に陥っていて、最終的には一般社会を拒否して、内面世界に閉じ籠る事を選択してしまう。

この変化は、物語構築に必要な記憶材料が枯渇した事以外に、作者が現実世界で大きな力を持つようになった事が影響しているように思える。

シリーズが売れた事で、編集者との言い合いで自らの主張を通す事が出来るようになる。大金を稼げば将来不安が無くなる。固定ファンが付いた事で、自分の支持者を感じる事が出来る。

作者の想像を超えて作品が売れた事が、シリーズの変化の原因であるように思える。

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以下は、「やる夫遊歩道」の『ニート地球を守る 目次』の記事へのリンク。

http://yoruoyuuhodou.blog110.fc2.com/blog-entry-1586.html

『第6話「美琴のお上り」その1』に、中二病患者についての解説がある。

以下のような解説?

中二病患者には以下の2種類があるとする。

①自分型
自分に何か特別な力があると思い込む

②分身型
自分の脳内で作り出した架空のキャラクターを物語の世界に登場させ、自分が到底行えないような偉業を行わせる

分身型の人間は孤独であるが、自らの作り出したキャラクターが矮小な創造主を慰める。しかし、創造主は成長し、現実というキャラクターが踏み込めない世界で身を持ち崩し、想像されたキャラクターの存在を忘れて現実を歩むようになる。

分身型の中二病患者は、社会にその特異性を露見させる事も無く、症状を促進させ、減退させる。社交的ではない分身型の中二病患者は、その病気の存在を誰にも悟られる事も無く、自分の力で静かに幕を閉じる。

そのため、分身型の中二病患者は、自分型の中二病患者に比べ、黒歴史に身を悶える事は少ない筈だが、稀に強力な力を持った事で身を持ち崩し、自分型の中二病患者よりも更に強力な黒歴史を生産する者が現れる。

その人物は今まで自分に無かった自信を取り戻すかのように大いに暴れ、大いに周りに黒歴史を撒き散らす。それは今まで誰にも迷惑をかけず、ひっそりと生きてきた分身型の患者の叫びなのかもしれない。           

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「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」に登場するキャラクター「黒猫」は10代でありながら幼児のように役割演技をする。それは、幼児の時に感じていた全能性を保持していたいという欲求の現れ?

役割演技をするキャラクターを客観的に俯瞰していた主人公が、徐々に役割演技をするようになる。

シリーズ終盤になって、主人公が幼児的全能感から脱却した経験が記述される。これは作者自身の体験ではないだろうか?

「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」に続く、作者の作品名は、「エロマンガ先生」という。

一般受けを意識しない作品名であり、作者は自分の書きたい物語を書きたいように作る強い地位を築いてしまったのだと思う。

もう、初期のような作品は作り出せないのかな?

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社会はなぜ左と右にわかれるのか

読んだ本の感想。

ジョナサン・ハイト著。2014年4月30日 第1刷発行。



道徳心理学についての研究。政治と宗教について考える。人間の本性は「正義」に拘るとする。正義により、親族関係にない大規模な集団が形成される?

第1部 まず直観、それから戦略的な思考
―心は<乗り手>と<象>に分かれる。<乗り手>の仕事は<象>に仕えることだ
道徳的直観は、道徳的思考が始まる前に自動的に生じる。思考は真理を発見する道具ではなく、自らの行動を正当化する技術である。

第1章 道徳の起源
文化によって道徳解釈は異なり得る。以下の合理主義を正当とすると、文化によって道徳が異なる事に矛盾が生じる。道徳は危害に関する理解の発達に基づいて成長に連れて形成されるのでなく、文化的学習が大きな位置を占める。

○合理主義
人間は成長段階に応じて道徳を見い出すとする。ローレンス・コールバーグやジャン・ピアジュによる六つの発達段階。

前慣習的レベル
 ↓
慣習的レベル
 ↓
脱慣習的レベル

合理主義に基づく道徳観は、徐々にルールの本質を把握し、規則を闇雲に順守するだけではないようになるとする?権威や階層性を軽視し、世俗的、懐疑的で平等主義的な世界観を支持する傾向。

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エリオット・テュリエルによる調査では、児童は合理主義のように全ての規則を同列とするのでなく、道徳的規則と慣習的規則を区別していた。これは個人主義的文化圏において当て嵌まる調査結果とする?

多くの社会は集団の必要性を個人の要求よりも優先する向社会的文化であり、社会は個人に奉仕すべきという西欧的文化は異質である。

テュリエル等の合理主義理論は、個人主義的文化に属する研究者によって提案されたものであり、向社会的文化を分析出来ない?向社会的文化では、道徳の影響が大きく、テュリエルの慣習と道徳の二分割の信憑性が薄い。

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著者はブラジルで、規律違反に関するアンケートによる調査を行た結果は、以下の通り。

①道徳と慣習を区別する程度は文化によって異なる
②無害でも禁忌侵犯には反応する
③居住地よりも社会階級の方が道徳判断に影響する
④規律違反による危険が発生しなくとも判断は
 変化しない

規律に反しても危険が発生しなくとも、規律違反による犠牲者を想定してしまう被験者が大勢いた。犠牲者をでっち上げている事を指摘すると、別の犠牲者を作り出す。そして、「間違いと分かっているが、理由が思い付かない」と回答する。

⇒被験者は、真実を求めるのでなく、自らの情動的反応を正当化しようとする。

第2章 理性の尻尾を振る直観的な犬
西欧哲学では理性が崇拝され、情熱が懐疑されるが実態は異なるとする?

脳欠損患者の例から考えても、情熱が無くなれば理性を運営する事は出来ない。前島前皮質腹内側部に損傷を受けた患者は、知能指数は低下しないが、情動の影響が無いために、全ての選択肢が等しく感じられ、判断が出来なくなる?

人間は自らの判断を正当化する理由を作り出すが、それは後付けによる合理化に過ぎない。理由を考える事は、言語能力を備え、自らの意図を他者に説明する必要がある生物にしか生じ得ない。

個人的趣味は主観的嗜好(自分が特定判断に至った理由)を正当化して受容出来るが、道徳的判断は誰かを罰するように社会に働き掛ける事を意味する?道徳的判断においては、自分の嗜好以外の正当性(他人も自分に賛成すべき理由)を示す必要がある。

直観は迅速に思考するが、緩慢な理由付けの成功には依存しない。道徳的判断は、自分の評判を維持し、他者と協力関係を築く事等で有利に働く。

他者の意見が自らの意見を変更する事もあり、自分で考えを変えるよりも、社会的説得の影響力が大きい。

第3章 <象>の支配
直観を例証する6つの研究。

①脳は絶えず物事を評価する
1890年代に、実験心理学創始者ヴィルヘルム・ヴントが「感情先行」の原理を提起。何かを知覚した瞬間に感情が生じるとする。

1980年に社会心理学者ロバート・ザイアンスが行った実験では、幾何学模様等を被験者に見せると、見慣れたものを好ましく思う結果が出た(単純接触効果)。感情は迅速に生じ強力であるため、思考の選択範囲を狭める。

②社会的判断は突発的直観に影響される
感情プライミング:
連続して単語を見せると、最初の単語が感情を一定の方向に傾ける引き金になる。感情の突発は0.2秒以内に生じ、補強する刺激が無ければ1秒程度で消える。

1秒程度の短時間で前の単語と同じ感情を喚起する単語が表示されると素早く反応するが、別の感情を喚起する単語を表示すると反応が0.25秒程度遅れる。

同様の事例は人種や肥満者、年長者による判断にも現れる。プリンストン大学 アレックス・トドロフの実験では、米国における議員選挙の対象者の写真を被験者に0.1秒程度見せると、2/3の当選者が外見だけで判断出来たとする。

③身体の状態が道徳的判断に影響する
スタンフォード大学 アレックス・ジョーダンの実験:
悪臭を被験者に嗅がせ、道徳的判断をさせると厳しい判断を下す。味覚による刺激でも同様の効果。

身体と正義心は接続している。

④精神病質者は思考しても感じない
ロバート・ヘアによるサイコパスへの実験。

⑤乳児は感じるが思考しない
生後二か月の乳児は、意外な出来事を長時間見る。

イェール大学 カイリー・ハムリン、カレン・ウィン、ポール・ブルームの実験:
乳児に、人形が登山する劇を見せる。他の人形が登山を助けたり、邪魔したりする様子も見せる。乳児に、登山する人形と邪魔をした人形が親しくする様子を見せると、その様子を凝視する。
そして、登山を助けた人形を好むようになる傾向がある。

⇒社会関係に基づいて個人を評価する能力は普遍的とする

⑥感情による反応は、脳の特定箇所で生じる
脳測定の実験の結果。

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直観が理性的になるのは、他者の意見を聞く時とする。人間は自らの考えに反する事実を探さない。だが他人の考えなら容易く誤りを発見出来る。そのためには友好的態度でなくてはならない。

また、二つの対立する直観を抱く時に判断を変える事もある。

第4章 私に清き一票を
人間の道徳的能力は、理性でなく、直観主義的観点から最も適切に説明出来る。理性は真実でなく、後付けの理由を探すために設計されたもので統治には向かない。

以下の意見。

①説明責任研究を行うフィル・テットロック、
 自己意識の研究者マークリアリーの意見の意見
人間は、他人が自分をどのように考えるかを執拗に気にする。その大部分は無意識下で生じ、意識的には捉えられない。人間の思考様式を(1)探究思考(多様な観点からの公平な思考)、(2)確認思考(特定の見方を合理化しようとする思考)とする?

説明責任を全うするために、探究思考を行うには以下の条件が必要。

・意思決定者は、意見形成の前に、聞き手への説明が必要だと思っている
・聞き手の考えは不明である
・意思決定者は、聞き手が十分な情報と関心を持っていると認識している。

⇒聞き手が真実を知りたい場合以外は、確認思考が増える

孤独を自称している人間でも、心理実験では他人の意見によって自己評価が変化した。

②ピーター・ウェイソンの実験
確証バイアス。意識的思考は、無意識的直観を無条件に正当化しようとする。進化の過程では自らの帰属集団の信用を取り付ける能力 = 自分を良く思うように仕向ける能力が発達した筈。

デイヴィッド・パーキンスの実験では、知能指数の高い被験者ほど自らの意見に合った理由を見つける傾向がある?知能指数は、議論を包括的、公平に検討するよりも、自己の主張を補強するために使用される?

