何だかつまらない

以下のコメントがありました。

http://nonono7.blog12.fc2.com/blog-entry-848.html#comment275

大分前に書いた記事なんですけど、野波氏自身は未だに発達障害の専門家として活動しているようです。精神衛生に良くないので、ブログや本は読まないようにしていますが、当人を名乗る人間からのコメントは非常に気分が悪くなるものでした。

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日々の生活を楽しくするためには、土台になる仕事や家庭が安定している事が大切だと思います。仕事が上手くいかないのに、楽しい趣味を見つける事は出来ない。自分の生活を成り立たせている事が確固としている必要がある。

自分が必要とされない。排斥や指導の対象となる。そうした感覚が僕の生活をつまらなくしている要因であると感じます。

会社員として生活する事を決定した時に覚悟はしたはずですが、こうした不安感は拭えないのでしょう。

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長期間で考える事

今日も疲れている。この瞬間に消えてしまいたい。

facebookで株式投資の記事を読んだ。

定年退職までに、貯蓄しなくてはいけない資金について書いてある。こうした想定は信用出来ないと思う。数十年先の社会情勢なんて予想出来ないし、それに備える事は無駄なことかもしれない。

これから2年~3年先の事を考えると、ユーロや資源価格の値下がりが予想されるらしい。安全資産としての金の優位性が薄れているのは、仮想通貨が普及しているからかもしれない。金本位制への復帰はあり得ない。金も信用性や利便性が高い通貨を作りだす事が出来るのだから。

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自分の場合で考えると、未来をパターンに当て嵌めて考えてしまう。周囲の人間が僕に我慢出来るのは、1年~2年が限界だと思う。最初は珍獣扱いされるけれど、慣れてくると不快感を表明してくる。

隠している悪意を出してくる人間も結構いる。大勢の人間に認められていない悪意は表明し難いのだと思う。誰もが嫌っている人間の悪口なら安心して喋る事が出来るけれど、それほど嫌われていない人間に対する悪口は言い難い。

各人が溜め込んでいる鬱憤は怖いほどだ。誰もが誰かに不満を抱えているのに、固定した人間関係が持続するのは何故だろう?

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職場でトラブル

職場の先輩と話していた所、別の先輩に詰問される。

僕が、仕事の進め方を聞かない事が不満であったらしい。関係無い仕事のはずなんだけどな。

僕の仕事の進め方に関与したいのに、僕が頼ってこない事が嫌であるらしい。

10分後に、「関係無い立場なのに、からんでごめん」と言われる。

僕を見ている内に、突っつきたくて仕方がなくなったそうだ。

その人だけでなく、職場内に僕に絡みたがる雰囲気が少しある。

僕の行動を精査して、意味を理解しようとしても意味が無いと思う。行動の理由が知りたいなら、本を読めば良いのに。

勉強はしたり調べたりしたくはない。怠けながら納得感を得て、自分の気持ち良いように操作しようという感覚は誰にでもあると思う。

相手が自分より格下だと思うと、上手くいかない理由が相手の人格であるように感じられる。それはどうにもならない感覚で、自覚や練磨によって解決出来ない問題だ。

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マンネリを防ぐために

学生時代や若い時の悩みは、周囲に存在する大勢の人間に関する事だったと思う。

これからは、周囲に誰もいない事が悩みの原因になるだと思う。人間関係が細くなっていく。

これから数年の目標は、会社を立ち上げる事だと思う。無理をせずに自然に生きていきたい。

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週半ば

一週間が半分終わった。今日も疲れている。

何かをしようという意欲を持つ人が羨ましいと思う。

以下は、インターネット上で見つけた『15歳の創作活動』という記事へのリンク。

http://www.enterbrain.co.jp/fb/pc/02sp/02_15thColumn/column05.html

学生時代に、ポエムを作る事が好きな先輩がいて、何か書いていたけど、経年によって意欲を持つ事が難しくなるのだろうか?

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以下、何となく思い出して自分の中で結論が出た事。フィクション。

学生時代に、気持ちが悪いと言われた事がある。

切っ掛けは、学生時代の文化祭の斑分けだったと思う。2グループに分かれて、喫茶店か模擬店をやる予定だった。僕が喫茶店に志願した事が問題であったらしい。

A君というクラスメイトに呼び出された。

A「おい、お前、本当にムカつくな。だから、俺達の間で
  波風立っても仕方ないじゃん」
僕「???」
A「分かったぞ。お前が何でムカつくのか。お前、気が付いてないだろ。
  殴らせろ」

当時の僕は、今以上に自分が他人に嫌悪される事が理解出来なくて、A君の行動が全く理解出来なかった。思い返してみると、僕と同じグループに入りたくない人間が大勢いたのだろう。A君は、他の人間の意志を代行して、僕が別のグループに入るように誘導したかったのだと思う。僕には経緯を説明する価値も無い。害虫を駆除するように扱うべきだと判断されたのだと思う。

結果的に、僕は押し付けられる形で、他のグループに入る事になる。他の人間は皆、嫌がっていた。

それから数ヵ月後の話。クラスのB君とC君が話している。

B「アー。俺さ、掃除当番なんだけど、奴に会いたくねー」
C「ふーん」
B「俺はちゃんと掃除やってんだけどさ。奴がサボるんだよ」

僕とB君は、掃除当番で同じ斑だったが、その日から、B君は掃除をやらなくなった。僕は他の掃除当番から責められる事になる。僕には善悪が分からない。僕の顔を見たくないから掃除をサボるという事で皆が納得してしまう。

それから一カ月ほど経った日。10月だったと思う。昼休みに僕はクラスメイトのD君から話しかけられる。

D「おい、黒板消しをやっとけ」
僕「何で?」
D「馬鹿野郎。俺がやれって言ったらやるんだよ」

そのまま、D君はどこかに行ってしまい、20分ほど経過してから教室に戻って来る。

D「黒板消し、やってねーし」
僕「だから何で?」

そこで、クラスメイトのM君が、D君に話しかける。

M「お前、勘違いしてるよ。アは日直じゃない。
  お前と日直で組んでいるのはCだ。Cが日直をさぼるためにアが
  サボっている事にしてるんだよ」
D「それがどうした。そうされるような事をする奴が悪いだろ」
M「・・・・・」

その日から、成り行きで僕とM君は一緒に行動する事が多くなったと思う。M君は極端に競争が嫌いな子供で、僕とは違う意味でアウトサイダーだったと思う。

大学生の時に、フットサルの試合に出た話を聞いて以来、M君が何をしているかは知らない。

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面倒臭い病

息をするのも面倒臭い。そういう気分だ。

生きているのも面倒だし、かといって死ぬ事も面倒臭い。定期的にこういう気分になるけれど、どうすれば良いのだろう?

生活パターンがマンネリになっているのが良くないのだと思う。

何か変化を。

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オムライスを食べる

美味しい食べ物を食べると、その時は楽しいけれど、しばらくしてから虚しくなる。

健康に良い食べ物ばかりを食べ続けても、それはそれで虚しくなる。

こういのって、金銭とか能力とか地位とか人間関係とか、あらゆる事に共通する。いつかは無くしてしまうのに、欲しいと思う事を止められない。

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3つの原理

読んだ本の感想。

ローレンス・トーブ著。2007年12月13日 第1刷発行。



「ダイヤモンド・エイジ」を思い出させるような内容。



序章 何が歴史を動かすのか
人類史の未来を、年齢、性別、カーストの3つの観点から分析する。大きな観点からの一般化は、歴史に秩序や意味、統一性、予測可能性を付与する。

○カースト・モデル
ヒンドゥーの歴史哲学に由来する。歴史を支配カーストの移り変わりによって分析し、カースト闘争や支配カーストによる理解を行う。
○性モデル
中国の陰陽思想を比喩とする。時代を男性原理、女性原理の観点から理解する。現代は、「両性時代」への転換期なのだとか。
○年齢モデル
人類全体の精神的成長について。

1975年~2030年までの時期で、世界は15程度のブロックに分裂し、儒教圏、欧州、北極圏の三ブロックが世界のトップに立つとしている。

人類は、精神的に成長し続け、精神的感受性を高める事で、古い罪悪から逃れようとしているとしている。

第一部 原理
第1章 時代を支配する社会階層は何か―[カースト・モデル]
ヒンドゥーのカースト思想では、4つのカースト(求道者、戦士、商人、労働者)が代わる代わる世界を支配するとしている。現代は、労働者の時代であるらしい。

以下は、カーストに関する定義。

①支配カーストを率いるメンバーが、その時代の主要選良である
②支配カーストの世界観、価値体系が世界的に有力な位置を占める
③支配カーストに関連する道具、技術、芸術、組織、機構が、
 その時代に発達する。

以下は、カーストが権力を握る三段階。

第一段階:開拓段階
新カーストは、既存システムの中核となる国や地域で力を結集させる。
第二段階:革命・発展段階
新カーストが、旧カーストから権力を奪う。こうした革命は、旧カーストが権力の座にある先進国(新カーストが開拓段階にある)では発生せず、主要国から遅れた後進国で発生する。
先進国では、旧カーストが新カーストを抱き込み、徐々に新カーストの力が強まる。
第三段階:頂点の段階
新カーストが覇権の頂点に達し、凋落への機が熟す。

⇒第一世界は先進的な国であり、第二世界は革命的で上昇途上の国である。第三世界は旧カーストの支配下で以前の時代を過ごす国である。

世界のほとんどの地域は、何れかのカースト時代を飛ばして次の時代に入っているとしている。ロシアは軍事優先の君主制から、商人時代を経過せずに、共産主義体制の労働者の時代に入っている。4つのカースト時代を全て順序通りに体験した地域は、欧州と日本だけであるとしている。

●精神・宗教の時代1
①旧石器時代―狩猟、採集、漁労、牧畜
②中・新石器時代―栽培、農耕、家畜の飼養

●戦士の時代
①奴隷制
②封建制

⇒戦争の恐怖、残忍性、etc。征服により世界は狭まり、商業が発展する下地となる。個人が集団や自然から解放され、道徳、責任、個人という観念が創設される。闘争意欲は、目標や未知の探求に繋がる。

●商人の時代
①商業・重商資本主義―貿易、手工業、初期産業
②産業資本主義―機械工業、完全工業化

⇒植民地主義、低賃金労働、etc。大衆の物質的安寧レベルと科学技術の向上、奴隷制の終了。民主主義という概念の普及。

●労働者の時代
①共産主義、社会主義
②社会民主義、多国籍企業資本主義、日本式チームワーク資本主義

⇒階級意識と連帯感。基本的必要物を手にする権利。

●精神・宗教の時代2
①宗教的、精神的資本主義―機械による労働代替
②無政府統合経済―人間と機械の統合

第2章 女性的か男性的か、それが問題だ―[性モデル]
陰陽の2つの原理が弁証法的な変遷を辿ると考える。

先史時代全体:
陰 = 女性の段階。
古代~現在:
陽 = 男性の段階。

陰陽は、周囲の環境と自らの距離感の違いとする。

◎陰について
周囲の環境と自らが結び付く。周囲の環境と同化し、主観的な見方をする。周囲の環境は、全て生きている。互いを関連する部分が全体論的に組み立てられた単一システムと考える。本質を表すために名付ける。

⇒感情、感覚を通して行動する。自分が自然に合わせ協調する。

◎陽について
周囲の環境から自らを切り離す。自己を分離させる事による自我構築。理性によって周囲の環境を観測し、客観的な見方をする。周囲の環境は、物や目的や力で成り立っている。全てを孤立した部分に分けて、分類と分析に振り向ける。カテゴリーを表すために名付ける。

⇒観察、測定、分析する理性と知力を通して行動する。世界を遠くから観察し、変貌させようとする。

陽の特徴は、概念に名称を付け、厳密に定義し、理論を編み出し、名称・定義・理論に従って生きる事にある。陽的な人間が特定システムに幻滅すると、新たな名称・理論を定義し転換を強行する。

陰の特徴は、厳密な定義に頓着せず、理論に従わずに環境の微妙な陰影を感じ取る自分の感覚に従って生きる事にある。陰的な人間は、名称を変えたり、再定義しようという強迫観念は無い。古い名称に新しい中身を注ぎ込む。

***************
陽は、個人の理念・栄光等を重視する戦士の時代を象徴する思想である。原始的なアニミズムは、自然を生物と無生物に分けず、グループのための自己犠牲が尊重される。

全体論的な陰の世界では、階級構造は未熟である。自然を季節や生死等によって循環的に理解し、時間を正確に測定する等して、歴史を過去から現在の流れで理解するようになったのは陽の時代である。神話や伝承は、時間を超越しており、正確に測った特定の日に起こったのではない。

紀元前4000年頃に、文字や文明が現れ、自然や環境との離脱の感覚を背景に、個人の独自性や自我、信念や理想が生まれる。自然と調和するのでなく、闘う宗教の誕生。各宗教は、父親的存在を崇拝するようになる。善悪二分が陽の時代の特徴である。

これからの両性の時代には、協調が重視がされるとしている。現在は、時間を歴史的・直線的に理解するが、未来は、過去・現在・未来を一体化した時間ブロックとした総合体として把握する?

第3章 人類は何歳か―[年齢モデル]
人類全体の一生は、個人の一生に対応するとしている。

無中心段階:
紀元前25万年。個人としての自己意識の無い状態。
幼児期:
紀元前25万年~紀元前1万年。呪術的な時代を経験し、自らを自然から切り離す。自己を宇宙の中心とする。
幼年期:
紀元前1万年~紀元前2000年。母親を宇宙の中心とする時期。祭儀、礼拝等を通じて、大母神を懐柔しようとする。
子供時代後期から一〇代前期:
紀元前2000年~1800年頃。崇拝の対象が大地の母から天の父に転じる。預言者、哲人等の男性的権威が尊ばれる。
一〇代中・後期:
18世紀末期の啓蒙時代を経て俗化が進行する。父親的権威の拒絶。個人的意思や欲望を主張する時期。

人類全体の年齢は、21世紀前半で19歳程度としている。

第4章 三つのモデルはどうつながるか
カースト・モデルが時代の枠組み(雰囲気、価値観、生活様式)を示し、性モデル、年齢モデルが時代の内容(どのように宗教的で精神的であるか等)を示すとしている。

第二部 時代
第5章 宗教が人生を支える世界観―[精神・宗教の時代1]
人類の先史時代全体を占める。
以下の点で宗教的。

①宗教が人生を支える主たる世界観
②指導層を構成するのは、宗教者達
③宗教的な道具、技術、制度の発達。

世界は、部族から成立し、各部族は様々な自然崇拝的信仰を生み出した。自然と同化した状態から、自己認識と客観性が生まれてゆく。

第一段階:
自然崇拝の指導者達の登場。
第二段階:
初期文明の生活様式を持つ新石器時代と伴に、大地を崇拝する一神教の発展。
第三段階:
紀元前2000年~1000年頃。崇拝の対象が、地母神から父親的権威に転じる。

複数文化圏に跨る世界宗教の誕生。

第6章 戦争こそ生きがい―[戦士の時代]
尊敬されるのは、戦士である貴族や武士である。商人は軽蔑される。
紀元前300年頃~1600年頃。アフリカ、中南米、旧ソ連邦諸国等は、未だに戦士の時代を生きている。戦争行動が、支配的な世界観である。戦争が容認され、征服と栄光の機会とされる。極端な陽の時代であり、階級格差は拡大、固定化する。
戦士の時代の長展では、スペインとポルトガルが世界の覇権国となった。少数の戦士の栄光のために、帝国を拡大させる。

第7章 カネが世界を動かす―[商人の時代]
実業家が尊敬される。
1500年頃~1600年頃に始まる。ビジネス遂行の手段としての戦争。富を広範囲に分配する。ルネサンス、宗教改革、啓蒙運動が商人時代の精神と世界観を生み出す。個人の起業、自由、民主主義、経済機会の平等、etc。こうした理念が戦士の理念と置き換わる事で、帝国主義に対する疑問が生じ、反植民地運動が展開される事になる。

第一段階:
南欧州や中央欧州の自由都市で始まる。ハンザ同盟等の商人組織の誕生。
第二段階:
北西欧州等での革命の成功。戦士カーストの権力の中心(中央欧州、南欧州)から外れた地域。各地域で、君主が象徴になり、商人カーストが選良となっていく。商人カーストによる戦士のカーストの世界観の模倣。
第三段階:
20世紀中葉。米国を中心とした地域で頂点に達する。

第8章 仕事への献身と一体化―[労働者の時代]
尊敬されるには、「働く」事が必要である。仕事を持ち、専門的な職業に就き、技術や専門知識を持たなくてはならない。一定の時間を働かなければ、自分が何者かを証明不可能。
仕事への献身と一体化。
自らの仕事上の地位や技術等を、自らの存在理由とする。自分が何者であるかを証明するためには、自分の仕事を告げる。商人カーストの目的が富の獲得であるのに対し、労働者カーストの目的は格の高い仕事で、専門的技能で満足感を得る事にある。経営者は象徴的存在となり、技能者が真の支配者である。

商人の時代は資本が重視されたが、労働者の時代は技術や知識が重視される。商人が戦士の価値観を模倣したように、労働者もスーツ等の服装や金銭第一主義の価値観等を模倣するようになる。

第一段階:
19世紀~20世紀初頭。労働者カーストの大半は肉体労働者であり、労働者は下層階級とされる。労働組合の拡大等により、労働者の地位向上が行われる。
第二段階:
社会主義革命の勃発。マルクス主義者の予測と異なり、革命は先進国で発生しなかった。先進国でも、社会保障制度の拡充が行われる。

現代は、第三段階構築の最中であり、労働者階級が肉体労働から頭脳労働に転換し、階級構造が構築されつつある。

第三部 近未来
第9章 明日の覇権を手にする国々
労働者階級が世界の覇権を握るのは、1975年~2030年の時期としている。北半球の先進工業ベルト、南半球の豪州、ニュージーランド、南アフリカ共和国等。

かつては働いている事は抑圧されている事の証明だったが、労働者の時代では仕事が自尊心と繋がっている。団結、労働組合、共同体形成の重視。

各労働者が連携し、職業別団体を設立し、共同体を結成するようになると予想される。経済・政治体制の比較的弱い国々も連携して「ブロック」を形成するようになる。

以下は、「ブロック」の特徴。

①地域性
ASEANやEUは、地理的に同じ地域に存在する国同士である。
②規模・人口
他を圧するほどの規模・人口を有する国は無く、調和性を重視。
③文化的親和性
一つの共同体としての文化的特質。
④経済的調和性
保有する経済的発展の格差が大きいと、貿易ブロックの形成が阻害される。

現在の労働者カーストの世界観と噛み合うのは、極東諸国としている。極東諸国が儒教圏としてブロック化する?儒教圏は、平等主義と連携の精神の下に、対等な共同体になるとしている。

この体制は、日本にとって順応困難としている。日本人は対等な関係を結ぶ事に慣れていないらしい。歴史的に見て中国が政治的集合権を握る可能性。日本と朝鮮が経済的主導権を争う?

以下は日本の対応?

