概念化形成能力

7月に作成した「アスペルガー者の部下に対処する方法」に関するレポートが心理カウンセラーに好評だった。

来週には、「アスペルガー者の生活の組み立て方」に関するレポートを見せる事になったが、自信が無い。結論は、数年間は我慢して貯金して、その後はバイトや運用で引き籠りながら暮らす事だからだ。

その際に周囲を説得する方法が無い。実体験から考えると、家族だけでなく、辞めさせたがっているはずの会社の上司や同僚でさえ、ニート的な生き方に抵抗を見せる。

本人が怠けているから、甘えているから、という解釈には根深いものがある。7月にレポートを作成した時のブログでの反応を思い出しても、「厳しくする」、或いは「自己を客観視させる」という解決策に逃げる人間が多いと感じる。その解決策が上手くいかない事は、鏡に映った自分自身の醜い顔を見るだけで証明出来るはずなのに、人は鏡を見る事が出来ない。

そして僕にしても自己を客観視する事なんて出来ない。常に間違っているはずだし、何が間違っているのか知る事は無い。自分が醜いと知っていても、それは知識や類推によるもので、実知識として応用する事は出来ない。

『デキる部下だと期待したのに、なぜいつも裏切られるのか?』という本を読んだが、この本の中でも同種の問題があると思う。



P113~115の間で、概念化形成能力に欠ける人達の話が出てくる。この話はアスペルガー者の問題であると思う。

問題1:
やり方が決まっている事や、言われた事をそのままにしか出来ないんです。

⇒やり方や言われた事を、覚える事と思い出す事しか出来ないのだと思います。そこから少し離れてしまうと、やり方や言われた事を繋ぎ合わせて、教わっていない事を新たにイメージ出来ないのです。

問題2:
仕事に優先順位を付けられないので、仕事が溜まってしまいます。

⇒仕事の意味が解らないので、仕事の軽重が判らない。全ての仕事が同じ重さを持ってしまうと、来た仕事から順番に全てをこなすしかなくなります。

問題3:
やたら細かいどうでも良いような事ばかりに拘るんです。

⇒一つの大きな問題の中に含まれる数々の情報を関連付けられずに、ばらばらと眺めるだけなので、その問題の全体像が見えないのでしょう。全体観が欠如すると、目に入った情報が全体の中で核心に近いのか遠いのかを判断出来ません。

問題4:
経験や知識を振りかざしてばかりで言っている事に説得力がありません。

⇒頭の中に蓄えられた経験や知識をそのまま持ち出す、いわゆる経験依存というやつです。その場で新しい考え方を生み出す事が苦手な人に良く見られる行動です。過去のものをそのまま持って来るのですから、今現在の背景や状況にマッチし難いのは当然です。

問題5:
経験の無い事をやらせようとすると、目が泳いで何も出来なくなるんです。

⇒思考する事を避ける人の一番苦手なものが未知の領域です。自分の力で新しい概念を生み出す事が出来ない人が唯一頼れるものは、経験や知識など過去に仕入れた具体的な情報です。それを奪われると、手も足も出なくなってしまうんです。

問題6:
いくら力を入れて語っても、本当に言いたい事を解ってもらえない。

⇒本当に言いたい事というのは、一言では伝え難いものです。だから解って欲しいと願いながら様々な表現を試みます。概念化形成能力に欠ける人は情報への個別反応しか出来ないので、相手から出てきた複数の情報を一切統合せず、その中の一つだけを選んでしまいます。

問題7:
人の言葉に間髪入れずに返してくる。「溜め」がありません。

⇒相手が言いたい事でなく、相手の言葉尻に反応するのも、概念化形成能力不足の人にありがちです。相手が放った一言だけをいただいて満足してしまうので、非言語情報も含めたその他の情報を使って思考を始める意識は生まれません。思考に必要な「間」も生まれません。

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上記の洞察は深いと思う。しかし、対処方法には疑問がある。本の著者は、概念化形成能力の無い原因を、当人が思考の統合を面倒臭がっているからだと解釈している。

よって、対処方法は以下のようになっている。

①考えるしかない状況に追い込む
②ステップアップの速度をはやめる
③放っておかない
④頼れるものをなくす

要するに、怠けているのが悪い、或いは甘えているのが悪い。だから当人を追い込むべきだという事か?

多分、上手くいかない。

ポイントは、相手に合わせる、相手を育てようとしない、自らが楽をする事を考える、という事であると思う。

本のP62?近辺に、概念化形成能力の有る人間と無い人間の対比がある。うろ覚えだが、以下のような内容だった。

それぞれが、新人に業務内容を指示する場合、

概念化形成能力の無い人間
「俺がいない時は電話応対をしてくれ、相手の名前、会社名、用件をメモしておくように。顧客に納期や発送日をメールで連絡する時もあるから、その時は指示するよ。俺のいない時にメーカーさんがやって来たら代わりに応対してくれ。海外からバイヤーが来たら、空港まで応対やアテンドをしてもらう事もあるよ」

概念化形成能力の有る人間
「私のアシスタントとして顧客のフォローをしてもらいます。顧客や取引先から見たら、新人だろうと関係が無いので、責任のある応対をお願いします。様子を見ながら仕事を任せていくので、二、三カ月したら担当する顧客を持つと思います。さて具体的な仕事内容ですが・・・・・」

本の中では、概念化形成能力の有る人間を評価し、そのように指示を出さないと、自分の責任範囲や方向性を把握出来ないので、暗闇の中にいるようになるとしている。それは正しいが間違っている。

それが正しいのは、指示を出される側が「概念化形成能力の有る人間」である場合だけだ。「概念化形成能力の無い人間」に指示を出す場合は、具体的に指示を出さなくてはならない。

つまり、彼(彼女)が考えなくとも良い状況を作り出し、ステップアップの速度を相手に合わせ、放っておいても良いように工夫し、業務マニュアル等の頼れるものを作成するのだ。

相手を変えようとするのでなく、使いどころを考える。そして、自らの部署内に居場所が無いと判断した場合、積極的に人事と意見交換をして配置転換を考える。当人と相談しながら転職を後押しするのも良いのでは?

発達障害者である場合、病院や外部の専門機関との連携も重要だ。いかにして辞めさせるかを考える人が多いと思うけど、本人の意識改革ではなく、当人と相談しながら、専門家を交えてどのように生きていくかを決めていくべきなのだと思う。

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と書いているが、僕自身が会社にしがみついているいる。どのように生きていくかを考えるのは難しい。組織の中で生きていく事は、僕にとって難しい。

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