③『予想どおりに不合理』(ダン・アリエリー著)
人間は、虚偽で他人を騙し、その事実を糊塗するので、自分自身ですら虚偽を信じてしまう。

④社会心理学者トム・ギロヴィッチの意見
思考は、自らの望むどのような結論でも導ける。信じたい場合は、「それは信じられるか?」、信じたくない場合は、「それは信じなくてはならないか?」と問うため、どのようなケースでも自分の望む結論となる。

⑤ドリュー・ウェステンの実験
fMRIを用いて、被験者の支持政党への情報を閲覧させると、自らの支持政党の不正には危機感を感じた。道徳においては、利己的であるより、自らの属する集団を支援し、貢献度合いを示そうとする。脳内の情動に関する領域が活性化され、冷静な思考(客観的比較や計算)に関わる背外側前頭前野は活性化しない。脅威から解放されると、腹側線条体(報酬中枢)が活性化し、ドーパミンが放出される。これは麻薬の中毒性と同じ原理で、強い党派心には中毒性があるのかもしれない。

************

思考能力は、真実発見するためでなく、人心操作の補助手段として進化した?議論が巧みな人間は、真実でなく、自説を支持する理由を探している。

第2部 道徳は危害と公正だけではない
―<正義心>は、六種類の味覚センサーをもつ舌だ
危害、公正、自由、忠誠、権威、神聖等の道徳的直観が道徳の基盤となる?

第5章 奇妙な道徳を超えて
W(欧米)E(啓蒙)I(産業化)R(裕福)D(民主主義的)な文化は、様々な心理学基準からは例外的である。

以下の傾向。

①世界を関係でなく、個々の集合として認識
「私は」という言葉で始まる文章を書かせると、自己の内面を表現しようとする。東アジア人は役割や関係を表現しようとする。個人主義的、ルール志向的、普遍主義的な道徳。非WEIRD文化の道徳では、孔子のように一つのルールに還元出来ない格言集のようになる。
②道徳は文化毎に変化する
個人の集まりとして世界を認識すれば、個人を保護し、危害と公正を強調する道徳を望む。関係を重視する社会では、個人より集団や制度を優先する。
③自立の倫理に限定される狭い道徳領域
自立の倫理では、人間は欲求を持つ個人であるという前提から出発し、人々が欲を満たせるように平和共存すべきとする。

・自立の倫理(個人を重視)
・共同体の倫理(共同体を重視)
・神性の倫理(神の子に相応しい振る舞い)

ほとんどの社会では、道徳領域は広く、共同体や神性の倫理も包括する

④道徳は人々を結び付るが、他の道徳に関して人間を盲目にする

著者は、ペンシルバニア大学の学生は、自らの研究対象12グループの中で最も異質だったとしている。ジョン・スチュアート・ミルが1859年に「自由論」で定義した危害原理(自由を侵害する正当性は、他の人間に及ぶ危害の防止にある)に揺るぎない確信を持つ。

他のグループと異なり、禁忌侵犯を目撃しても、嫌悪を無視して道徳的には許容可能とする。

*************

著者の理論では、人間の心は完璧な道徳性を有する神を頂点として、天使、人間、動物、怪物と下降して、悪魔(完全なる悪)を最底辺に置く。この垂直次元の低い位置にある行動を認識すると嫌悪感が生じる?現世での行いによって来世が決まる輪廻転生は、垂直次元の倫理と似ている?

第6章 <正義心>の味覚受容器
道徳の基盤に関する以下の意見。

○道徳は味覚に似ている
人間が5種類の味覚受容器を持つように、道徳的判断も多種に起因する。孟子は道徳原理は食物と同じように人間を楽しませるとした。

○義務論、功利主義
単独の受容器に依拠し、システム化に秀で、共感能力が劣る人々に強く訴える。

<功利主義:算術で倫理を規定>
ベンサムの功利主義には、システム化の傾向があるとする(共同体構成員の功利性最大化を目指し、功利に関する変数をシステム化する幸福計算)。フィリップ・ルーカス、アン・シーランの研究では、ベンサムはアスペルガー症候群の特徴を持つとする?

<義務論:論理による倫理>
イマヌエル・カントは、時代に左右されない善の形態を追及した。観察的方法では不十分であり、先験的な道徳法則を主張した。具体的ルールでなく、定言的(無条件の)命令。道徳の全てを短い文章や公式に還元する。

○ヒュームの多元的、感情主義的、自然主義的方法論
義務論、功利主義より有望とする。正義心の受容器を特定する作業。

○モジュール性の概念
生得的な道徳受容器と、文化毎に異なる様態で発達した初期知覚の生成について考える際に役立つ。文化毎に道徳が変化するのは、モジュールのスイッチを入れるカレント・トリガー(現行のトリガー)の対象範囲が変化するためとする。

○正義心の受容器の有力候補
①ケア、②公正、③忠誠、④権威、⑤神聖。

**************

心理学の目的は、心の機能の記述にあり、心がどのように機能すべきかを明示しない。19世紀以降、哲学は観察や共感を放棄し始め、推論やシステム思考を重視するようになる。

より分析的で、物事を全体では捉えないようになる。

第7章 政治の道徳的基盤
道徳的基盤に関する以下の進化論的意見。

①ケア/危害
「自衛出来ない子供を保護すべき」。他者の苦痛に気づき、残虐行為を非難する。

②公正/欺瞞
「協力関係を結ぶべき」。協力出来る人間を見分け、詐欺師を避けるか罰する。利他主義は、自らが施した恩恵を返してくれる相手に生じる。左派は構成を平等するが、右派は比例配分とする。

③忠誠/背信
「連合体を形成し維持すべき」。自らの共同体を裏切る者を追放する。『コーラン』は外部の人間を警戒するが、背教者は殺すべきと書く。ダンテは、『神曲』で裏切者に地獄の中心を割り当てる。裏切者は敵よりも憎まれる。

⇒普遍主義は、忠誠基盤を重視する人間に訴えられない

④権威/転覆
「階層的社会で有利な協力関係を形成すべき」。階級や地位に対して相応しく振る舞う。権威者は脅威を与える力を持つと同時に、秩序と正義を維持する責任を担う。階層は非対称的で、下位者は上位者に敬意を表し、上位者は司牧的役割を担う。

⇒右派の方が階層性、不平等、権力に反対する左派よりも優位

伝統、制度、価値観を覆る行為も権威への反抗と言える。

⑤神聖/堕落
「雑食動物のジレンマ(新奇好みと新奇恐怖の対立)」。病原菌等に汚染された環境で生きるため、象徴的脅威に警戒する行動免疫システム。雑食動物は食物に対して柔軟であるが、新しい食物には細心の注意を払う。

リベラルは新奇好みの傾向が強く、保守は新奇恐怖の度合いが強い。境界が伝統の遵守に拘る傾向。

神聖は身体接触によって伝染する脅威を避ける必要から発生し、危険な病原菌を知らせる感覚情報の入力パターンに依拠する?神聖基盤のカレント・トリガーは時代によっても異なり、移民への態度は疫病の発生確率によって変化するらしい。

第8章 保守主義者の優位
リベラルよりも保守の方が社会的直観モデルに合致する。

社会保守主義者が志向するエミール・デュルケーム流の社会観では、社会の基本単位は家族であり、秩序、上下関係、伝統が重視される。リベラルのジョン・スチュアート・ミル流の個人主義的社会観は背信という批判を受け易い。

リベラルは、ケアと公正のみを提供するが、保守は忠誠、権威、神聖にも訴える事が出来る。

<自由/抑圧>
支配の試みは怒りの感情を呼び起こす。

『森のなかの階層制』(クリストファー・ベーム著)。人間は階層制に向かう傾向があるが、人類は数百万年のどこかの時点で最優位候補を集団で統制し、平等主義者になった。チンパンジーのリーダーも、自らの限界を知り、協力者を見つけ、反抗を未然に防ぐ必要がある。

⇒ベームの主張では、言語の誕生により真の道徳共同体が形成されたとする。言語による情報共有により、社会の安寧を脅かす者を結束して追放可能となる

⇒階層制への生得的志向を持つ個体間の協力によって築かれた脆弱な政治的平等主義

<公正/欺瞞>の訂正
互恵利他主義に期限を持つが、人類が懲罰的道徳共同体を形成するようになってから機能を拡大させ、因果応報に深い関心を持つようになる。

***************

リベラルは普遍主義的立場で結果の平等を求める。富裕な人々に高税を課し、貧者に提供するという主張。保守主義者は郷党的(対象範囲が狭い)で、人類全般でなく、自らの共同体に関心を寄せる。

政治的平等への関心が<公正/欺瞞>でなく、<自由/抑圧>に基づいているのなら、最も困難な業務に携わる者が最大の利益を手にすべき事になる?結果の平等は包括的原理である比例配分(因果応報)の特殊ケースになる。

裏切者、怠け者から共同体を守ろうとする欲求。

リベラルは、比例配分(因果応報)を不快に思う傾向があり?、それは<ケア/危害>基盤と関係するかもしれない。

第3部 道徳は人々を結びつけると同時に
    盲目にする

―私たちの90%はチンパンジーで、10%はミツバチだ
人間の本性は、以下の2つのレベルで同時に作用して形成される。

①集団内で生じる競争
②集団間で生じる競争

人間の利他心は、自集団に向けられる。宗教は共同体を形成する?

第9章 私たちはなぜ集団を志向するのか?
進化について、集団内での個体間競争よりも、集団間での競争を考える。集団選択を弁護する以下の証拠。

①超個体
フリーライダー問題が、生物学的階層の一定レベルで解決すると、それより上のレベルで、集団内の役割分担等の特徴を持つ超個体が誕生する。

②道徳マトリックス
意図や心的イメージを共有する人類独自の能力。それにより役割分担し、協力し合うようになる。

③遺伝子と文化の共進化
遺伝子と文化の相互作用により、集団を志向する様々な慣習、規範が生まれる。

④迅速な進化
人類の進化は、現代に至る1万年ほどで急激に発生した?旧ソヴィエト連邦のドミトリ・ベリャーエフの絵kン級。狐を育成し、従順な個体のみを残すようにすると、9世代を経過して、狐に犬を狼から区別する特徴(頭部と胸部の白い斑点、小さい頤や歯、カールした尾)が見られるようになり、30世代が経過するとペットに出来るほど従順になる。

鶏を使用した研究では、卵を多く生む鶏を繁殖に回しても、多くの卵が生まれるとは限らなない。多産な個体は攻撃的でもあり、個体レベルの選択に依存すると殺し合いにより総生産量が減る。

1980年代のウィリアム・ミュアーの実験では、12羽の雌鶏を入れた多数のケージを用いて、最も多くの卵を生産したケージを特定し、その中の全ての個体を繁殖に回した。六世代目には、死亡率は67%から8%に下がり、一個体当りの卵生産量は、91個から237個になった。

⇒人類の30世代は600年であり、1万年では500世代である

遺伝子検査によると、紀元前5万年から遺伝子進化が加速しており、紀元前2万年からは急激に変化しているとする。完新世では、アフリカ大陸とユーラシア大陸で最高潮に達したらしい。人口密度上昇による遺伝的変異発生確率増大?

第10章 ミツバチスイッチ
人間の幸福は、周囲の関係性から生まれる?集団的儀式に参加する事による自己拡大の感覚。

人間は、超社会的生物である事で蜜蜂に似ている?

あらゆる共同体で、人々が集まる踊りが見られ、16世紀欧州に始まる自我概念、個人主義の発達により、踊る事による集団の団結は弱まったとする?