①浪人の対応
米国は日本の主君だったが、状況は変化している。主君を持たない浪人として独自の道を歩む。浪人主義の国会議員が中絶数を減らして、兵士の人口を増やそうとしているとしているけど本当にそうなの?
②ピンポン効果
近隣諸国の抵抗が日本から別の反応を引き出す。高校歴史教科書の内容に関し、アジア諸国が抗議した事に対する謝罪等。
③出戻りの流れ
西欧との貿易よりもアジア諸国との貿易の比重が高まる。

第10章 儒教圏ブロックがナンバー1に君臨する理由
米国の価値観が商人の時代の価値観と合致しているという話?商人の時代において、商売は単純であり、経営や組織も原始的であった。企業は複雑で専門的な経営手法を必要としない。こうした状況では、徹底した個人主義が必要とされ、カリスマ的な経営者が巨大な組織を複雑過ぎて運営出来ない事はない。

しかし、労働者の時代において社会が複雑化すると、高い協調性や組織力が求められる事になる。チームワークに傾倒する儒教圏の国々が優位になるとしている。米国が個人主義から社会的結束に一気に転換する事は困難。欧州に対しても社会的結束で劣るため、北極圏ブロックは第三位に甘んじるとしている。

第11賞 東はまだ赤い
ロシアは、労働者カーストによる革命を始めて経験した国である。共産主義は、労働者カーストの価値観と合致していたが、日本型チームワーク資本主義と異なり、社会全体から有機的に発展したものでないため、単純で原始的だった。

日本のように、政府と企業が活動範囲を守りながら協調する事が困難。社会を個人より優先しながら、個々人との合意を取り付ける事が出来ない。

共産主義革命時代の資本主義形態は、商人個人が経営可能なほどに単純であった。革命の目的は、商人を追い出して取って代わる事であった。戦士の時代から、商人の時代を経ずに、労働者の時代に入った事で、個人の自由や民主主義が育まれない状態となる。

しかし、労働者の時代が進むに連れて社会が複雑化し、一部の選良による運営は不可能になっていく。

現状でも共産主義は大きな力を持っており、資本主義に対して以下の疑問を突き付けている。

①戦争
マルクス主義者によると、資本主義は戦争無しでは停滞するとしている。
②成長
資本主義は成長無しには機能しないかもしれない。成長には大量消費と環境破壊が伴う。
③格差拡大
資本主義は経済格差を拡大させるかもしれない。

第12章 二つの厄介な質問
第一の疑問:
欧米は、日本の思考法を真似るべきなのか?

以下は、欧米諸国が日本を模倣すべきでない理由。

①日本は年齢モデルや性モデルでは遅れている
極東諸国は、年齢モデルと性モデルで遅れているために、カースト・モデルで先行しているという意見。若い方が成長が早い。
そのため、年齢的に先行している欧米が日本を真似る事には無理がある。日本では、自我、個性、自律性等が充分に育成されていない。性による役割分担も未だに厳密である。

②労働者カーストの世界観は短命
世界は既に、精神・宗教の時代2の革命・発展段階に入っている。時代が変われば、労働者の時代の価値観は不利の原因となる。

順応性や集団主義より、個人主義や自律性、暴動主義が優位になる時代がやって来る。

③日本の変化
日本国内でも、社会的連帯という価値観が弱まりつつある。新宗教や精神的グループの乱立は、その徴候である。

第二の疑問:
儒教圏に差をつけられないようにする方法は何か?

年長者が年少者に学ぶように、政治や社会、性的姿勢を捨てる事なく、極東から学ぶ。労働者の時代が終わる2030年頃までを安全な状態で過ごす。

第四部 最後のカースト
第13章 宗教から精神への転換―[精神・宗教の時代2]
精神・宗教の時代2は、2030年~2040年頃に、革命・発展段階の核を迎える?宗教や精神が重視され、個々人が使命を果たすために行動するようになる。

禅や茶道、etcの悟りに達する手段、「主義」を解消する社会的活動、人間全てが宗教家のように悟りを目指す?超人類の意識。

第一段階:
1950年代半ば~1979年・1980年。1979年~1980年にイランのイスラム革命が発生している。初の宗教革命。精神・宗教カーストが覇権に向けて進む出来事の幕開け?この源流は、19世紀に流行したロマン主義、超絶主義、共同体主義、新思想の四大運動まで遡るらしい。

過去への回帰は未熟な方法であり、現状を受け入れながら前進する事が成熟した方法である。宗教は終わり、精神性が始まる。原理主義的な思考は軟化する事になる。

第14章 宗教ベルトの台頭―イスラエル、インド、イスラム
宗教ベルト:
チベット、バングラディッシュ等の南アジアを通り、アラブ諸国とイスラエル、北アフリカからモロッコへと延びる帯状の地域。新たな革命の最前線に立つ原理主義的な宗教グループが、革命を通じて政治権力を握っている地域。21世紀中に、緩やかに結ばれた単一の連邦になると予想している。

精神・宗教の時代2の第二段階は、21世紀後半に終わると考えている。宗教革命は、先進国では発生しない。

①南アジア連邦
インドが中心となる。バーラティ連邦。
②中央アジア・イスラム連邦
アフガニスタン、イラン、トルコ等のイスラム諸国。
③汎セム系アラブ・ユダヤ・キリスト教連邦
イスラエルやパレスティナ共和国が率いる。
④北アフリカ・マグレブ連邦
モロッコ、アルジェリア、リビア、チュニジア、モーリタニア、スーダン等。

上記の①、③が巨大ブロックに躍進するとしている。バーラティ連邦は女性の極、汎セム連邦は男性の極を象徴する存在。やがて、宗教カーストでなく精神カーストが台頭していくるはず。

労働者の時代に精神カーストの行為は、働いていないため現実逃避者として非難される。他者の尊敬を受けるためには、労働者を模倣しなくてはならない。精神性志向の人々の多くが、「work」という言葉を着服している。

精神的伝道師が自らの技術や専門性を強調するのも、模倣の一例である。規定の時間の規定のサービスに規定料金を払うように、精神的作業も労働者を模倣する傾向がある。

やがて、労働者達は瞑想・ヨガ、禅等の精神的鍛練方法を選択するようになる。

第15章 21世紀の大脱出
汎セム連邦の形成について。

①神話
ユダヤ人、アラブ人は両方ともアブラハムを始祖とするとする神話を持っている。
②イスラエルへの大量移住
米国やカナダに住むユダヤ人達が、21世紀の1/3が過ぎるまでにイスラエルに大量移住するという説。
その理由は以下の通り。

1.個人的野心
イスラエルにおいて汎セム連邦が形成されると、莫大な経済機会が発生する。
2.政治問題
イスラエルにおける強硬派と世俗派の対立が、イスラエル人の移住を推し進めるとしている。本当に?
3.宗教的原因
ユダヤ教では、ユダヤ人の目標はイスラエルへの帰還であるとしている。
4.社会的問題
北米において、反ユダヤ主義運動が発生するとしている。
 (1)キリスト教文化では、ユダヤ人はイエスを殺した民族
 (2)黒人扇動家がユダヤ人を攻撃する風潮
 (3)労働者の時代が終わるに連れて、宗教グループへの
  入信が活発化する。宗教感情の高まり。
 (4)十字軍的精神
  特定グループを邪悪と見なす風潮

⇒著者はユダヤ人なのかな?そんなに米国で辛い経験をしたのかと思ってしまう。

ユダヤ人の移住は、米国にダメージを与え、また、パレスティナ人も汎セム連邦に集結する事で大国が誕生するとしている。

第16章 精神化する経済システム
精神・宗教カーストは、自分の存在に内的な意味があると感じられる社会構造を構築しようとする。

以下の歴史過程。

精神・宗教の時代1:
人間精神を成長させ、個人の自由、啓蒙、救済に対する飢餓感を生み出す。自然や部族、家族に対する完全な依存状態からの脱却。

戦士の時代:
道徳的、倫理的責任感の誕生。善のために自主的に悪と戦う。理性的思考が科学技術を生み出し、複雑な社会経済システムを築いた。しかし、高レベルの意識を経験出来るのは一部だけである。

商人の時代:
世界中に市場システムを広げ、あらゆる個人が半製造者にして、半消費者になる。精神の束縛が解き放たれ、ルネサンス、宗教運動、啓蒙運動が活発化する。

労働者の時代:
戦争や帝国主義の否定。平等、友愛の観念を信じる。

以下は、労働者の時代における非精神的特質について。

①一般的非精神性
労働者は、自分の仕事の結果を感知出来ない。何が生産され、何が消費されているのか。格差の拡大は見過ごされる。
②働く場
労働環境の劣悪さ。単調で無意味、退屈な仕事。仕事を楽しむのは少数派である。
③政治的分野
公式には平等主義であるが、現実は違う。
④地球環境
産業発展が地球環境を犠牲にする。

⇒精神化の必要性。

以下は、経済・政治システムを精神化させる4つの動き。

①自発的簡素
不必要な消費を止める。
②適正技術
環境を破壊しない技術。
③経済的平等
貧富の格差を縮小させる。
④仕事の削減
失業者を増やさずに労働時間を減らす。

仕事を偶像視する思想は、労働者の時代特有である。精神的カーストの躍進は、仕事観に影響すると予想される。

第17章 精神経済が世界の覇権を宗教ベルトに渡す
世界経済が精神化する事による影響。

①人間生活の中心が経済活動でなくなる
②資本主義が進化して無政府主義に近づく
③資本主義の問題点の解消
⇒戦争、経済成長、経済格差等の資本主義に由来する問題を解決する?
④国際紛争の終結
⇒戦士の時代の終わりは、国際紛争を無くす?
⑤宗教市場の誕生
⇒宗教・精神サービスが発展する?

個々人が自発的に共同体を結成し、平等な発言権を持つようになる。小規模で分散的な活動。こうした社会では、複雑な組織は存在しなくなる。

以下は、無政府主義に関する考察。

(1)危険
未だに多くの地域は戦士の時代であり、人類は全体として19歳である。2030年~2050年は無政府主義の夜明けを迎えるまでテロや戦争に明け暮れることになる?
(2)移行段階
資本主義と無政府主義の間に移行段階のシステムが生まれる。宗教経済と名付ける。
(3)人それぞれ
無政府主義が理想郷というのは、比較の問題であり、誰にとっても楽園であるわけではない。

こうした宗教システムの発展が、それについていけない儒教圏ブロックの覇権を2050年頃までに終わらせるとしている。

第18章 アフリカ、先住民、精神の時代の頂点
精神・宗教の時代は、以下の2つの経済システムを採用するとしている。

①宗教・精神資本主義
2030年~2050年まで発展を続ける。自由市場が経済の核として残る。原理主義的な宗教経済は、精神資本主義に進化するとしている。
②無政府主義
2050年前に定着。人類が超人類に進化するまで続く。小規模なグループが地域共同体を結成し、政府機構が運営管理を行う。

経済に代わって精神的成長に関心が寄せられるようになる。2150年頃には、人類は超人類になるほど進化するとしている。こうした時代には、サハラ以南のブラックアフリカが覇権を握るらしい。

精神・宗教の時代2には、人類は女性的な根源に戻り、原始の特質を取り戻そうとする。世界宗教は、知と心、精神を統合するが、身体を統合する事が出来ない。2025年までに人々が反自然・反身体という陽の時代の偏りに気付き、陰の時代の特質を取り戻そうする場合、世界の土着文化の中にある身体を統合する文化に頼る事になる?

土着文化が、精神・宗教の時代2の先頭に立つ。そのため、2050年頃~2100年頃までは、ブラックアフリカや南米、オセアニアの一部が特別な役割を持つとしている。

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「短命結婚」の時代

読んだ本の感想。

パメラ・ポール著。2002年12月4日 第1刷。



ジェネレーションX:1965年~1978年に生まれた人々
ジェネレーションY:1979年~1994年に生まれた人々
ベビーブーム世代:1946年~1964年に生まれた人々
マチュア世代:
 以下の2つに分けられる
 GI世代:1909年~1930年に生まれた人々
 沈黙の世代:1930年~1945年に生まれた人々

米国において、1960年代~1970年代に離婚が急増し、「独立」という価値観から離婚も悪くないという主張が強かった。1980年代から社会不安を背景に、「家族の価値」という主張が成されるようになり、常態化している家庭崩壊との矛盾が際立つようになっている?

結婚は義務になり、大衆文化は非現実的な理想像を作り上げる。実現不可能な義務を課せられた結果、スターター・マリッジ = 結婚後5年以内、子供を持つ前に終わる結婚が急増しているとしている。

スターター・マリッジのはじまり
スターター・マリッジをする人間の多くは、22歳~27歳までに最初の結婚をし、大学教育を受けている、中流以上に属する白人が多いとしている。
人生に満足している人間にとって、結婚は未だに手に入れていない最後の目標である。人生に満足していない人間にとって、結婚は人生を取り戻す切り札である。

性的な面における社会規範が曖昧になっている現代では、同棲と結婚の区別が付き難く、結婚は人生の通過儀礼ではなくなっている。

結婚を夢見る若者たち
1970年代に急増した離婚によって、不幸な結婚生活を理解していない若者が増えたという話?かつての結婚は性によって区別された伝統的な結婚だったが、現代の結婚観は流動的である。宗教か精神か道徳か社会規律なのか。

昔の結婚:
男性が身の回りの世話をしてくれる妻を手に入れるため、扶養者の役割りを果たす。女性は経済的安定を手に入れる。男は世継ぎを望み、公的に性的な関係になる事が出来る。

⇒現代では、経済的な必要性が薄れ、夫が妻を扶養する意識が低下している。社会的な性的規範も形骸化しつつある。性交と結婚は分離し、結婚は必然でなく、選択になっている。

米国における1920年代~1940年代の結婚率は高く、90%以上の男女の多くが20代半ばまでに結婚していた。1950年代になって、離婚者が25%に達した程度である。

1960年代に、自由、個人主義、性の解放といった概念が流行し、結婚に多くが求められるようになる。離婚が社会的に容認されるようになると、不幸な結婚生活から抜け出すための離婚が急増するようになる。

第二次世界大戦直後、8/10人の子供は両親の揃った家庭で育ったが、1970年代の終わりにその割合は半減した。

現代の結婚には、幸福な家庭、心の安定、永続する無条件の愛が求められるようになっている。一生独身であるかもしれないという恐怖が、社会不安と結び付き、安定志向を生み出している。しかし、離婚率が低かった時代の結婚生活は理想化され過ぎており、模範とはならない。

現代の結婚は美化された伝統主義と21世紀の現代性の混交と言える。

結婚狂騒曲
現代の米国では、「結婚せよ」というメッセージがテレビや映画、新聞や雑誌等に溢れている。結婚 = 幸福の風潮があり、人との関わりを公言する。

家族は美しいものとされ、未婚者は社会的に批判される事になる。人との深い関わりを恐れる、未成熟、etc。さらに結婚相手に求める条件も高度化し、かつては料理、掃除、子育ての三要件を満たしていれば良かったが、そうした伝統的な妻の美徳と、経済的に自立した近代女性の美徳も必要とされている。

女性の要求も高度化し、かつては食物と住居を提供出来れば良かったが、安定感や誠実さが必要とされるようになっている。

結婚式が盛大になった結果、自らの配偶者が自らの各を表現する手段となっている。結婚は経済的な約束事でなく、素晴らしい人物になるためのイニシエーションと化した。

結婚に求めるもの
現代の結婚は、かつての家庭構築の手段から、自己実現の手段へと変化している。結婚に非現実的な高い期待が寄せられている。

人間は役割を欲している。自分自身を「何か」として認識したい。何かとして人に認められ、求められたいと思っている。そのためには自分自身を確立しなくてはならない。

現代では、社会的ガイドラインや平均像が散逸し、若者の自己像の模索は20代を通じた長期課題となっている。社会的制約が形骸化した時代では、自分が一年後にしている事を誰も予想出来ない。何か異なる存在が常に現れ続け、取り残される恐怖を与えられる。

結婚は自己を確認出来る役割を提供してくれるし、目的意識を授けてくれる。

また、社会的共同体が崩壊した現代においては、自分の経験を認識し、一緒に参加してくれる他者を求める気持ちが強まる。純粋な親密さは、継続的で密接な関係からしか得られない。

あらゆる事が流動的な現代において、結婚は永劫の感覚を与えてくれる。

スターター・マリッジがつまずくとき
典型的な結婚生活において、結婚の質は最初の4年間で大きく低下する。そこを持ち堪えると、8年目頃には安定する。情熱が衰える代わりに信頼が形成される。

未成熟な状態で結婚する事を問題視する意見。結婚には人格を変容させる力は無い。

夫婦間の意思疎通の問題は、軽蔑、批判、防御、回避等に起因し、適切な意思疎通技術を持たない人間の結婚は非建設的な方向に向かう。一方の優位性が固定すると、相手は受け身になり、勝ち負けが意識される。

失敗した多くの結婚に特徴的なのは、強い女性と弱い男性の組み合わせであり、女性が男性を無理矢理に結婚させてしまう事が、準備が出来ていない結婚の原因となる。教師的 = 男性的な女性は、結婚生活における満足度が低い傾向がある。

スターター・マリッジが壊れるとき
結婚生活は、家族や友人に頼るもの。外部と接触していなければ、悩みや誤解を抱えたまま孤立してしまう。結婚を長続きさせるためには、支援者の存在が不可欠である。

結婚生活は常に一貫した状態が継続するものでない。個人としての幸福を追求する場合、結婚を維持する事は無いかもしれない。現代人は不幸な人生を許さない。

なぜスターター・マリッジは失敗するのか
昔は選択肢の無い時代だった。現代では住む場所も仕事も容易に変えられる。結婚生活を複雑にする要素が沢山ある。宗教的契約関係であり、法的協力関係である結婚は、互いの仲が悪いという理由だけでは別離に繋がらない。しかし、現代の結婚は性関係を伴った密接な友情であり、夫婦のどちらもが孤立しがちである。

現代人は、人生の意味や永遠性を求めるべきと刷り込まれているが、同時に個人主義的な思考や行動様式に縛られている。そのため、結婚に対して大きな期待を抱くが、それを実現出来る可能性は低い。

誰もが確固とした役割を求めているのに、それが与えられると固定された役割りを疎ましく感じる。1950年代までは選択肢が少ないため、自分の役割について悩む事は無かった。現代では自分の役割を誰も知らない。

現代では、あらゆる段階を自己開発の手段と見なすが、結婚を個人の成長の機会と捉えるのは自己中心的である。結婚は自律とは逆に、相手に合わせる事を意味し、自由を縛る。一緒にいる時間が長いほど、配偶者に幻滅する。

現代人は、高いレベルの幸福を当然の権利として要求する。結婚には、長期的視野と問題解決能力が必要とされるが、変化の激しい現代では長期的視野を持ち難い。

結婚に情緒的親密さを期待するのは最近の傾向であるが、心理的・精神的欲求が全て満たされる事はあり得ない。

二〇代の離婚
離婚の苦痛は、以下の3つである。

①自我に対する痛み
孤独である事、愛されない事
②他者を失う苦痛
人生の中心である人を失う
③社会的苦痛
自分は落ちぶれたと感じる

離婚する事に対する、社会的な偏見について。

スターター・マリッジから学んだこと
現代人には、結婚を絶えざる自己探求と発見の旅と考える人が多い。そして、結婚生活を具体的に想像せずに結婚する。自分にとって好ましい関係、相性、etc。

大部分の人間にとっては、結婚式を挙げる事に意味があり、結婚式自体が甘い思い出となる。

離婚は決して永遠の愛や幸福の喪失ではない。結婚が魔法のように幸福を齎してくれるという希望は幻想だ。離婚によって、完璧な人生を追求する事を止める人間もいる。人生は操作出来ない。

良い結婚とは共通の感性を分かち合う事であり、自分と似た人を見つけるには自分を知らなくてはならない。自己同一性が未確立な状態では、既成の結婚観に縛られるか、配偶者の自我に取り込まれてしまう。

結婚に対する期待感は調整されなくてはならず、配偶者に非現実的な期待をしてはならない。家庭を小さな要塞にするのでなく、社会的な結び付きとして、家族や友人、地域社会に支えられる必要がある。

現代社会では、共同体の感覚が失われた結果、結婚以外の生き方への支援が欠けており、本来なら結婚すべきでない人達も結婚制度の中に放り込まれてしまい、また、社会が夫婦生活を援助せずに、夫婦は自足していなければならないと思い込ませてしまう。

結婚の政治学
結婚は米国における政治的課題にもなっている。税制上の優遇措置や結婚補助金等。自我編重の時代が終わり、家族の価値が傷つけられる事に対する社会的懸念が増大している。

著者は結婚を政治的に語る事を嫌悪している?

