ユーザーイリュージョン

意識という幻想
人間は自分の脳内で発生している事象を理解不能であると書かれた本。
「喜び」、「怒り」、「憎しみ」、現実にはこれらの感情は存在しない。脳内で発生している現象に、名前をつけているだけであり、それは現実を的確に表現している訳ではない。例としてPCの画面上にはフォルダ、ゴミ箱などが記述され操作可能であるが現実には0と1の計算結果が存在するだけである。人間が意識的に自分の行動を制御している事は錯覚である。自意識の時代が一刻も早く終了する事を願う。
第一部 計算
以降の章を理解するための予備知識が紹介されている。エントロピー、
マックスウェルの悪魔、アルゴリズム、etc。人間機械論を受け入れるための下準備。
第二部 コミュニケーション
人間は自分が知覚していると意識している以上に多くを知覚・思考している。
重要な概念:外情報 = コミュニケーションにおいて意図的に削除
            された情報。メッセージの情報量からは
            外情報を推測不可能。全体の文脈の中に
            おいて推測可能。これを使用する事により
            メッセージ外にある膨大な情報を示唆する
            事が可能となる。 
外情報を使用するためには、コミュニケーション相手の保有する情報を推測し、正しい連想を引き起こすようメッセージを発する必要がある。送信手は伝えたい経験・感情・記憶を要約し圧縮する。受信手は伝わった情報を展開し、より大きな情報とする。
=アスペルガーのコミュニケーション不全の原因?
 (概念を作成すると情報が捨象される。細部に集中すると
  要約は出来ない。)
さらに重要な示唆としてコミュニケーション時には話言葉以外の要素が大きな役割を果たしている。会話の情報量はそれほど少ない。(例:サブリミナル広告)それほど、情報量が少ない場合、本当に他人との間に相互理解は可能なのだろうか。私にとっての「青」が他人にとっての「青」とは限らない。言語によって伝達できる情報には限られた容量しかない。
第三部 意識
1.ある実験。自発的な行動の前に神経内の電位は行動を先取りする。
用語説明
準備電位:人が体を動かす前に脳が示す反応。動作の準備が行われてる
     事を示す電位変化。
【実験内容】
実験の対象となる被験者に気が向いた時に指を曲げるか、手を動かす等の簡単な動作を行うよう指示する。実験者は、その過程で起きる事を計測するため、以下の3つを記録する。
①手の電気活動 : 手が動いた時点
②脳の電気活動 : 準備電位が現れた時点
③被験者の報告 : 被験者が動作の実行を決意した時点
【実験結果】
被験者が動作の実行を決意する以前に脳は行動の準備を開始
している。
【実験からの考察】
人間は自分の決定を制御不可能。決定をしているのが自分であるという
錯覚があるだけ。
2.さらなる実験。意識は何時知覚するのか。
【実験内容】
同一の被験者に対し同時に以下の2つの刺激を与える。
①頭蓋骨を外し、脳の感覚皮質領域に刺激を与える。
②被験者の皮膚に直接刺激を与える。
【実験結果】
同時に刺激を与えたにも関わらず、②の方が早く知覚される。
【実験からの考察】
皮膚からの刺激は錯覚である。意識が生じる前に主観的に時間が
繰り上げられている。人間が外界を知覚するまでには時間がかかるが
人間はリアルタイムで世界を知覚しているよう錯覚している。
【さらなる考察】
自由意思は無意識が提供する選択肢の中から選りすぐる事。処分された情報。意識とは禁止権限なのか。意識には行為が発動するまでに行為を禁止する時間があるかもしれない。では不快な時にしか自由意思は無いのか?
第四部 平静
何かガイア理論とか、社会的な概念とかの記述。
いわく、人間の文明(テクノロジー)は物事の繰り返しや予測を可能にする。それは計画経済に行きつく。計画経済には人間が自己の欲求を意識的に明確化しそれを中央機関が感知する事が必要となる。故に共産主義が破綻した事は、意識に基づく情報選択は過剰に情報を捨てる事を示している。同じように情報社会も情報欠如を招くのではないか。コンピュータ画面上の情報から意味を読み取るためには膨大な外情報を必要とされる。意識の文化・文明が進行した結果、情報の不足が問題となる。人間は意識以外でも多くの情報を必要としている。
おまけ
著者の他の作品
「存在しない場所」、「先行して」
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市場の倫理 統治の倫理

