スローターハウス5

読んだ本の感想。

カート・ヴォネガット・ジュニア著。1978年12月31日 発行。



良く分からない話だった。

以下は、Wikipediaの『スローターハウス5』の記事へのリンク。

https://ja.wikipedia.org/wiki/スローターハウス5

自らが従軍した第二次世界大戦欧州方面の伝記を書こうとするビリー・ピルグリムが主人公。

1967年にトラルファマドール星人に拉致され、彼等と同じように過去、現在、未来を感知出来るよう改造される。トラルファマドール星人は、宇宙が終了する時限と理由を知っており、粛々と終わりを受け止めている。

未来は過去と同じように、変える事の出来ない必然となる。

P86:
神よ願わくばわたしに
変えることのできない物事を
受けいれる落ち着きと
変えることのできる物事を
変える勇気と
その違いを見分ける知恵とを
さずけたまえ

ビリー・ピルグリムが変えることのできないもののなかには、過去と、現在と、そして未来がある

本作は著者の以下の作品とリンクしているらしい。

①プレイヤー・ピアノ
自動化された未来社会の革命の挫折を描く。

②タイタンの妖女
宇宙の真理が一つになる時間等曲率漏斗に飛び込み、全知の存在となった男ラムファードに操られたコンフォードが、火星、水星、タイタン(土星の衛星)へと旅を続け、人類がトラルファマドール星人に操られていた事を知る。

③猫屋敷のカナリヤ
ナチス・ドイツ宣伝省で出世し、終戦後にイスラエル政府に捕らえられたハワード・W・キャンベル・ジュニアの話。ナチスの同調者ではなく芸術家。

④猫のゆりかご
新興宗教ボコノン教と世界の破滅の話。フリーランスの作家が、『世界が終末をむかえた日』(広島原爆投下日に米国の重要人物が何をしていたかを記録したノンフィクション)を書こうとした時に世界が終末を向かえる。

⑤ローズウォーターさん、あなたに神のお恵みを
アルコール中毒の大富豪エリオット・ロースウォーターが周囲の人間に無償の愛を与えようとするが、それは狂気の行為だった。SF作家キルゴア・トラウトが登場。

*****************

『酔歩する男』(小林泰三)は、本作を参考にしたらしい。

以下は、「やる夫は酔歩する男のようです」へのリンク。

https://rss.r401.net/yaruo/site_list/archive_list/3192

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ゼロからトースターを作ってみた

読んだ本の感想。

トーマス・トウェイツ著。2012年9月19日 初版第1刷発行。



以下は、著者の公式ホームページへのリンク。

http://www.thomasthwaites.com/

著者が原材料からトースターを作ろうとするが、作れていない。

第1章 解体
2008年頃の話。

著者は、約15万円、九ヶ月を費やして原材料からトースターを作る事にする。

手始めにトースターを分解して、十七種類の金属、十八種類のプラスチック、二種類の鉱物(マイカ、タルカム・パウダー)等である事を知る。

著者のイメージとして、文明が荒廃した後の世界で一から電動器具を作れるようになりたいらしい。

第2章 鉄
南ウェールズのクリアーウェル鉱山で鉄鉱石を譲ってもらう。40kgの鉄鉱石に約40%の鉄分が含まれている。

以下は、製鉄における著者の誤り。

①コークス
燃料に木炭でなくコークス(熱処理した石炭)を使用した。コークスには不純物(サルファー、亜リン酸等)が残留し、鉄が不純物を吸収してしまう。そのため、コークスで作られた鉄は割れ易い銑鉄と呼ばれる。

銑鉄から不純物を取り除くための工程は高度過ぎて実施出来なかった。

②難易度
製鉄は困難。鉄原子と酸素原子の親和性は高く、摂氏1200度までの温度上昇と、酸素を鉄から引き剥がすための結合先(一酸化炭素等)を用意しなくてはならない。