二一世紀の結婚
現代においては、結婚は短く不安定になっている。一方で平均寿命が長くなった結果、一生涯の結婚の年数も長期化している。かつては15年~20年で終わりを迎えた結婚期間が、ほぼ倍になっている。そうした生物学的変化を考慮すると、複数回の結婚を繰り返す事が当たり前になるかもしれない。

社会人生活が50年に渡り、5~6のキャリアを持つ場合、一人のパートナーによって全ての欲求を満たす事は出来ないと考える。

未来学者 サンディ・バーチステッドの見解:
21世紀中に、人間は以下の4つの結婚をするようになるかもしれない。

①アイスブレーカー・マリッジ
5年以内に終わる若いカップルの結婚。パートナーと暮らす事を学び、相手に幻滅した時点で分かれる。
②パレンティング・マリッジ
子供を作るための結婚。15年~20年続く。
③セルフ・マリッジ
家庭を作る責務無しに自己実現を求める結婚。
④ソウルメイト・コネクション・マリッジ
人生の終盤に訪れる精神性に基づく結婚。

2000年のローパー調査では、米国人が尊重する57の価値観の内の一位は「家族を守る事」である。スターター・マリッジは、不道徳な現象とされるが、将来的には当然の事とされるかもしれない。未熟な結婚が深刻化し、子供に否定的な影響を与える前に離婚する。

結婚は絶えず努力とエネルギーを必要とするものであり、結婚すれば幸福になれるという文化は誤っている?結婚が何を齎し、何を奪うのかを見極める必要がある。

現代に置いて地域共同体が崩壊した結果、若者に結婚において求められる責任や報いを教えるシステムが無くなっている。成功の模範だけでなく、失敗も説明する必要がある。

20代前半に始まって生涯続く結婚は、現代では存在しない社会と経済によって成立していた。しかし、現代人は過去と同じように結婚を思い描こうとする。幅広い機会があるのに、結婚が従うべき分別ある選択肢とされる。情報、役割モデル、共同体からの支援が欠如している。

唯一の解決策は存在しない。各自が独自の方法でアプローチすべきとしている。

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今週が終わった

気が付くと2014年が半分くらい終わっている。

会社で50代の人と話すと、人間関係の構築は難しいと思う。会社以外での生活も重要だと思っていても、現実に行動出来る人は少ないと思う。

それから、身体障害者の人が病気になる前は元気だったという話を聞くと、心が痛む。明日の自分がどのようになっているかは誰にも分からない。

それでも結局は他人事なんだよな。

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長期的な人間関係をどのように作るか

部屋の中が本で埋もれつつある。読むのに体力を使う本を大量に購入したので、読み切るのに時間がかかると思う。

死ぬまでこうした生活を続けて良いのか疑問に思う。

会社で身体障害者の人達に関する評価を聞いていると、気分が滅入っていくる。僕よりも目立つ人間がいるから、相対的に僕に対する当たりが弱くなっていると、はっきり言われた。部署全体が仕事が無い人達に仕事を作る事を目的にしているのかな。

結婚していない先輩達を見ていると、あまり幸福そうに見えない。特に女性はそうだ。自分が世間一般の規範に則っていない事に関して、自分が劣っているからだという理由付けをするからだと思う。世間的な常識に逆らう事は辛い事だ。

それなら、家族を作れば良いのかというと、どうもそうではなく長期的に信頼関係を構築出来なければいけないようだ。定年退職してから、奥さんべったりになる人の話を聞くと、それも良くないような気がする。

全ての人間が人から好かれるような人間になった場合、人間社会は崩壊すると思う。嫌われるような人間も必要だ。それでも、自分から嫌われ者になろうという人間は少ないはずで、世の中は難しいと思う。

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職場でのイベント

職場で交流会?のような事をやる。その中で考えた事。

自分が会社員という身分になって10年以上が経過している。最近は学生時代の事ばかりを思い出していたけれど、昔の自分と今の自分は違う。

今の状態は、社会人として安定した状態だと思う。明日どうなっているかは分からないが、業務の流れの中に居場所があるような気がする。

結婚を目指して行動出来るのは、今から1年~2年後くらいまでだと思う。今までは出来なかったが、現在の状況であれば出来る。

自分が結婚を目指す目的は、社会的アイデンティティーの確立だと思う。相手は誰でも良いかもしれない。

問題は、結婚式は到達地点で無く、開始である事。僕が誰かと共同生活する場合、間違いなく仲がが悪くなる。生活の質を落としてまで、自分の価値観に迎合出来ない。

自分の生き方として主張出来る在り方が、もっと沢山あれば良いと思う。

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アスペルガー症候群と思春期

読んだ本の感想。

テレサ・ボーリック著。2012年6月25日 初版第1刷発行。



思春期とは、9歳~12歳までの「前思春期」と、13歳~19歳までの「思春期」に渡る時期を指す。

以下は、アスペルガー症候群の教科書?

『総説アスペルガー症候群』



『ガイドブック アスペルガー症候群―親と専門家のために』



第1章 「旅」と道づれ
以下は、著者の考えるアスペルガー症候群の定義。

・語彙が豊富で文法に強いが、意思疎通がぎこちない
・他人の動作の意味が読めない
・規則性を好む
・特定の事柄に強い関心を持つ
・知的能力が高いが、体系化が苦手で結果を出せない(一部)
・知覚情報の統合が困難(一部)
・不器用(多く)

思春期において、自分がどのように見えるか、何をするか、誰と友人になるか、成人になったら何をするかを考えるようになる。神経発達障害を持つ子供は、自意識が強まる時期にぎこちなさを倍増させる場合がある。

10代は、抽象的思考や内省の能力を発達させる時期でもあり、自他の相違を意識する場合がある。他人と違う事は不安や抑鬱に繋がる可能性がある。

実際的なパートナー = 道づれ = 気にかけてくれる人々が必要?

第2章 自己制御と4つの「A」
自己制御とは、状況に応じて覚醒(Arousal)/警戒(Alertness)、注意(Attention)、活動(Activity)、情動(Affect)のレベルを設定し、維持する事。

①覚醒(Arousal)/警戒(Alertness)
外部への注意の度合い。状況に応じて必要とされる注意レベルは異なる。感覚的な異常や社会的重圧によって、攻撃・逃避状態に陥る場合がある。神経発達に障害がある場合、周囲の人間には過剰反応に見えるかもしれない。

<過剰覚醒に関する手助けのコツ>
以下の5ステップで対処する。

1.過剰負荷のサインの発見
注意深く観察し、負荷が高まっているかを見る。手をひろひらさせる、身体を前後に揺する等。

2.問題を起こす可能性が高い状況を見極める
周囲の騒音レベルや、社会的要求を考慮する。負荷が長期間に渡って積み上がる可能性もあり、累積に注意する。

3.当人が使用している手段を見定める
覚醒レベルを操作するために、当人が使用している手段を見定める。その手段が有効に機能しているか確認する。覚醒レベル維持のためにゴムチューブを噛む行為は異様に見える。

4.負荷を減らすため、環境を修正する
当人が環境修正に抵抗しないように、非難しているような態度はとらない。低い調子(目線を合わせる、単純な言葉、あっさりと話す)でゆっくり(会話速度を下げる)と。

5.自分の覚醒レベルを操作する方法を教える
自分自身で、過剰負荷に陥ってるサインや対処方法を見つけられるようにする。深呼吸する、姿勢を変える等。

②注意(Attention)
何を聞き、何を見るべきか識別出来るように注意を制御する。

<注意に関する手助けのコツ>
以下の観点。

1.同時に複数の事が出来ない。
視線を合わせながら聞く事に集中出来ない場合がある。視覚経路を遮断して話しを聞く?

2.気を散らす物を減らす
太陽光や音源を減らす。

3.上手く働らく感覚経路を利用する
聴覚・言語経路が得意無場合は、言語による説明等。

4.聴覚的枠組み
会話の前にテーマを示す。聞くポイントを簡略にアウトライン化した資料も有効?完成図だけでなく、課題を段階毎に提示する。

5.活動の手本
お手本を見せる。

③活動(Activity)
状況に合わせて活動レベルを変える事が困難な場合がある。

<活動レベルに関する手助けのコツ>
定期的な運動が有効かもしれない。不器用でチームスポーツが苦手な場合、水泳、スキー、長距離走、ボーリング、乗馬、空手等の単独競技。

④情動(Affect)
感情表現や気持ちを操作する事。

<感情表現に関する手助けのコツ>
上記①~③の対応が前提となる。

*************

思春期になると、自己制御に関しては幼少期に機能していた戦略が有効に機能しなくなる事が多い。発達障害者でなくとも思春期の自己制御方法の獲得は重要な課題である。

第3章 「コミュニケーションなしではいられない」
アスペルガー症候群の場合、具体的で明確に限定されていれば、考えを効果的に述べる事が出来るかもしれない。しかし、状況、非言語的情報、抽象的な言葉が理解を困難にしている。

以下は、意思疎通が困難である事の原因?

①他者の心的状態への理解不足
サリーとアンの課題。聞き手が知らないはずの事を、知っているという前提で会話してしまう。或いは、知っているはずの事を、知らないという前提で会話してしまう。

②会話技術
一方的に喋り続けるか、黙り込むかの両極端である事が多い。会話の主導権を握っている時は、自分が興味を持っている事を披露するが、相手の経験や気持ちに配慮する技術が拙い場合がある。相手の持ち出した話題に注意を集中する事が困難であるかもしれない。特に、2人以上の会話で、相手の話が終わっているかを理解出来ない事がある。複数人が存在する事による情報量の多さが感覚を圧倒する。

<発達障害者と会話するコツ>
自己制御が必要になる。低い調子でゆっくりと。相手の処理可能な情報量が少ない事を念頭に、抽象的な表現を控え、明確な言葉で率直に語る。

難解な指示は表等を使用する。指示内容が復唱出来ても、指示に従う事が出来るとは限らない。噂話をすると、他言しかねない事に注意する。

***********

発達障害者向けの会話訓練は、台本を覚える事が多いようだ。「本当に敬意を払っている訳ではない」、「台本通りに行動しているだけで、自分自身ではない」等という評価を受けるかもしれない。台本通りの行動であっても、意思疎通を実践する機会が増えれば、理念を理解する機会が増加する?

第4章 記憶、整理、および「実行機能」
アスペルガー者が柔軟性に欠けるのは、記憶や実行機能の非効率によるものと考える。

作業記憶の困難。特定の情報を記憶しながら、その情報に関わる頭脳操作を行う事が困難。そのため、思い出す事を忘れる事がある。問題が発生した際に、対処するための情報を思い出せない事がある。

情報が独立して記憶されている場合、記憶同士が連携しない。類似の情報を知っていても連想出来ない。情報源から様々な情報を組み立てて、再構成する宣言的記憶の機能効率が悪いかもしれない。

◎そんな事どうでも良いじゃないか現象
日常行動をする上で、相手を喜ばせる事を行動動機にし難い?本当に重要な事のために力を温存させておきたい。気に入れられるために、秩序に従う意味が理解出来ないかもしれない。

以下は、アスペルガー者の学習に関する観点。

①目的に関係無い仕事を省く
単語の意味を理解させたいのであれば、一つ一つの単語の意味を考えさせるのでなく、単語帳を与える。「そんな事は分かっているはずだ」という意識を捨てる。作業目的を伝える。

②関連付け
概念図、ベン図等の使用。概念形成を補助する。メモが苦手な場合、予め要点を書いた資料を用意する。

アスペルガー者がメモを取る場合、全てを書き取ろうとして、関係無い事まで書く事がある。要点を書いた資料を渡しておく。

*************

他に様々な勉強方法の概略。自分で学習法に関する本を読めという事かな。

第5章 思考と学習
アスペルガー者は、特定の事柄に強い興味を持つ事がある。

興味をもっている分野を有効活用する方法について考える。

◎統合的一貫性の問題
アスペルガー者は、話の要点等の肝心な点を理解していない事がある。字義通りに受け取る認知特性が原因か、様々な情報を特定のテーマに纏める統合的一貫性の欠如が原因かもしれない。

こうした特性は、事実に基づく厳密なアプローチ、細部志向が有効に機能する局面に向いているかもしれない。ソフトウェアテストやスペリングのチェック等。

細部志向を活かして、抽象手理解に繋げる方法もある。小説内に記述されている人物の性格的特徴をリストアップし、登場人物に共通する性格的特徴を見つける等、全体を見通せなければ出来ないはずの問題を細部志向の問題に翻訳する。

こうした細部志向の問題は、情報を表現する際に問題になる事もあり、予め情報表現のテンプレートを用意する等の対策が必要。

第6章 熱中、こだわり、反復行動
儀式的行為や強迫観念について。

拘りや反復行動は、知覚情報を制御したり、覚醒レベルを維持するために行われているのかもしれない。人間は誰しも拘りや反復行動を実践しており、社会的に問題の無い拘りや反復行動は黙認して良いかもしれない。

以下は、変える必要がある場合の観点。

①明確で単刀直入なフィードバック
批判的に伝えない。どのような影響を周囲に及ぼしているかを伝える。

②運動や音楽
定期的な運動等による神経発達。自己制御方法の確立として音楽が有効な場合がある。アスペルガー者の中には、視空間認識の問題から楽譜が読めず、楽器が苦手な人もいる。しかし、楽器の練習は、パターン認識の作業療法となるかもしれない。

◎反復行動を修正するコツ
アスペルガー者の反復行動は、予測可能性への強い欲求から発生しているのかもしれない。

1.目標を決める
どのような状態になれば良いかを決める。

2.目標に向けた変更
目標に向けて、反復行動の中の変更出来る個所を決める。目標に向けて、どのように行動を変化させていくか序列を作る。

3.変化に伴う不快感への対応
深呼吸や筋肉のリラックス等により、反復行動を変える事による不安に対処する。

4.動機付け
反復行動是正の後押しをする目的を決める。

第7章 感情コンピテンス
感情コンピテンスとは、感情を自覚・理解し、表現・対処する能力。

◎感情に関する課題
・感情に気付く
・感情の原因を知る
・感情を適切に伝える
・感情に対処する
・自己同一性と価値観の構築

アスペルガー者は、内的地図が未完成のため、自分の感情を自覚出来ない場合がある。この辺りの記述が難しい。何が原因で自分の感情が形成されたかは、原因の候補を比較・検討して思考によって理解するしかないのか?

自分の感情を表現するための指針の重要性も分かるけれど、具体的にはどうすれば良いのだろう?

以下は、問題行動の機能分析テンプレート。

○問題行動の定義
 ・行動を客観的に記述
 ・発生頻度
 ・行動の強烈
 ・持続時間
 ・発生の経過
○前触れ
 ・問題行動発生前に起きる事
 ・問題行動に影響する事はあるか
 ・ストレス要因の累積はあるか
○問題行動の文脈
 ・発生場所
 ・発生時間
 ・発生時に誰といるか(誰がいれば発生しないか)
 ・本人の感覚や感情
○結果
 ・問題行動による肯定的、否定的結果は何か
○適応した代替行動
 ・既にある適応した代替行動はあるか
 ・修正して適応行動に出来そうな関心事

⇒問題行動の機能、目的に対する理解。

第8章 友人関係と親密さ
アスペルガー者にとって、友人とはあまりに抽象的な概念であり、友人作りが困難であるかもしれない。

<友人作りのコツ>
○共通の趣味
趣味を共有出来るクラブ活動を見つける。ボランティア活動への参加等も有効?

仲良くなるためのサイン、相手と同じ方法で反応する事、会話を始める話題の使い方、双方向の会話、etc。

求愛の方法については、テレビドラマや映画が参考になるかもしれない。

・微笑んで関心がある事を示す
 (アスペルガー者には困難である場合が多い)
・相手の発言を聞いて、憶えておく
・相手の興味や経験を尋ねる
・電話やメールを送る
 (エチケットに注意する)
・相手を褒める
・特定の人間に関心がある事を慎重に伝える

アスペルガー者の多くは、特定性を大目に見てくれる人々に囲まれているかもしれない。手段や方法を変える事が困難な人間に合わせてくれる他者に負担をかけている可能性。

以下は対策?

①アスペルガー者に対して、時には自分の意見を通す。
 アスペルガー者を落胆させ、対処するのを助ける
②アスペルガー者の兄弟に、常に譲歩する必要は無いと教える
③アスペルガー者に、否定の意を示されたら、
 行動を止める事を教える

第9章 社会生活のルール
アスペルガー者は社会意識が発達していない事がある。

ここで、様々ルールについて記述されている。他者に言ってはならない言葉、清潔や身だしなみ、感情表現はTPO弁える事等。

第10章 実社会への準備
アスペルガー者である事を周囲に告知する事の意義について。基本的には、アスペルガー者本人が自らの特異性を理解している必要がある。

米国における支援体制について書いてある。巻末には日本の発達障害者支援制度に関する記述有り。

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『葬られた王朝』を読んでいる

歴史書の成立に政治的事情が影響するという説。

以下は、「天孫降臨の夢」の記事へのリンク。

http://nonono7.blog12.fc2.com/blog-entry-1551.html

「葬られた王朝」(梅原猛著) 第四章 記紀の謎から。

『古事記』、『日本書紀』が作られた8世紀初頭の日本における歴史的要請(時代精神)は、律令制の完成だった。律令制の柱は、律令の編纂(701年の大宝律令)、都城の築造(710年の平城遷都)、歴史編集(711年の日本書紀)である。

701年に制定された大宝律令は、刑部親王、藤原不比等を長とし、田辺史等の帰化系官人が編集に携わった。
唐の律令との比較は、以下の通り。

唐:中書省、門下省、尚書省の三省が独立して皇帝に直属する
日本:権力は太政官に集中する

⇒日本の律令は、天皇が親政しない象徴天皇制を志向している。

梅原氏は、日本書紀の実質的な編集者を藤原不比等としている。藤原氏に都合の良い歴史観の成立。

・藤原氏の祖先神の活躍
藤原氏は中臣氏に由来する。歴史上、はっきりと登場するのは舒明天皇の時代に、中臣鎌足の父である中臣御食子が、亀朴によって朝廷に仕えた記録を始まりとする?

