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食糧の帝国

読んだ本の感想。

エヴァン・D・G・フレイザー/アンドリュー・リマス著。
2013年2月25日 第1版第1刷発行。



土地の酷使によって文明が崩壊するという主張と、十六世紀末から十七世紀にかけて世界を旅したフランチェスコ・カルレッティ(1573年頃~1636年)の記録によって世界中の食文化を語る。

食糧供給は肥沃な大地と温暖な気候という不安定な基礎の上に立ち、特定農作物に特化する事で変化への対応力を減らす。

<古代ローマの食事>
古代ローマでは大麦が良く食べられた。他の穀物より生長が早く、春は60日~70日、冬でも180日で実る。小麦は重量単位あたりで10%ほど大麦より栄養価が高いが、大麦栽培よりも豊かな土壌が必要である。

麦では摂取出来ない栄養のために、オリーブ油と魚が供された。一人あたり年間約19ℓ~23ℓのオリーブ油が消費され、必須脂肪酸やビタミンE,Aを供給した。オリーブ油96gで1000㎉ほどになる(同量のワインの約18倍)。

魚は燻製や、魚醬(魚を海水に漬け込んで発酵させたもの)となり、蛋白質等の供給源となった。

<穀物について>
古代文明は概ね穀物栽培によって成立している。穀類は炭水化物を多く含み、他の作物よりも輸送や貯蔵が容易という利点があった。穀物栽培には規律と管理が必要で、組織運営を必要とした。

特に栽培化された穀物には大量の水が必要であったため、古代帝国は灌漑管理を主な業務としている。

穀物の多くは微量栄養素に欠けており、鉄分に欠ける小麦や蛋白源にならない米によって、狩猟採集時代よりも一般人の食生活の質は低下した。





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