酸素量が不足している空間で、炭素を含む物質を大量に燃焼させると、二つの酸素元素を捕まえられない一酸化炭素が出来る。

溶鉱炉を熱するには大量の酸素を送り込む必要があるが、それは一酸化炭素の減少を意味する。

<電子レンジ>
著者は原始的製鉄を諦めて、電子レンジで銑鉄を温めて鋼鉄を作る事にする。セラミック・ウールを電子レンジの内側に敷き詰めて鋼鉄を作った。

この時点で、現代文明に頼らずにトースターを作る試みは失敗している。

第3章 マイカ
断熱材、絶縁体として使用するマイカの調達。

スコットランドのノイダート半島にて、マイカを調達。

第4章 プラスチック
プラスチックを作ろうとするが、失敗したため、古いプラスチックをサラダ油で湯煎して溶かし、型に嵌めてトースターケースにした。

石油からプラスチックを作るには、原油を蒸留して、プロピレンを抽出する。著者は原油採掘を行うBP社に協力を求めるが拒否され、じゃが芋の澱粉に酢とグリセリンを混ぜて煮込んだバイオプラスチックを作ろうとして失敗する。

第5章 銅
ウェールズのパレース・マウンテンに行き、銅採掘場の外に溜まった水を電気分解し、電極に付着した銅を取り出して成形した。

採掘場の外にある水に含まれる銅の割合は0.0002%程度で、必要な銅を入手するには56ℓほどの水が必要だったらしい。

第6章 ニッケル
ニッケルによる環境破壊の話が入る。

ロシアのノリリスクに存在する巨大ニッケル鉱床では1930年代から鉱山開発が行われるが、溶錬施設から5㎞の範囲内は二酸化硫黄の噴煙が原因で植物が育たない。

ニッケル確保が困難である事を知った著者は、カナダ造幣局が2000年に発行したニッケル記念硬貨を溶かしてニッケルワイヤを作る。

第7章 組み立て
著者は、何とかトースターらしい物を組み立てるが、実際にパンを焼いてみると回路が壊れ、僅かにパンを温めただけで終わる。

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アーロン収容所

読んだ本の感想。

会田雄次著。1962年11月15日初版。



第二次世界大戦後のビルマで英軍捕虜になった著者の記録。各民族の文化的特徴を中心に記述される。

〇英国人
多くの家畜を飼育する伝統からか、捕虜を家畜のように扱う。少数の動物を飼育する場合は愛情の交換があるが、多数の場合は不可能。女性兵士は、日本捕虜の前で普通に着替えをしたらしい。

P62:
日本軍に支給している米は、当ビルマにおいて、家畜飼料として使用し、なんら害なきものである

また、階級章が無ければ士官と兵を区別出来ない日本と違い、士官と兵は体格が違う。士官の大部分は身長180㎝以上あり、軍隊ではもとの社会的地位に相応しい階級に位置するため、著者のように京都大学を卒業した兵卒はあり得ない。

それは社会秩序の反映で、英国士官は市民革命を遂行した市民の後裔である。

〇グルカ兵(ネパールの土民兵)
英軍歩兵の主力。勇敢で規律正しいが、女好き。

〇インド兵
公的な交渉以外に英国兵と話をしない。英国兵をイングリと呼んで恐れるため、著者達もインド兵を侮るようになっていく。ビルマ人と仲が悪い。

純アーリアン系で背の高いシーク教徒達は低身長の日本兵に人種的違和感を持つようだが、マドラス付近の兵は低身長と皮膚の色で日本兵に親近感を持つようだ。

P151~P152:
インドの民話集がのっているのを読んでいると、つぎのようなのが見つかった
(中略)
一番目の悪い子は何になったのだろうか
(中略)
一番目の子は太陽になったのです。炎熱と破壊と飢えをもたらす太陽になったのです
(中略)
インド人の心はまず自然を憎むこと。それからの脱却を出発点として成長する。日本人の心は自然崇拝と自然への帰依に終結する。ヨーロッパ人は自然と友人となり、ときには自然を支配しようとする方向に発展する

〇ビルマ人
仏教的な諸行無常、諦観。生活の中で家畜屠殺があるため、日本人から見て残忍と思える時もあるとする。

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そして誰もいなくなる

読んだ本の感想。

今邑彩著。1996年11月18日 初版発行。

以下、ネタバレ含む。



携帯電話が普及する前の話。

女子高等学校の天川学園の開港百年記念を祝う七夕祭にて、演劇部による『そして誰もいなくなった』が上演され、以降、学園の生徒達が死んでいく。

①西田エリカ
演劇中に、青酸カリ入りの飲料水を飲まされて死ぬ。『そして誰もいなくなった』では、アンソニーマーストンを担当。

②松本晴美
A大学助教授 松本憲一朗の娘。深夜の公園で大量の睡眠薬を飲んで死ぬ。『そして誰もいなくなった』では、ロジャース夫人を担当。

③佐久間みさ
自宅近くの雑木林で後頭部を鈍器で殴られて死ぬ。自宅は薬局を営み、実兄の佐久間宏は、M大学の学生で、松本晴美と交際していた。『そして誰もいなくなった』では、マカーサー退役将軍を担当。