しかし、記紀では藤原氏の祖先神の活躍が記述されている。

①タカミムスビ(高御産巣日神)
天孫降臨を命じたのは、アマテラスでなく、外祖父タカミムスビである。天皇が女帝であり、外祖父が権力を握るのは、『古事記』、『日本書紀』が作られた時代を反映している。

②オモイカネ(思金神)
タカミムスビの子。天の岩戸隠れ(アマテラスを引き出す策を考える)、国譲り(国譲りの派遣メンバーを決定)、天孫降臨(計画立案)にて活躍している。

③タケミカヅチ(建御雷男神)
イザナギがカグツチの首を斬った時に、刀の根元についた血から生まれた神。『古事記』では、イツノオハバリの子とされる。国譲りの命令を伝える使者としてオオクニヌシに遣わされる。
ニニギの曾孫にあたるイツセの末弟カムヤマトイワレヒコ(神武天皇)が熊野に至った際に、タケミカヅチが自らの代わりに降した太刀で荒ぶる神を切り倒している。

④アメノコヤネ(天児屋根命)
アマテラスを岩戸から引き出す神事の主役。天孫降臨の時に「五つの伴の緒」の神の長としてニニギと共に降臨。藤原氏の祖先神。

⇒807年に、斎部広成が『古語拾遺』で、宮廷の神事は忌部氏の下で行われたが、天智帝の頃から中臣氏が神事に関わるようになり、現在は中臣氏が国家の神事を独占しているとしている。
⇒藤原氏は天智天皇の時代に、中臣鎌足が現れた事で成りあがった氏族であり、神話偽造が行われた可能性がある。

<古事記と日本書紀の違い>
①神代七代の違い
古事記:
最初にアメノミナカヌシ、タカミムスビ、カミムスビ等の別天つ神の五神、独神二神、ウヒジニ=スヒジニ等の男女ペアの五代の神々が現れ、それを神代七代と呼ぶ。
日本書紀:
別天つ神が全く登場しない。古事記では、タカミムスビが独神として身を隠しているが、そうなると天の岩戸隠れや国譲りの時に外祖父として登場する事が矛盾するため、不合理を避けたと思われる。

②三貴子の誕生
古事記:
黄泉の国から逃げ帰ったイザナギが阿波岐原で禊ぎをした際に、アマテラス、ツクヨミ、スサノオが生まれたとしている。
→禊ぎ、祓いの神道思想
日本書紀:
禊ぎによる誕生譚が語られるのは、第六の一書のみであり、本文では国生みの最後に、アマテラス、ツクヨミ、スサノオが生まれている。
→合理主義(禊ぎ、祓いで生まれるのは不合理?)

③オモイカネとタカミムスビ
古事記:
天孫降臨等において、オモイカネが政策を立てている。タカミムスビは限られた時にのみ主たる命令者になる。
日本書紀:
オモイカネは国譲りや天孫降臨の時に全く登場しない。外祖父のタカミムスビが指揮している。

④オオクニヌシの話の消失
古事記:
オオクニヌシの国作りの話が詳しく語られる。
日本書紀:
オオクニヌシの国作りの話が、ほぼ全て落ちている。
⇒『古事記』は、藤原氏に都合の良い神々が活躍するように偽造しているが、関係無い部分は伝承通りに記録している?公的な歴史書である『日本書紀』は王朝の歴史を詳しく語る必要が無く、ニニギを祖とする王朝が正式に支配権を受け継いでいる事を示せば良い?

『日本書紀』では、『古事記』のようにオオクニヌシをスサノオの六代の子孫としない。スサノオの六代の子孫であるオオクニヌシがアマテラスの孫であるニニギに国を譲る時間的不合理を避けている?ただし、『日本書紀』の二つの一書では、オオクニヌシはスサノオの六代の子孫としている。

⑤国譲りの使者の違い
古事記:
タケミカヅチが使者である。
日本書紀:
主なる交渉の担当者はフツヌシで、タケミカヅチは副使者である。

⇒『古事記』は秘書であるため、政権奪取の意図が露骨に語られている。そのため、藤原氏が鹿島に祀っているタケミカヅチを使者にしている?
⇒フツヌシを物部氏の氏神フツノカミ(石上神宮)とすると、国譲りの時に物部氏が活躍したという伝承があった可能性?

**************

神代においては、各氏族の祖先神の功績が語られる。神代において功績のあった神の子孫は、律令社会において高官に就く事が約束される。

大宝律令は、唐における三省を太政官に統合し、天皇は太政官から送られた政策を承認、否認する権利のみが与えられている?太政官を藤原氏が独占するには、藤原氏の祖先神が天皇家の日本支配に貢献した唯一の神とする歴史書が必要だった?

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疲れた

とても疲れる一日だった。

不特定多数と会話し続ける事で、ここまで疲れるとは。

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なぜ伝わらないのか、どうしたら伝わるのか

読んだ本の感想。

湯汲英史著。2003年10月15日 初版発行。



第一章 知的障害について
1 気をつけたい省略した言い方
知的障害者の人と話す場合、言い方に注意する。

「明日は遠足です。(晴れたら靴を履いて、)雨が降ったら長靴で来て下さい」

上記の発言の()内を省略すると伝わり難い。また、日時が曖昧になり易いので、全く違う事を連想する可能性があり、日時を明確にする。

2 わかりにくい「もしも~ならば」
様々な方法を想像し、プラスマイナスを計算する事が心理的圧迫なる事がある。実際には無い仮定の話には想像力が必要。
「~の時に、困った事がありますか?」という質問に、「大きい音が嫌いです」というような返答をされる事がある。強く印象に残った話を繰り返してしまう。「~の時に」という仮定の条件は、想像した様々な事を比較・検討する必要がある。体験していない事を考える事が困難。

同様に、「社会」の存在が想像出来ないと、「社会」の要請が理解出来ない事がある。基本的な目的を丁寧に教える必要がある。個人のエゴでない社会的な視点。

3 相手や場所によって判断が変わることも
権威的な人間や特別な場所では、不利な場合でも「はい」と答える事がある。相手に解るように説明出来ないと、弁解も出来ない。

4 感受性が豊かな人も
感覚過敏の話。

5 かわる障害の程度
知的障害の区分は様々であり、教育の場を決める基準や医学的基準、裁判での判断基準等は微妙に違う。

「ペーテルってどんな人」という本の話。知能段階をA~Dで区分けし、知的障害は三段階まで発達するとしている。

A段階:
・現在に生きている
・実物が無いと分からない
・身体言語は分かる
・一つの行動が次の行動を導く(繰り返せば一連の動作が出来る)
・周囲の接し方が大切

B段階:
・写真、話言葉は理解出来る
・様々な単語が見分けられる
・明日という日がある
・色々な数がある
・実際に試して見なければならない

C段階:
・読み書き計算が出来る(掛け算、割り算は出来ない)
・計画が立案(単一推論可能でも、複数の推論を比較・検討不可)
・比喩、諺が理解出来ない

D段階では、抽象的な事柄や比喩を理解し、数字を使用した計算が可能。



第二章 コミュニケーション障害について
6 コミュニケーションの障害とは
意思疎通のためには、表現や理解が可能で、一定時間は注意を持続しなくてはならない。意思疎通を阻害する要因の一つに特有のしつこさがある。何かが気になると、その事ばかりに気持ちが向く。同じ質問を繰り返す強迫的な状態を、「過剰焦点付け」と呼ぶ。予め、質問の回数を決めておき、効果が無い場合は医師に相談する。

7 注目されるADHD
ADHDの基本障害は、以下の4つ。

①ワーキングメモリの弱さ
②発語を自己操作する力の弱さ
 考えた事を即時に話す
③気分や覚醒状態を操作する力の弱さ
 動機付けが困難
④行動を分析し、新しい行動を作りだす力の弱さ
 段取りが苦手

8 比較できないのはワーキング メモリの弱さか
同時に複数の事が出来ない状態。

9 感覚・知覚・認知の障害
多過ぎる情報に混乱する。必要な刺激を選択的に注意する事が苦手な傾向。人間の意識は、覚醒(目覚めている状態)、警戒(レベルの高い覚醒)、注意(何かに意識が向いている)に分けられる。

警戒の状態は、退却姿勢が基本であり、学習能力が低下する?脅迫的な方法で教えても効果が薄い?自分を警戒させた物事が長期記憶に保存されると、条件反射的に警戒モードになり、動機付けが困難になる。

10 自閉症と判断基準
自閉症者は、判断基準を外部に求める傾向があるかもしれない。同じ事を再現したい欲求。時間や数等、変わらない基準。中には一般知識や道徳を判断基準にする場合もあり、融通が利かない事がある。

11 避けたい気が散りやすい場所
騒がしい場所や刺激が少ない場所で意思疎通する。

12 変動しやすい気分
自分の気分や行動を操作し難い傾向。

第三章 何が判断の手がかりなのか・・・判断基準の獲得過程
13 顔色をうかがう ①大人の様子で判断
社会的参照行動について。駄目な事を簡潔に教え、人が喜ぶ事が出来たら褒める。

<反対類推の障害>
「舐めては駄目」という指示に対して、「舐めなければ良い」という反対類推が起こり難い。行動が止まっても適切な行動を理解していないため、同じ事を繰り返す。

×「部屋から出るな」、「喋るな」、etc
○「部屋の中にいろ」、「口を閉じろ」、etc

14 取られたくない ②「取る―取られる」で判断
自分を発見する時期。自分の所有物という概念の誕生。要求を言葉で表現させ、我慢を教える。

15 これでいいの! ③自分の「いい―だめ」で判断
1歳代の後半から自己主張が始まる。内部基準を持つようになる。自分の中に行動基準が出来ると、周囲とぶつかる事がある。考え方の幅を広げながら折り合いをつける必要がある。相対的な見方を獲得出来れば、他人に合わせるようになる。

16 嫌いだらかしない ④「好き―嫌い」で判断
3歳前後から好嫌の気持ちが強くなる。自分らしさを求めるようになる。感情を教えるには、気持ちに気付かせ、言語化し、具体的な行動を確認する必要がある。好きな人を大切にするようになる。

17 一番でなくてはダメ ⑤「勝ち―負け」で判断
勝敗が価値基準の中心になる時期がある。自分の能力を計測しようとする。ルールを守る事が結果よりも大切な事を教える必要性。

18 いけないことを知る ⑥「善い―悪い」で判断
幼児期後半から、道徳で争い事を判断するようになる。大人への批判が始まる。

19 友だちが一番 ⑦「おもしろい―つまらない」で判断
小学生になると集団が生まれ、同調圧力が発生する。違う事をする人間を教育しようとする。仲間の感性を知り、同世代と遊ぶ事が出来る事が目標。

第四章 理解できる質問にする
20 理解できる質問を!
「もしも~ならば」という「IF構文」の質問が理解し難い事がある。実際には無い場面を想像する事が困難。

21 理解できる単語を選ぶ(質問はわかる言葉で)
「お金を管理する」という言葉は抽象的で解り難く、「お金を使ったり、貯金したりする」のように具体的な言葉なら解るかもしれない。

また、「少しずつ」、「段々に」という徐々に変化していく言葉が理解し難い可能性がある。種から花を育てる事で、経験的に「少しずつ」花が育つ事を教える等。

以下は分かり難い言葉の例。
①曖昧な言葉
誰か、何時か、何処か、あっち、こっち、ちょっと、etc。
②割合や比率
1/2、5%、etc。
③難しい言葉
有名、協力、発達、防御。
⇒この4つの言葉の内、1つを適切に説明出来るのが9歳、2つを適切に説明出来るのが10歳とされる。

22 擬音、擬態語をつかってたずねる
  (イメージがわきやすくなるように)
身振り、手振りを使用して、擬音を使うとイメージし易い?

23 文節数に配慮する(覚えられる単語はいくつ?)
一般的に、2つの言葉を復唱出来るのは2歳で、3つの言葉を復唱出来るのが3歳、5つの数字を記憶出来るのは5歳とされる。会話の際には、相手が記憶可能な単語数を考慮する必要がある。

24 理解できる疑問視を知る
質問ばかりしていると、テストしているような印象を与える事がある。疑問視の理解は年齢によって進む。1歳で「何、誰」、2歳で「どこ」、3歳で「どうやって、誰に(格助詞の理解)」、4歳後半に「なぜ、どうして」が獲得される。

25 直接話法で伝える
語用論では、言葉の表面的な意味と、本当に伝えたい事が異なる。「今日は暑いですね」 → 「クーラーをつけましょう」等。

察し合いを前提とした間接話法が通用しない場合、「~をやって下さい」のように明確に伝える。

26 連想しやすくする(体験を例示する)
抽象概念が理解し難い場合、例を示す。

○夜遅くに、大きな音でテレビを見る
×迷惑をかける

また、質問した事に対する回答が、最初は全く違う話なのに、最後には繋がる事がある。自分の中にある順序通り以外に話せず、ショートカット出来ない。或いは、話の内容を重要度で順位付け出来ない可能性。

27 記憶を助ける
ゆっくりと話したり、繰り返す事で質問文を記憶出来ない問題に対処する。逆に記憶力が強過ぎると、質問の一部に拘ったり、質問文を繰り返したりする。

28 選択形式にする
「どう思いましたか?」のように漠然とした問いではなく、「次の①、②のどちらですか?①嬉しかった②悲しかった」のように選択形式にする。ただし、選択形式は答えを誘導し易く、慎重な配慮が必要。

29 補助手段を使う
話言葉だけでなく、絵や写真を使用する。

第五章 答えの傾向を知る
30 答えの傾向を知る
回答をパターン化している場合、本当に思っている事と異なる回答がある場合がある。主語が足りなかったり、能動―受動が明確でない場合もある。

31 「はい」とこたえやすい
本人の意思と無関係に、上位者に対して「はい」と回答し易い。「~したいですか?」という質問の後に、「~したくないですか?」と質問してみる。或いは、「Aですか?Bですか?」という質問の後に、「Bですか?Aですか?」と質問してみる。

32 すぐ「わからない」と言う
「わからない」のは何故かを整理し、対策を立てる。

①質問の意味が理解出来ない
→理解可能な言葉で質問する
②答えを表現出来ない(喚語障害)
→選択方式で質問する
③自分なりに判断出来ない
→即答を求めない
④答える気にならない
→人間関係を作っておく

質問されてばかりいる人生を送っている場合、質問される事が嫌になっている可能性がある。その場合は質問口調にならないように、「○○についてですが、私は◆◆と思いますが、××さんはどう思いますか」のように質問する方法がある。

<社会化されていない言葉>
「ない、ない」と騒ぎながら探し物をする場合、解決策まで考えが進んでいない可能性がある。「教えて」という意味で「出来ない」という言葉を使う事もあり、「ない、ない」と騒ぐのは、「どうにかして」という意味で喋っている可能性がある。「どうしたら良いか教えて」という言葉を学ばせる必要がある。

33 文章のどこに反応しているのか
単語を記憶する力が弱い場合、「あなたが好きな物がありますか?」という質問に的確に回答出来ない場合がある。「何が好き?」のように質問文の単語数を減らしたり、選択方式で質問する。

34 あいまいな時間軸
日時について曖昧な理解が成されている場合がある。昨日は何もしていなくとも、「昨日、何をしていた?」という質問に「プール」という回答があったりする。「昨日」という言葉が過去の総体として理解されている。

「1年後の○○のために、××をする」というように、計画的に考えるようになるのは、10歳以降とされている。時間の目盛りが明確になるのは10歳以降。時計やカレンダーを使用するように注意するが、軽度知的障害者でも時間の理解は困難な場合が多い?

35 過去の経験に答えが影響される
過去の体験に左右される。「どこか行きたい場所はありますか?」という質問に「○○に行った事がある」と回答する場合がある。願望を尋ねたのに、経験が回答になっている。即答を求めずに時間を空けるか、パンフレット等の具体的な手掛かりを用意する。

36 「正しい答え」をしがち(自分はどう思っているのかを聞く)
ある程度の理解力がある場合、紋切り型の回答をする事がある。「わかります」と言っていても、本当は分かっていない場合がある。

37 「判断」が変わりやすい
人間の短期記憶は、15分~20分程度。回答を忘れてしまう可能性があるので、30分後や翌日に改めて確認すると良いかもしれない。また、内容や語調を変えて質問すると、誤解を生む可能性があるので、再度の質問をする際には、文章や語調を変えないようにする。

38 コミュニケーションレベル、チェックリストの使い方
青年期以降のコミュニケーション・レベルのチェックリストについて。上記に書いてある事を纏めた印象。

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2100年、人口3分の1の日本

読んだ本の感想。

鬼頭宏著。2011年4月30日 初版第1刷発行。



第1章 100年後、日本人口は4000万人になる
2006年12月、国立社会保障・人口問題研究所は、出生率と死亡率の組み合わせから、9通り(出生率と死亡率をそれぞれ高位、中位、低位の3通りで仮定する)の「将来人口」を推計した。中位の値を取ると仮定すると、2055年の日本の人口は8993万人、2105年の日本の人口は4459万人である。

最も楽観的な高位推計では、2055年に9952万人、2105年に6274万人になる。低位推計では、2055年に8238万人、2105年に3357万人である。

かつて日本政府は出生率の低下を望んでいた。1947年~1949年のベビー・ブーム期には、年間約270万人が誕生(2009年は約107万人)しており、1948年に制定された優生保護法では人口妊娠中絶が合法化されている。

1974年に発表された人口白書では、政府は出生率抑制を強化すべきとしている(当時の日本人口は1億1000万人程度)。当時の合計特殊出生率は2.14程度であり、2025年には1億4000万人の人口となり雇用問題が深刻化する事が懸念されていた。1975年には合計特殊出生率は2.0を下回り、その後、一貫して低下している。

<出生率低下の要因>
①乳幼児死亡率低下
社会インフラや医療の発達により、不必要な多産をしなくなった。
②結婚率の低下
結婚を当たり前とする規範が無くなった。
③不安感
現代文明の行き詰まりを予想させる不安感。

日本だけでなく、主要先進国の合計特殊出世率は1960年代末期から1970年代半ばに2.0を下回っている。この時期に資源・エネルギー問題や環境問題が提起されるようになり、1972年に発表された「成長の限界」等も危機意識を煽った。

そうした流れは発展途上国にも波及し、人口増加抑制が経済成長を促し、所得上昇が出生率低下を導くという循環的プロセスが発生する事になる。

日本史上では、縄文後半、平安末期、江戸後半という人口減少期には日本独特の文化が形成される傾向があり、現代でも新しい価値観が形作られる可能性がある。

第2章 人口4000万人の暮らしと経済
1850年の国別人口ランキングでは、日本の人口は中国、インド、ロシア、フランスに次ぐ5位である。1950年でも中国、インド、米国、ソ連に次ぐ5位である(世界人口に占める日本人の割合は3.3%)。

2010年時点では、日本の人口は世界10位である(世界人口に占める日本人の割合は1.8%)。国連の推計では、2050年には17位になると予想される(世界人口に占める日本人の割合は1.1%)。

◎生活水準を保つ方策
以下の2つが考えられる。

①人口一人あたりのGDPを維持する
労働生産性(1時間の労働から得られる生産高、販売金額の割合)から考える。2005年の日本人口を1とすると、2055年の生産年齢人口(15歳~64歳)は0.544になると予想される。2005年と同等の生産性を維持する場合、50年間に年率0.5%の割合で労働生産性を向上させる必要がある。

②GDP全体の規模を維持する
上記①と同じ推計で、年率1.2%で労働生産性を向上させる必要がある。

さらに経済成長率を2%にする場合、2055年のGDPは2005年の約2.7倍になり、労働生産性を4.9倍にしなくてはならない。1889年~1938年の労働生産性上昇率は、年率2.53%であり、1956年~1970年では年率8.62%である。1996年~2000年には年率0.7%であり、2007年~2009年は年率-2.2%となっている。

⇒経済成長を前提にする事は非現実的である。

一方で、日本の労働生産性は低い。OECD加盟国中で22/33位であり、2009年基準では製造業の生産性が米国の71%、飲食宿泊業38%、ビジネスサービス業50%となっている。産業全体の生産性を米国と同等にすれば、GDPは1.5倍になる。

日本の失業率は景気動向の対して変動幅が小さい事が特徴であり、雇用安定を生産性よりも重視する風土がある。

◎高齢化問題
2042年までに、日本の高齢者人口(65歳以上)は、3646万人(37.3%)に達すると予想される。2005年から1000万人以上の増加であり、その後は安定して高齢者の割合が40%程度となる社会が2100年頃も継続する事になる?

2007年時点での日本の65歳以上の労働力率は男性29.7%、女性13.0%であり、世界的に見て高い。他に女性の労働参加を促すようにする事が高齢化問題に対処する方策ではないか?