集団と自己の欲求が存在し、人間は気高い何かを仮定しながらも、自己利益を求めて暮らす。蜜蜂は単独の個体を観察しても理解出来ず、集団を考えなくてはならない。

ミツバチスイッチが入ると、利己性が和らぎ、愛情深くなる?

○デュルゲーム剤
麻薬は、自己を滅却させる宗教体験を呼び起こす?麻薬が非合法化される前に実施された研究では、以下の効果があったとする?

①統合(自己感覚の喪失、根源的唯一性)
②時間と空間の超越
③深い積極性
④神聖
⑤深淵で絶対的直観的知識
⑥逆説性
⑦説明困難
⑧経験の儚さ
⑨態度の行動の積極的変化

○レイブ
レイブ(観客が一晩中ダンス音楽で踊る大規模な音楽イベント)。ロックにおける個人主義を共同社会的感覚に置き換えるダンスの創造。

○オキシトシン
視床下部で合成されるホルモン。母になる準備を整え、子宮収縮や乳の分泌を引き起こし、子供に触れたり配慮する欲求を生む。

⇒オキシトシンは、他集団と効率的に競えるように自集団と結び付くためのものとする

集団間の実験では、オキシトシンを投与された集団は、集団間の貢献は改善したが、より積極的に他集団を妨害するようになったとする?オキシトシンは内集団に向けられる愛情を高めるが、被験者を郷党的利他主義者にしたとする?

自己利益を追求する個人は、全体よりも自らの外見と昇進に関心を持つ。集団志向性を上手く利用する組織は、管理をそれほど徹底する必要が無い。

人類は比較的平等主義者であるが、脅威を感じた時は部族的階層的秩序を重んじるようになり、指導者に従うようになる。集団志向を高くするには、構成員の類似性を高め、同調性を活用し、集団間での競争を実施するとする。

第11章 宗教はチームスポーツだ
超自然的行為者を信じる能力は、超高感度の行為者探知機の副産物かもしれない。それが道徳共同体を築くため活用された?神を祀る事で構成員から自己犠牲と献身を引き出す。

宗教もチームスポーツと同様に、共同体の創造という役割を担う。宗教には、信念、実践、帰属という側面がある = 共同体の形成?

以下は、新無神論者(サム・ハリス、リチャード・ドーキンス等)による宗教誕生物語。

①行為者探知モジュール
人間は、雲の中に人間の顔を見い出すが、逆は無い。ほとんどの誤作動が偽陽性(実際には存在しない行為者を見い出す)という点で顔探知機と似ている。

行為者探知機と意図共有能力、物語を愛好する傾向から神話が生まれたのかもしれない。

②神の変化
宗教は自然選択の対象になるミームとする。多数の宗教間による競争。勝敗は、宗教による恩恵でなく、生存と繁殖能力に基づいて決定される。

⇒宗教を寄生体の一種とする?

新無神論者に与しない人々は、上記②を宗教が適応性の高い集団形成に役立ったと説明する?人類学者スコット・アトラン、ジョー・ヘンリッチによると、神の効用は道徳共同体構築にあるとする。狩猟採集民の神は気紛れで悪意を持つが、農耕民の神は集団内の不和を助長する行為を罰するとする。

⇒道徳的な神は農業誕生により紀元前8000年頃に出現した?

また、集団全体に罰を下す神の存在により、社会的規制の手段として外聞は効果的になる。

19世紀に米国にて設立された200の共同体の歴史を調査した研究では、20年経過しても機能した共同体は、世俗的で6%、宗教的で39%とする。宗教的共同体では、求められる犠牲が多いほど共同体が存続し、世俗的共同体では犠牲の数は役立たなかったかった。

⇒儀式、法等の制約は神聖化された場合に最も上手く機能する?神聖の付与は、恣意性を覆い隠す

**************

著者の定義する道徳システムは、心理的メカニズムにより、利己主義を抑制し、協力的社会構築を可能にする。この定義は機能主義的であり、具体的内容の特定でなく、何を行うかによって道徳を定義する(少数の項目を真に道徳的とし、残りを社会的慣習として切り捨てるのでなく)。社会的に信じられている道徳を記述する定義と、真の道徳を特定する規範的定義の区別があり、著者は記述的定義である事を意図している?

規範的定義を補うものとして機能?

第12章 もっと建設的な議論ができないものか?
二極化していく社会への問題提起。

脅威に敏感な人々と、鈍感な人々が選ぶメインストーリーは異なる。一度、何らかの集団に参加すると、その集団の正しさを再確認する出来事に出会うようになる。

リベラルと保守は陰陽の関係にあり、リベラルはケアの専門家として犠牲者の改善を働き掛け、保守はリベラルと釣り合いを取る。

保守主義者の主張する道徳資本(社会関係資本:個人間の絆、相互依存の規範、信用等)は、人間の理性を補完する。社会的事実としての制度の権威が剥ぎ取られ、自らの利益に資する恣意的な装置と見做されると制度は効力を失い社会的混乱が増大する。

人間の心は、論理でなく、物語を紡ぐ処理装置とする。

①人生の物語
自分の経験を単純化し、取捨選択したもの、理想化された未来。道徳に満ちており、成長過程にある思春期男女の自己と、大人の政治的自己同一性の橋渡しをする。

②大きな物語
導入部、中間部(脅威の訪れ)、結末部(問題解決)から構成されており、聞き手を道徳的に導きながら、神聖を把握、維持するためにすべき事を教える。

この章では、著者のバイアスを強く感じた。

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眠り過ぎて疲れた

今日は一日中眠っていた。

眠り過ぎて頭が痛い。

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思考術

読んだ本の感想。

大澤真幸著。2013年12月20日 初版印刷。



思考の深化には、触媒(他者や本)が必要となる。

やっぱり、著者の専門は社会学なのだと思う。思考というより記憶を書いており、文学や数学・物理学についての記述内容が浅いように感じられた。

序章 思考術言論
1-何を思考するか
思春期に飛躍があり、一生のテーマが見つかる?それは中期のテーマ、短期にテーマに小分けされ、その成果が蓄積されて長期のテーマに繋がる。

長期の問いに回答する事は困難であるため、思考を止めないためにも分割が必要なる?

2- いつ思考するか
出来事と思考は同時進行的に発生し?、時代と共振する?出来事は反復するために、思考は遅れて発生しているかもしれない。思考と実際の出来事が共振した時に、理論を表現出来るかが重要となる?

3-どこで思考するか
思考を身体の外に言葉として書く。一渡りで見る事が出来るくらいの纏まりがあり、他者に提示出来るように順序付ける。思考は対話であり、自分と他者の間が思考の場所であるかもしれない。

4-いかに思考するか
不安感や疑問を鮮明に持つ事が重要であり、答えよりも問いを見い出す事に思考の難所がある。感情は意識化された理屈よりも論理的であるかもしれない。衝撃を誤魔化す理屈に安住せず、感情に見合った論理を見い出す事が大切?

5-なぜ思考するか
人間は考えようとしない動物であり、他者との遭遇による不安の発生が思考の契機となる?閉じられた自説に収まらない他者によって思考は開始する。
体験を自らの中で持続させたり、他者に伝えるには考えて言葉にするしかない。

補論 思想の不法侵入者
人間は一定の水準を超えて思考しない?ジル・ドゥルーズは、人間に考えさせる外部衝撃を不法侵入に喩えた?

権威に拘泥しない自由な探究は必ずしも豊かな結果を齎さない。逆にフロイトのテクストに執着したジャック・ラカン等は深い発見をしている。

権威者の存在が超越的な他者として認知される場合、研究者は権威者の真理を我が物にしない内は衝撃を克服出来ず、思考を終える事が出来ない。権威に拘泥しない探究は、衝撃が無いために思考が中折れしてしまう?

他者が所有している真理に到達したと直観した地点で思考は停止する。思考を触発した不法侵入者は無害な客人に転換する。

○ソクラテス
産婆術を使用。相手の命題を全面的に肯定して、反対命題を引き出させる。自らも真理を知らないとするために、相手は思考を集結出来ない。自らが触媒となって相手の思考を促す。

○キリスト
キリストは神を知る者であり、信者はキリストの信仰に漸近しようとする。しかし、聖書においてキリストは死の直前に紙への疑義を呈する。キリストが所有しているはずの真理を目指した信者の思考は停止出来ない事になる。

西洋の思想・思考はキリストの会議を継承しているのかもしれない。神の存在証明は、神が存在証明をしなくてはならない存在であるとする懐疑を意味している?

第1章 読んで考えるということ 社会科学編
時間について。

時間の無限性と人生の有限性の対比から生まれる虚無感について?

1 真木悠介『時間の比較社会学』を読む



死によって全てが消滅する事は虚無主義の原因となるいう意見がある。それに対処するために、「人類は死なない(ボーヴォワール)」という意見がある。人類全体の協働作業という前提。或いは、霊魂の不死等も候補となる。

真木悠介は、上記のような実感を支える命題は、以下の2つの感覚を前提とするという。

①時間の空間化
時間を空間と同様に、未来と過去に向かって無限に伸びる次元として想像する。抽象的に無限化された関心の対象。

⇒時間が抽象的に無限であるために生の目的が未来に先送りされる

②時間の反空間化
時間を消滅していく不可逆性とみなす。

⇒過去になっていく現在が消滅していくために最終結果にのみ意味がある

************

ハイデガーによると、人間主体は「死への先駆(死が確実な可能性である事を直視する)」という形態を取る。死による挫折の可能性により、自分の超えようとする過程は未完のまま終了するしかない。こうしたハイデガーの思想の上記①、②を前提としている。人間の有限の時間に対する抽象的で無限の時間、過去を捨て去っていく脱自の前提となる時間の不可逆性。

************

そして、原始共同体の中に、上記①、②の前提は存在しないとする。

原始部族に取材すると、彼等は自らの村と外部の出来事が同時だという同時性の観念を持たない。時間は具体的な活動から抽象されない。時間は具体的作業と照応されて表示されるので、有限の射程しか持てず、無限の未来を持つ事は無い。

こうした具体的時間は単一の共同体においてのみ存在し、異なる同時間性を持った他集団との出会いがあると、複数の時間性を包括する抽象的時間が発生するとする。

<ヘレニズムの時間>
抽象的な円環する時間の表象。

地域間交易によって発生?貨幣の発生も同時期?全ての商品に抽象的で等質な量的規定性を与える普遍的概念としての貨幣。ミレトス学派の哲学探究も、宇宙の多様性を還元出来る多様性の追求に始まる。

抽象的な時間は貨幣と同型的な機制によって存率している。

<ヘブライズムの時間>
終末論を起源とする不可逆的な直進する時間。終末論はユダヤ教の弾圧期に書かれたとされ?深い絶望に対抗する希望は純化された理想郷への志向として研ぎ澄まされる。回帰を否定し、未だ存在しない未来への仮託。

上記2つの時間が交差して近代社会が生まれたとする。具象性から解放された無限なる時間は、有限の人生との対比され、共同体からの個人の解放と相まって死の恐怖と生の虚無を際立たせる事になる?