発展するための倫理、安定させるための倫理について書いた本。
市場の倫理          統治の倫理 
 ①暴力を締め出せ      ①勇敢であれ
 ②自発的に合意せよ     ②位階尊重 
 ③正直たれ         ③目的のために欺け
 ④異物を取り込め      ④排他的であれ
 ⑤競争せよ         ⑤復讐せよ
 ⑥契約尊重         ⑥取引を避けよ
 ⑦創意工夫         ⑦伝統堅持
 ⑧新奇・発明        ⑧忠実たれ 
 ⑨効率を高めよ       ⑨剛毅たれ       
 ⑩快適と便利さの向上    ⑩名誉を尊べ
 ⑪目的のために異説を唱えよ ⑪規律遵守 
 ⑫生産目的に投資せよ    ⑫見栄を張れ
 ⑬勤勉たれ         ⑬余暇を豊かに使え
 ⑭節倹たれ         ⑭気前よく施せ
 ⑮楽観せよ         ⑮運命甘受

これらの道徳律はシンドローム(一緒に動くもの)である。勇敢であるためには暴力を締め出す事は出来ない。
一方は日常の必要に応え、一方は腐敗や外敵と戦う。
取引を避ける事は裏切りを避ける事、変化を忌避する事は支配者の圧政を防ぐ。
革命政府が権力奪取後に残酷になるのは統治の倫理が無いからではないか?
豊かになるためには変化が必要。共同体内での犯罪を防ぐには安定が必要。
相反していて、1人の人間が2つの道徳を同時に保有する事は出来ない。
混合道徳は好みで道徳を選ぶ事が出来るため機能的混乱を引き起こす。
どのような時に誠実であり、どのような時に忠実であればよいのか。
人間は柔軟に出来ていない。全ての視点から正しく見える事は不可能だ。

父の対話

昨日、父とアスペルガーについて話した。アスペルガーの本を読んだ感想を聞いた。
理解して欲しかった。
父:本を読んだけど、あれじゃ、誰でもアスペルガーという事に
  なるね。俺もあれ読んでて自分もそうなんじゃないかと思った。
N:俺も自分がアスペルガーだと思う。3/9に病院の精神科に検診を
  受けに行く。
父:病院の検診なんて時間がかかるだけであてにならないよ。
  だいたい、この本に書いてある通りだと誰もがアスペルガー
  という事になって信用出来ないじゃないか。
  これは子供の時の事だけで治るんだ。本にもそう書いてある。
N:書いてないよ。治ることはないんだ。目がみえない。耳が
  聞こえない。それと同じで出来ない前提で対応を考えるしか
  ないんだ。治らないけど対応する事はできる。
父:治ると書いているじゃないか。アスペルガーとういのは自分に
  問題があると気がついていない人なんだ。本人に問題があると
  教えてあげれば修正されるんだ。
  人の立場になって考えると意識すれば外国語がだんだん話せるよう
  になるのと同じでだんだん出来るようになるんだ。
N:出来なかった。30年間やってきたけど出来なかったんだ。
父:それはやろうという努力をしなかったからだ。
N:俺が子供の頃、子供劇場につれていったね。
父:ああそうだ。お前が喜ぶからな。
N:俺は劇場が大嫌いだった。でも行きたくないと言っても聞き入れて
  くれなかった。
  「お前はいつも行く前は嫌がるが行くと楽しそうになる。」
  いつもそう言い張ってキャンプ、劇、バーベキューを強要された。
父:お前は喜んでいたんだ。4年前、キャンプに行った時にお前は
  行く前は嫌がっていたが、行くと、たまにはキャンプは楽しいと
  言い、はしゃいでいた。俺はそれを映像で記憶している。
  他の兄妹にも聞いてみればいい。これは客観的な事実だ。
N:それじゃ、どうして今ここで俺は嫌だったと言っているんだ。
  あんたは俺と同じアスペルガーだ。他人が嫌がっているという感情
  を感知できない。共感できない。
  全てを論理で解釈しようとしている。論理なんていい加減だ。
  自分に都合の良い論理を作っているだけだ。現実に俺は
  嫌がっている。それなのに、  あなたにはそれが理解出来ない。
  俺自身もそうなんだ。周囲の人間が何を考えているのか理解でき
  ない。自分がどう見えるのか理解できない。目が見えない、耳が
  聞こえない状態でいるのと同じだ。何が起こるのか解らない。
父:アスペルガーなんてとても珍しい人だよ。ともかく、お前は
  キャンプが大好きなんだ。

それから、父は妹を探しに行った。俺がキャンプではしゃいでいた
という証言を聞くために。

理解して欲しかった。毎日がつらい事を。生きている事が苦痛だ。
周囲の人間が恐ろしい。怖い、怖い、怖い。
  


 
  
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