第3章 人口4000万人の都市と地方
歴史的には、人口が増加する時代は特定地域に人々が集中し、人口が停滞する時代は集中度が低下しているが、今回は東京圏や名古屋圏への人口集中度が高まると予想される。

国土審議会が推計した2050年までのデータでは、2005年~2050年に人口が増加する区画は2%程度となっている。2050年までに人口が現在の半分以下になる区画は66%である。無居住化地点は全国で22%発生する。

経済学者 松谷明彦氏は異なる見解を示す。大都市圏は高齢化比率が高く、地方の高齢化比率が低くなるのであれば、社会保障負担増加を嫌い、地方移住する人間が増えるのではないか。

都市の集約化を考える方向で政府政策は進んでいる(2008年の国土形成計画)?

第4章 人口4000万人の人間関係
家族(1世帯に暮らす人数)の減少が進行している。国勢調査では、1920年~1950年の一般世帯の規模は5人程度。これは江戸時代からの標準的規模であると考えられる。2010年時点の一般世帯の規模は2.46人である。

経済学者 速水融氏の意見。
日本の世帯構造には、以下の3分類があるとする。
①東北日本型
②中央日本型
③西南日本型

東日本では高齢者が一人暮らしする割合が低く、西南日本では多い傾向があるらしい。西南日本では地縁が優先され、東日本では血縁が優先される?

2005年時点では、老人ホーム等で暮らす高齢者数は138万人であり、1960年の20倍以上。2006年の国民生活基礎調査では、子供と同居する高齢者の割合は約44%である。

2005年の単独世帯数は1446万世帯であるが、2030年には1824万世帯(総世帯の37%)になると予想される。

また、現代は熟年離婚が増加している。1970年頃まで、離婚の過半数は同居5年未満の夫婦だった。1960年~2005年に年間離婚件数は3.8倍に増加したが、同居期間15年~19年の夫婦の離婚件数は6.5倍、同居期間20年以上の夫婦の離婚件数は13.3倍になっている。

⇒江戸時代から明治時代に至る変化の話が面白かった。19世紀末の普通離婚率は0.3前後、1960年代の普通離婚率は0.1以下、1999年には0.2程度である。明治時代の離婚数の方が現代よりも高い。江戸時代も想像以上に離婚が多かったとされ、家制度の確立が規範を変化させた可能性がある。

第5章 外国人5000万人の未来
労働力不足を移民で補う考え方。

国連は、2000年に先進諸国が労働力不足を補うための補充移民数を発表している。日本では、2050年まで人口を維持する1714万人の移民が必要であり、2000年~2050年に年間34万人の移民が増える事になる。生産年齢人口を維持するためには、年間65万人増える必要がある。

2009年時点での外国人労働者数は約56万人(不法残留者を含めると20万人程度増加?)。労働者の家族等をふくめても、219万人程度となる。

生産年齢人口を維持する場合、2050年には移民の割合が30.5%になる事になる。

既に外国人の活用は進展しており、価値観は大幅に変化するとしている。

第6章 人口100億人の未来
2010年の世界人口は約69億人。1975年から約28億人増加している。21世紀中に人口増加のペースは緩和し、少産少死の傾向が世界的に強まると予想される。

しかし、人口増加が停止するまでには時間がかかり、2008年の国連推計では、2050年の世界人口は91.5億人と予想している。2000年~2050年の人口増加の98%は発展途上国地域で発生するとされている。

2005年の日本の一人あたり国内総生産は3万5000ドルであり、アジアの平均水準(日本含む)は2800ドル程度である。2050年にアジア全体の生活水準が2005年の日本並みになるとすると人口が34%増加する場合、GDPは約17倍になる。

同じ計算を世界人口100億人で推計すると、GDPの拡大規模は8倍になる。

国連が2004年に発表した超長期推計では、欧州、アジア、ラテンアメリカの人口は2050年前後にピークを迎え、世界人口は2100年頃の91億人でピークを迎える。その後、2300年まで世界人口は停滞を続けるとしている。世界人口は2050年以後、停滞局面に入るらしい。

新しい価値観は世界的に望まれている。

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滅亡へのカウントダウン

読んだ本の感想。

アラン・ワイズマン著。2013年12月20日 初版発行。





良くも悪くも思想的に偏りのある本だと思った。本に書かれている内容が正しいかどうかは検証する必要があるかもしれない。自然界の多様性を守るために、人間社会の思想を人口抑制という方向に縛る必要がある?

生物学的な多様性を守るために、思想上の多様性を犠牲にしなくてはならないかもしれない。他に解決策が無いなら、新しい考え方が広まる事になると思う。

第一部
第一章 疲弊した土地が提起する四つの疑問
      ―イスラエルとパレスチナ

イスラエルとパレスチナで沢山の子供が生まれている話。ハレディー(超正統派のユダヤ教徒)は、平均して7人弱の子供を擁する。イスラエルのハレディーの人口は17年で倍増している。一方でパレスチナのアラブ人人口は、2016年までにイスラエルのユダヤ人人口を上回る可能性がある。このままでは、この地域の人口は2050年頃に2100万人に達する可能性がある。第一次世界大戦直後の英国の判断では、250万人程度が許容可能な人口量としている?

第一の疑問:
この聖地には何人が住めるのか?或いは、地球には何人が住めるのか?

第二の疑問:
人口を減らす事を世界中の人々に納得させる非暴力的な方法は存在するか?自分自身のコピーを作る事を制限する思想は不自然であるかもしれない。

第三の疑問:
人間の生活を維持するために必要な生態系の規模、生態学的過程は何か?

第四の疑問:
人口の減少を前提とした経済 = 成長に依存せずに繁栄する経済を如何にして設計するか?

第二章 はち切れそうな世界―さまざまな限界
地球温暖化等の問題。1分で2倍に増殖するバクテリアが存在すると仮定する。11時に1匹のバクテリアを瓶の中に入れ、12時に瓶が満杯になっているとする。瓶の半分までバクテリアが増えるのは11時59分である。

1815年に人類数が10億人程度に達するまで20万年が必要だった。1900年の地球の人口は約16億人である。21世紀の半ばには90億人~100億人になると予想される。2013年?では、凍結されていない地表の約40%が食料生産に使用されている。全ての人間が菜食主義者になれば、食料生産に必要な土地は1/4になる(1㎏の牛肉を生産する場合、1㎏の小麦を生産する場合の10倍の水が使用される)。

新しい技術の誕生を待ち望むより、既に存在している消費者数を抑制する技術を活用するべきではないか。

第三章 人員総数と食料のパラドックス―エーリックとボーローグ
技術進歩によって人口が増えた話。

ルイ・パルツール:
・狂犬病や炭疽病のワクチン
・低温殺菌法
・病原菌の知識の普及
⇒塩素溶液で手洗いする事で分娩時の死亡率が1/10になった。

ユストゥス・フォン・リービヒ:
・調整粉乳の開発
・窒素が植物に必須の栄養素である発見

ハーバー・ボッシュ法:
1913年に、フリッツ・ハーバーとカール・ボッシュが発見。空気中の窒素を固定する肥料合成方法。

ノーマン・ボーローグ:
国際小麦・玉蜀黍改良センター(CIMMYT)の所長。病気に強く収穫の多い矮性小麦を開発した事でノーベル平和賞を授与される。小麦の収穫量は6倍になった。

ポール・エリック:
スタンフォード大学の生態学者。1968年に『人口爆発』を出版。人口問題を提起。

⇒ノーマン・ボーローグは、緑の革命(食料の増産)を達成したが、人口問題に関わる機関の役員としても活動した。小麦の増産率は、2010年頃には年間1%以下であり、人口増加率を下回っている。2020年までに年率1.6%で小麦の収穫量を増やさなければ人口の増加に追い付かない。不耕起栽培や小麦や稲のC4植物化等は対策になるか?

第四章 地球にとっての適正数
以下の方程式。

影響 = 人口 × 豊かさ × 技術

人口を制限する試みは、優生学との関連や宗教上の問題等もあり強く推奨出来ない?

1993年の地球の人口は約55億人。その当時は年間13テラワットのエネルギーが消費されていた。人口増加のペースが維持された場合、21世紀中に人口は140億人になりエネルギー消費量は8倍になる。

既に限界を迎えていると仮定すると、使用可能なエネルギー量は13テラワットよりも少ない。新技術の採用を仮定して、毎年6ワットのエネルギーが使用可能とすると、世界で生きられる人口の総量は20億人 = 1930年の地球の人口である。

第二部
第五章 島の世界―イギリス
英国において移民が増加した結果、イギリス国民党(BNP)という右翼政党が躍進した話?2013年時点の英国人口は約6300万人だが、2030年には約7000万人になる予測があり、増加分の2/3は移民である。

イスラム教徒の増加は過大評価されており、2011年時点では欧州人口の5%(約2000万人)がイスラム教徒だが、2025年までに8%まで増加するとされている。

国家予測局の統計では、英国の乳幼児の1/3が100歳を超える長寿となり、2035年には100歳以上の英国人口は8倍になる。2050年までには英国は西欧最大の人口を擁する国になる。

1993年世界適正人口会議を主催した適正人口トラスト(OPT)の主張では、英国の適正人口は1700万人~2700万人である。

第六章 教皇庁―ヴァチカンとイタリア
宗教的見解が人口抑制の障害となっている話?

19世紀に、教皇領が奪われ、教皇の権威低下が懸念される事態があった。1870年に、開催された第一ヴァチカン会議では、教皇は不可謬であるとされ、ローマ教皇の言葉は神の啓示とされた。

その結果、新教皇は前任者達の言葉に縛られる事となり、避妊、同性婚、女性の権利等に硬直した見解を示す事になる。

第七章 人間に包囲されたゴリラ―ウガンダ
人口増加によって野生動物が圧迫されている話。

2013年時点?でウガンダ人の1/3が、ウガンダ南西部の1/4の範囲であるブウィンディ周辺で暮らしている。住民の半分以上は15歳未満である。

この地域では、避妊が思想や経済上の理由から受容され難い。ウガンダのムセヴェニ大統領は、人口増加による国力増強を目論んでいる。

第八章 人間の長城―中国
2013年に習近平国家主席は、一人っ子政策の緩和の意向を示したが、法律上の例外規定により、現在でも35%の家庭では2人以上の出産が許容されている。

2013年時点の中国には、100万人以上の人口を擁する都市が150以上あるが、2025年には220になる見通し。2030年には国民の3/4が都市住民になると予想される。その頃には、人口は15億人弱となり、2100年までに10億人以下となる予想がある。

元来、共産主義では人口抑制は逸脱であった。人口は生産を増大させる労働資源と見る。しかし、大躍進政策の失敗後の1953年に中国の人口が6億人近いという調査結果が発表されると、人口抑制政策が採用される事になる。

東洋的思想と西洋的思想の対立?人口科学は自然科学と社会科学の交差点という見方。人間とは何か?人間は自然を支配する法則を超越出来るか?或いは、人間は自然の一部であり限界に服するのか?

1979年に四川省で開催された「人口理論に関する国内シンポジウム」にて、中国の最適人口は6億5000万人~7億人という調査結果が発表された。当時の中国の人口は9億人以上である。数学的計算によって、数十年に渡って一組の夫婦の子供を一人にしようという提案がなされる。

シンポジウムに参加していた鄧小平は、1980年に一人っ子政策を公認する。

第三部
第九章 海―フィリピン
以下は、フィリピンに関する記事へのリンク。

http://nonono7.blog12.fc2.com/blog-entry-1021.html

フィリピンの主要産業の一つが海外就労であるのは、人口増加率が高いからなのか(フィリピン国民の10%は常時海外で就労している)?人口が増加する理由はキリスト教的な思想がある?

1946年にフィリピン共和国が独立した時の人口は約1800万人である。2013年時点では約1億人となっている。フィリピンはアジア随一のカトリック国であり、コンドームの配布や避妊合法化が許容され難い。

カトリック教会が、家族計画情報の普及、貧困層への避妊用品の無料配布、中学生への性教育義務化を妨害し、2012年の「性と生殖に関する健康法案」の採決が困難だった話等。

第十章 底―ニジェール
女性一人が平均7人~8人を出産するニジェールの話。地球上で最高の出生率。ニジェールの人口は2013年時点で1660万人程度であり、食料危機が発生しているとしている。

イスラム教の思想が出産抑制を妨げている?

第一一章 崩れゆく世界―パキスタン
人口の増加が深刻な問題を引き起こす話。パキスタンでは政府の統制力が弱いため、人口問題に対処出来ない?

2013年時点のパキスタンの人口は1億8500万人程度であり、21世紀半ばには3億9500万人に達するという予測がある。パキスタンの失業率は二桁台で、子供の1/3は慢性的な栄養失調である。

女性の教育水準を上げる事が、人口抑制に繋がるとしている。

第一二章 アヤトラは与え、奪う―イラン
人口抑制に成功したイランの話。

1956年のイランの人口は約1890万人。平均出生率は7.7人。1979年当時のイランの人口は約3700万人であり、イラクとの戦争により、全ての女性は「ニ000万人のイラン軍」創設に協力すべしとされ、女性の法的結婚可能年齢が18歳から13歳に変更され、1986年のイラン人口は約5000万人になった。

1988年にイラクとの停戦が成立すると、人口過剰が深刻な問題を引き起こすとされ、国家的家族計画プログラムが遂行される事になる。

避妊手段の無料配布。宗教的指導者による独自のファトワー(精管切除術や卵管結紮術の許可)。etc。

女性の教育も普及し、1975年時点でのイラン女性の識字率は1/3程度だったが、2012年時点での26歳以下のイラン女性の識字率は約96%である。女性の社会進出が盛んになり、花嫁の平均年齢は22歳になった。

2000年にはイランの合計特殊出生率は2.1人になり(中国より1年早い)、2012年には1.7人になった。

イランは、2032年には人口が減少する高齢化社会に直面するとされ、政府はイランの人口を1億5000万人~2億人に増やす新目標を提案している。

第四部
第一三章 縮小と繁栄―日本
人口が減少しつつある日本。

介護支援ロボット Riba-Ⅱ。国立政策研究大学院大学 松谷明彦教授の人口減少を許容する経済理論。田舎に回帰する人々。自然資本の有効活用等。

第一四章 明日―ネパールとインド
人口増加の副作用等。

1968年に、インドで緑の革命による新品種の小麦が収穫された。1ヘクタールあたりの収穫量は米1トン、小麦1.2トンだったのが、米4トン、小麦4.5トンになった。新品種には大量の水が必要とされ、水不足が発生するようになっている。

物質主義が人間を不幸にするという思想。インドのムンバイは、インドの税収の40%を生み出し、多くの雇用を作り出す。

20世紀の貧困層は農民だったが、21世紀の貧困層は都市居住者となっている。貧困層が大量のエネルギーを消費し、都市の拡大が環境上の問題を発生させている。

第一五章 安全なセックス―タイ
タイで行われた人口抑制プログラムの話。

多産を恥だと思わせるより、避妊手段を選択可能にする事が効果的であったとしている。タイの出生率は、1975年の7.5人から、2000年代には1.5人にまで低下している。

この章でも、女性への教育が重視されていると感じた。

第五部
第一六章 地球という公園―バランスを保つために
人間の介入は許容されるのか?

米国アリゾナ州カイバブ高原ミュールジカの話:
1906年にグランドキャニオン国立鳥獣保護区が設立された。4000頭の鹿が生息しているとされ、鹿を捕食する肉食動物は駆除された。

その結果、1922年までに5万頭~10万頭の鹿が大量発生する事になる。

現在では、捕食動物の導入と管理された狩猟によって鹿の数は制御されている。特定動物の好む植物を植える、餌を与える、人口的施肥、特定植物の排除等、自然公園は人間によって管理されている。

現在の自然界は、グローバル化によって伝染病が容易く拡散するようになった結果、古来とは異なる。自然の未来は、人間が圧倒的に優位に立つ事によって計画出来るが、人間自身を管理する事は出来ない?

水不足が懸念されている。2025年までに約30億人が水に不自由するとしている。

第一七章 人類が減った世界―われわれの行方
グットマッカー研究所と国連人口基金の調査では、2012年時点で、発展途上国の女性(性交渉はあるが、二年間は妊娠しないようにしている)の75%が避妊の手段を利用している。

それにより、年間2億1800万件の予定外の妊娠が予防され、1億3800万件の中絶、2500万件の流産、11万8000人の母親の死亡が回避されたとしている。

ミネソタ大学環境研究所 ジョナサン・フォーリーの研究。地球と大気に高等数学を応用。世界中の情報を網羅し、食料生産に活用する。InVESTという無料プログラムにより、食料生産を効率化する。

人間の存在が蓄積された結果、様々な問題が発ししている。

①気候変動
大気中の二酸化炭素濃度が350ppmを上回ると問題が発生するとされるが、2009年当時の二酸化炭素濃度は387ppmである。
②窒素
ハーバー・ボッシュ法によって大気から搾り取られる窒素の限界は年間3500万トンと算出しているが、2013年?時点では年間1億2100万トンである。年間1100万トンのリンが海への流出の限界量とされるが、既に850万トン~950万トンのリン酸塩が世界中の大河に酸欠域を作っている。
③生物多様性の喪失
産業革命以前、1年に絶滅する種は100万種につき0.1~1種だった。許容可能限界量は10種としている。現状は100万種につき少なくとも100種が絶滅している。

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生命エネルギーが減っていく

何というか凄く疲れている。

最近、特に高校生の時の事を思い出すようになっている。現在は、facebook等が普及しているので、昔の知り合いを探す事が簡単に出来るかもしれない。

そういう何でもない知り合いが日常生活の中に介入してくると、どうして良いのか分からなくなると思う。

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職場の派閥やら色々

誰かからの評価が下がると、他の誰かからの評価が上がる。

僕の仕事は誰にでも出来る種類のものであり、根気強くやっていれば一定の成果が出せるところがある。僕の存在が明らかなマイナスとはならない事と、僕以上に目立つ人間がいる事が悪意を緩和しているのかもしれない。この状態がどのくらい継続するかは分からない。

仲が悪い人とは話したくないので、僕を伝言係に使う人。
ある人間がいなくなると、話しかけてくる人。
無自覚な無視、侮蔑。

面倒臭いと思う。労働者は簡単に解雇出来ない。だから余っている人間にも仕事を与えなくてはならない。

勤労の美徳という概念を崩せば、世の中は随分と暮らし易くなると思う。必要の無い仕事が多過ぎる。

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圧倒的な価値を創る技術

読んだ本の感想。

苫米地英人著。第一刷 2012年4月30日。



読んだ印象として、著者のプロフィール欄が煩い。もう少し整理した方が良いと思った。

それから、「金融日記」の以下の記事を思い出した。早い段階で社会経験を蓄積する選択肢もある。

以下は、「灘や開成に行く子供こそ中卒で働いたほうがいい その1」へのリンク。

http://blog.livedoor.jp/kazu_fujisawa/archives/52016451.html

以下は、「灘や開成に行く子供こそ中卒で働いたほうがいい その2」へのリンク。

http://blog.livedoor.jp/kazu_fujisawa/archives/52016492.html

以下は、「灘や開成に行く子供こそ中卒で働いたほうがいい その3」へのリンク。

http://blog.livedoor.jp/kazu_fujisawa/archives/52016514.html

以下は、「灘や開成に行く子供こそ中卒で働いたほうがいい その4」へのリンク。

http://blog.livedoor.jp/kazu_fujisawa/archives/52016519.html

第一章 四十歳までは就職するな!
著者の就職観について。大学院で博士課程に進み、知的能力を身に付けるトレーニングをするべきとしている?現代は時代の変化が速く、有望な会社に就職するのでなく、自分で新しい仕事を創り出すべき。

博士課程修了を目指すなら、10年は必要。現在の年齢が30歳なら40歳になる事になる。

第二章 ゲシュタルトメーカーになろう!
ゲシュタルト能力:
新たな価値を生み出す能力。特定の学問分野を修める事は、ゲシュタルト能力の基本的訓練を受けた事を意味する。ばらばらの知識を整理して一つの整合的な体系を創り出す。

低い抽象度でばらばらのものが、抽象度が上がる事によって一つの整合的なものになる。細胞が集まると筋肉等の組織になり、組織が集まると心臓等の器官になる。抽象度が上がるたびに新しいゲシュタルト(全体)が生まれる。

【日本社会の構造的問題】
以下は、「Global Rich List」へのリンク。年収を打ち込むと、世界の年収ランキングでの位置付けを知る事が出来る。

http://www.globalrichlist.com/

日本人としては低所得であっても世界的水準であれば高収入である事が分かる。額面の年収の割に豊かさを実感出来ないのは、日本での生活に余計な費用が乗っかっているからである。

その最たるものが、不必要な人件費。会社組織には、業務遂行部門を補佐するスタッフ部門がある。日本には、直接価値を生み出す業務思考部門よりも、スタッフ部門が人数配分が多い傾向がある。

生産性に貢献しない部門が肥大化した結果、消費者に皺寄せが行く。

【大学院への進学について】
以下は、「社会人のための大学・大学院検索サイト | 大学&大学院.net」へのリンク。

http://www.keikotomanabu.net/college/

以下の段階で考える。

第一段階:
インターネットで指導を受ける教授を物色する。自分の興味がある学問分野を探す。学術論文を読んでいけば、優れた論文に出会うかもしれない。

第二段階:
ある程度、指導を受ける学者をリストアップしたら、聴講のお願いをする。学籍の無い人間でも大学の講義を受けられる制度。直接手紙でお願いすれば、大抵は許可されるはず。聴講で時間、金銭を投資する価値があるか見極める。聴講期間は半年~1年程度。

第三段階:
大学を受験する。上手くすれば学士入学で三年に編入出来るかもしれない。4月入学を考えると、前年の8月に情報収集と研究計画書の作成、9月に筆記試験対策、10月に提出書類の準備、12月に面接対策、12月~3月に本番の入試となる。

第三章 世界一有利な環境を活用せよ!
日本経済が安泰であるという話。この本が出版された時は、円高だった。陰謀論が胡散臭い。

第四章 不安依存はもうやめよう!
不安とは、将来の恐怖の予期である。物理的制約の無い情報空間 = 空想世界であれば無限の楽しみがあるとしている?楽しい事をしていれば自信を持てるし、生きていく方法も自然に見つかる?