現在を生きる人間は、容易に存在化出来る「過去」との間には共感を抱き易いが、未だに不在である「未来」との間には疎外感を抱く?未来は実感出来ず、抽象的にしか知られない。

2 カール・マルクス『資本論』を読む



「抽象的人間労働時間」が鍵となる概念である。

「資本論」は、商品が使用価値(具体的有用労働の産物)であり、交換価値(抽象的人間労働の客体化)でもある事の指摘から始まる。

資本主義社会において、労働者は自らが生産した物を消費しない。他者が生産した物を消費するために生産する。従って、労働は他の労働と交換可能であるという抽象性を持つ限りで意味を持つ。

それは近代的時間意識を構成する2つの感覚を持つ。

①具体的労働の多様性を捨象した抽象的時間
②帰無する不可逆性

資本主義社会における生産者は、自らの労働が具体的に寄与する他者を認識出来ない。生産者の主観においては、労働は自分の利益のためにのみ行われる。

労働によって客体化された事物が、貨幣との交換可能性を有する時に、労働が「抽象的人間労働」と見做される。

そして、「抽象的人間労働」の時間の長さが交換価値と対応するとなるには、活動から独立する抽象的時間の概念が必要になる。時間が独立した変数であるという観念は西欧特有のもの(機械仕掛け時計等)で、他地域では時間は事象と分離しない。

時間が現象と独立に、一定に進行するという観念は特殊であり、西欧以外では時間は事象との相互作用や季節・天候等により可変的である。

都市における労働が、日の出・日の入りに規定されない抽象的な労働時間の切っ掛け?

3 ベネディクト・アンダーソン『想像の共同体』を読む



如何にして「国民」が形成され、普及したかについての考察。

<小説という文学様式の誕生>
リアリズムを備えた小説は、17世紀末~18世紀前半の西欧州において生まれた。

小説のリアリズムを可能にしているのは、「この間(meanwhile)」という語である。この語は抽象的同時性を表現しており、局所的空間を部分として組み込む事が出来る。

「AとBが口論していた。この間、CとDは情事をしていた」

⇒「AとBの口論」と「CとDの情事」を抽象的均質空間に属しているとして関連させる事が出来る

⇒読者の視点を超越的な場 = 抽象的均質空間に設定出来る

国民と小説は同時に現れた。国民以前の共同体は、構成員間の直接的関係によって成り立っていたが、国民は抽象的な一体感によって成り立つ。これは小説における抽象的均質空間のリアリズムと同様である。

国民を可能にする条件の一つは、抽象的同時性の観念を許容する抽象的時間である。国民は近代的概念でありながら、人々は国家に古い起源を求める。

近代になって歴史学は中核的な学問分野に格上げされ、国家の古代への愛着を継承したと解釈される。

国民は抽象的概念であり、内的結束力を持つには概念にとっての典型的イメージに対応する働きを担う要素が不可欠。自分達を投影する要素とは、他民族と違う具体的特徴であり、具体性を確信する手掛かりとなるのが物語としての歴史とする。

4 エルンスト・カントーロヴィチ
『王の二つの身体』を読む




西欧の王権は、王の内に、「自然的身体」、「政治的身体」が統合された時に完成したとする。形成は中世の全期間において行われ、絶対王政期に完成したとする。

法人としての王国は、国家、国民の先駆形態である。

法人が成立するには、時間概念の転換が必要であり、法人の構成員が入れ替わっても、法人の同一性は維持されるとする「連続性」の観念。

中世のキリスト教世界は、有限の地上世界と神に対応する永遠に時間を分けた?そして、第三の観念としての「永続」が生まれ、時間を通じた持続性を法人に与える事になる。

永続は最後の審判を通じても生き残る天使に帰属する時間とされるが、小説の読者 = 作者の視点とは天使の立場の世俗化であるかもしれない。

イスラム世界においては、人間以外の存在に擬制的主体性を与える事が許されず、法人が誕生しなかったために資本主義が発達しなかった?イスラム教にも天使は存在するが、神であり人間でもあるキリストのような存在はいない?

5 マックス・ヴェーバー
『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』
を読む




資本主義の精神の起源をプロテスタンティズムに由来する生活態度にあるとする。

資本主義の精神とは、「資本」の増加を義務として引き受ける生活態度である。貨幣の蓄積を目的とするため、世俗内禁欲を要求される。

カルヴァン派の予定説においては、神によって救済される者は最初から決定されているとする。ニューカムのパラドックスとして、自らが神に救済される人間である事を証明するために禁欲を信者は禁欲を受容するとする。

信者は自らの行為を選択する事により、神に祝福されたという過去を作り出す事が出来る。予定説を論理的に突き詰める事により、神は独立した他者ではなく、現在における人間の別の姿となる。

第2章 読んで考えるということ 文学編
罪について。

罪の感覚と倫理的行為、贖いの関係?

1 夏目漱石『こころ』を読む



1914年(大正三年)4月~1914年(大正三年)8月にかけて朝日新聞に連載された作品。岩波書店が刊行した最初の一冊。

作中で自殺する先生の遺書の最後に明治天皇が崩御した事が記されている。先生が自殺を決意するのは、乃木将軍の殉死の数日後である。

先生と先生の友人であるKの関係は、乃木将軍と明治天皇の関係に類似する?「心」には本源的に社会性が刻印されているとする。

Kは先生にとって超越論的なステータスを持った他者である。人間の欲望は、第三者の審級に媒介されて形成されるとすると、人間は欲望の対象を第三者の審級によって決定する事になる。

神は第三者の審級の一種であるが、「こころ」では神への信仰は個人的な恋愛の延長上で捉えられている。「こころ」における倫理は、個人的に強い関係を持っている他者との関係の中で規定される。

乃木将軍が明治天皇が死んだ事で殉死するのは、明治天皇に個人的な忠義心を持っているからである。小説内での「明治の精神」とは、政治的な指導者との関係も個人的な忠義の一環として思い描く事が出来た時代の精神?

乃木将軍が遺書で重視したのは、明治十年の西南戦争で西郷軍に旗を奪われた事であるが、先生が御嬢さんの下宿に入るのは、日清戦争の12年後である。夏目漱石の中で明治の精神は、明治時代の半ば頃に終わった事を示唆している?

Kとの個人的な関係に由来する裏切りへの償いとして自殺する事が、明治の精神への殉死であるとすると、それ以降の時代は個人的な愛情に由来する倫理だけでは足りない事になる?乃木将軍は、西南戦争以来、30年以上も明治天皇に申し訳なく思っており、先生の遺書にももっと早くしぬべきだのにと書いてある。

この選択の遅れは、選択の構造に基づいており、選択を規定する欲望が第三者の審級に媒介されている以上、人間が自分の選択を自覚するのは、第三者の審級を意識する時(第三者の審級から承認を受けられなかった時)であり、誤った選択を意識する事になる。

選択の意識は、他の選択もあり得た事の自覚を通じて罪の意識を生み出す。

2 ドストエフスキー『罪と罰』を読む



人類のため、野心の実現のためであれば殺人も肯定されるという哲学が破綻する話?

主人公の名前「ラスコーリニコフ」に含まれる「ラスコル」はロシア語で分裂を意味しており、「ラスコーリニコフ」とは分裂した者である。

「ラスコル」という言葉が固有名詞として使用されるのは、17世紀中盤に生じたロシア正教会の内的分裂を指すのが普通であり、小説内での正教会の思想(隣人愛)と正教会外部の思想(英雄的強者の絶対自由を支持する思想)との分裂を示す?

『罪と罰』の内在的限界として、隣人愛も英雄崇拝と同様に人類の幸福に資する行為であるから肯定されてしまう事にある?人類の平和や幸福を倫理的行為の基準とすると、事後の視点が必要になる。

それは行為者の主観的心情と、行為の倫理的価値とは関係が無い事を意味する。

最後の審判の判断は不可知であり、行為者の主観とも独立しているので、客観的と形容される。ここで客観性を知る者を想定すると、独裁制が生まれる?

2 赤坂真理『東京プリズン』を読んで



第二次世界大戦における戦争責任について。

1980年の主人公と2009年の主人公の語らいが物語の基盤となる?1980年の主人公が「天皇の戦争責任」について勉強し、米国人との論争に挑む?

日本社会は、第二次世界大戦での敗戦によって規定されているとする。それは個人の感情を超越した集団による規定である。

「東京プリズン」では、2009年の主人公は、最後の審判が終わった後に属しており、過去の自分の行為の結果を確定的に振り返る事が出来る。1980年の主人公も東京裁判の後に属しており、当時の日本人民が言えなかった事を言える存在とする。

主人公の過去の反復の中で、日本社会の過去が反復されたとする。

4 イアン・マキューアン『贖罪』を読む





英国に住む主人公が、従妹の恋人を強姦犯として嘘の告発を行う。小説の後半の作中作で、主人公は従妹と従妹の恋人に謝罪するが、それは虚構であり、現実の二人は戦争中に他界していた。

物語は主人公による作中作という形式を取るが、作中作を小説として完結させるために肯定性を付け加えなけらばならなかったとする。

これは小説の不可能性 = 神の不可能性であり、世界には償い得ないような罪があり、神が存在するのなら破壊的罪を許すはずがない。

旧約聖書の「ヨブ記」における神も、ヨブの苦痛を癒す事が出来ない。神は償う事を諦めて自慢話に逃避する。『贖罪』の主人公も事実を歪曲してしまう。それは神 = 創作者の無能性(不在?)への暗示である。

5 フィリップ・クローデル『ブロデックの報告書』
を読む




第二次世界大戦が集結して間もない頃、フランス辺境の寒村における旅人(Anderer)が殺された事件についての報告書を主人公が制作する話?