④川井利恵
演劇部部室に呼び出され、手斧で殺される。『そして誰もいなくなった』では、ロジャースを担当。

⑤浅岡和子
自宅で青酸カリ溶液を注射されて死ぬ。現場には蜜蜂が放されていた。『そして誰もいなくなった』では、エミリー・ブレントを担当。

⑥向坂典子
天川学園演劇部顧問。琢磨光代が骨折したため、『そして誰もいなくなった』ではアームストロング医師を代役で担当。

事件の発端を松本晴美による狂言と推理。自分が端役である事が気に入らず、嫌がらせのために青酸カリを仕込んだ。匂いのする青酸カリを川井利恵が本当に飲むとは思わなかった。

松本晴美は、父 松本憲一郎に相談後、睡眠薬を大量に飲み過ぎて死ぬ。死の原因を追究される事を怖れた松本憲一郎は、他殺を偽装するために公園に遺体を移動させた。

その後、松本憲一郎は、青酸カリを調達する係だった佐久間みさを口封じのために殺害する。

向坂典子は、松本憲一郎と愛人関係にあり、真相を推理した江島小雪を殺害しようとするも、自分が殺される。

向坂典子は、松本憲一郎の容疑を晴らすために、松本憲一郎のアリバイがある時間に川井利恵を殺害。松本憲一郎は、浅岡和子を殺害し、現場に数学教師 高城康之の煙草を残す等して罪を被せるつもりだった。

P330:
もう女には支配されない。もう二度と誰にもだ。女なんか必要なときだけいればいい。もがく典子の顔が一瞬、若い頃の母の顔に重なった

⑦松本憲一郎
高城康之を向坂典子殺害現場の別荘に誘き寄せて犯人に仕立て上げるはずだったが、予想より早く高城康之が到着。江島小雪も殺しきれなかった。

警察から逃げる途中で、熊谷運送の大型トラックに轢かれて死ぬ。

⑧皆川宗一
大塚署の刑事。四年前に、家出した娘 夕美に売春をさせていたバーのマスターを殺害。現場を江島小雪に目撃され、脅迫されていた。

そのため、事件の真相に早くから気付きながらも、江島小雪(『そして誰もいなくなった』ではウォーグレイヴ元判事を担当)が殺される事を期待して松本憲一郎達を見逃していた。

皆川宗一は自殺し、江島小雪は九月から父のいるニューヨークに行く。

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隠れアスペルガーという才能

読んだ本の感想。

吉濱ツトム著。2016年1月20日 初版第一刷発行。



『自閉症スペクトラム入門』にて確実な治療法と結論付けられていないグルタン除去等が提唱されている。

以下は、『自閉症スペクトラム入門』への記事へのリンク。

http://nonono7.blog12.fc2.com/blog-entry-835.html

アスペルガー的特質を、セロトニン(精神バランスを整える)産出システムの破たんと定義付ける。

前頭葉に血流不全があると、大脳辺縁系の扁桃核が暴走し、ストレスホルモンであるコルチゾールが分泌される。コルチゾールが過剰になると血糖値を管理困難になり、睡眠のリズムが乱れて早く目覚めてしまう。

①食事療法
炭水化物や砂糖等の糖類を制限し、蛋白質と脂質をエネルギー源とする。糖質の過剰摂取は、セロトニンシステムの機能不全を引き起こすとする。

特に小麦粉に含まれるグルテンは、腸内でカンジダ菌やクロストリジウム・ディフィシル等を増殖させて、腸内で産出されるセロトニンを減少させるとする。

②サプリメント
ビタミンB群、亜鉛、アメガ3、蛋白質等を摂取する。医療機関との相談。

③消化力向上
免疫が弱く、感染症にかかり易い場合、ピロリ菌によって消化力が弱く、ローカーボの効果が発揮されない。ビタミンA、ビフィズス菌、酢の摂取等。

④体癖矯正
立ち方:
肩甲骨を軽く前に滑らせ、胸を少し落とす。膝頭を正面に向ける。腰を反らし過ぎない。臍下3㎝の位置に力を入れる。

歩き方:
肩を反らし過ぎない。腕を後ろに振る。脹脛の筋肉で脚を前に進める(足を蹴り出す)。

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