第五章 競争を超越せよ!
食料が十分に生産出来る時代であれば、競争でなく協調によって社会が成立するとしている?コラムに書いてある社会人を経験した後に大学院に進学した人達の話が面白い。

以下は、「安達元一公式サイト アイデアWorks」へのリンク。

http://www.adachimotoichi.com/

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弱者の肩書

仕事で失敗をする。

やっている事のパターンは、今までと同じなんだけれど、周囲の反応が若干違う気がする。

障害者であるという事で、より強く言わなければならないと思う人がいる。一方で、障害者であるからフォローしなくてはならないと思う人がいる。

障害者認定を受けているという属性が僕に付与されていて、それが周囲の人間の思考を縛る。

*************

それと、精神的に弱くなっていると思う。昨日は、学生時代の自分を追体験したけれど、もう昔みたいな事は出来ないと思う。

当分は会社員を継続する。かなり前に決めた事だ。会社以外の活動を増やす必要がある。

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サンタクロースになれない日

冷静になると、自分は何をやっていたんだろうと思う一日だったかもしれない。

人知れずサプライズをした方が良い。誰とも会わないまま、綺麗に立ち去りたかった。

「あなた達、何をしに来たんですか?」と言われなくて良かった。冷静になると少し恥ずかしい。

これからも、恥かしい経験を積み重ねていくのだと思う。

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90歳まで生きると考える

自分が90歳まで生きると考えてみる。

45歳まで生きた時点で折り返し地点に立った事になる。それまでは、本を読んだりしてのんびり過したいような気がする。一方では、自分が確実に老いていく事を感じているので寂しい老後を過ごさずにすむように長く続く人間関係を構築したい気がする。

趣味で学習する事柄には2種類があると思う。

一つ目は自分の内面を探求する試み。心理、宗教、歴史、社会、etcと自分自身を規定する事柄について調べる。自分は自分という単身では成立しない。家族があり、歴史があり、仕事がある。僕は自分の親や兄弟、親族によって規定されているし、会社員であるという事でも規定されている。

自分を規定している様々なルールは言語化出来ないかもしれないが、何が自分を成り立たせているかを知る試みは面白いと思う。

二つ目は外部に何かを構築する試み。工芸品、絵、文章、詩、etc。どちらかというと理系的な作業だと思う。人間と会話できるロボットが開発されるらしいけど、そうした物体を作り出したいと思う。

それは自分を規定する何かを作り出す行為だ。言語か物体かは分からないが、何かが生み出される。

要するに暇な時間をどうやって過すかという問題だ。体力も衰えるだろうし頭も呆ける。性格も悪くなるだろうし醜くなる。そうした状態で何十年も生きていく。

長く継続出来る趣味を持っている人は幸福だと思う。

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学ぶとは如何なる事か?

以下のコメントを読んで考えた事。

http://nonono7.blog12.fc2.com/blog-entry-1136.html#comment266

学習能力が高いという事は、強味でもあるし弱味でもあるのだと思う。大量の情報や未知の事象に対処するためには、経験に基づいてパターンを構築し、周囲が自分の期待通りに動くようにする必要がある。

周囲の人間も自分と近いパターンを構築していれば、意思疎通は円滑化する。

自分達のパターン通りに動かない人間は、処理コストの観点から排斥される事になる。

問題は、対処するにあたり経験から来るパターンを無自覚に適応してしまう事だと思う。しかも、自らを規定するパターンを認知していない事が多過ぎる。

心臓病を患っている人間が身近にいる場合、自分が心臓病について知らない前提で思考・行動出来る。しかし、発達障害の場合、自らの経験に基づいて知っているという思い込みで対処してしまう?

学習能力が高い場合、自らが誤っている可能性を考慮出来ず、他の可能性を考える事が出来ないかもしれない。

以下は、「「超」入門 失敗の本質」へのリンク。

http://nonono7.blog12.fc2.com/blog-entry-1540.html

経験的学習に頼る日本軍と、創造的破壊を行う米軍との違いについて。体験的学習に依存する練磨ではなく、戦場を支配するルールを発見し、既存のルールを超える解決策を見つける。

零戦が優秀な戦闘機である事を認めた場合、何故、優秀な戦闘機であるかを考える。零戦の強味を操縦士の技量に由来する空戦性能にあると見極めると、技量の低い操縦士でも戦える戦闘機の開発と運用体制を指向するようになる。

達人を必要としないシステムが望まれる。

****************

近未来において、機械学習が社会システムを変える可能性がある。

以下は、Webサイトの記事から。

従来の計算機械は、人間が思考様式を決定する必要があったが、情報を入力するだけで適切な行動を選択する機械が普及する可能性。

電気通信大学の保木邦仁特任助教が開発した将棋プログラム「Bonanza」は2006年の世界コンピュータ将棋選手権で優勝した。
「Bonanza」が採用した機械学習方式は、複数のプロ棋士の大局観を数式化した。一方、人間がプログラムする従来のモデルは、作り手となるプログラマー個人の大局観をモデル化したものに過ぎない。
機械学習を採用する事で、モデルの構成要素である「特徴」を、人間が調整可能な1000個程度から、数千万個にまで増加可能になり、モデルの精度がさらに高まる。

記憶装置の進歩やインターネット等による多様な情報の氾濫は機械学習の精度を向上させている。

ディープラーニング(深層学習):
画像等の特徴をコンピュータがデータの中から自ら抽出し、認識する手法。人間ではなくコンピュータが特徴を設定する事で、画像認識や音声認識に使うアルゴリズムの精度が向上する。

人間がコンピュータにデータの意味やパターンを教えていた時代は、単純な作業しか機械化不可能だった。コンピュータが人間に頼らずにモデルを構築する事で「勘」や「直感」を機械的なアルゴリズムで代替出来るかもしれない。

<BakeryScan>
ベーカリー「神戸ベル 西新中央店」で導入されている160種類のパンを識別出来るレジ装置。パン1個につき10枚の写真を読み込ませる事でパンの種類毎の画像モデルを生成する。画像識別のルールを人間が決める方式では、新商品が販売される度に新しいルールを策定しなくてはならないが、機械学習ならば店側だけで対応可能。

<学習型超解像技術>
NECが開発した画像解析技術。低解像度の画像を高解像度に変換する。事前に読み込ませた高解像度の画像と低解像度の画像のペアを参照する事で画像変換を実現する。

<Lit i View Xaminer>
電子メールやOffice文書の中から、不正の証拠を発見するソフトウェア。1時間当たり33万件の文書を分類して不正の証拠を見つけ出す。これは弁護士4000人分の作業量に相当するらしい。護士が通常の文書と不正の証拠となりそうな重要文書とを分類した結果を、機械学習している。90%の精度で不正な証拠を自動分類可能で、弁護士による作業の精度を上回るらしい。

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以下は、機械学習の最新事例?

①未来予測
収集したデータの中に複数の規則性が存在する場合に、各規則性に適したモデルを生成する「異種混合学習」という手法がある。
例えば、ビルの電力消費に関する時系列のデータを収集して、電力消費を予測するモデルを作る。ビルの電力消費は、曜日や時間帯毎にパターンが変化する。

【従来のモデル】
どのようなタイミングでパターンが切り替わるか、人間が専門知識を動員して場合分けを行い、それぞれの場合に適したモデルを作る。

【異種混合学習】
パターンの切り替わり自体を機械学習によって見つけ出し、パターンごとにモデルを生成する。新たにデータが発生した際には、生成したモデルとの適合を確認し、モデルが適合しなかった場合はパターンの切り替わりの判定からやり直す。「パターンの場合分け」と「モデルの作成」を機械が繰り返す事で、パターン毎の最適モデルを作る。

NECの検証によれば、異種混合学習をビルの電力需要予測に適用する事で、専門家による方法に比べて予測精度が2.1ポイント改善し、98.3%の精度で需要を予測出来るらしい。

②異常検知
東京大学工学部の山西健司教授の研究。社員同士による電子メールの送受信パターンの変化から、社内の不正を検出する。人間同士が繋がるパターンから組織内の変化を把握する、「潜在的ダイナミクス検知」異常検知手法。

人間同士の繋がりは、「グラフ構造」としてモデル化可能。「潜在的ダイナミクス検知」は、グラフ構造の変化から、組織内で起きている変化を検知しようというものだ。グラフ構造を持つ組織であれば、会社組織以外にも適用可能。病院の患者間のグラフ構造の変化から伝染病の流行を検出する等。

また、「振る舞い検出型」のセキュリティツールの開発への応用について。コンピュータ上でのソフトウエアの行動(振る舞い)を基に、マルウエア(悪意のあるソフトウエア)かどうかを検出する。セキュリティソフトを開発するFFRIでは、マルウエアのサンプルを2000件以上収集し、マルウエアのOS上での「異常な振る舞い」をモデル化している。未知のソフトの振る舞いをチェックし、マルウエアかどうかを判別可能にする。

③ディープラーニング
グーグルが2012年に発表した研究。YouTubeの動画の中から無作為に1000万枚の画像を取り出し、ニューラルネットワーク「Google Brain」に3日間連続して読み込ませる。その結果、「Google Brain」大量の画像データの中から、共通する輪郭の構成要素(スパース)を見つけ出した。このスパースを特徴とする画像モデルを使って、改めて1000万枚の画像を分類する。人間が分類上の特徴を定義しなくとも、自動的に分類概念を構築可能であると証明された。グーグルの実験では、2万種類の物体を認識した。物体を正しく認識する精度は、従来の手法に比べて約7割向上したらしい。

[新型コンピュータ]
現在のコンピュータよりも低消費電力で最適化計算可能なコンピュータの必要性について。
グーグルによる画像認識処理では、YouTubeから得た画像1000万枚を分析・分類するのに1000台のサーバーを3日間稼働させ続けた。
グーグルは2013年5月、機械学習における最適化計算に、カナダのD-Waveシステムズが開発する量子コンピュータ「D-Wave Two」を採用すると発表した。D-Wave Twoの演算回路は超伝導回路を使用しているため、計算にはほとんど電力を消費しない。超伝導現象が発生するよう、回路を絶対零度に近い温度に冷やす電力だけがあれば良い。

IBMも2008年から新しいコンピュータ「SyNAPSEチップ」の開発を進めている。人間の脳の神経細胞をシリコン上に模した事が特徴である。人間の脳はニューロンという回路(神経細胞)が、シナプスという伝達素子を通じて結びついた、巨大な並列計算機だ。脳内での並列計算の仕組みをシリコン上に実現するのがSyNAPSEチップである。

人間の脳は、10ヘルツという低周波数で動作し、1平方センチメートル当たり10ミリワットの電力しか消費しない。それでいて、1万倍もの電力を消費する動作周波数5GHzのプロセッサーよりも高速な最適化計算が可能。

************

以下は、機械学習の弱点?

①学習していない事象に対応出来ない
イレギュラーな事象を学習させると認識精度が低下する。
②合意関係認識
表現が異なる二つの文章の意味が同じかどうかを判断する事が苦手。意味の推論や文章の要約等の際に必要となる
局面に対応出来ないかもしれない。
③データが無いと学習出来ない
データ自体が間違っている可能性がある。

人間に頼らずにデータを学び、アルゴリズムを作り出すコンピュータが普及すると、データを分析して特徴や傾向を見つけ出したり、アルゴリズムを開発したりするデータサイエンティストやプログラマーの需要が低下するかもしれない。

前例としては、1990年代後半に、「言語学者を解雇する度に音声認識器の性能が向上する」(IBMの音声認識研究者であるフレデリック・イェリネク氏)という事態が到来した。言語学者が考えたモデルよりも、コンピュータが作ったモデルを使う方が、音声認識の精度が高まったためである。

例えば流通業で「店舗業務に精通した社員の代わりに機械学習を導入する度に、売り上げ予測の精度が向上する」事態が発生する可能性がある。

こうした状況は新たな機会を作り出す。機械学習を導入すれば新ビジネスや異業種参入が容易になる。機械学習の「弱点」を補う形で、新たな職種が誕生するかもしれない。

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学ぶとは如何なる事かを定義する必要があると思う。

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30代の過し方

30代としての生活の仕方を考えている。

若くはないけれど、感覚的には年老いた気はしない。

結婚したりするなら今が最後の機会なのだと思う。

社会基盤の構築のために会社員をしている。一定額の金銭を持っているので、それを使用して何かがやりたい。

資格を取得したり、会社での仕事の幅を広げるような、外部評価を高めるような学習はもう出来ないと思う。自分なりに愉しい事を探したい。

40代以降に、暇潰しの材料になるような何かが必要だと思っている。死ぬ事には苦痛が伴うのだろうけど、生きていく事にも苦痛が伴う。

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天孫降臨の夢

読んだ本の感想。

大山誠一著。2009(平成21)年11月30日 第1刷発行。



古代日本が氏族制社会から律令制国家に変化するに連れて、聖徳太子や万世一系の神話等が作り出されたという話。後半辺りから著者の主観が目立つようになる。日本書紀は信用出来ないとしつつ、日本書紀が絶対的真実であるという仮定に基づいて思考してしまう。客観的になる事は不可能なのだと感じた。

第Ⅰ部 『日本書紀』の構想
第1章<聖徳太子>の誕生

一 聖徳太子関係資料の再検討
聖徳太子は実在しないという説を資料の側面から考察する。

・日本書紀の憲法十七条に対する指摘。
①憲法十七条には「国司」という単語が使用されるが、中央から派遣
 される官人は645年の大化改新以前はあり得ない。
 古代史研究では、701年の大宝律令以後の単語である。
②憲法全体が、中国的な君・臣・民の三階級に基づく
 中央集権的官僚性の理念で書かれている。
 氏族制社会であった600年頃に相応しくない。
③中国古典から多くの語を引用する文章は、
 日本書紀等の文章と似ている。

⇒聖徳太子が亡くなったのは621年とされるが、憲法十七条は600年頃の日本に合わない。日本書紀が成立した720年頃に創作されたと考えた方が自然である。

以下は、法隆寺に伝わる史料に関する指摘。

①薬師像光背
薬師像の光背の銘文には次のような言葉が記述されている。用明天皇が病気になったため、586年に推古天皇と聖徳太子を召し、薬師像造立を誓願し、そのまま用明天皇は亡くなるが、607年に薬師像は完成する。

 疑問1:
  文中に天皇号が使用されている。
  天皇号は674年の唐において君主の称号が「天皇」に代わり、
  その情報が日本に伝わり、689年の飛鳥浄御原令において
  正式採用された事になっている。
  607年に天皇号が使用されると時系列が矛盾する。
 疑問2:
  文中に東宮(皇太子)という単語が使用されている。
  日本で最初に皇太子となったのは持統天皇の孫の軽皇子で、
  697年の事である。

⇒薬師像光背の銘文は、飛鳥浄御原令が編纂された689年頃から『法隆寺資財帳』に存在が確認される747年の間に成立したと予想される。

②金堂釈迦像光背の銘文
聖徳太子の病回復のために、釈迦像を作り始め、聖徳太子没後の623年に釈迦像が完成したという記述がある。
 
 疑問1:
  法興元という存在しない年号が使用されている。
  大化改新以前に日本で年号が使用された証拠は無い。
  他にも法皇という天皇号成立後の用語や文体の違い等。
 疑問2:
  日本書紀には、670年に法隆寺が焼失したという記録がある。
  調査の結果、法隆寺には千度を超える高温で焼失した
  痕跡がある。
  422㎏もある釈迦像が傷一つ無い状態である事から、
  再建後に作られた釈迦像と考えるべきである。

③天寿国繡帳の銘文
中宮寺に断片が伝わる天寿国繡帳の銘文には、欽明天皇から聖徳太子、妃の橘大女郎に至る系譜等が記されている。622年頃の制作とされるが、上記①、②と同様に天皇号や和風諡号(天皇の生前の功績によって、死後に贈られる称号)が使用されており、古事記や日本書紀以前には使用例が無い和風諡号が使用される事は時系列が矛盾するとしている。

④三経義疏
聖徳太子が記したとされる経文の注釈書。行信という人物が、聖徳太子の死後100年以上が経過してから法隆寺に寄進している。中国から出土した注釈書と同文である個所が多く、中国からの輸入品である事が確実視されている(京都大学 藤枝晃氏の研究)。

⇒聖徳太子が存在した証拠とされる史料は、後世の捏造である可能性が高い。

二 聖徳太子信仰という呪縛
日本書紀には、聖徳太子の詳細な伝記が記されているが、法隆寺に伝わる史料に関する記述が無い。日本書紀に描かれた聖徳太子像に合わせて、その後に法隆寺系史料が作成されたと考える。

以下は、日本書紀に記されている聖徳太子像の成立に関する意見。

・中国思想の聖人
日本書紀編纂の目的は、大王を中心とする有力氏族の祖先伝承を記す事により、国家を構成する氏族秩序を明らかにする事である。各氏族の頂点に君臨する王権の超越性を明確にする必要があり、日本の歴史には存在しなかった唯一絶対の権力者を皇族として創造する必要があったとしている。   

・法隆寺に伝わる史料
聖徳太子の亡くなった日は、日本書紀では621年2月5日とされる。法隆寺の釈迦像等では、622年2月22日に亡くなった事になっている。
2月22日は、聖霊会という法隆寺の重要な行事が行われる日である。聖霊会は、736年に疫病の流行や、藤原氏に滅ぼされた長屋王の鎮魂のため?に法華経購読が行われた事が始まりである。この頃に光明皇后等によって聖徳太子の遺品が集められている。

⇒聖徳太子は、8世紀前半に皇室や藤原氏の権力を確立するために中国的な徳を体現する人物として作り出されたのではないか?