村においては第二次世界大戦中に「よそ者」をナチス・ドイツに供出していた。供出に由来する罪悪感を村人達が抱えており、それが旅人殺害の原因になったとする。

旅人は村の風景画や肖像画を描いたが、そこに村人達の恥辱の過去が映し出されたとする。

旅人はキリストに喩えられ、彼が騾馬を連れているのは、キリストが騾馬に乗ってエルサレムに入城した事と類似する。

この物語は、神が訪れた最後の審判の現在を示しており?神が赦しを宣言する事が賭けである事を示している?神が罪を赦しても、赦された者達がそれに値する行動をしなければ神の権威は失墜する。

全ての者を描き出す旅人は、全ての村人の過去を肯定している。このとき、贖われない者は無い。つまり、赦されない者の集団は「無」である事になる。小説内の強制収容所においては「私は無(屑)です」という言葉が強要される。実体として赦されない罪を背負っている村人達は、贖われた者に相応しい行動をしなくてはならない。

自分の罪と向き合えない者は、救世主を殺して最後の審判になっている事を否認するしかない。村人達は旅人の名前を知ろうとせず、無視しようとしたが、それが不可能になるまで追い詰められた時、殺すしかなくなった。

この時、村人は「無」に留まるしかなく、物語の最後で村は消滅してしまう。

第3章 読んで考えるということ 自然科学編
神について。

科学と現代哲学が定位する宇宙観の中心的含意

1 数学と人生
◉吉田洋一『零の発見』を読む



インドにおいて0が発見されたのは6世紀頃とされる。0は後ウマイヤ朝を通じて8世紀初頭?には欧州に伝わったが、普及したのは13世紀末とされる。

0はインドにおいて発見されるまで活用されず、その普及速度も遅い。0を用いるべき社会的活動領域が準備されていなかったのかもしれない。

◉春日真人『100年の難問はなぜ解けたのか』
を読む




宇宙はどのような形をしているのか?宇宙が丸いとして、丸の中に属している者が、どのようにして宇宙が丸い事を知る事が出来るか?この判定基準についての仮説を「ポアンカレ予想」という。

「ポアンカレ予想」を解決したペレリマンは物理学を取り入れており、さらに時間について独特の操作をしているらしい。宇宙に変化要因を加え、時間を経過させれば複雑な宇宙は綺麗な形に変化するが、整えられた宇宙は壊れてしまい計算出来なくなってしまう。そこでペレリマンは宇宙が壊れそうになったら時間を過去へ遡って良いとした。

こうして「ポアンカレ予想」を解いたペレリマンは、社会から引き籠る事になる。著者の意見として、「知」は宇宙を形成しようとする傾向を持っており、宇宙は外部に対して閉じられた包括性を持つ。数学は、外部が存在しないと想定する全体を形成する力を持ち、自己充足的な宇宙を有する。ペレリマンは、「ポアンカレ予想」と対峙する事で、宇宙に入り込んでしまったのかもしれない。

**************

0が発見された時から数学と物理学は分離したとする。0は物理現象に縛られない抽象を必要としており、無限の存在と同様に物理学と数学を分かつ。「ポアンカレ予想」において数学と物理学が融合するのなら、観念論と唯物論が融合するかもしれない。

2 重力の発見
◉大栗博司『重力とは何か』を読む



アインシュタイン以降の重力理論を解説。超弦理論における重力の把握の紹介が記述の中心となる。

◉ヴィクトル・I・ストイキツァ『絵画の自意識』を読む



15世紀末から16世紀の欧州にて静物画や風景画が成立した話。この成立期は科学革命の直前から初期であり、それまで基本的に宗教画だった絵画が、宗教的な価値を持たない風景を鑑賞対象にするようになったとする。

この時期は、歴史学者ブローデル等が呼ぶ「長い十六世紀」であり、世界経済としての資本主義が出来上がる過程である。静物画は宗教画を否定しておらず、宗教を止揚し、宗教を自身の内的契機として取り込む事で成立したとする。

風景等の世俗的な物(神から切り離された物)が美学的鑑賞の対象となるには、逆に、超越的な神の存在が必要になる。

◉山本義隆『磁力と重力の発見』を読む







遠隔作用としての重力が社会的に受容されるために、磁力が一役買ったとする話?磁力という遠隔作用の起源は中世の魔術であり、自然現象を近接的なものの間の因果関係の絡まりによって説明する機械論と対立した?

ここでも神が必要とされた?ニュートンは重力を神の御業とした?

3 量子力学の形而上学とほんものの唯物論
◉リチャード・ファインマン『光の物質のふしぎな理論』、ブライアン・グリーン『エレガントな宇宙』を読む





量子力学が理解しえない理屈である事について。その核心は、物質自身が自らの振る舞い方を知っているかのように振る舞う事にある。人間世界で普通に発生する事を物質が行う事に不思議があるとする。

認識と存在が厳密に連動するので、量子力学は観念論の究極であり、観測者を「神」に対応させれば神学の現代版となる。

終章 そして、書くということ
考える事は書く事によって成就する。

著者の執筆姿勢に関して様々な事を書いている。

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インド数学の発想

読んだ本の感想。

矢野道雄著。2011年5月10日 第1刷発行。



インドにおける数学の伝統について。

凄く難しい本だった。関連する知識を持っていなければ内容は理解出来ないと思った。

以下は、「パンチャーンガ」へのリンク。インドの民間暦(パンチャーンガ)の算出プログラム?

http://www.cc.kyoto-su.ac.jp/~yanom/pancanga/

以下は、著者が上記プログラムの試作版をインドに持っていた時の記録であるらしい。



以下は、インドの数学者等に関する本。





『リーラーヴァティー』等のインドにおける古典数学書では、計算版の上での筆算が前提となっており、暗算による速算を行うヴェーダー数学という表現には歴史的、文献学的根拠が乏しい。

******************

多くの古代文明では文字と数学は同時に起こっている。インド亜大陸においては、アーリア人が進出した紀元前1500年頃から、文字の使用が始まる紀元前3世紀頃まで1000年近くの空白があり、ヴェーダ文献は暗記によって口承されていた?

◎ヴェーダ文献
アーリア人に伝えられる最古の文献群の総称。以下に分類される。

・最古の時代(紀元前10世紀)
 「リグ・ヴェーダ」:神々への賛歌
 「サーマ・ヴェーダ」:賛歌の歌い方を規定。音楽
 「ヤジュル・ヴェーダ」:祭式に用いる呪文
 「アタルヴァ・ヴェーダ」:民間起源的な呪文。医学

・ヤジュル・ヴェーダ
白ヤジュル・ヴェーダ系と黒ヤジュル・ヴェーダに分けられる。

・後期(紀元前8世紀~紀元前5世紀)
 「ブラーフマナ文献」:祭式の呪文の規定と説明
 「アーラニヤカ文献」:ウパニシャッドに繋がる
 「ウパニシャッド文献」:仙人達の議論。哲学

文字が無くとも数字は不可欠だったはずであり、ヴェーダ文献の数詞は十進法に基づいているとする。インドでは特に「3」が神聖視されていたようで、3の倍数である18や108は「マハーバーラタ」で聖数とされる?



「マハーバーラタ」は全18巻で、戦争が18日間、18の軍団で行われ、一つの軍団には2187頭の象、65610頭の馬、109350人の歩兵がいるが、各位の数を加えると18になる。

カタパヤーディ法:
南インドで発達したアルファベット数表記法。音声学通りにアルファベットを配列して、カ(ka)、タ(ta)、パ(pa)、ヤ(ya)を一として数える。数表を文章として表現する事が容易になるらしい。

ブータ・サンキヤー:
事物数。世の中に存在する事物を数に対応させ、その事物を意味する言葉を数として用いる。0(空間、空虚、非存在等)、1(月、大地の同義語)、2(眼、手、翼、腕等)、3(世界、火、時間【過去、現在、未来】等)、4(海【インドでは四つの海に囲まれているとされていた】等)、5(感覚器官や元素等)。

「マハーバーラタ」では事物数の用例が無く、天文学が発達して桁数の多い数を韻文で表現する必要から生まれた?現存する最古の用例は、3世紀に韻文化された占星術書「ヤヴァナ・ジャータカ」においてである。

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カーストはインドでは職業と結び付いていたが、情報技術は既存のカーストには分類出来ず、超カースト産業として経済成長の土台になったとする?



カーストの起源は、紀元前1500年頃にインダス川上流域に移住し、1000年ほどかけてガンジス河流域まで活動量気を広げたアーリア人の支配方法「四ヴァルナ」にあるとされ、アーリア人を上位カースト、非アーリア人を下位カーストにした。

そして言語を峻別の手段歳、ヴェーダの学習をアーリア人にのみ認めた。ヴェーダの文字化が遅れたのは、大衆化を防ぐためだったのかもしれない。アーリア人の言語はサンスクリット語として規範化、固定化され、学問を記録する有力な手段となる。バラモンは知的活動を引き受け、知の独占体制が始まる。

以下が、アーリア人が設けた学習のハードル?

①ヴェーダ学習
ヴェーダ学習入門の儀式を「ウパナヤナ」と言い、バラモンは8歳くらいの時に入門死期を受けたとされる。

②暗記
ヴェーダ文献は暗誦によって伝えられた。暗記力抜群である事が学習の条件となる。

③パーニニ文法
紀元前5世紀頃、サンスクリット語はパーニニによって規範化された。サンスクリット語を学ばなければ学問を学ぶ事は出来ない。

<ヘレニズム文化の影響>
以下の2つ。

①紀元前4世紀頃
アレクサンドロス大王がインダス河上流域にまで遠征し、バクトリアを中心とするギリシア人植民地とインドが交流した。

②1世紀頃
貿易風の発見により、地中海沿岸とインドの西海岸との間に交易が発生した。

150年頃に散文原型が成立し、269年に韻文化された「ヤヴァナ・ジャータカ」は、ギリシア占星術をインド化したものであり、ギリシアの数理天文学も導入した。

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インドでの学問分化は、「ヴェーダ」を研究する補助学として音声学、韻律学、文法学、語源学、天文学、祭儀学の6分野が成立した時に始まったとされる。ヴェーダは神々の言葉を人間が聞いたものと見做したので、補助学においても言語に関わるものが多い。

インド数学は、天文学、暦法の一部としてバラモンが学ぶべき正統学問になったとする。

多くが商業を営んだジャイナ教徒の貢献もあり、「ガニタサーラサングラハ」の著者マハーヴィーラはジャイナ教徒とされる。宇宙論や原子論もジャイナ教徒により発展した?

一方において、仏教は自然科学にそれほど貢献しておらず、中国やチベット、東南アジア等にインド文化を運んだ仏教は医学では貢献したが、天文学や数学では伝統から疎外されたためにバラモンから専門知識を得る事が出来なかったとする?

インドは長子相続で、長男は祭式執行者としての勉強をする必要があったが、次男以降には余裕があり、天文学等を研究した。人生は、学生期、家長期、林住期、遊行期の四段階に分けられるとして、それが人生のロールモデルとして学究生活の基盤となった?

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インド幾何学は、祭壇設営のために発達した?



暦法の影響も強く、ヴェーダ補助歴は5年を一つの周期とする太陽太陰暦を確立した?その特徴は、理想化した単純な数値を用いて理論化し、現実の運用において修正を加える事にある?

◎アールヤバタ
476年生まれの天文・数学者。地動説を唱えたとする。

アールヤバタに端を発する?インド数理天文学の特徴は、アルゴリズムと高度は理論性であり、単純な機械的操作のみで回答を出す事が出来るとした?