三 疫病流行と王権の変容
735年から737年に流行した疫病が聖徳太子信仰成立と関係しているとしている。

藤原四卿が亡くなり、長屋王の遺児達が復権した。疫病流行に対抗するために、国分寺・国分尼寺が建立され、大仏が造立される。仏教の護国思想と天皇の神としての権威が融合する。

仏教や中国風の皇帝制度を取り入れるためにも聖徳太子が必要とされたのではないか?

仏教伝来と軋轢の到達点と律令制度の正当性確保。日本書紀によって正当化すべき大化改新を描くには、聖徳太子を作り出す必要があったのか。

第2章 『日本書紀』の虚構
一 仏教伝来記事の虚構
日本書紀においては、552年に仏教が伝来した事になっている。日本書紀に記述されている廃仏による仏罰は中国的な思想であり、中国唐代の仏教文献(広弘明集、集古今仏道論衡、続高僧伝、集神州三宝感通録、法苑珠林、etc)を参照・模倣している。

隋唐の末法思想の論理によって、崇仏と廃仏の間を揺れ動きながら、ト占と仏神の崇によって推古天皇、聖徳太子の三宝興隆に向かう。廃仏すれば疫病を流行させる仏教の権威を天皇制に取り込む狙いがあった?

現実の仏教伝来時期としては、588年が推定出来る。日本書紀の記述では、588年に百済から仏舎利、僧、寺工等が渡来し、596年に飛鳥寺が完成している。

日本書紀編纂の過程で、中国や新羅との対抗上、古代国家成立時期を早める必要があったため、552年伝来としたのではないか。

二 『隋書』の倭王は誰なのか
608年に隋の煬帝が、裴世清が国使として来日した記録がある。当時の天皇は推古女帝のはずだが、隋書には男王という記録がある。

隋書は、唐の大宗の時代の636年に作成されている。隋の滅亡が618年であり、隋について当事者への取材も可能であるため資料的評価は高い。また、日本の記録については唐を美化するための脚色とは無関係であるはず。

倭王、姓は阿毎、字は多利想比利孤としている。日本書紀には都合が悪いため、倭王を記述していない可能性。そして、日本書紀においては、610年の新羅・任那の使者の謁見は蘇我馬子が行っている。隋書において、隋の使者が最後に謁見した人間は倭王、日本書紀において新羅の使者が最後に謁見した相手が蘇我馬子。

隋書における倭王とは蘇我馬子ではないか。

第3章 実在した蘇我王朝
一 虚構の王権
日本書紀における聖徳太子の父 用明天皇の治績は皆無で、即位後一年で病没している。用明天皇も大王でなかった可能性。その次の崇峻天皇の治績も無い。

同時期に、蘇我馬子の権力を象徴する飛鳥寺が建設されている現実と、記録が噛み合わない。

二 蘇我王朝
当時の政治の中心地であった飛鳥に埋葬されたのは、蘇我稲目から入鹿に至る蘇我氏四代であり、蘇我氏でないのは欽明天皇くらいである。敏達天皇、用明天皇、推古天皇は河内に埋葬されている。

また、日本書紀においては、613年に難波から竹内峠を越え、横大路を東行して飛鳥に至る道が完成している。横大路と直行して奈良盆地を南北に貫く下ツ道の完成も同時期とされる。下ツ道の基点は、蘇我稲目の墓とされる見瀬丸山古墳である。

日本書紀では、蘇我氏の功績を矮小化して、天智天皇の正当性を記す必要があった。日本書紀編纂にあたっては、藤原不比等が一貫して実権を握っていた。679年に草壁皇子の舎人となり、文無天皇や元明女帝、元正女帝らを擁立する。

当時の王権の正当性を記すためにも、聖徳太子が蘇我氏の功績を代替する必要がある。推古女帝の存在は、元明・元正という中継ぎとしての女帝が存在したために、作り出されたと考える。

第4章 王権の諸問題
一 王権の成立と展開
著者は、王朝交替説を考えている。

①ヤマト王権
3世紀中頃に、三輪山の麓に纏向遺跡が出現する。箸墓古墳の築造等、王権が成立した証拠と考える。纏向の優位性は以下の通り?
 ・巨大な平野
  西日本全体では、中世の干拓以前の巨大平野は少ない。
  大和盆地、山背盆地、河内盆地等は大規模稲作を可能にする。
 ・東西交通の要所
  三輪山から初瀬川をつたい、伊勢湾に達する道がある。
  纏向は東西交通の要所となる。

巨大古墳の築造は、3世紀から4世紀の纏向周辺、4世紀後半の大和盆地北部の佐紀・盾列古墳群、5世紀の河内平野の古市・百舌鳥古墳群へと移動する。葛城の地に巨大古墳が出現するのは、4世紀末頃からである。古墳からの出土品にも大陸・朝鮮系の品が見られるようになり、大陸との交流が活発化した事が分かる。歴代大王の宮都は纏向周辺にあるため、王権は移動していないとしている。

421年から476年にかけて、10回ほど倭王から中国南朝(宋朝)への朝貢が行われている。ヤマト以外では、葛城は、紀ノ川の交通や沖ノ島を利用した交通を活用して勢力を伸ばしたと考える。

5世紀を通じて農業技術が浸透した結果、古墳文化に変化が生じたとしている。5世紀末には巨大な前方後円墳は姿を消すようなり、村落単位の小さな古墳が大量に作られるようになる。有力な大首長の権力が解体し、村落を基盤とする新勢力が台頭したとしている。

②大和政権
5世紀末から6世紀にかけては畿内を束ねる存在もいなくなったとしている。その結果、情報を集積する権力中枢や交通路の確保のための権力が望まれるようになる。

そうした状況の中、葛城氏の配下から渡来人集団を掌握する形で台頭したのが蘇我氏であるとしている(加藤謙吉氏の研究)。

近江を拠点とする継体天皇が大和政権の起源ではないか。継体天皇は即位後に雄略天皇の孫である手白香皇女と結婚し、欽明天皇を生んだ事になっているが、継体天皇の即位時の年齢は58歳であり、万世一系の論理を実現するために捏造された話ではないか。

欽明天皇は、蘇我稲目の2人の娘との間に18人の子をもうけており、現実には蘇我氏と近い人物だったのではないか。

その次の敏達は、欽明天皇と継体天皇直系の石姫の子であり、蘇我氏と協力して東国支配や開発を行った?

二 馬子以後
600年頃の王権は、継体系息長氏と蘇我氏の協力関係によって成立したと考える。645年の大化改新は、大王位にあった蘇我蝦夷、入鹿に対するクーデターであった可能性。

朝鮮半島情勢の緊迫化によって644年に唐が高句麗征伐を宣言している。朝鮮半島情勢の変化が日本にも影響し、権力集中化が行われた可能性。

第Ⅱ部 天孫降臨の夢
第1章 <天皇制>成立への道
一 皇帝になれなかった大王
日本には征服王朝が存在せず、権力の基盤となる独自の軍事力や財力を持つ皇帝は存在しない。天皇は権威を象徴する存在であり、役人が権力を代行する形式が日本風である。

二 強大な王権の創造
672年の壬申の乱に関する記述。671年に始まる唐と新羅の争いに大友皇子が介入する姿勢が原因であったとしている。671年に来日した唐使 郭務悰に鎧甲、弓矢等を与えた記録。半島情勢に加担したくない豪族達の意向が大海人皇子の挙兵に繋がったという話。

強大な王権は存在せず、豪族達の意志が政治を動かしたとしているけど、この辺りは著者の主観ではないかな。

第2章 藤原不比等のプロジェクト
一 藤原不比等の役割
藤原不比等が天皇制を利用して、藤原氏の権力を確立したという説。

二 プロジェクトX―草壁皇子の擁立
持統天皇の息子である草壁皇子の即位の実現に向けて。685年の天武天皇崩御後も殯が丸二年以上も継続している。王権を正当化する歴史認識を確定していた可能性。

天皇を至高の存在とする根拠を構築する必要がある。689年に草壁皇子は亡くなるが、万葉集の草壁挽歌には、天地開闢等の神話的世界が記述されており、皇子の死を悼むのは後半の一部である。草壁皇子を讃える歌だったはずが、亡くなったために後半部分が追加された可能性。

天皇を神と表現する技法は、この頃から始まった可能性が高い。

三 プロジェクトY―軽皇子の擁立
草壁皇子の遺児 軽皇子の擁立に向けて。697年に軽皇子は文武天皇として即位する。その即位詔にて高天原という言葉が使用される。草壁挽歌では持統天皇を太陽に例えているが、高天原の支配者は太陽である。高天原神話の枠組みが構築されつつある。

四 プロジェクトZ―首皇子の擁立
701年に不比等の娘が首皇子(聖武天皇)を生む。707年に文武天皇は亡くなるが、首皇子は幼いため、元明女帝が中継ぎとして即位する。天武天皇直系の長屋王というライバルがいたため、不改常典を作り出した可能性。天智天皇が立てた法であり、元明女帝の即位を正当化するらしい。

第3章 天孫降臨神話の成立
一 天孫降臨神話への道
藤原不比等が創造した神話は、単純な形式だったはずである。しかし、構想の途中で皇子が死に、中継ぎの女帝が即位したために複雑化した可能性。

二 プロジェクトX・Yの神話
万葉集の草壁挽歌には、高天原も天照も存在せず、草壁の即位は神々の意志とするだけである。天上の支配者として「天照らす日女の命」が登場し、それが持統天皇を指すとしている。

次の文武天皇即位時に高天原が登場し、持統天皇がアマテラスであり、オシホミミ(ニニギの前に降臨を命じられる)が草壁皇子、ニニギが文武皇子という事になる。

ニニギの降臨地 クジフルタケについて。神話によって降臨地が異なる。朝鮮半島の三国遺事所収の伽耶の神話では、伽耶の始祖 首露は亀旨峰(キジホウ)に降臨したとしている。亀旨の音はクジの音と知覚、伽耶の神話が影響した可能性。

日本書紀本文では、吾田長屋笠沙之碕(鹿児島県薩摩半島の野間岬)となっている。隼人神話の舞台であり、神武東征の出発地であるが、隼人の存在が知られるのは682年以後とされており(中村明蔵)、持統朝の時代では隼人神話が未成立だったため、降臨地の相違が発生している?

この段階では、神武東征等の神話は未完成であったとしている。そのため、伽耶の神話から降臨地を拝借した可能性。

三 プロジェクトZの神話
日本神話において、ニニギに降臨を直接命じるのは、タカミムスヒである。タカミムスヒは皇祖とされており、聖武天皇の祖父である藤原不比等の事ではないか?

降臨を司令する神の違いによって、アマテラス系神話とタカミムスヒ系神話の2つを仮定すると以下のようになる。

アマテラス系:
文武天皇の擁立を目指しており、アマテラス = 持統天皇、アシホミミ = 草壁皇子、ニニギ = 文武天皇となる。

タカミムスヒ系:
聖武天皇の擁立を目指しており、アマテラス = 元明天皇、アシホミミ = 文武天皇、ニニギ = 聖武天皇となる。

四 『古事記』の神話
古事記は、文武朝に成立したアマテラス系の神話を基本的に採用しているが、タカミムスヒ系の要素もある。古事記の神話は、アマテラスとタカミムスヒの神話の折衷である。藤原の不比等を欲想わない長屋王の意向で古事記が編纂された可能性。

以下は、古事記の特徴?

①高木神
タカミムスヒの別名として、高木神を創作している。藤原不比等の神名を平凡にする意図?
②ニニギの降臨地
ニニギの降臨地を伽耶神話によって「竺紫日向高千穂久士布流多気」としながら、笠沙の碕に到着させて隼人神話に繋げている。アマテラス系神話への拘り。

強引なアマテラス系神話への誘導は何を意味するのか。

終章 天皇制をめぐって
天皇制は単なる王制ではなく、日本の宗教的風土から出現した体制であるとしている。7世紀末から8世紀にかけて日本神話が成立したと仮定し、日本書紀を学ぶ事で現代に繋がる日本の根本を見直す事が出来る。

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心を上手に透視する方法

読んだ本の感想。

トルステン・ハーフェナー著。2011年8月30日 初版発行。



第1章 世界は、あなたが考える通りにある
注意深く観測する事によって他者の癖、特徴を知る事が出来る。人間の知覚は限定的である。

知覚の実験①:
以下の手順を被験者に実施して貰う。
 手順1 30秒間、周囲を見回す
 手順2 30秒間、周囲に見える青い物を出来るだけ多く見る
 手順3 被験者に、周囲に存在する緑色の物について尋ねる
⇒青い物に意識を集中すると、他の存在に気付かなくなる。
 人間の意識は多くを知覚出来ない

知覚の実験②:
以下の質問を被験者に行う。
「質問された参加者の75.2%が、この質問を最後まで聞いた時、参加者についてのパーセントの正確な値、つまり冒頭で喋った数値を思い出す事が出来ませんでした。あなたは、いかがだったでしょうか?」

⇒経験が蓄積されるに連れて正確な観察をしなくなる。何かを認識すると、即座に経験から得た知識に当て嵌める。個人的なフィルターを通じて独自の世界を作り出す。

知覚の実験③:
文字の序順は我々にっとて、もやはあまり要重でなはいとうい事が明からになった研究を、きっごと存じでしょう。最初と最後の文字のみが確正なばら良いでのす。文字の序順が間違っいてても、私達は験経に基いづて順序を置き換え、単語の正確な味意を頭の中で動自的に思い浮かべる。

人間は、現実を正確に見てない。既知の情報で無自覚的に補完してしまう。人間の視覚器官は1秒に1ギガバイト(書籍にして約50万ページ分の情報)に相当する情報を受け取っている。情報を絞らなければ世界を認識出来ない。

人間が7桁±2の情報までしか同時に気付く事が出来ないのもそのため?多くの情報を与える事は催眠誘導技術として利用可能。

人間は経験に基づいて周囲に対する期待を作り上げ、慣れ親しんだ期待が満たされると想定する。

心理学の実験:
被験者達を2つのグループに分ける。
 グループA 部屋の掃除をすると痩せる効果があると伝える
 グループB 何も伝えない

⇒グループAは掃除をするだけで減量に成功した。
⇒期待に合うように現実が構築されてしまう?
 
[第一印象は外見が作る]
第一印象は外見で決まる。外見には、当人について知る手掛かりがある。外見の細部に注目するべき。どのような服装か、新しい服か、肘はてかてかしているか、肌は滑らかか、手の色、アクセサリー、腕時計、キーホルダー、話し方、ETC。

著者が「首のしみ」から、バイオリンを嗜む人物であると推測した話について。いきなり伝えるのでなく、「芸術に興味を持っている」→「ハーモニーが好きですね」→・・・のように婉曲的に披露する。推測が外れる可能性もある。大まかな推測から伝える事で魅せる事が出来る。

[見方を変えれば世界は変わる]
ポジティブな情報を取捨選択するか、ネガティブな情報を取捨選択するかで世界は異なって感じられるという話。

第2章 「身体」を見れば、「心の内」がわかる
椅子の実験:
椅子を持ち上げる時、背もたれの上部に強く意識を集中する事で、普通に持ち上げるよりも軽く感じる事が出来る。武っちを持ち上げる時に、物体の一番高い個所に意識を集中すると軽く感じる。

他にレモンを齧る想像だけで唾液が湧く話。想う事は身体に影響する。

マインドリーディングの練習:
練習者とパートナーのペアで行う。以下の手順で練習する。
 ①机の上に八種類の物を並べる
 ②パートナーは心中で八種類の物から一つを選ぶ
 ③パートナーが練習者の左手首を強く握る
 ④パートナーは、練習者が右手を八種類の内の何に向かって
  伸ばすのか意識する
 ⑤練習者はテーブルの上に並べた八種類の物の上に
  右手をかざし、左手首のパートナーの感触を感じ取る

⇒手を通して伝わる感触が違うらしい。練習する事で微妙な違いを感じる事が出来るのだとか。パートナーの身体言語に注意し、机の上の物で出来るようになったら部屋の中の物で練習する。

[心が身体に影響を及ぼす]
身体言語や声のトーンと会話の内容を組み合わせる事で発見があるとしている。人間には見落としが多いらしい。

時計の実験:
身に付けている腕時計を目視出来ないように手で覆い、以下を考える。
 ・腕時計に刻まれた数字の種類、配置
 ・分を示す小さな線は記されているか、記されているなら
  何本あるか
 ・腕時計に日付表示はあるか
 ・腕時計に書かれている文字は何か

他に以下の質問。
 ・セブン-イレブンのマークは何色か
 ・千円札の裏側に描かれているのは何か
 ・Googleのロゴは通常では何色か

⇒日々、観測しているはずの事でも記憶から能動的に引き出す事は困難。注意深く観測する事で、様々な発見があるかもしれない。

①「目」は心を映す鏡

以下は、「脳と言葉を上手に使う NLPの教科書」の記事へのリンク。

http://nonono7.blog12.fc2.com/blog-entry-1367.html

「Part② 人の心を開く」に書いてあったアイ・アクセシング・キューについて。目の動きから心を透視する練習について。テレビのインタビューが最適としている。理論通りに動かない人物がいても、何らかの法則を見抜く事は出来るはず。

②「口」は無言で語る
顎の実験:
口を開けて、顎を下げた状態で計算問題を解くと、通常状態より時間がかかる。

姿勢や身体の位置と合わせて、思考状態を推察出来る。ここでパートナーと行うゲームについて記述。

ゲーム1:
パートナーと向かい合って座り、好きな人や嫌いな人の事を思い浮かべて貰う。表情や瞳孔から、誰を思い浮かべているか推測する。

ゲーム2:
ミラーリングというパートナーと同じ姿勢を真似る行為。パートナーと同じ動作をする事で内面を感じ取る。

ゲーム3:
数枚の硬貨を用意し、パートナーに片手に100円玉を握って貰い、もう片方の手で残りの硬貨を握って貰う。パートナに左手に握っている硬貨の合計金額を尋ねる。それから、右手に握っている硬貨の合計金額を尋ねる。この時、計算しているパートナーの様子を観察する。計算が早く終了するのが100円玉のはずである。

③「頭と首」の姿勢
首を傾ける事は、頸動脈を見せる事であり信用のサインである。首を傾げる行為は相手の機嫌をとる身振りであり、気が弱い事の印か、困惑の現れである。

④「肩と腕」のサイン
腕組みや手に腰をあてる行為は威圧や不安を隠す行為?