598年に生まれた天文・数学者であるブラフマグプタは、アールヤバクを強く批判したとされ、歴史上初めてゼロを「数」として演算対象にしたとされる。

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人工知能が描くレンブラントの“新作”絵画

インターネット上の新聞記事からコピペ。

Microsoft、オランダのデルフト工科大学等の共同チームが、プロジェクト「The Next Rembrandt」を実現した。17世紀のオランダ画家・レンブラントの画風を機械学習や顔認識で分析し、3Dプリンタを使って“新作”を描く。

以下が、完成した新作。

レンブラント

レンブラントが描いた全346作品を3Dスキャンし、高解像度化した画像データを用意。ピクセル単位で画像を分析し、ディープラーニングのアルゴリズムを用いて、絵画の主題や構図、服装の特徴、性別・年齢などを学習。

分析したデータに基づき、帽子を被り、白い襟付きの黒い服を着た30~40代の男性――という構図に決定。絵具を重ねて描いたような質感を再現するために、3Dプリンタを使用し、UVインクを13層重ねた立体的な作品に仕上がった。

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以下は、やる夫スレの「■やる夫とドラえもんの使えない秘密道具 第十二回 「火の鳥 ~現代編~」 」へのリンク。

http://snudge.blog38.fc2.com/blog-entry-913.html

故人の脳を模倣するまでもなく、未完作品の続きを読む事が出来るかもしれない。

以下は、やる夫スレの「森川ジョージ」へのリンク。

http://yaruostar.blog.fc2.com/blog-entry-1853.html

長期作品になると、作者自身にすら作品が理解出来なくなっている事があるかもしれない。

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面白い画像を見つけた

インターネット上の掲示板で面白い画像を見つけたので貼り付けする(著作権は無いと思う)。

32077292.jpg

以下は、水口博也先生の著書。







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髪の毛が鳥に見える不思議。何だか元気が出てきた。

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「仮想通貨」覇権争いの裏表

2016.4.9東洋経済P74~P79から。

フィンンテックがブームとなり、仮想通貨が再び脚光を浴びている?」

現在、世界のビットコインの取扱高は、一日20億ドル~40億ドルであり、円・南アフリカランドの通貨ペアと同等の取扱規模になっている。

以下は、「FINOLAB」のWEBサイトへのリンク。

http://finolab.jp/

フィンテック関連のベンチャー企業を支援する拠点。

以下は、「テックビューロ」のWEBサイトへのリンク。

http://techbureau.jp/

ビットコイン取引所「Zaif」の運営からブロックチェーン技術の開発まで行う。

以下は、テックビューロとの提携発表後に株価が上昇した企業。

・さくらインターネット

https://www.sakura.ad.jp/

・インフォテリア

https://www.infoteria.com/jp/

・ロックオン

http://www.lockon.co.jp/

・オウケイウェイヴ

http://www.okwave.co.jp/

日本国内のビットコイン取引所はテックビューロ等の未上場企業が運営主体だったが、Jトラスト等の上場企業による参入が相次いでいる。

証券会社やFX会社等は第一種金融商品取引業者であり、兼業規制のために、仮想通貨の取引所を登録制にする資金決済法等の改正案が2016年6月1日までの通常国会で成立しても即参入とはいかない。

取引所運営の本命とされているのはFX会社のマネーパートナーズグループである。

http://www.moneypartners-group.co.jp/

2015年67月には、米国のビットコイン取引所Krakenの運営会社と業務提携協議を開始すると発表した。銀行や証券会社等をメンバーとする研究会を主催しており、ビットコインの取り扱いに関する業界内基準を作る狙いがある。そうすれば、資金決済法等の改正を待たずして取引所開設が可能?

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疲れた

何か色々と無駄な作業で疲れた一日だった。

生きている事は暇潰しで、何も考えないでいられると幸福かもしれない。

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エンタテインメントの作り方

読んだ本の感想。

貴志祐介著。平成27年8月25日 初版発行。



小説の本質は妄想であり、詳細に説得力のある独自の異様な妄想が重要とする?

第一章 アイデア
▼アイデアは降ってこない
著者が、アイデアを細目にメモしている話。意表を突くトリック、斬新な設定、個性的な人物等をアイデアノートに纏めているらしい。

▼「もし○○が××だったら」という発想を持て
想像力を膨らませる思考訓練。普通の出来事を極端にエスカレートさせたり、図式を逆転する等。

以下は、「もしインフルエンザ・ウイルスが快楽を齎すものだったら」という仮定から生み出された作品?



▼アイデアの"消費期限"
アイデアには熟成期間が必要という意見。思い付いた直後は素晴らしく思えても、後になって自信を失う事があるとする。

▼想像力の限界に挑む
以下は、著者が考える「想像力の限界に挑んだ作品」?



▼防犯探偵・榎本のモデルとの出会い
著者が自宅の防犯を見直した時に、警備会社の営業マンが連れてきた街の鍵屋がを自作の登場人物のモデルにした話。

▼アイデアの磨き方
アイデアを育むには刺激が必要で会い、映画等の構成やエッセンスを真似るとする。

以下の作品においては、複数のエピソードが各自の視点で展開され、それらが合流する際のサプライズも用意されているとする。



多くの前例に触れるべき。

▼物語に没入した原体験
著者が幼少期から読書好きだったという話。







▼初めての小説執筆体験
著者が本格的に執筆に取り組んだのは、大学時代とする。

▼デビュー作『ISOLA』を書いたときのこと
大学卒業後、生命保険会社に勤めた著者が、三0歳で退職して執筆活動に専念した話。当初、デビュー作『ISOLA』のストーリーは、魂が対外離脱した肉体の腎臓が移植されるが、戻ってきた魂により腎臓が暴走するというものだった。

しかし、『パラサイト・イブ』が刊行され、展開や描写が酷似している事から、自らの被災体験や多重人格と組み合わせて新たにアイデアを練ったとする。

▼『黒い家』の発想はこうして生まれた
著者が人生で最も恐怖を感じた生命保険会社での体験をもとに『黒い家』を書いた話。

▼職場は最高の情報源
一般的に知られていない世界をリアルに描写する事でエンタテインメントになり得るとする。職業は、一般に知られていない情報の宝庫である。

第二章 プロット
▼冒頭、クライマックス、結末の三点を決める
プロットとは、ストーリーの骨組みを示した設計図である。アイデアから、「それが起きる状況」や「起こすための条件」等を具体的に考える。著者は、結末を明確な目標と定め、冒頭と見せ場であるクライマックスをその後で固めるらしい。

▼ストーリーには複数の"エンジン"が必要
エンタテインメントにはエンジンが必要である。ミステリでは、「何故だろう?」と思わせる仕掛けであり、ホラーでは「どうなるのか」という演出である。最後まで通底する大きな謎だけでは中弛みするので、予期せぬトラブルや生い立ちの謎等の小さな謎を仕掛けるべきとする。

特に早い段階で興味を持たせる工夫が必要であり、早い段階で対立軸(競合、対立、衝突)を提示する事が有効とする。

以下は、対立軸が明確な作品の一例であるらしい。



▼「どんでん返し」という構成のリスク
著者は、どんでん返しや叙述トリックを初心者の内から多用するよりも、展開の中で自然にサプライズを起こした方が現実的とする。作者は物語世界の中で神の視点を持っており、物語の結末とそこに至るまでの過程が分かっているのだから、適切に伏線を張る事が出来るとする。

▼すべての判断基準は"面白いかどうか"
物語の細部を詰めていく上での判断基準は面白いかどうかとする。複数の選択肢を吟味すべき。

▼ベストの舞台を選べ
舞台によって物語の印象は一変するとする。

▼実在の地名を使うか、架空の地名を作るか
著者は、実在の地名を使うよう心掛けているらしい。自らが風景を想像し易く、読み手も物語に馴染み易い。ただし、『天使の囀り』では、アマゾン川の支流のミラグル川という架空の地名を用いているらしい。

▼『新世界より』の舞台が一〇〇〇年後の
 日本だった理由
著者が描きたかったのは、実在する建物が廃墟や遺構として登場する世界であり、また、変な生き物を描いてみたいという欲求があり、廃墟や生物進化が両立するギリギリが1000年後という設定であったらしい。

書きたい事が明確であれば、逆算して細部を決定出来る。

▼「主題」にとらわれるな
『黒い家』には、最初は明確な主題の設定は無く、会社員時代の自己体験をホラーとして構成しただけだったが、結果的に現実社会のモラル崩壊を指摘する描写が多い作品になったとする。

物語を熟考して書き進めていくと、主題が自然に表現される事がある。

▼小説の題材にタブーはあるか?
著者は題材のタブーを恐れるべきでないとする。

▼タイトルのつけ方
タイトルが重要であり、悩む事が多いという話?

▼本格ミステリを書く際の独特のセオリー
面白いトリックを作り出すために、複数のトリックを組み合わせる事があるとする。本格ミステリでは、別解や実現性の検証等の精度が重視されるとする。

▼一二0枚に達した『天使の囀り』のプロット
『天使の囀り』を作成した時は、気負いから大量のプロットを用意したらしい。

▼プロットにこだわりすぎるな
プロットを作っても、登場人物が予想外の行動に出る事があるとする。

以下は、当初のプロットとは大幅に異なる形で出版された作品。当初は、バングルバングルに旅客機が墜落する予定だった。



▼フィクションにも"論理"が必要だ
優れた物語の世界観には、構造や論理があるとする。

以下の作品は、国際政治のシステムを背景に、人間ドラマだけを重視して葛藤の部分のみを描かかないようにしている?



「007」シリーズも、背景に東西冷戦の構図を埋め込む等して、物語の骨格に論理があるとする。それだから、ジェームズ・ボンドがひたすらモテまくる話がB級小説に陥らないとする。

▼プロットが完成したら検証せよ
あらゆる瑕疵はプロットの段階で解消すべきとする。

▼現場の空気を感じとれ
取材は以下の2つに分類出来る?
 ①特定の場所の雰囲気を知るための取材
 ②事実や情報を確認するための取材

前者の例では、『青の炎』を書く時は湘南界隈の高校生の話を聞き、『悪の教典』では教師達の話を聞いたとする。職員室の雰囲気や現代の子供達の気質。
後者の例では、『ダークゾーン』の舞台となる長崎県の軍艦島を取材し、『新世界より』では茨城県神栖市を取材したとする。現場の風景で戦闘が発生した場合や1000年後を想像する。

『硝子のハンマー』では、清掃会社に相談してゴンドラに乗せて貰ったらしい。

▼情報は精度が命
事実関係を重視する。
『天使の囀り』では、架空の生物の学名が現実に存在しないか確認し、『雀蜂』では雀蜂が飛んでいる時に下が見難いという話を専門家に確認したとする。

▼トリックに著作権はないが……
一定数以上の作品に目を通し、類例に注意すべきとする。

▼集めた情報の使い方
特定事象について集めた情報の10%~20%が使えれば良しとする。知った事は全て使用しない事が鉄則。

第三章 キャラクター
▼登場人物の命名には気をつけろ
キャラクターに名前を付けると、性格が具体化され、新しいイメージを呼び込むとする。著者は、『悪の教典』では執筆前にクラス名簿を作成し、姓名に偏りが出ないようにしたらしい。

▼キャラクターの「声」をイメージする
登場人物の声質が決まると、物語の雰囲気も決まるとする。

▼「引き算」の手法で設計された蓮見聖司
『悪の教典』の主人公は、共感能力が欠落した人間とした。作者にとって都合の良い人間を作ろうとすると、登場人物が作者の分身になってしまい、印象が似通ってしまうとする。

▼キャラクターの弱点は魅力になる
完全無欠に見えたキャラクターに弱点があると人間臭くなるとする。「ウルフガイ」シリーズの主人公は、超人的な力を持ちながら体調不良を訴えたり、倦怠感を訴えたりするとする。

▼主人公は作中でどう呼ばれるべきか?
キャラクターをどのようにイメージさせたいかで決まる。
『黒い家』では、主人公が企業人である事を踏まえて姓で呼ばせる。『青の炎』では、高校生が主人公であり、下の名前を用いた方が読み手が共感し易いとする。

▼「悪役」だから許されること
悪役には、他のキャラクターにはやらせられない行動をとらせる事が出来る。変人キャラが常識人に囲まれて、その奇行に呆れる事で読者の共感を呼び込む?

▼男性が女性を描くことの難しさ
細部の分からない存在を描く時、どうしても脳内にある類型に寄せた描写をしてしまう。女性を男子視点から書くと、男の幻想が投影されてしまう。

▼名作に見るキャラクター設計の妙
以下は、著者がキャラクター設計が上手いとする作品?





上記の作品に登場するユーライア・ヒープが『新世界より』のスクィーラのモデルになったとする。

▼"ワトソン役"のルール
知識レベルと目線が読者と同等であり、探偵役に質問する立場である事。読者に対する通訳。個性的な人物に対し、常識人である事がベター。

第四章 文章作法
▼自分の筆の"癖"を知ること
自分が書いた文章を何度も推敲する事が文章力向上に効果があったとする。一定の時間をおいてから読み返すと、執筆中には気が付かなかった様々な粗が見つかる。

▼"一行目"をどう書き始めるべきか
自分自身が作品世界の中に入り込む事が大切。物語の全体像を掴めているのに筆が動かない場合は、前置き的な文章から始めるの良いかもしれない。主人公の素性の説明、舞台となる場所の描写、etc。

▼エンタテインメントは読みやすさが命
快適に読み進められない文章。
 ・難しい熟語や漢字が頻出する
 ・説明が回りくどい
 ・一文が無意味に長い

平易に言い表すには豊富な語彙が必要で、そのために沢山本を読むとする?

▼漢字の乱用に注意せよ
著者は、重要でない言葉には平仮名を使うよう配慮しているらしい。ただし、セリフ部分は例外で漢字含有率を高くしても良いとする。マンガに登場する宇宙人がカタカナで話すように、設定を優先させる。

地の文が統一ルールに則ていると、一定の基準が維持される事で文章全体に統一感、安定感が生まれるとする。それが読み易さの一助になる。

▼改行の適切なタイミングは?
改行のタイミングは読み易さを優先すべきとする。

▼基本は三人称一視点
基本は三人称一視点をベースにすべき?

一人称では、視点人物の視界に入ってこない情報は描写出来ず、描写にはキャラクターの性格に即した描写が求められる。

三人称一視点の場合、「○○は悲しかった」というように感情を主観的に述べる事は視点の揺れである。第三者の立ち位置で「○○は悲しそうな表情をした」等と書くべき。

さらに、主人公が知り得ない情報を地の文に書くべきでない。

以下の作品は、ファンタジーでありながらディティールを省かずに、丁寧に人物描写しているとする。視点の基本を忠実に守っている?



以下の短編集に、二人称の作品「うしろを見るな」が収録されている。二人称を用いる明確な必然性。



▼リータビリティの正体
リーダビリティを演出する秘訣に対立構造や複数の謎を仕掛けておくという方法がある。補助ブースターを効果的に機能させながらメインエンジンに着火する。





▼"一気読み"を狙った『悪の教典』
『悪の教典』では、漢字を少なめに、出来るだけ一文を簡潔にまとめたとする。
一気に読ませたいが、主人公に共感して欲しくない。そこで、第一章では主人公を好感度の高い人物として描き、次の章から徐々に不穏な描写に変えたとする。

最初に共感させて読み手を物語に惹きつけて、その後、主人公に対するイメージを少しずつ変化せる手法を採ったらしい。

▼メリハリを利かせる工夫
文章には緩急が必要であり、「……である」という文章が繰り返されると単調な印象があり、体言止め等を織り交ぜる等の工夫が必要とする。

著者は、クライマックスでは読者をスピードの乗せるために、「……した」という語尾の短い文章を連発する事でスピード感を演出する手法を良く使うらしい。

▼セリフに頼りすぎるな
昨今の新人賞の応募作品は文章中にセリフの占める割合が多いとする。

キャラクターに個性を持たせようとした場合に起こりがちであり、会話に頼り過ぎると物語が進行している感覚が希薄になるとする。

説明的なセリフは興醒めするため、説明はなるべく描写で行うべきとする。

▼ジャンルによって文体は変えるべきか?
ジャンルは手法や構造で決まる者であり、文体をアレンジするのであれば、ジャンルでなく、作品が目指す方向によるべきとする。

▼カッコいい文章を目指すな
文章表現は単純であるべきとする。特に比喩表現が危険であるらしい。

▼長編小説を書き上げるために必要なこと
長編小説は短編小説の集合体のようなものである。100枚を目安に起承転結を繰り返していけば、間延びしない長編小説が出来上がるはず。熟練すると、結の部分を意図的に省く技術があるらしい。

▼そのネタは長編向きか、短編向きか
テーマの重量感によって長編向きかが決まるとする。

▼筆を止めさせないコツ
書けない原因を大雑把にでも考えてみる。仮置きのつもりでも書き始めたり、書きたい場面から書いたり、執筆前に過剰な期待を抱かない等。

第五章 推敲
▼小説の作法は「水墨画」ではなく「油絵」
先入観の無い視点で作品を推敲するために、二、三日置いて読み返すとする。推敲の作業は油絵のように重ね塗りする事に近い?

推敲は章単位で細目に行うべきで、全編を書き上げてから齟齬が見つかると、膨大な手直しが必要になる。

▼推敲時のチェックポイント
読者を疲れさせない事を意識すべき。改行が無いと圧迫感を与えるし、漢字を多用し過ぎるのも良くない。説明部分が長い時は、合間に会話を挟む等する。

▼文章の贅肉を削ぎ落とす快感を知ろう
新人ほど自分の原稿を切り落とす事が出来ない。間を埋めるための余計な文章はスリム化するべき。

▼"ご都合主義"に陥らないための注意点
何が幸運であったかを慎重に考慮して設定すべき。情報を持っている友人が身近にいた等の遠回りな幸運の方が納得し易い。

▼生みの苦しみ、死の苦しみ
作品を修正する作業は苦しく、物語全体を揺るがす致命的な欠陥を見つけてしまう事がある。

第六章 技巧
▼読者の感情移入を促す仕掛け
読者に近い立場のキャラクターを設定する事が有効。

以下の作品は、主人公の欲望が人間なら必ず持っているものであり共鳴し易いとする。持ち逃げした金が不正な選挙資金というのも感情移入を促す仕掛け?



▼効果的な場面転換とは
場面と場面の間を細かく描写する必要は無い。一つの場面を終える時には、引きとなる要素が必要。一抹の謎を残す手法が一般的。

▼「作中作」の活用法
現実との境目を浮き彫りにする技術。フィクションの中に囲いを設けて隔離する事で、その外側は現実に近い世界であると錯覚させる。

SF作品に多いのは、絶望的な状況で御伽噺のようなエピソードを挿入する事で絶望感を際立たせる方式とする。





上記の作品では、兎を擬人化して、創世神話を持たせた事で、その精神性にリアリティを感じさせたとする。この作品に登場するウーンドウォート将軍が『新世界より』の奇狼丸のヒントになったとする。

作中作は、多用すると読者の思考をリセットしてしまうために、読み易さを損なう危険もあるとする。

▼「会話」のなかで気をつけたいこと
現実の会話は冗長であり、主語や述語が省かれているために、活字で読ませるには補正が必要。ただし、理路整然とし過ぎないように、会話シーンを書き上げたら音声化されたところを想像する。

!や?を多用しなくとも、文脈で雰囲気を伝えられる場合は多い。複数の人物が会話する時に混乱しないように、方言を利用する等、語り口も具体的に想像する。

▼リアリティを演出するために
以下の作品は、一定のリアリティを担保した最高の世界観とする。過程の描写や説明付けが確りしているため、説得力を感じるらしい。



実在の地名や生物を使用する等して現実世界との接点を押さえておくとリアリティが出る?

現実に存在しないものは、原則的に一作品に一つにした方が無難とする。

▼テクノロジーや文化をどこまで追いかけるか
時代の雰囲気を伝えるために最新文化を取り入れる?賞味期限切れを恐れて臨場感を失うより、積極的に時代性にコミットすべき?

▼象徴的モチーフの効果
特定のイメージを纏うモチーフは、それとなく作中に配置するだけで文章で長く表現する以上の演出効果を生む事がある。

『悪の教典』では、烏という忌み嫌われる存在をモチーフとした。

▼トリックに頼りすぎてはいけない
以下の作品は、『青の炎』のヒントになった倒叙小説。



著者は、上記の作品を読んで、犯人の方が必死であり、そちらを主人公にした方が面白しろいかもしれないと思ったらしい。トリックに頼らず、トリックを行使する人間の性格や背景を考え抜く。

▼映画や漫画から手法を盗め
映画や漫画に馴染みが無い人間が書いた作品は、文字面だけで展開されるような無機質な雰囲気を感じる事があるとする。場面を視覚的に想像する能力の不足。

映画は多くの人間が集結し、多彩な知見によって練り上げられているため学ぶ事が多いとする。

漫画も一コマに収まる事は全て描き込まなければならず、小説での書いてない部分の想像と似ている?

▼自分をのせるスイッチを持て
著者は、BGMによって執筆中の集中力を保つ?