⑤「手」で世界を掌握する
手の動きには2種類あるとしている。
 ・手を開く
   誠実のサイン
 ・手を握る
   何かを控えておきたいというサイン

他にも様々なサインについて。手を繋いだ時は、優位な側の親指が上に位置するらしい。

⑥「足」は意識の方向を示す手がかり
相手が会話に積極的か否かは足を見る事で判別出来る事がある。頭から遠い身体部位ほどサインが信用出来る。相手の爪先は自分を向いているか。

⑦「身体」の直感の働き
駅のホームやカフェ等で様々タイプの人の思考に入り込む練習をする。次の行動を予測する。当人の立場で考えてみる。表情や目の動き、口の形の変化、特定の瞬間に見られる癖等。

[身体が心に影響を及ぼす]
表情が世界各地で共通の印象を与える事について。表情を作る事で自分の感情を操作出来る。他に自己催眠の方法論等。

第3章 「暗示の力」を使いこなす
[自己暗示の力]
言葉が潜在意識に与える影響について。

[他者による暗示の力]
確実に暗示をかける四つの法則について。
 ①思い込みをうえつける
  信頼している人間の発言は影響力が大きい
 ②確信をもって伝える
 ③相手が無批判に受容するよう言葉を選ぶ
 ④信憑性、現実味を持たせる

[言葉が現実をつくる]
以下の技術。
 ・不安を呼び覚ます
  (絶対に聞くな等)
 ・秘密を打ち明けると伝える
  (誰にも言うなは効果的)

何かを提案する時に質問の形式を使う事も技術である。例:「フライドポテトだけにしますか?それともケチャップも付けますか?」

また、2種類の指示を組み合わせる技術もある。「前に出て来て下さい」よりも「立ちあがって、前に来て下さい」の方が受容され易い。一度に2種類の指示を与えると、どちらを断れば良いのか分からなくなり、両方の指示に従ってしまう。

否定の言葉の使用方法:
「怖がるな」という言葉は強い恐怖心を呼び起こす。「安心して大丈夫だよ」の方が要求が伝わる。否定の言葉は潜在意識に伝わらない。「読むな」と伝えると、否定の言葉がフェードアウトして強い好奇心により読む事になる。否定の言葉は歪曲されて伝わる。

こうした否定の技術を使用する事でネガティブな人間を操作出来る?提案を否定の形式で伝えるのだ。「あなたは、この提案が気に入らないでしょう」、「私にこの役目は相応しくない」、「あなたは今日は、きっと街に出かけたくないでしょう」、etc。

[いかさまを暴く]
バーナム効果について?褒める事や曖昧な言い回し等の、いかさま占い師の技術について。相手が自分をどのように見ているか知る事で、信頼性を強める事が出来る。

第4章 メンタル・トレーニング
イメージトレーニング等について。

自律訓練法:
椅子に座り、筋肉を緩める。自分の体重、足の裏にある床を感じる。目を閉じて腹式で3回の呼吸をする。1回目は「3-3-3」、2回目は「2-2-2」、1回目は「1-1-1」と黙って数える。リラックスしている状態を習得する。

第5章 意識を「今このとき」に集中する
著者が出来なかった事の思い出。やりたい事は72時間以内に取り掛かるべきという思想。

第6章 はかり知れない「可能性」
ノーベル物理学賞を受賞したニールス・ボーアの話。高層ビルの高さを気圧計を使用して算出する方法は沢山ある。

****************

精神的な事について書いてある本なのかと思ったら、オカルト的な内容になっていた。キリスト教的な思想を感じる。

著者の実体験に基づく部分と、著者が本から学んだらしき部分は分ける必要があると感じた。本の中で言及している実験の幾つかには、再現性が無いという報告があった気がする。

実際に確かめないのに、信じてしまうのであれば限定的な知覚の罠に嵌ってしまう。そうなると、堂々巡りになってしまうから、結局は何も考えない方が良いような気がする。

著者の自己向上欲求は良い事のような気がするけれど、自分が同じ事をしようとは思えない。

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エンタメ小説を書きたい人のための黄金パターン100

読んだ本の感想。

榎本秋著。2011年10月31日 第1版第1刷 発行。



以下が著書の会社へのリンク。通信制の添削塾を営んでいるらしい。

http://enomoto-office.com/

第一章:これこそ王道!基本ストーリー
起承転結
物語のパターンの一つ。物語を四つのブロックに分割し、各ブロックをさらに細かく分割(フラクタクル構造)する事で盛り上がりを制御出来る。

起起承転結
物語本編とは繋がらない小さな事件を導入部に付加する。設定をスムーズに説明したり、前置きで飽きさせる事を防ぐ。

ビルドゥングルロマン(成長物語)
成長と人格形成を描く。能力、人格、社会的立場において成長途上にあるキャラクターが出会い、事件、葛藤、発見によって成長する。

もう一人の自分
キャラクターのマイナス面を体現する存在を登場させ、障害として克服させる。自分に勝つ、醜い部分を認める事で成長するストーリー。

マイナスからの復権
過去に失った物を取り返す。主人公への同情を集め、感情移入し易くなるが、物語の雰囲気が重苦しくなりがち。

行きて帰りし物語
キャラクターが自分本来の場所とは異なる場所で経験を積み、成果を携えて帰還する。境界線を越える行為が大切。

信念・信仰の崩壊と再生
信仰や信念は生きるためのバックボーンである。迷わないための狂信は柔軟性を失わせる。主人公の場合、一面的な信念から脱却し、新しい信念を再構築するパターンが成長物語として分かり易い。

群像劇
明確な主人公が存在せず、一つの事件を複数の視点から立体的に描く。幅の広い物語を構築可能。難点はキャラクターが多くなり複雑になり易い事。流れの整理と、何が起きているかについて丁寧な状況描写が必要。

物語のメリハリ
山場(盛り上がる場所)とダレ場(盛り上がらない場所)を意識して書き分ける。テンションを上げ続けると、不自然な構成になる。

ホット・スタート
衝撃的で勢いのあるシーンから始める。設定の説明は後回しにして読者の興味を引く。ダラダラした説明から始めると物語でなく設定資料集になる。

落ちもの
主人公の前に非日常へ導く存在が落ちてくる。読者の願望と合致する部分が大きく、人気がある物語パターン。落ちてくる理由付けを求めるパターンが頻繁に使用される。

どんでん返し
物語の方向性を転換させる工夫。読者が飽きないような意外性。

ハッピーエンド
幸福な結末。幅広い層に受け入れられるが、単調になりがち。

バッドエンド
悲劇的な結末。読者に強い衝撃を与え、印象に残るが予定調和を壊そうとするあまり単調になる事もある。

「嵐の山荘」テーマ
外界から隔絶された環境で事件が起こる。キャラクターの数や舞台の広さ等の要素を限定する事で物語全体を操作し易くする。

恋愛劇
恋愛を主題にするだけでなく、副題として添えるだけでも物語を印象的にする事が出来る。

三角関係
恋愛という主題に波乱を齎す。一対一の関係だけでは出せないキャラクターの掘り下げが出来る。

ハーレム&逆ハーレム
個性的なキャラクターを多数登場させる事が出来る。キャラクターの個性立てに失敗すると書き分けが困難になる。ハーレム要員同士の関係を描く事で物語に深みが出る。

アンチヒーロー
弱いヒーロー、悪いヒーロー、格好悪いヒーロー。読者に身近な存在となる。悪には正義とは違う形の憧れが寄せられる。悪には明確な信念が見える場合がある。

メタフィクション
キャラクターが自らの世界が「作り話」である事を認識する。物語と現実の境界を曖昧にする事で読者の興味を引きつけたり、「物語を作る」というテーマに踏み込んだりする。

第二章:神話・伝説・民話・古典から残る王道
貴種流離譚
高貴なキャラクターが旅をして英雄になったりする。放浪の王子への憧れ。主人公の独自性を示す要素。

復讐譚
復讐や奪還を達成する事で成長や復権を果たしたと表現出来る。人道意識の発達した現代では、憎悪と人道意識の折り合いが大切になる。

変身譚
全く違う存在となって新鮮な体験を望むのは、人間の根源的な欲望。

異類婚姻譚
種族の違いから生じる差異、生まれが違う事から生じる悲恋、主人公のキャラクター付けとして等。

難題婿
幸福な結婚に向けて苦労する。障壁は相手の家族というパターン。感情移入を助ける導入となる。

白馬の王子さま
自分に相応しい誰かが幸福を運んでくれる。思春期的な都合のよい願望。

近親婚
禁忌を破る事で特殊性とインパクトを表現する。

騎士道物語
神への信仰、忠義、弱者を蔑ろにしない名誉。現実には無い理想を物語に求める。

死からの復活
復活した人物は、以前より特別な存在となる。

タブー破り
物語のオチや背景、導入として活用出来る。ファンタジックな空気を出す事が出来る。

エディプス・コンプレックス
父殺し。成長するために乗り越えるべき障壁としての父親。

世界創造神話
スケールの大きい物語を描く事が出来る。価値観に迫るテーマ。

世界終末神話
本当に世界は終わるのか、終わる理由は何か。

予言&未来予知
未来を全て予知すると物語は成立しない。どのように辻褄を合せるか。

股旅物
キャラクターが各地を彷徨い、事件に遭遇し、事件解決後に再び旅立つ。幾つもの場所を巡るタイプはスケールの大きい物語構築出来るが、配分が難しい。

不老不死
物語の道具立てとして便利。浅ましい欲望や気高い心の表現。

力あるアイテム
キャラクターの個性の強化、物語全体の動機付け。

私小説
作者自体の体験や経験を物語の中核にしながら、自らの価値観や人生観を描く。自分が感じた事を物語に活かし、自分の願望やイメージを物語の中で表現する。自分を美化しないように注意する。

第三章:現代1 学生編
学園もの
子供は多くの時間を学校で過ごすため「日常」を演出出来る。思春期の子供が集まって外部から隔離された空間には物語が無数に転がっている。特別な役割等の味付けも出来る。

巨大学園もの
通常よりも巨大で、多くの生徒が通う学校を舞台にする。巨大学校ならではの生活環境、行政や経済を管理する学生、巨大学園設立の理由、etc。

学校内の人間関係トラブル
閉鎖的な環境に存在する未熟な子供達に発生する独特の人間関係。

部活・同好会
キャラクターの個性付けやメイン舞台として。

生徒会・委員会
上記と同じく、キャラクターの個性付けやメイン舞台、イベントの切っ掛けとして。

寮生活
イベントやアクシンデントが多く、物語の舞台として分かり易い。

転校生
日常生活の変化。互いにとって非日常である二つの日常(文化)の対比、融和。田舎と都会、日本と海外、平穏と戦い。

長期休暇
長期休暇は最も身近な非日常。宿題が終わらないネタ。普段会わない人と会う。学校という檻から解放される。卒業から入学、進級等は境目として活用出来る中途半端な時期。

自分探し&居場所探し
自己評価と他社評価の食い違い。自分に相応しい場所と出会う事で、凄い人間になる。社会を知らないが故の無い物ねだり。非日常に都合の良い理想を投影してしまう客観性の無さが思春期の特徴である。思春期特有の視界の狭さで自分を正しく見れないキャラクターが成長する。

幼なじみとの再会
以前と変わった相手と新たな関係を構築する。

友情と恋愛の境界
相互の意識の違いによるイベント発生等。

兄弟/姉妹へのコンプレックス
劣等感から生じる人間関係や人格の歪みの解決等。キャラクターの個性付けや克服して成長に繋げる要素等。

家庭内トラブル
親の不在、不和、離婚等。キャラクターの背景、行動原理として設定。

親の不在
親は子供に干渉し束縛するので、物語を作る上で邪魔になる事がある。ファンタジックな事件に巻き込まれる場合、親の監視や干渉を排除する事がある。逆説的には親の存在はリアルな青春物に活用出来る。

社会との接触
学生特有の偏った見方や甘さ。社会の理屈を受容したり否定する事で成長や共感を形成する。

モラトリアムな日々
成長を猶予された状態であり、脱却するべきものとして描かれる。居心地の良い揺籃の地と仲間との決別。最近は、モラトリアム状態に固執する物語が増加しているとしている。

地方都市の鬱屈
都会へのコンプレックスや、田舎の因縁・拘束。都会へ出る誓いや離れられない事の悟り、etc。

都会の希薄な人間関係
仲間への執着等。

ゲームもの
物語を魅力的にする素材として各種のゲームを活用する。ゲームの説明書になってはならない。

第四章・現代2 職業・プロ編
スポーツもの
小説では視覚的表現が困難であるため限界がある。心理的部分の強調や背景事情の説明等によって、文字説明の利点を生かす事も出来る。

ピカレスク・ロマン
悪党小説。人間の弱さの物語になる。善悪を描く事で現実的な人間を表現する。

ハードボイルド
冷酷、非常なキャラクターや物語、文体を示す。欠点や弱点を抱えるキャラクターが痩せ我慢する。

「素人探偵」もの
別の職業や価値観を持ち込む事で新鮮味を演出出来る。状況を整備して違和感の無いようにする必要がある。

倒叙ミステリー
主人公が事件の犯人として探偵に追われる。普通は主人公にならない立場のキャラクターが主人公になる事で逆転の面白さを出す。

バディもの
相棒とコンビを組む事でキャラクターの個性を際立たせる。性質の違いによる対立や、対照的な人物の比較。相反する個性等。

チームもの
複数のキャラクターの個性を組み合わせて、キャラクターの変化を描く。

デビュー・ストーリー
新人のデビューを描く。世慣れない若さ、他業種の知識、実力不足、人間関係の構築等。

カムバック・ストーリー
復帰したベテラン。技術の進歩に対して経験で対抗する。帰ってきた理由等。

師匠と弟子
キャラクターの強弱や将来、特殊性を表現する。成長や仇討、師匠の前の師匠、弟子が師匠になる等。

天才と凡人
絶対的な才能、周囲の環境や努力による克服、天才の弱点等。

ランクアップ/ダウン
階級を用いてキャラクターやチームの成長を表現する。能力に対して不当に評価されるキャラクター等。

組織の秘密&裏切り
個人で解決出来ない部分の支援。組織の秘密や裏切り等。

第五章:現代3 伝記・SF編
現代の中の魔法
馴染み深い現代社会とファンタジックな魔法を融合する事で、読者の感情移入を誘う。平凡な主人公が魔法に目覚める物語は自己投影し易い。

人知れぬ戦い
非日常と日常を区切る事で違いを際立たせる。知られてはいけない理由等。

崩壊する日常
衝撃的な日常の破壊。主人公だけが非日常を知る。非日常が日常を浸食する等。

セカイ系
主人公と世界を繋ぐ社会については描写せず、主人公達の行動が直接的に世界の変化に繋がる。社会という要素を排除する事で、主人公達の関係性に注目させる。

タイムトラブル
過去や未来を変える。タイムパラドックスへの対処が必要。

「ⅰf」の歴史もの
歴史を変える。整合性を取る。世界の違いを見せるタイミングを考える。冒頭で大きく違った世界を見せるか、徐々に違和感を拡大させるか。

近未来もの
技術の進歩や社会の変化。

アフター・ホロコースト
世界が滅びた後の物語。過酷な環境。露わになる人間性。

パラレルワールド
様々な世界。現実と少しだけ違う世界。歴史上の大きな変化。フィクションと同じ世界。

ユートピア
理想郷を描く。維持するための問題や陰謀等。

ディストピア
絶望が生じる理由。自由を求める提供。過酷な環境でも消えない人間性等。

転生もの
生まれ変わりという設定でキャラクターの特殊性、優秀性を表現出来る。思春期特有の妄想でもあるため、転生のシステム、用語、前世の設定に気を配ったり、主人公の妄想や敵の罠という話にしたりする。

被造物の反乱
創造者の思惑を超える存在。意思を持った事による苦悩の表現等。

秘密を隠した旧家
主人公が戦うべき相手としての要素。

山間の秘村
隔離された場所の面白さ。独特の雰囲気、風俗、習慣の醸成等。

武侠もの
武(優れた武術の腕)と侠(強きを挫き弱きを助ける独自のモラル)を備えた人物。社会常識や法律よりも自分の信条を重視するキャラクター。

第六章:架空世界
剣と魔法のファンタジー
中世欧州風の舞台で剣士や魔法使いが活躍する。

エスニック・ファンタジー
非中世欧州風ファンタジー。和風(刀、妖怪、巫女等)、中華風(微妙な価値観、風俗の違い)、ネイティブ・アメリカン風(シャーマニックな文化)、etc。世界各国の神話、伝説、民話を題材にする。

ヒロイック・ファンタジー
キャラクターの英雄性を物語の主軸にする。戦う理由、活躍の仕方、個性、結末。

エピック・ファンタジー
戦争や歴史を描く。多くのキャラクター達が登場する事でスケールを大きくする。

異世界往還型ファンタジー
現実と異世界を行き来する。感情移入し易く、異世界を自然に説明出来るが、主人公が活躍する理由付けが必要になる。

スペースオペラ
宇宙を舞台にした戦記物や政治闘争等。基本構造は「剣と魔法のファンタジー」と大きくは変わらない。

冒険者の活躍
ファンタジーにおける架空の職業者がトラブルに挑む。主人公の成長や補佐する脇役、師匠等を描く。

迷宮探検
主人公達が迷宮を探検する。障害物を乗り越える、謎めいた空間、過酷な目標を達成する喜び等。

戦記もの
戦争を構成する要素を描く。戦略や戦術、兵器、集団の激突、政治経済や世界情勢の描写。丁寧な調査が必要であり、醜い部分の表現に注意。描く内容、描かない内容を慎重に取捨選択する必要がある。

世界の危機
文明や空間の危機。様々な要素を巻き込んで大きな物語を構築出来る。世界の成り立ちや仕組みについての説明。

異種族間紛争
現実を映し出す鏡としての舞台。表面的な融和や差別、搾取、思想や宗教の違い等。

怪物との交流/和解
怪物側の事情の説明や和解に至るまでの困難を描く。

夢世界
夢を別世界への入り口とする。夢に入り戦ったり、精神的な問題を解決する。

電脳世界
コンピューターによって実現する電脳仮想世界。

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歴史観の変化

以下、上手く書けない事。

歴史系の本を読んでいると、歴史の捉え方が変化しつつあるような気がする。

太古の歴史というのは、長老達の口伝によって伝えられ、神々や妖怪、超常現象が頻繁に発生する事象として扱われたような気がする。何故、海や山、川や空が存在するのか?季節が巡る理由は何か?王が王である理由。世界を説明する物語としての歴史。

中世や近代に至ると文書等の文字情報による歴史観が誕生するようになる?英雄や悪漢達が事件を引き起こし、特定人物による特定事象によって現在まで引き継がれる構造が形作られていく。

歴史は客観的な一つの事実を解明する試みであり、資料や遺物を解析する事によって誰もが同意する真実に辿りつけると考える?

文字情報で辿る事が出来るのは、どんなに頑張っても数千年程度であり、人類史の大部分を説明する事は出来ない。神話的な物語で無くとも、国家という人造物を説明する物語でしかない。社会的な要請によって、歴史物語は構成されるのだと思う。国家を説明する物語としての歴史。

現代は、文字情報の不正確さが鮮明になっていく過程なのだと思う。歴史は作り出す事が出来る。現存する文書や遺跡は実際に行われた事の一部であり、恣意的な思惑によって歪められているかもしれない。

DNA等を解析する事によって得られる遺伝的情報、海底の堆積物や氷河の形成過程等を分析する事によって得られる古代の気象情報、それらを数学的にモデル化する技術、etc。

現在の社会が構築しつつある技法は網羅的であり、恣意的な思惑を排除するかもしれない。そうした歴史観に英雄や悪漢、事件は必要無い。

数千年、数万年の流れを緩やかに説明する新しい歴史物語が誕生する。現在を説明するために「個人」は必要とされなくなる。

さらに異なる展望がある。特にインターネット上の仮想空間では、事実は作り出す事が出来るという認識が広まりつつある。多くの人間が事実と認識する事象が事実である。論理的な矛盾や物証の有無は問われない。幾度も同じ主張を繰り返す事によって願望を事実に置き換える事が出来る。

最初から事実は存在しないかもしれない。強く想う事が解釈に影響する。そうした観念が拡散していると感じる。

それが人間達の思考パターンに及ぼす影響を知りたい。

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