▼読み手の心理に訴えかけろ
分かり易い事が重要である。

『ダークゾーン』では、人間が怪物化して戦闘するため非現実的描写が多く、戦闘場面と現実世界を交互に進行させる構成を採り、読者を疲れさせないようにしたとする。そうした状況に陥った説明するパートを箸休めとして挟み、単調になる事を防ぐ。

「戦え。戦い続けろ」というフレーズが定型句として、現実世界での対局中の主人公と、異世界で戦闘中の主人公が語る場面が多い。同じフレーズを二つの舞台で共有する事で、2つの世界の繋がりを示唆する。

▼自分を枠に押し込めるな
自分の強味を意識し過ぎるとワンパターンに陥る可能性がある。持ち味は、読者を含めた周囲の人達が発見してくれるものである。

▼新人賞を攻略するために
新人賞対策としては、過去の受賞作を読む事。過去問分析と同じ効果。選評も読み、選者が重視した事を知るべき。しかし、対策を意識し過ぎて本当に自分が書きたい事を見失わないようにしなくてはならない。

また、作品内の独善を解決するために、予め第三者の目を通しておくことが有効であるのかもしれない。

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権力を握る人の法則

読んだ本の感想。

ジェフリー・フェファー著。2011年7月20日 1版1刷。



はじめに―「権力」を握る準備を始めよ
管理職を対象にした調査では、権力や地位の獲得を仕事上の動機付けとする人々は、組織内の影響力や目標達成において最も成功を収めるとする。

世の中は不公正であり、目的達成のためには権力が必要である。

公正世界仮説:
メルビン・ラーナーが提唱。世界は予測可能、理解可能であり、自力で操作可能とする。ルールに従えば良く、ルールを破れば罰せられる。それは、善人が報われ、悪人は罰せされるという事である。

⇒権力者が高く評価され、被害者非難という現象に繋がる

権力を手に入れる最大の敵は自分自身である。好ましい自己像を維持する最善の方法は、自分から先に降参する事。故意に自らに不利な工作をする。セルフ・ハンディキャップとして、自分が上を目指さないのは能力の問題でなく、選択の問題としてしまう。

第1章 いくら仕事ができても昇進できない
実績は成功を約束しない。

社会心理学者 デービッド・スクールマンの調査:
公共部門で働く事務職345人の人事評価を調査。個人の評価に影響するのは、仕事の成果よりも上司との関係性とした。実績よりも年齢や在職期間、学歴、人種、性別等の様々な要素がある。

ほとんどの人間は誉め言葉の威力を過小評価しているが、誉められて嫌な人間はいない。カリフォルニア大学 ジェニファー・チャットマンは、誉め言葉の効果は始めは急激に高まり、緩やかになり、限界点を超えると媚び諂いと受け取られるとした。

階層型組織においては、上位にいる人事権を持つ人間の意志が重要であり、自分で自分のキャリアを設計出来ない。

第2章 「権力」を手にするための七つの資質
権力や影響力の獲得と関連付けられる基本要素と資質。

○基本要素
①困難に挑戦しようとする意志
②意志を目標達成に結び付ける技術

○資質
①決意
②エネルギー
③集中
④自己省察
重要な会議や会見についてどのように考えたかを書き留めると内省が促されるとする。
⑤自信
⑥共感力
⑦闘争心

実績格差の内、知能で説明出来るのは20%であり、しかも実績と昇進の相関性は低い。所得格差の内、知能で説明出来るのは4%程度である。知性の高さは、自信過剰や無関心、無理解を招くとする。

第3章 どうやって出世街道に乗るか
最初に配属された部門の勢力が、その後の昇給ペースに影響する。

部門の勢力は以下で診断可能とする。

・報酬
・所在地と職場環境
・各種委員会や経営チームに占める位置付け

主要事業、主要技術を扱う部門は必ずしも良い選択でない。大化けする可能性がある未開拓なニッチを選ぶ方が早道。

<フォードの例>
第二次世界大戦後、国防総省のアナリスト集団がフォードに移籍した。財務・会計部門に配属され、フォードが上場企業になった1950年代には、財務部門が強い力を持つようになる。
実際に自動車を製造する人間よりも、株価対策をする財務グループが意思決定において重要な役割を果たすようになる。

第4章 出る杭になれ
頼み事は案外上手くいく。

普通の人間は、出来るだけ頼まずに済まそうとする。独立独歩の精神に反し、断られたくないからだ。

しかし、相手の頼みを断る事は、社会の暗黙の規範に背く事であり、頼み事は意外と上手くいく。

<頼み事の実験>
スタンフォード大学 フランク・フランイン、バネッサ・レークの実験。

参加者が通行人に短いアンケートに答えてくれるよう頼む。実験前の参加者の予想では、5人に答えて貰うまでに平均20人に頼む必要があるとの事だったが、実際には約10人だった。

参加者の1/5は最後まで実験に参加出来ず、脱落率が高かった。

⇒大方の人間は、頼み事の成功率を悲観的に考え過ぎている。さらに、上記の実験は人に頼む事の苦痛も示している

頼み事は自尊心を擽り、誰か著名な人物の同意が得られれば、その後に頼まれた人間は著名人の仲間入りをする事になる。さらに自分と共通点がある人物からの頼みは許可する可能性が高い。

目立つ事によってブランド想起率を高める。18世紀~20世紀に行われた対等でない国同士の戦争では、強者の勝率は72%になるが、弱者が自らの弱点を突かれない戦略を採用すると勝率は64%に上がる。ルールは権力者に有利に出来ており、弱者は常識を疑うべきとする。

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他者評価には、有能無能と好悪の2つの尺度があり、批判者は有能に思われ易く、好人物には気弱や痴愚という認識が伴いがち。権力と、それを行使する意志があれば大方の人間は味方になる。

第5章 無から有を生み出す―リソースを確保せよ
金銭によって権力構造を解明出来る。

権力の多くは地位と地位に伴って動かせるリソースに依存する。

人間には自己高揚動機があり、自分に向けられる敬意や称賛は、自らの知性や個人的魅力によると思いがちだが、実際には地位による影響が大きい。

そして、以下のように無からリソースを生む事も不可能でない。

①時間と関心
礼儀正しく接し、他者の言葉を傾聴するだけで関係を作る事が出来る。

②手助け
面白味の無い仕事を引き受ける等。

③社内外のコネ
④組織のステータス

常人には接続出来ないリソースを操作出来る人間が権力を持つようになる。最初に動いた人間が、多くの場合は独占権を手にする。

イベントを企画する、講師を探して依頼する、人脈を形成する、参加者が学び合える場を用意する等。人々を結び付ける仲介者になる事は、ネットワークの中心になる事であり、影響力を手にする事が出来る。

第6章 役に立つ強力な人脈を作れ
以下は、ネットワーク作りの秘訣。

・社内に知り合いを作る
・社内の人脈を維持する
・社内の人脈を活用する
・社外に知り合いを作る
・社外の人脈を維持する
・社外の人脈を活用する

ネットワーク作りで陥り易いのは、同じ型の人とばかり接してしまう事である。強い結び付では、行動範囲が重なり易く同じような情報しか得られない。

カリフォルニア大学 モテン・ハンセンの研究では、暗黙知を必要とする開発(既存知識の活用、暗黙知の伝承等)では密接に結び付いた小規模ネットワークが役立つが、イノベーションを引き起こすのは弱い結び付きの大規模ネットワークとする。

第7章 「権力」を印象づけるふるまいと話し方
怒りは、自分に強い力がある事を示す。

臆することなく主役として振る舞い、自分の力を誇示する。

最初は演技であったとしても考えは行動に感化される。さらに感情は伝染し、自己増殖的な性質を持つ。

以下の技術。

○相手の話を遮る
○議論の前に疑義を提出する
強者が優位に立つ常套手段は、相手が疑っていない基本前提に疑義を提出する事である。
○説得力のある強い言葉
以下は、『雄弁家の手法』(マックス・マケイン著)から
 ・敵対的構図を際立たせる
 ・間を取る
   結論部に入る前に間を置き、決め台詞を言う事で
   強い印象を与える
 ・論点を箇条書きにして書き出す
   出来れば三項目程度。
   自説に一貫性を持たせ、検討済理論である事を示す
 ・対比を使う
   題材を文や節の長さを揃え、
   同じ文法構造で対比する
 ・下書きやメモは使わない
 ・上手にユーモアを交える

文章構造も重要であり、宣言的な短文で話を始め、頭韻を踏む等の同音の繰り返しを多くする。

第8章 周りからの評判をよくしておく
    ―イメージは現実になる

評判を良くするには、第一印象を良くする事である。5分に満たない短い振る舞いが、その後の人物評価とほぼ一致する。

それは以下の過程による。

①時間の経過と伴に注意力が低下する
②情報の選択的取捨
③第一印象の実現行動
④偏向的同化作用
後から受け取る情報を第一印象と一致するように捻じ曲げて解釈する。

特定場面における評価は偶発性に作用されるため、出来るだけ多様な環境で評判を獲得する事が望ましいとする。露骨な自己アピールは嫌われる可能性があり、他者に褒めてもらう事で良い印象を与える。

第9章 不遇の時期を乗り越える
人間が集まる所では意見の不一致が生じる。

以下は反対者と向き合う技術。

①敵に塩を送る
強圧的な姿勢は相手を硬化させる。
②自ら無用の問題を起こさない
③個人的感情は抜きにする
④粘り続ける
⑤多面作戦を採る
組織内外の人脈の有効性
⑥電光石火で動く
⑦飴と鞭の使い分け
⑧目標に説得力を持たせる
社会的に価値有る目標を掲げる

失意や落胆を乗り越える最善の方法は、出来るだけ多くの人間に、すぐに何が起きたのか伝え、説明する事である。そして、人間は勝ち組につきたがるものだから、勝者のように振る舞う事が大切である。

第10章 「権力」の代償
以下は権力の代償。

①一挙手一投足を監視される
社会的促進効果として、観察者がいると単独の時よりも作業量が増加する。単純作業の効果を高まるが、難しい作業の効果は低下する。
衆人環境によって、新しい試みをする気概が失せ、安全路線を選びがちになる。

②時間の自由を失う
③多大な時間とエネルギーをとられる
④人を信じられなくなる
自分の正しさを過信しないように、失敗は公の場で認めるようにする。さらに、情報と分析を重視する意思決定過程を徹底し、情報に基づいて判断する事を大切にする。

⑤権力は中毒になる

第11章 権力者が転落する原因
どのような人間でも最終的には権力を失う。長期間に渡る維持を目指す?

以下の原因。

①自信過剰になる、油断する
多くの研究が、権力が自信過剰に繋がり、見方が硬直的になり、他者の意見や感情を無視するようになると指摘する。

②軽率に信頼する
言動でなく行動に注目するべき。

③自制心を失う
自分の言動に慎重でなくなり、他者がどのように思うか注意しなくなる。

④燃え尽きる
自分を抑制し、他者に目を配り続ける事は難儀である。

⑤変化に取り残される
成功者は一定の型を持っており、自らの方法論が効力を失う事を見逃しがちである。

第12章 権力闘争は組織とあなたにとって悪いことか
組織は構成員各自に配慮するように出来ていない。自らのキャリアアップのためには自分で自分の面倒を見る必要がある。

階層は必ず出現し、権力闘争に関わらざるを得ない。集団の規模が大きいほど構成員同士に差が出易く、序列が出来易い。

階層に関する以下の2つの観点。

①輸入
社会的地位は別の環境から移転される事がある。人種、性別、年齢等の要素が会社組織でのランク付けに影響する。

②人間は階層を好む
仕事においては自主的に階層が形成される。その方が上手くいくと期待される。

序列を安定的に維持するために、下の階層のグループは、自ら低い地位に甘んじる行動が見受けられる。

社会においては民主主義や市場原理が辛抱され鵜が、組織になると独裁的統治が好まれる。上意下達によらずに駆け引きを行う事は混乱や無秩序を齎すように見える。

多くの研究で意思決定を分散する方が経営効率は上がるが、権限移譲は簡単に進まない。階層の善悪に関わらず、複雑で相互依存性の高い状態で階層は望まれている。ただし、政治的駆け引きによる意思決定の方が、階層に基づく意思決定よりも効果的な場合はある。

第13章 「権力」を握るのは簡単だ
権力を手に入れるには、自分の適性や関心に合ったところで始める事である。自分を客観的に見つめ、多数派と同じ行動を取らない。

権力を持っていないと感じている人間は、非言語的な抑制行動を取り勝ちであり、周囲から一層見下される事になる。困難な課題を手に負えないと決めつけて犠牲者になりきってしまう。

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